RK-3はきだめスタジオブログ

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ガンバ大阪歴代シーズン、1試合平均最少失点シーズンランキング(トップ5はシーズン解説付き)

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長袖必須の季節に突入してきましたね。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、今年ではクラブ創立30周年を迎えました。

 

↑30周年にちなんだ企画のブログを色々更新しているので是非。

 

という訳で現在、当ブログでは以下の3回に渡ってガンバ大阪の歴代シーズンの統計記録を基にシーズンを振り返る企画を行なっております。

 

①最も1試合平均得点が多かったシーズントップ5

②最も1試合平均失点が少なかったシーズントップ5

③最も勝点が多かったシーズントップ5

 

 

 

前回が第1回という事で、1試合平均得点が最も多かったシーズンは?という観点でやってまいりました。そうなると第2回は当然、1試合平均失点が最も少なかった年は?という回でございます。

西野朗監督時代のイメージから「攻撃的」なイメージがあるチームですが、実は西野監督時代から代表メンバーはどちらかといえば守備者の方が多かった、みたいな側面もあるんですよね。それでは見ていきましょう。

 

尚、ランキングはシーズン毎に試合数も違うので「1試合平均」の得点数・失点数・勝点数で割り出しています。また、J2に所属していた2013年と、現在進行中である2021年に関しては除外したランキングとなっています。

 

オリジナルアルバムの配信も開始したのでそちらも観てね

 

 

ガンバ大阪歴代最多得点シーズントップ5】

 

第5位

ガンバ大阪2017

1試合平均失点1.21/総失点41

 

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監督:長谷川健太(2017)

J1順位:10位

J1成績:勝点43(11勝10分13敗、得点48失点41得失点差+7)

先発GK:東口順昭(33試合)、藤ヶ谷陽介(1試合)

 

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長谷川監督体制のラストシーズン。遠藤保仁をアンカー、左右のボランチ井手口陽介今野泰幸を配置した4-3-1-2は可能性を感じさせたが、今野の負傷離脱でその計画は頓挫を余儀なくされ、ACLでも日本勢で唯一のグループステージ敗退の憂き目を見た。それでもスロースターターのガンバには珍しく前半戦は好調。首位が日替わりの大混戦の中で、ガンバも一時首位に立つなど上位戦線にきっちり絡んでいた。しかし第19節、パナスタで初となる大阪ダービーでの勝利を最後に「ガンバ史上最悪の時期」に突入してしまう。結局、第24節鳥栖戦を最後にガンバは、そして長谷川監督は一勝も挙げられないままシーズンを終え、最終的リーグ戦未勝利は翌年までの16試合にまで延びてしまった。

とはいえ、不振の負傷者続出と要因は深刻な得点力不足に依るものが大きかったので、守備はGK東口順昭を中心に大崩れする事は無かった。特にこの年は井手口陽介と新加入の三浦弦太のブレイクがあったのも大きなポイント。

 

 

第3位タイ

ガンバ大阪2007

1試合平均失点1.09/総失点37

 

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監督:西野朗(6年目)

J1順位:3位

J1成績:勝点67(19勝10分5敗、得点71失点37得失点差+34)

獲得タイトル:ゼロックス杯、ナビスコ

先発GK:藤ヶ谷陽介(28試合)、松代直樹(6試合)

 

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前回は歴代最多得点ランキングを掲載したが、唯一得点でも失点でもトップ5入りを果たしたのが2007年である。西野監督時代のガンバと言えば「失点上等」「取られても取り返す」というスタンスが印象的(特に顕著なのが2005年、2011年)だったが、この年は明神智和橋本英郎のWボランチを中心にしたプレッシングが高い次元で機能していた。そもそも4バックにしても、当時の代表レギュラーである加地亮北京五輪日本代表の安田理大が両SBに入り、中央には山口智シジクレイを擁する強力な布陣。また、開幕から閉幕まで基本的なスタメンが一切変わることなくシーズンを終えたのも特徴的で、年間を通じて上記スタメンの11人+家長昭博寺田紳一播戸竜二のほぼほぼ14人で一年を回していたのは、裏返せばこの年の完成度にそれだけの自信があった表れとも言える。

余談だが、人気漫画「GIANT KILLING」に登場する大阪ガンナーズのモデルがガンバであるのは言うまでもないが、連載開始時期を踏まえても2007年のガンバがモデルのはず。なんかシジクレイみたいなCBもいるし…。

 

 

 

第3位タイ

ガンバ大阪2015

1試合平均失点1.09/総失点37

 

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監督:長谷川健太(3年目)

J1順位:2位(1stステージ4位/2ndステージ3位)

J1成績:勝点63(18勝9分7敗、得点59失点37得失点差+22)

獲得タイトル:ゼロックス杯、天皇杯

先発GK:東口順昭(34試合)

 

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2014年に三冠達成を果たし、ACL+ナビスコ杯と天皇杯、更にチャンピオンシップでも決勝に進むなど、Jリーグ史上に残る過密日程となっな2015年。ただ、2013年に就任した長谷川監督の下で築いた守備力はこの頃には円熟味を増しており、元々ガンバがスロースターターと言われている事実や、2014年が後半戦に一気に巻き返した事を踏まえれば、歴代のガンバの中で年間通じて最も安定していた…という表現は出来る。2015年には多くの選手が日本代表デビューを果たし、同年に韓国代表に招集されたオ・ジェソクを含めればスタメンの殆どが代表経験者…なんて状態にもなった。ただし、ここからの数シーズンは「今野泰幸依存」的な側面が出てきていたのも事実。

