RK-3はきだめスタジオブログ

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王者として〜UEFAチャンピオンズリーグ決勝 リバプールvsレアル・マドリード マッチレビュー〜

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いまちょっと酔ってる

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFAチャンピオンズリーグ決勝、リバプールvsレアル・マドリードの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

さぁ、遂にこの日がやってきました!年に一度、世界のサッカー最高峰の戦い、世界のサッカーの一年を総括する、ビッグで、グレイトで、オンリーワンかつナンバーワン!すべてのサッカー選手にとっての絶対的な大一番です!!

 

 

 

長きにわたる歴史と伝統を誇りながらも、今年の彼らは「クラブ史上最強」と謳われ、そしてその謳い文句を否定しようと思う者もそう多くはないでしょう。そう豪華できるだけの結果・クオリティを今年のリバプールは示し続けてきました。プレミアリーグのタイトルこそマンチェスター・シティに譲る格好となりましたが、それはリバプールの強さを否定するものではなく、彼らにとっては史上最高で最強のシーズンを飾るのに今日ほどのシチュエーションはないはず。まさしくユルゲン・クロップ監督のチーム史上、最高の瞬間を目の前にしています。

対するレアルは、今季は開幕から一抹の不安を抱えながらのシーズンインとなりました。しかし、戦力が揃うチームにタイトルを獲らせる術では世界一と言っても過言ではないカルロ・アンチェロッティに率いられた彼らは、見事ラ・リーガのタイトルを奪還。そして何と言っても…このチャンピオンズリーグでは、これぞレアル・マドリード、選ばれし歴史と伝統を見せつけるかのような、はたまたカリム・ベンゼマを主人公に据えた漫画のように劇的な勝利を繰り返してここまで辿り着きました。彼らの刻むメークドラマは、完結まで僅かにあと一生です。

そして何と言っても、この決勝は17-18シーズンの再戦でもあります。ハメド・サラーを巡る因縁の末にレアルが勝利したあの試合から4年…再びW杯イヤーに、2つの雄が巡り合います。さぁ、至高の祭典です!

両チームスタメンです。

 

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システムは両チームとも4-1-2-3。負傷の影響が心配されたファビーニョダビド・アラバといった選手もこの試合のスタメンに名を連ねました。フェデリコ・バルベルデロドリゴのどちらが起用されるか注目されたレアルの右WGにはバルベルデが起用。また、ヴィルジル・ファンダイクと組むリバプールのCBは今季はジョエル・マティプが多かったですが、今日はイブラヒマ・コナテが抜擢されています。

リバプール南野拓実はベンチ入りを果たし、CL決勝でベンチ入りしたのは11-12シーズンでバイエルン・ミュンヘンの一員としてベンチに入った宇佐美貴史以来2人目。出場すれば日本人初のCL決勝となり、アジア人選手としてもパク・チソンソン・フンミン以来となります。

4年前のCL決勝と同じ対戦という事でその試合に出場していたメンバーも多く、またそれ以降にチアゴ・アルカンタラやアラバのようにCL決勝・優勝を経験したメンバーも加入しているので、お互いに決勝を知る者が多い状態で戦う事になりました。監督として最も決勝を戦う事になるアンチェロッティ監督は決勝でリバプールと対戦するのは実に3回目。また、ファビーニョは元々レアルのBチームの選手だった過去を持ちます。

 

本日の会場はフランス、パリのスタッド・ドゥ・フランスです。

21-22シーズンの決勝戦は当初、ロシアのサンクトペテルブルク・スタジアムで開催予定でしたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて開催地が変更されました。フランス代表がホームスタジアムとして使用し、1998年フランスW杯やEURO2016では決勝戦の舞台にもなった由緒正しきスタジアム。この地でチャンピオンズリーグ決勝が行われるのは05-06シーズン、ロナウジーニョ擁するFCバルセロナアーセナルを2-1で下して以来。こちらもW杯イヤーに再び大役を務めることになりましたね。

日本代表の歴史を語る上で度々出てくるサンドニの悲劇」というのはこの場所で行われた日本代表とフランス代表の試合の事を指しています。それから11年後、親善試合とて同じ場所で日本がフランスに勝利したことは、当時を知るサッカーファンにとっては感慨もひとしおだった事でしょう。

2024年に予定されているパリ五輪ではメインスタジアムとして使用予定。言うまでもなく、世界のサッカーの中でも重要な場所の一つです。

 

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序盤、レアルは攻撃時にサイドのかなり深いところまでボールを運ぶ事で、ハイラインからのショートカウンターに強みを持つリバプールの脅威を半減しようと試み、リバプールのハイラインを押し下げようとする努力をしていました。

しかし最初の決定機は16分のリバプール右サイドで突破したアレクサンダー・アーノルドの折り返しに中央のサラーが合わせるも、これはGKティボー・クルトワがナイスセーブ。18分にもクルトワの正面になったものの、左のサディオ・マネの折り返しをサラーがダイレクトで合わせるなど、リバプールの攻撃に持ち前のリズムが見られ始めます。

 

