さぁ、いよいよJリーグ開幕戦です!
片野坂知宏監督の下で、そして新たなエンブレムと共に新シーズンを迎えるガンバ大阪の開幕戦の相手は鹿島アントラーズ。2月19日14:00より、パナソニックスタジアム吹田にて2022年シーズンが幕を開けます!
ガンバと鹿島といえばやはり共にオリジナル10同士のクラブであり、共に昨年はクラブ創立30周年を迎えました。そして差は大きく開けられているとはいえ、Jリーグクラブのタイトル獲得数では1位と2位のチームです。鹿島もブラジル人路線から初めて監督にヨーロッパのレネ・ヴァイラー監督を招聘し(入国制限的に開幕戦に合流は出来なさそうだけど…)、お互いに伝統と革新の開幕戦みたいな構図になりました。
という訳で本日は、過去のガンバ大阪vs鹿島アントラーズの名勝負を5試合ピックアップして振り返ってみます。2005年と2014年の優勝争い直接対決は過去にも振り返ったので、今回はその2試合は除いた5試合を懐かしんでみましょう!
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【ガンバ大阪vs鹿島アントラーズ、名勝負5選】
今回は除外した2005年と2014年の名勝負はこちらからご覧下さい。
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2006Jリーグディビジョン1第7節
2006年4月8日19:04@万博記念競技場
2005年に激しく首位を争った両者の対戦は共に6試合を消化して4勝1分1敗という状況の中で行われた。共に4勝2分で首位の浦和との勝点差は1点。幸先の良いスタートと呼ぶに相応しい結果を得るには、この優勝候補対決を制することは必至だった。
やはり昨年の優勝争いを牽引した両者なだけあって、随所に激しい攻防戦と目まぐるしい攻守の入れ替えが目立つ好ゲームになる。そんな中でとりわけ白熱していたのがサイドでの争いだった。ガンバの左WBとして19歳にして前年のリーグ制覇に貢献していた家長昭博と、高卒ルーキーながら開幕戦から右SBのスタメンを勝ち取った18歳の内田篤人によるサイドの攻防戦は、雨の万博競技場で家長が交代する83分までバチバチに火花を散らし続けた。最終的に試合は終了間際にフェルナンジーニョがPKを獲得。これを遠藤が冷静に決めて決勝点。痺れる好ゲームを職人の技で締めくくった。
#2 FUJIHARU SONIC
2011Jリーグディビジョン1第31節
2011年11月3日14:04@万博記念競技場
一時期は首位を快走しながらも直近5試合は2勝1分2敗。特に第29節名古屋戦の直接対決に完敗したガンバは首位陥落となった。そこで西野朗監督は左SBのレギュラーを下平匠から前節山形戦の後半から出場して初ゴールも決めた大卒ルーキーの藤春廣輝に託す。既に藤春はレギュラーで出ていた時期もあったが、その時は下平が負傷離脱していたので初めて藤春が、その後10年以上に渡って君臨する事になる左SBのファーストチョイスになった瞬間だった。
ナビスコ杯を制して勢いに乗る鹿島に対し、前半はガンバは主導権を握ったとは言い難い時間が続いていた。だが57分、鹿島のCKをGK藤ヶ谷陽介がキャッチすると、明神智和→武井択也と繋いで左サイドを爆走で駆け上がった藤春へ。トップスピードでクロスまで持っていった藤春のボールを最後はラフィーニャが飛び込むように合わせて先制点。それこそ2021年の鳥栖戦でガンバが決めたカウンターはロシアW杯の日本vsベルギーをなぞって「吹田の11秒」とも言われたが、10年前の藤春の爆走を思い出したガンバファンも多いのでは。それほどに美しいカウンターを決めたガンバは優勝戦線生き残りに貴重な勝点3を手にした。
ちなみに、万博競技場は2006年に一部改修を行なった為、2005年以前より収容人数はやや少なくなっている。そんな2006年以後の万博開催試合で最も多くの来場者が訪れたのがこの試合で、2005年以前の最多入場を記録したのも鹿島戦(2005年)だった。
#3 悲壮な名門対決
2012Jリーグディビジョン1第27節
2012年9月29日16:03@万博記念競技場