2005年のJ1制覇の翌年は大型補強を行ったのに対し、2015年は当時の強化部の「現有戦力でどこまでACLを戦えるのか見てみたい」という意向もあり、入団も退団も最小限に抑えたスカッドが組まれた。とはいえ、当時のガンバは絶対に外せない選手は複数いたが、各ポジションでレギュラークラスを一人はベンチに置ける戦力層は持っていた。

 

 

 

第2位

ガンバ大阪2002

1試合平均失点1.06/総失点32

 

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監督:西野朗(1年目)

J1順位:3位(1stステージ4位/2ndステージ3位)

J1成績:勝点54(19勝1分10敗、得点59失点32得失点差+27)

先発GK:松代直樹(18試合)、都築龍太(12試合)

 

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2000年代後半のJリーグを見ていた人になって「西野ガンバ」といえば超攻撃的スタイルとイコールで結びつくはず。とはいえ、西野監督自身もガンバについて語る時に「2002年(3位)より2003年(10位)のサッカーの方が手応えはあった」という主旨の発言をする事も多いように、2002年に関しては西野ガンバのイメージとして強い攻撃サッカー・パスサッカーというよりは、マグロンという長身FWを活かしつつ、その周りを小回りの利く吉原宏太がフォローするストロングスタイル的なサッカーをしていた。

それゆえという表現もできるのか、この年は西野ガンバの10シーズンでは最も失点が少ないシーズンであり、2002年までは延長戦があった事から0-0で終わる確率が低かった事を考えれば、一試合平均1.06失点という数字は相当立派である。この年の日韓W杯で宮本恒靖が経験と実績を積み、優勝を争う過程の中で遠藤保仁山口智二川孝広ら後の中心人物が大きく成長。雑誌のインタビューで遠藤が「一番印象的な助っ人」として名前を挙げたファビーニョの中盤での守備も効果的だった。

 

 

 

第1位

ガンバ大阪2014

1試合平均失点0.91/総失点31

 

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監督:長谷川健太(2年目)

J1順位:1位

J1成績:勝点63(19勝6分9敗、得点59失点31得失点差+28)

獲得タイトル:ナビスコ杯、J1リーグ天皇杯

先発GK:東口順昭(34試合)

 

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ガンバ史上最高の成績を残した年はガンバ史上最も平均失点が少なく、そして唯一平均失点が0点台だった年でもある。2012年に喫した降格は監督人事の失敗が最大の要因であるのは確かだが、「守備」という西野体制でのウィークポイントを長年放置していたのも大きな要因であり、そのウィークポイントの改善、攻守の比率の調整が長谷川監督に求められた事の一つでもあった。

2014年のガンバは前半戦は降格圏に位置するほど低迷したが、守備は堅守を常に維持出来ていた。0-0で引き分けた第3節仙台戦のシュートがリンスの苦し紛れのミドル一発だった事はこれまでのガンバからは想像もつかない姿だったが、当時負傷離脱中だった宇佐美貴史が帰って来れば何かが変わる…という状況を守備という土台を作る事で用意出来ていたのは大きい。西野体制のガンバが崩す事で勝利をもぎ取るスタイルなら、耐える事で勝利を呼び込む強さを手に入れたのが2014年の強さだった。シーズン最大のハイライトとなっま第32節浦和戦の勝利はまさにその象徴だったと思う。

そして何と言っても忘れてはならないのが、この年が東口順昭の加入一年目だったという事である。

 

 

 

ガンバ大阪、1試合平均失点ランキング

(※J2の2013年と現在進行形の2021年を除く)

 

1試合平均失点/総失点(年間順位/総失点順位)

1位 2014年→0.91/31 (1位/3位) 監督:長谷川健太

2位 2002年→1.06/32 (3位/3位) 監督:西野朗

3位 2007年→1.09/37 (3位/6位) 監督:西野朗

4位 2015年→1.09/37 (3位/4位) 監督:長谷川健太

5位 2017年→1.21/41 (10位/7位) 監督:長谷川健太

6位 2016年→1.24/42 (4位/9位) 監督:長谷川健太

6位 2020年→1.24/42 (2位/6位) 監督:宮本恒靖

8位 2000年→1.26/43 (6位/7位) 監督:早野宏史

9位 2009年→1.29/44 (3位/10位) 監督:西野朗

10位 2010年→1.29/44 (2位/9位) 監督:西野朗

11位 2018年→1.35/46 (9位/9位) 監督:クルピ→西野朗

12位 2006年→1.41/48 (3位/5位) 監督:西野朗

12位 2019年→1.41/48 (7位/10位) 監督:宮本恒靖

14位 1997年→1.43/46 (4位/4位) 監督:クゼ

15位 2008年→1.44/49 (8位/15位) 監督:西野朗

16位 2011年→1.50/51 (3位/13位) 監督:西野朗

17位 1999年→1.53/46 (11位/10位) 監督:アントネッティ早野宏史

17位 2003年→1.53/46 (10位/11位) 監督:西野朗

19位 2001年→1.60/48 (7位/9位) 監督:早野宏史竹本一彦

19位 2004年→1.60/48 (3位/9位) 監督:西野朗

21位 2005年→1.71/58 (1位/15位) 監督:西野朗

22位 1998年→1.79/61 (15位/9位) 監督:コンシリア→アントネッティ

23位 1993年→1.81/65 (7位/7位) 監督:釜本邦茂

24位 1994年→1.86/82 (10位/9位) 監督:釜本邦茂

25位 2012年→1.91/65 (17位/17位) 監督:セホーン松波正信

26位 1996年→1.97/59 (12位/13位) 監督:クゼ

27位 1995年→2.06/107 (14位/13位) 監督:ヘルト

 

 

 

次回は1試合平均勝点編です!

 

 

我ながら、前回の得点編と比べると色々違って面白いですな。

ではでは(´∀`)