そこからはリバプールがリズム良く攻め込むようになってきて、多くのチャンスを創出しながらテンポを生み出してきました。21分、チアゴのパスを受けたマネが強烈なシュート。しかしシュートはまたしてもクルトワがスーパーセーブで阻止。レアルは攻撃面ではヴィニシウス・ジュニオールがサイドで詰まらされる場面も多く、エースのベンゼマにもなかなかボールを渡し切れない中で前半が続いていきます。

 

レアルが決定機を得たのは43分。トニ・クロースの絶妙なロングフィードに抜け出したベンゼマが体制を崩しながら折り返すと、エリア中央でバルベルデが粘ったこぼれ球をベンゼマが押し込んで先制…かと思われましたが、これはベンゼマオフサイドを取られた事でゴールは認められず。前半はリバプールの方が果敢にチャンスを作れていたとはいえ、最後にレアルも可能性を見せた形で前半を終えます。

 

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後半も試合はリバプールペース。ボールを右に出しつつ、そこからアーノルドが度々良いクロスを入れられるようになっていきました。ただ、そこでなかなかシュートまで打ち切れなかったところで59分、遂に均衡が破られます。カゼミーロが右へのパスで展開したバルベルデがドリブル突破。バルベルデの外をオーバーラップしたダニエル・カルバハルにリバプール守備陣が気を取られた隙を見逃さずバルベルデがグラウンダーのクロスを入れると、ファーサイドに詰めたヴィニシウス・ジュニオールがこれをきっちり押し込んでレアルが先制!

 

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失点を喫したリバプールは65分にディオゴ・ジョッタ、77分にはロベルト・フィルミーノとナビ・ケイタを投入し、4-4-2というか4-2-4に近い布陣に変更。ここからリバプールの猛攻が始まり、81分にサラーが思いっきり裏に抜け出す決定機が訪れますが…このシーンだけではありませんが前半からリバプールの前に何度も何度も立ちはだかるクルトワという高すぎる壁…。

 

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最後はファンダイクを前線に上げながらパワープレーを敢行してきましたが、終盤まで引っ張ってエドゥアルド・カマヴィンガなどプレスを効かせられる選手を一気に投入してきたレアルはチームとして良い形でクロスを上げさせない守備を徹底しました。その結果、リバプールは最後のパワープレーでなかなかシュートまで打てないままに試合終了。

 

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レアル・マドリード、自らが持つ優勝記録を自ら更新する14度目のCL制覇達成です!!

 

 

 

なんというか……この決勝もそうですし、ここに至るまでの過程もそうですけど、もう…今大会はベンゼマを主役に、"レアルのレアルによるレアルの為のチャンピオンズリーグ"でしたね。レアル・マドリードというフットボール界の王座に位置するクラブとして、その王者の風格を存分に見せるような勝ち上がり方、そして決勝戦の試合内容でした。まるでリバプールの前半の攻勢ですらある種の前フリだったかのような……。

パリ・サンジェルマンチェルシーマンチェスター・シティと続く勝ち上がりの流れは完全に漫画のような道筋でしたし、打って変わって決勝戦は残酷なほどに王者としての振る舞いを見せてきました。ここまでの試合はベンゼマルカ・モドリッチのベテラン勢の強烈なパーソナリティで勝ち取った試合も多かった中で、今日の決勝点はカルバハルとベンゼマがお膳立てし、バルベルデとヴィニシウスという若手2人がもぎ取る流れはストーリーとしても美しかったですし。変な言い方ですが、歴史は受け継がれていくんだなぁ的な感覚というか、最後にビッグイヤーを掲げたマルセロしかり、秘伝のタレ的な継ぎ方でこういうチームの血肉は生きていくんだろうなと。

ああいう試合をやられては、もう見ている側としては「見事」という他なかったと思います。

 

リバプールからしたら……この試合の敗因はボールを想像以上に持ててしまった、という部分もあるでしょう。彼らのストロングである強烈なスピード感は少し封じ込められてしまった部分はありますし、レアルからすればスタイルの相性としてはシティやPSGよりもリバプールの方が良かったのかもしれません。そんな状況の中でもアプローチを工夫し、テンポとリズムの良いパスワークから決定機を度々創出したのは彼らのクオリティゆえでしょうが……そこはもう、クルトワを讃えて恨むしかないでしょう。

ただ、今季の彼らがサッカーというスポーツの歴史に残る偉大なチームである…という事実が、今日の一敗で色褪せる訳ではありません。

 

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…まぁ、レアル視点で見れば今大会はドラマとして出来過ぎでしたね。やっぱり…戦力的にある程度整備されたチームにタイトルを取らせる…という仕事をやらせたら、世界でアンチェロッティの右に出るものはいないのでは。

そんなこんなで21-22シーズンも終了。怒涛の移籍シーズンが終われば、すぐに22-23シーズンはやってきます。その日までヨーロッパサッカーはしばしお別れ。いつまでも、そして年を重ねるほど深みを増す歴史をまた味わっていきましょう!

 

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筋肉痛。

ではでは(´∀`)