Jリーグが始まってから鹿島はずっと強かったし、ガンバが強豪と呼ばれるようになって以降は2005年第24節や2009年第33節のように優勝争いの直接対決として戦う機会が多かったこの2チーム。だがこの試合は歴史上唯一、ガンバvs鹿島が残留争いの直接対決として行われた事例である。詳しくは下に貼ったリンクから読んでほしいが、2012年のJリーグは今振り返っても色々と以上だった。後半戦に入るとガンバ、大宮、新潟辺りが復調したのに対し、鹿島は降格圏転落こそ免れ続けているものの残留争いから抜け出せない。前節で3位浦和に5-0で圧勝したガンバは勝点28で16位。対する鹿島は勝点33で12位だった。
前半のガンバは押し気味に試合を進めてはいたが、2012年を象徴する状況でもある守備の脆さを露呈する形で2失点。1点ビハインドで前半を折り返す。とはいえ、残留争いに慣れていないという立場は鹿島も同じで、ガンバvs鹿島の名物としても知られた遠藤保仁vs小笠原満男のバチバチマッチアップもどこか違った色合いを帯びていた。激しい試合展開の中で後半はスコアは動かず、痛恨の一敗が濃厚になった中で迎えたアディショナルタイム、加地亮のクロスがこぼれたところをレアンドロが叩き込んでなんとか同点。なんとか勝点1を積み上げた。
ちなみに、宇佐美貴史や大森晃太郎と同期でガンバのジュニアユースに入りながら、一時はサッカーを諦めるほどの挫折を味わってガンバを去った昌子源にとっては、一度は諦めた万博のピッチを初めて踏んだ試合でもあった。
#4 新スタ始動
2016明治安田生命J1リーグ1stステージ第1節(開幕戦)
2016年2月28日14:09@市立吹田サッカースタジアム
鹿島得点者:鈴木優磨(72分)
2016年、ついに開場した念願の市立吹田サッカースタジアムで行われた初の公式戦。こけら落としは2週間前の名古屋とPanasonic Cupだったが、プレシーズンマッチともあってフェスティバル感もあった前者に対し、やはり初の公式戦であり2016年の開幕戦、そして相手が幾多の名勝負を繰り広げてきた鹿島というだけあって、その緊張感と高揚感は凄まじかった。私はこけら落としには行けなかったがこの鹿島戦には行く事が出来て、コンコースを抜けた瞬間の鳥肌は今も忘れていない。おそらく、名古屋戦来た人達も名古屋戦とはまた違う興奮を感じたのではないか。2016年のガンバは優勝予想の本命候補の一つともされていたりして、この時は大袈裟では無く全てを手に入れたような感覚にもなっていた。
だが試合はなかなか芳しくない試合内容に。前半に丹羽大輝が負傷退場して計算が狂った事もあったが、ゼロックス杯とACLの連戦を経た中で終始リズムは生み出せなかった。逆に鹿島は途中出場のカイオのクロスから、同じく途中出場の鈴木に決められて0-1で敗北。ガンバと鹿島が開幕戦で激突するのはこの時以来だが、この年辺りから一気に凄みを見せた昌子源はガンバの一員として、欧州から帰ってきた鈴木優磨を迎え撃つ。
#5 ぼくだけの力で、かしまにかたないと…
2020明治安田生命J1リーグ第20節
2020年10月3日19:03@パナソニックスタジアム吹田
序盤は不振に陥りながら夏頃から調子を上げた6位鹿島。対してスタートダッシュには成功しながらも8月は低迷…しかし4バックに変更してからは3連勝と盛り返した7位ガンバ。首位を走る川崎以外の上位陣の勝点差はかなり詰まっていた為、ACL圏内や天皇杯出場圏内を巡る争いの中で非常に重要な直接対決だった。基本的に鹿島ペースで試合は進みながらも、球際での攻防や両GKの攻守連発など随所に見応えのある攻防戦を繰り広げた試合は66分にパトリックがPKを仕留めて先制。終了間際ではカウンターからアデミウソンのパスを受けた渡邉のゴールで4連勝を飾り、一気に上位戦線に食い込む形となった。終盤、鹿島相手に見せた怒涛のボールキープは色んな意味で痛快だった。
本来なら上位進出を伺う戦いとして注目されるだろうこの試合だったが、試合前からパナソニックスタジアム吹田は異様な空気に包まれていたのをよく覚えている。前日、スポーツ報知によって遠藤保仁の磐田への移籍が報じられ、試合の時点では正式発表こそされていなかったものの、誰もがあの報道の現実味を理解していた。私自身、この試合は現地で観ていたが、ある意味でこの試合の感想としては「さようならドラえもん」を観ている時の感覚に近かった気がする。もしこの試合で負けていたら、遠藤移籍のWショックでチームに走る激震は相当だったはずで、間違いなくシーズンを左右した試合の一つだった。
新監督、新シーズン、新エンブレム。楽しみな要素は尽きません。お互いにとって新たな歴史の幕開けとなる伝統の一戦です!
さぁ、どういうスタメンになるやら…。
ではでは(´∀`)