G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

【クラブ創立30周年vs前身含めて100周年!】京都サンガFC vs 清水エスパルス、過去の印象的な名勝負を5試合振り返ろう!

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825175643j:image

 

 

 

長〜〜〜い3週間。

まさか中断期間でもないのにこんなに試合期間が空くとは…。

 

 

 

…あっ、京都サンガさんの話です。

8月27日18:00より、IAIスタジアム日本平にて明治安田生命J1リーグ第27節、清水エスパルスvs京都サンガFCの試合が行われます!

 

…で、私はこの試合を見られないことが既に確定しておりますので、今回は事前ブログという形で更新している次第でございます。

 

 

 

8月6日に第24節柏戦を戦ったサンガ。さぁ、次は川崎戦だ!打倒ディフェンディングチャンピオン!打倒那須川天心!(当日のゲスト)………と、息巻くまでは良かったのですが……川崎戦が台風8号の影響で文字通り飛んでしまうという……。

じゃあその次だその次!1週間休みだ!となったところでしたが、第26節の横浜F・マリノス戦、こちらの試合はですね、マリノスACL参加に伴い9月に既に飛んじゃったんですね。すなわち、サンガちゃんは現在試合が2試合ジャンプしちゃってる状態です。2回ジャンプです。闇金ウシジマくんの世界ならもう首が回りません。

 

冗談はさておき。

サンガの試合が無い間にもリーグ戦は行われている訳で、気がつけば順位は14位にまで転落。16位神戸とは勝点差2、17位G大阪とは勝点差4というハードな残留争いにガッツリ巻き込まれてしまいました。

そんな中で今節の対戦相手は清水。残留争いに放流されたブラックバスこと清水エスパルスさんです。奴らはサンガが試合をしていない間に意気揚々と「残留争いッ、イチ抜けたッ☆」とか言い出そうとしている好調をキープしています。サンガとしては、これ以上15位以下のチームに迫られれば迫られるほど余裕はなくなるし、ここで清水の勢いを止めることが出来れば再び彼らを残留争いに引き戻せるかもしれない。追われてながら、追う…そういう立ち位置にいるサンガにとっては、これからの戦い方を大きく決めてくるような試合です。

ましてや、これからは延期になった試合に天皇杯まで絡む過密日程になってきますし、しかもマリノス、鹿島、川崎、セレッソのような上位陣との対決も残しています。ここでとっておきたい勝点3。休養は十分、この3週間はアラン・カリウス、パウリーニョといった新外国人選手にとっても手助けになったはずです。

 

 

 

…で、そんな大事な清水戦ということで、このブログで結構擦りがちなテーマである「過去の名勝負シリーズ」を今回もお届けします。

清水エスパルスは今季クラブ創立30周年です。サッカー王国清水としてオリジナル10に参画し、ジュビロ磐田とのライバル関係は常にJリーグを盛り上げ続けました。言うまでもなく、J屈指の歴史を持つクラブです。

 

 

 

……ん?30年…?

 

 

 

……皆様、京都サンガFCの前身となったチーム、紫光クラブをご存知でしょうか。

1993年まで存在し、Jリーグを目指すべく、京都パープルサンガとしてJFLに残ったチームと、紫光クラブの名のままアマチュアクラブとしての活動継続を選ぶチームと2つに分かれましたが、サンガはこの紫光クラブというサッカーチームの上に成り立っている歴史があります。

 

 

 

今年、紫光クラブ、100周年。

 

 

 

30年の王国、100年の古都。

そんな2クラブの印象的な試合を5試合振り返っていきます。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。


 

 

 

#1 地獄の底からこんにちは!!

2006 Jリーグディビジョン1第14節

京都パープルサンガ2-1清水エスパルス

2006年7月23日19:05@京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場

京都得点者:アンドレ(81分)、パウリーニョ(89分)

清水得点者:久保山由清(85分)

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825022942j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825022945j:image

 

2005年のJ2をぶっちぎりの強さで独走優勝したサンガ。2004年のJ2をぶっちぎりで制した川崎が躍進していたことから意気揚々とJ1に乗り込んだが現実は厳しく、13試合で積み上げた勝点は僅かに8。唯一の勝利も一緒にJ1昇格を果たした福岡のみという有り様だった。対する清水は長谷川健太監督初年度となる2005年こそ低迷したが、2006年は強力外国人+既存の若手に台頭した若手が見事に融合。開幕から好調で、優勝も狙える位置に付いていた。

