RK-3はきだめスタジオブログ

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悲壮な望郷〜明治安田生命J1リーグ第21節 川崎フロンターレvsガンバ大阪 マッチレビュー〜

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メッシーノおかえり!!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第21節、川崎フロンターレvsガンバ大阪の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

後半戦が始まって以降、まだガンバは上昇気流に乗れている訳ではなく、前節湘南戦は芳しくない内容で0-1の敗戦を喫しました。それでも後半戦のガンバをある程度ポジティブに捉えられる部分があるのは、ここ数週間で目指すべき形の輪郭が見えつつあるところでしょうか。

スタイルの継続と醸成…その部分に於いて、川崎フロンターレというチームは近年のJリーグクラブで最大の成功例です。今季の最初の対戦では、片野坂体制へのポジティブな展望を抱かせるだけの試合を絶対王者に対して示しました。あの時の再現ではなく、それを超える内容と結果を………順位表的にも猶予が無くなりつつあるこの状況下で、ガンバが近年辛酸を舐めさせられ続けている等々力という場所で、鈴木武蔵と食野亮太郎が合流する前に一つの流れを作っておきたいところ。まだガンバのスタイルと呼べるほどのものはないでしょうが、川崎相手にスタンスはぶつけなければなりません。ちなみに、近年圧倒的な成績を残している川崎が、J1リーグ戦の成績で勝ち越せていない唯一のチームがガンバで、今日勝てばガンバは再び川崎に勝ち越している唯一のチームに戻ります。これから築く時代への道筋と、紡いだ歴史を繋ぎ合わせるような勝利を期待したいですね。

両チームスタメンです。

 

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前節湘南戦から中2日となるガンバは前節からスタメンを5人変更すると共に、今日は3-4-2-1ではなく倉田秋をFW気味に配置した4-4-2を採用。また、普段は逆の方が多いですが、今日は山見大登を右、小野瀬康介を左に置く形で起用し、DFラインは福岡将太を右SBにスライドさせ、昌子源がリーグ戦では第18節札幌戦以来のスタメン復帰を果たしています。

水曜日の鳥栖戦が鳥栖に新型コロナウィルス感染者が複数出た事で中止になり、自分達も感染者が出る形になった川崎ですが、今日は比較的ベストメンバーに近い人選になりました。3月2日に前倒しで行われた第10節浦和戦で負傷した登里享平もベンチに帰ってきています。

 

本日の会場は神奈川県川崎市等々力陸上競技場です。

Jリーグは今年で30周年目。川崎は今季が26(フロ)周年ということで様々なイベントを行なっていますが、元は1962年に開場した等々力では初年度の1993年から、当初はヴェルディ川崎のホームスタジアムとして歴史を刻んできました。当時はヴェルディ黄金期を生み出したスタジアムでしたが、30年近い時を経て新たな川崎のチームがこの地で黄金期を築いた歴史には感慨深いものもあるでしょう。唯一、2000年には川崎フロンターレヴェルディ川崎の川崎ダービーがこの地で実現しています。

そして等々力での川崎vsガンバでも数多くのドラマが生まれてきました。2005年にはガンバがこのスタジアムでJリーグ史上に残る劇的な逆転優勝を果たし、川崎が首位を独走した2020年は、同じくこのスタジアムで、2位に付けていたガンバとの直接対決を制して川崎が優勝を決めた……その他でもガンバにとっての良い思い出で言えば、残留争いを強いられる中で家長昭博の2ゴールで競り勝った2012年や2点差をひっくり返して川崎の年間勝点1位を阻止した2016年に、ナビスコ杯決勝進出を決めて三冠への足掛かりを掴んだ2014年、川崎の良い思い出で言えば中村憲剛大久保嘉人の劇的決勝ゴールや度々擦られる鄭大世ブルドーザーゴールでしょうか。リーグ戦での勝敗はタイスコア。さぁ、この成績は今日でどちらかに傾くのでしょうか。

 

