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BE THE HEAT,BE THE HEART〜明治安田生命J1リーグ第3節 ガンバ大阪vs川崎フロンターレ マッチレビュー〜

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おっと、傘を忘れたぞ(車窓より)

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第3節、ガンバ大阪vs川崎フロンターレの一戦です。

 

オリジナルアルバムの配信も開始したのでそちらも観てね

 

2020年は首位攻防戦で敗れ、1位2位直接対決という状況で迎えた天王山では0-5という惨敗で目の前でリーグ優勝を決められ、天皇杯決勝・ゼロックス杯でも敗れ、2021年のリーグ戦2試合でも……。かつてJの攻撃最強2トップクラブとも言われた川崎相手に喫したここ2シーズンの戦績は0勝0分6敗。突きつけられた屈辱、植え付けられた悪夢……エンブレムも変え、監督も変えた今年、そろそろ負の歴史を断ち切らなくてはなりません。その一つ一つを重ねる事でしか、今の川崎一強時代は止められませんしね…。

実は現在、J1で川崎が唯一勝ち越せていないクラブってガンバなんですよ。去年11月の対戦で勝敗をイーブンに戻されちゃったんですけど。要は今日、川崎が勝てば川崎にJ1で全チームに勝ち越している状況を与えてしまう事になるし、逆に言えばガンバが勝てば「川崎はガンバにだけ負け越している」という状況を復活させられます。川崎王朝に歯止めをかけるのは今しかありません。変革の覚悟と名門の意地を問われる一戦となります。

両チームスタメンです。

 

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前節浦和戦からは出場停止明けのパトリックを含めてメンバーを3人変更し、システムも4-4-2にシフトして挑みます。水曜日のルヴァン杯大分戦で先発したメンバーからは山本悠樹と齋藤未月が今季初スタメンとしてそのまま起用され、山本は通常のボランチとは異なり左サイドでの起用、齋藤はガンバの選手として初めてパナスタのピッチに立つ事になります。GK東口順昭はまだ欠場している為、今日も引き続きここまでの2試合でMVP級の働きを見せる石川慧がゴールマウスを守ります。

中2〜3日での5連戦の最終日となる川崎は水曜日の浦和戦からメンバーを2人変更。今日は家長昭博はベンチスタートなり、両WGは知念慶と遠野大弥の2人でスタートします。浦和戦では登里享平が負傷退場となった為にメンバー外。左SBには大卒ルーキーの佐々木旭が起用されました。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

パナスタがホームになってからもう7シーズン目なんですね…。現在はサンフレッチェ広島のスタジアム建設計画が進んでおり、先日には清水エスパルスも新スタジアム構想を発表したところですが、この流れの形成に間違いなく大きな役割を果たしたスタジアムです。

クラブとしてのブランディングに力を注ぐ今季はスタジアムの装飾にも着手。昨季から「パナスタガンバ化プロジェクト」と称して選手パネルを各所に設置したりしていましたが、今季はスタジアムの外壁「ガンバウォール」と呼ばれる巨大な壁画を設置。劇場は更に熱狂空間を演出します。後は成績が付いてくれば…!

 

 

本日は現地観戦!今季初ガンバです。観戦日記はまた後日更新しますね。

 

 

少なくともここ数年の対川崎戦とはまるで違った展開をガンバは立ち上がりから見せていました。若干左右非対称的な形の4-4-2で挑んだガンバは、齋藤の機動力が活きてまず中盤でのボール支配に成功。チームとしてもライン設定をかなり高く保つ事が出来ていたおかげで、決定的なチャンスにまではなかなか至らなかったものの、攻撃のターンはずっとガンバが保持し続けていました。

立ち上がりは主導権こそ握れつつも、やや状況にバタバタしている感もあったガンバでしたが、しかし時間経過と共にガンバも選手間のポジションのバランスやタイミングが擦り合わせられ始めてきます。

 

 

 

すると攻撃時には山本と小野瀬康介が齋藤の脇に入るような4-3-1-2に近いような形になった事で、両SBの髙尾瑠と黒川圭介が攻め上がる"余白"みたいなスペースが多く生まれました。17分には山本との連係で黒川が左サイドを攻略して折り返すと、パトリックのポストプレーから齋藤がミドルシュート。これは惜しくも枠の外に逸れますが、徐々に狙いと目論みが形になり始めていきます。

 

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そして34分、ドリブルで運んだ倉田秋からのパスを小野瀬→齋藤と繋いで右サイドを攻略すると、右サイドを抜け出した髙尾がクロス。クロス自体は谷口彰悟にクリアされますが、こぼれ球を山本が冷静に右足を振り抜いてガンバ先制!!