ドイツW杯による中断期間中にアンドレとピニェイロを獲得し、ミッションインポッシブル的な試合に挑んだサンガだったが、最終的にサンガが17本、清水が19本というなかなかのシュートゲームを展開。豪雨の西京極に歓喜が訪れたのは81分で、新加入のアンドレのゴールで均衡を破ったサンガだったが、続く85分に久保山に決められてリードを一瞬で失う。それでも試合終了間際、ゴールエリアでCKのクロスボールの処理に敵も味方も戸惑ったところに突っ込んだエース・パウリーニョが叩き込み、待望の勝利はあまりにも劇的な形で訪れた。これはリーグ戦で1998年以来となる清水戦の勝利だった。

尚、81分のアンドレのゴールはJ1リーグ通算11000得点目というメモリアルゴールとなった。余談だが、アンドレはJ2での戦いとなった翌年にもJ2通算6000得点目を挙げており、J1・J2両方のメモリアルゴールを記録した稀有な選手となっている。

 

#2 巡り合わせ

2008 Jリーグディビジョン1第34節

京都サンガFC1-3清水エスパルス

2008年12月6日14:34@京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場

京都得点者:柳沢敦(84分)

清水得点者:矢島卓郎(37分)、山本真希(38分)、原一樹(80分)

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825024700j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825024703j:image

 

第33節で降格が決まった2006年とは異なり、第33節で残留を決めた2008年のサンガ。対する清水は序盤戦はスランプに陥ったが後半戦に巻き返し、ACL出場の可能性を残せる4位に入れるチャンスを他会場の結果次第ながら残していた。

残留決定を祝い、サンガ側のスタンド全体で彩ったコレオグラフィーと共に始まった試合だったが、サンガとしては比較的しょっぱい試合に終始。前半終了間際に一気に2点を奪われ、伝説のデビュー戦以来の出場となる当時の16歳の宮吉拓実投入後は反撃出来る時間もあったが、最終的には1-3で敗北。しかし、終盤に柳沢が決めたゴールで柳沢は得点ランキングの3位に浮上し、見事日本人得点王を獲得。後にサンガの選手として史上初となるベストイレブン選出が発表された。

試合としては薄味な展開でこそあったが、出場こそならなかったものの、この試合は森岡隆三の現役最終戦となった。言うまでもなく、サンガよりは清水のレジェンドと認識されており、当時の清水には盟友と呼べる選手が多数在籍しており、森岡にとってのあまりにも運命的なこの巡り合わせ。試合後のセレモニーではサンガからの記念品贈呈があり、清水のベンチメンバーに入っていなかった伊東輝悦がサプライズ登場する時間を設けたのはサンガちゃんもなかなか粋な演出するやんけと思ったものである。

 

#3 SUPER SONIC!!!

2009 Jリーグディビジョン1第16節

清水エスパルス3-3京都サンガFC

2009年7月4日19:03@アウトソーシングスタジアム日本平

清水得点者:ヨンセン(24分)、岡崎慎司(28分、44分)

京都得点者:柳沢敦(14分)、渡邉大剛(58分)、イ・ジョンス(89分)

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825031147j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825031143j:image

 

Jリーグ史に残る移籍金でディエゴを獲得するなど大型補強を敢行したサンガだったが、ホームでは6勝2敗という好成績を残したのに対し、アウェイでは2分5敗で未勝利というなんとまあ内弁慶なシーズンを過ごしていた。一方、長谷川監督に見出された若手が続々と日本代表デビューを果たし、そろそろ優勝争いに絡んで行きたかった清水も4試合連続ドローに見回れるなど勝ち切れない試合が続く。お互いにもどかしい状況での試合となった。

14分、サンガは清水のCKを跳ね返すと、ルーズボールの応酬を制したサンガはここから柳沢、ディエゴ、渡邉の3人でカウンターを開始。CKを跳ね返してから僅か15秒。最後は柳沢の芸術的な胸トラップからのシュートで鮮やかなカウンターを完結させる。しかし清水は10分後にヨンセンのゴールで追い付くと、日本代表での得点量産でスター街道を歩み始めていた岡崎が2ゴール。終わってみれば清水の2点リードで前半を終える。