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立ち上がりから攻守が目まぐるしく入れ替わり、一つのポイントでお互いに何かが崩れかねないオープンな展開となりましたが、ここから崩壊の一途を辿る事態となったのはガンバでした。6分、中盤でのボール奪取からショートカウンターを繰り出そうとしたガンバでしたが、山見の突破を止められたところから逆カウンター被弾。左サイドでタメを作ったチャナティップから絶妙なフィードが入ると、一気に左サイドに抜け出たマルシーニョのアウトサイドクロスにレアンドロ・ダミアンが合わせて、まさしく一撃必殺とも言えよう攻撃で先制を許します。

 

そして完全崩壊への引き金を引いたのが失点直後でした。10分、キックオフから自陣深くに下げたところで、GK東口順昭からのパスが若干流れるとスライディングに入った奥野耕平が先にボールに触れたものの、その後に上げてしまった脚が脇坂泰斗にヒットしてしまった事でVAR介入の末に一発退場。ここからこの試合の意味は完全に変わってしまいました。

 

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片野坂監督はビハインドが1点だったという事もあり、FW的なポジションをとっていた倉田をボランチにした4-4-1的なシフトを選択し、プレッシングの積極性は継続させた上で挽回を試みます。しかし、パスワークで相手を剥がす術には長けた川崎だけに、この悪くない姿勢は完全に逆手に採られる形になって立て続けに失点。気がつけば0-3……。

 

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片野坂監督は32分の時点で山見を下げてパトリックを投入。中盤で齋藤未月・倉田・小野瀬をフラット気味に並べて、4-3-2に近い形で組み直していきます。しかし無情にも36分、CKの流れから家長に残酷なオーバーヘッドを叩き込まれて0-4。試合は崩壊した……そう表現するしかない試合展開。ガンバは前半を4点ビハインドで終えます。

 

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ガンバは後半から福岡を下げて髙尾瑠、55分に南野を下げてダワンを投入。システムを4-4-1に戻し、なんとか中盤からダイナミズムを取り戻そうと試みます。

ただ、後半はガンバにとって生き地獄とも言えよう試合展開でした。

 

数的不利になったガンバに対し、卓越したクオリティと攻撃力で攻め立て、1人減った事で増えたスペースをこれでもかと使い、何度も何度も何度もガンバに対して牙を剥いてくる川崎…。ガンバの選手達は後半は粘り強い守備を見せ、一人一人がとことんまで走り抜き、特に東口、昌子、三浦の3人は悲壮なまでの奮闘を見せてくれました。

根性論的な言い方になりますけど、後半のガンバからは確かにファイトと闘志は感じた。どうにかしよう、なんとかしようという意地とスタンスは見せてくれた。ただ………。

 

後半のガンバの奮闘は、5失点目という屈辱こそ回避したものの、後半はほとんど川崎陣内に入ることさえ出来ず。ガンバ、完敗で降格圏に肉薄する黒星。一方川崎は、今日の勝利でJ1リーグの全クラブに勝ち越した事になりました。

 

 

 

川崎の先制点に関しては、正直…福岡や昌子が完全に後ろから追う形になってしまったのは反省点とはいえ、あのゴールは川崎のクオリティを褒めるしかなかったかなと思います。そしてその直後の奥野の退場は……あんまり奥野を責めたくはないシーンではあったけれど、あそこでこの試合の意味が変わってしまったのは事実で。日程として疲弊している側が力関係で劣っている方のチームで、しかも数的不利を余儀なくされた…この時点でガンバはこの試合の選択肢が耐える事しか無くなってしまった。それをわかっていたからこそ片野坂監督も、劇薬的に守りに入らない選択をしたんでしょうけど、結果的にそれも裏目に出てしまって…。

 

 

 

上でも書きましたけど、後半の奮闘、選手が見せたファイトは買いたいとは思える試合ではあったんですよ。そういう意味で、まだ大阪ダービーなんかと比べれば清々しい部分はありました。それも含めて、今日のガンバは色んな意味で言い訳の一つや二つは許される状況ではありました。

ですが現実問題として、他会場では神戸が3連勝を決めて復調傾向。もし仮に明日清水が勝つと、ガンバの立場は更に厳しいものになる───現実は迫っている訳で。天皇杯を挟んで、次節はダービーです。ここでなんとか、どうにか……。

 

 

ふぇ

ではでは。