これまで散々やりたい放題をされ尽くしてきた川崎相手に前半は完全に主導権を握り、ピンチと言えば前半終了間際にチャナティップにボールを運ばれた場面くらい。ガンバファンですら戸惑うほどの出来栄えの前半をリードで終えます。

 

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後半もガンバペースで試合は動き始めました。しかし風向きが変わったのが57分、突如宇佐美貴史がピッチに倒れ込むと自ら交代を要求。エースの負傷退場というアクシデントが発生したガンバに対し、川崎は勝負と言わんばかりにベンチスタートになっていた家長と小林悠を投入。一気に反撃に出ます。

 

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ガンバは72分にチュ・セジョンを投入し、髙尾を最終ラインに下ろしてシステムを3バックにシフト。対する川崎は宮城天を投入します。押し込まれながらもシュートまでは持っていかせない粘り強い守備を見せていたガンバでしたが75分、スローインを受けた途中出場の小塚和季のクロスに対し、宮城が最初のトラップで小野瀬を振り切ってシュート。これが決まって試合は振り出しに。

 

 

 

川崎に押し返され始めた中で喫した同点弾…これでガンバとしての勢いは失われ、また川崎にサンドバッグ的な展開を食らってしまうのでは…しかしそう思った矢先でした。

追いつかれた直後から果敢に攻め込んだガンバは77分、チュ・セジョンと奥野耕平の途中出場の2人が右サイドでボールを奪ったところから一気に攻め上がると、一度は左サイドに流れた攻撃もそこから組み立て直して再び右の小野瀬へ。カットインから小野瀬の放ったシュートは相手DFに当たり、そのままGKチョン・ソンリョンの頭上を越えてゴールへ…!まさしく吸い込まれるような一発!!勝ち越し!!

 

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得点直後には今度は髙尾が負傷退場というアクシデントもあったガンバは川崎の猛攻をうける形になりましたが、88分の小林のクロスに宮城が合わせた場面はポスト。もう後は守り切り、時間を使い切るだけ……しかし試合は終わりませんでした。

アディショナルタイム、一度はボールをキャッチしたGK石川慧はボールを足元に置くも、石川も含め誰もが石川の背後の存在に気付くことが出来ず。小林が掻っ攫うようにボールをカットすると、最後はレアンドロ・ダミアンが流し込んで同点。

 

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3月の激戦は、90分を通しての衝撃的展開で幕を閉じました。

 

 

 

まぁ、さすがに現地で見ていて……放心状態にはなってしまうラストではありました。久し振りですもの。膝の力があんなに抜けたの。確かに勿体無い失点だったし、悔やまれるのは間違いない。ただ去年のガンバを見てきた立場からすれば、勝点2を取り逃がしたと思える試合を川崎相手に出来た事が喜びとも言えます。

90分を通して全選手がタスク以上の働きをしてくれたと思っています。例えば齋藤はファーストディフェンダーとして、或いは攻撃の一歩目として一人で中盤を制圧するような勢いでしたし、倉田や宇佐美、或いは山本が上手くポジションを入れ替えながら中盤での攻撃を循環させ、髙尾や黒川が伸び伸びとした攻撃参加を見せるシーンを何度も作れたのはこれまでには見られなかった光景でした。

 

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そして守備陣の奮闘も素晴らしく、昌子源は常に守備陣のライン設定から選手の距離間までを統率していたし、三浦弦太に至ってはレアンドロ・ダミアンをほぼ完璧に抑えていたといっても良いでしょう。鹿島戦と浦和戦は「石川無双」でどうにかしていた側面もありましたが、川崎相手にそこまで持って行かれた場面は、ラストワンプレーの同点弾を除けば宮城のゴールシーンを含めて3回ほど。石川にしても、特に前半はあまり出番がない中で集中していましたし、後半も堅実なプレーを見せていました。ラストのあの場面も油断や気の緩みというよりは、むしろ集中し過ぎた部分もあると思っていて、川崎に猛攻を喰らってる中で手にしたマイボールで一秒でも時間を進めたいという勝利への執念が裏目に出てしまった部分もあると思います。反省・改善は個人でもチームでも、我々が言わなくてもやっているでしょうし、少なくとも私には責める気も責めるべき理由もないです。

 

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試合として間違いなく面白かった。ガンバの試合で久し振りに「スポーツの激情」を覚えた気がしました。ジェットコースターみたいな試合でしたけど、やっぱりなんだかんだ言って観客側としてのスポーツの醍醐味ってそこだと思うんですよ。

ガンバの「BE THE HEAT,BE THE HEART」というスローガンは、昨年発表した時はチーム状況が過酷なものだったがゆえに、この言葉に想いを乗せる事が出来なかった人は多かったと思います。ただ今日の試合を見て、一度はネタにされたこのスローガンに、意味としての説得力が宿ったのかなと……現地で見ていて感じました。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

腰も膝もふにゃふにゃ。

ではでは(´∀`)