勝ち切れない試合の多くが「先制を取られて同点までは行けたけど…」というパターンだった清水にとっては願ったり叶ったりな展開だったが、やたらカウンターの切れ味が鋭かったこの年のサンガはまたも牙を剥く。58分、相手のパスミスをカットした佐藤勇人の縦パスを受けたパウリーニョがディエゴとのワンツーで一気に抜け出すと、最後は右サイドを駆け上がった渡邉のゴールで1点差に迫る。豊田陽平林丈統の投入で一気に攻勢をかけようとするサンガに対し、清水は3枚の交代カード全てを守備的な選手に費やしてリードを守りに入ったがアディショナルタイム、GK水谷雄一ロングフィードに豊田が競り、パウリーニョが触ったところにパワープレーで上がっていたイ・ジョンスが反応。ボレーシュートは文字通りピッチを叩き、そのままループ状になってGKに吸い込まれ、サンガはほぼラストプレーのタイミングで劇的な同点劇を生み出してみせた。……狙ったのか、事故なのか…。

ともかく、サンガと言えばアディショナルタイムでの失点しか見た記憶のなかった私にとって、清水相手にこの同点劇を演じた事は大きな感動として思い出深い。

 

#4 潰えた祝宴は瀕死の象徴

2010 Jリーグディビジョン1第10節

京都サンガFC2-4清水エスパルス

2010年5月5日13:04@京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場

京都得点者:柳沢敦(31分)、ドゥトラ(34分)

清水得点者:藤本淳吾(54分、78分)、ヨンセン(59分)、ボスナー(83分)

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825034008j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825034005j:image

 

開幕からの4試合を2勝1分1敗で乗り切った時の高揚感はこの時には完全に潰えており、気が付けばズルズルと降格圏に。この時点で既に2008年、2009年には感じなかった「あ、やばいわ、これ」感が渦巻いていた。対する清水はこの時絶好調。開幕から9試合で未だ無敗。正直なところ、少なくとも「勝てそう」と思える試合ではなかった。

しかし蓋を開けてみると先制したのはサンガ。31分、角田のロングフィードドゥトラが落としたところに走り込み、最後はGKとの1対1を制してゴール。これがJリーグ史上6人目となるJ1通算100得点目のゴールとなり、しかもそれを前日に生まれた子供へのゆりかごパフォーマンスで祝うという余りにも出来すぎた展開。しかもその直後にはドゥトラが移籍後初ゴールを決めた。

 

 

 

無敗の首位相手にレジェンドの偉業、お子様誕生日、期待の外人初ゴールで2点リード。

 

勝つやん。

こんなん勝つ流れやん。

どう考えても勝つやん。

 

「サンガ、これってジャイキリ?」

「と思うやんか〜」

「4点取られるんよ〜」

 

 

 

(元ネタがわからない人は「香川 ノンアルコール」で検索してね)

 

 

 

ちなみにボスナーの4点目は歴代フリーキッカー特集でよく映像流れます。

 

 

 

#5 ザ・痛み分け

2010 Jリーグディビジョン1第26節

清水エスパルス1-1京都サンガFC

2010年10月16日19:04@アウトソーシングスタジアム日本平

清水得点者:原一樹(4分)

京都得点者:ディエゴ(89分)

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825040117j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20220825040121j:image

 

すっかり湘南と共に降格枠の2つを埋めてしまっていたサンガ。25試合を終えて勝点15と非常にまずい数字を叩き出し、奇跡の残留の為には一つの引き分けですら致命傷なのは明白だった。一方、第17節で鹿島との直接対決を制し、ウキウキで首位ターンを果たした清水はそこからまさかの大失速。前半戦17試合で10勝を積み上げたチームは、後半戦後半戦の8試合で1勝2分5敗、しかも3点差負け2回と4点差負け1回という惨状だった。お互いに傷だらけ。それでもサンガには奇跡の残留、清水は優勝争いからは脱落していたが、ACL圏内の可能性は十分に残していた。

試合は開始早々、後にサンガで活躍する原のゴールで清水が先制する。7月から監督に就任した秋田豊監督はいよいよ追い込まれ、この年から台頭し始めた中村充孝中村太亮のW中村にハウバード・ダンも投入。するとアディショナルタイム寸前になんとかディエゴが同点弾を叩き込み、サンガは土壇場で勝点1を得た。

清水にとってはサンガ相手に2年連続悲劇的なドローを喫した事になる。ましてや悪夢のような失速劇の中で、ほぼ降格が決まっているようなチームに喫したこの同点劇は悪夢としか形容出来なかっただろう、一方、サンガとしてはこれが序盤ならポジティブに捉えられた引き分けだったと思うが、この時は引き分けさえも大ダメージな状況だった。結局、この次のG大阪戦から7連敗を決めたサンガは第30節の時点で降格が決まり、この日死守した勝点1は最下位回避の役にしか立たなかった。

 

 

2009は吠えたなぁ…

ではでは(´∀`)