RK-3はきだめスタジオブログ

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意義ある擦り合わせと不足したサンプル〜W杯アジア2次予選第5節 ミャンマー代表 vs 日本代表 マッチレビューと試合考察〜

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Blue-ing雰囲気よかったよ

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューFIFAワールドカップ2026アジア2次予選 兼 AFCアジアカップサウジアラビア2027予選グループB第5節 ミャンマー代表 vs 日本代表の一戦です!

 

 

 

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日本代表6月シリーズが始まります。

日本にとっての2次予選突破はフラットに見れば当たり前のことで、それを満たしたことはあくまでノルマにすらならない目標の達成と呼ぶべきでしょう。

今日に至っては、言ってしまえば完全なる消化試合。だからこそ日本代表というチームにとって、そしてそこに集った個々の面々にとって、この90分にどんな意味を持たせられるのかはまさに自分達次第となります。ラクな環境ではないアウェイの地で、代表ではベンチに座る事が多かったような選手がどんなパフォーマンスを見せるか。チームとしてピッチという箱の中にどんな構成要素を詰めこんでいくのか。それはまるで試す事を試されるようなゲームです。日本がこの試合にどんな意味を持たせられるかが問われています。

日本のスタメンです。

 

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日本は今日は3バックと4バックの可変式システムとなる形を採用。WBとしては菅原由勢と中村敬斗が入っており、旗手怜央がボランチとして配置されています。4バック時には全体的に時計回りで4-2-3-1になる形ですね。

GKは前川黛也が代表で初スタメン。小川航基と橋岡大樹もE-1選手権を除けば初めてのA代表での先発出場となりました。

 

 

 

本日の会場はミャンマーヤンゴンのトゥウンナ・ユーストレーニングセンター・スタジアムです。

 

 

ミャンマー政府が所有するミャンマーの国立競技場です。日本は2019年にカタールW杯2次予選でミャンマーと対戦しており、このスタジアムでの試合はそれ以来という事になります。スタジアムはユーストレーニングセンター内に建設されており、スケートリーグや室内競技の体育館なとわを併設するスポーツコンプレックスとなっていますが、このスタジアムの建設には日本政府の「青少年教育センター建設計画」が資金援助を行って完成されたというちょっとした背景も。

ちなみに今日は3月に予定されていたアウェイでの北朝鮮戦が中止となった為、このミャンマー戦が宮本恒靖JFA会長体制としては初の男子A代表戦となっています。

 

 

やはり序盤から日本がリズムを掴みます。開始早々に守田英正がオープニングシュートを放つと、4分には守田のパスを受けた鎌田のワンタッチの落としに旗手がフィニッシュまで持ち込むなど良い試合の入りを見せます。

3バックでプレーする日本は特に左サイドのところで鎌田大地、中村敬斗、旗手怜央が良い連携を作っており、左サイドの中村に振ったところからインサイドに鎌田か旗手が抜けていく、そこから中村のリターンか第三者のアタックかでシュートまで持ち込むというような攻撃の連動性を生むことができていました。

 

 

 

すると17分、日本は右サイドの自陣深くで守田がミャンマーからボールを奪うと、旗手を介してボールを受けた鎌田が左サイドを目指してロングスルーパス。抜群のタイミングで走り込んだ中村がエリア内に侵入すれば、切り返しから彼が最も得意とする角度でのシュート!宮本会長が就任して第1号となるゴールは宮本監督の直接の教え子から生まれました!

 

 

更に34分、日本はゆったりとしたボール回しから伊藤洋輝がスルーパスを送り中村がインサイドを抜け出して折り返し。これを受けた鎌田のシュートはポストに当たりますが、こぼれ球を堂安が押し込んで日本2点目!宮本会長就任初戦、今度はガンバユースの後輩が素晴らしいご祝儀!

 

 

守備時は3バック、攻撃時は4-2-3-1というような可変システムでプレーしていたような形の日本。前半はそれぞれ中村、堂安、鎌田、旗手のところでの人とボールの出し入れが上手く回り、小気味よいパスワークも織りなしながら日本が2点リードで前半を終えます。

 

 

日本は後半から旗手と堂安を下げて川村拓夢、そして代表デビューとなるパリ五輪世代の鈴木唯人を投入。

やはり後半も日本が高い位置でボールを持ちながら…という展開になる中で、前半は小川をポストプレーとして置きながらシャドーとサイドが絡む流動的な攻撃パターンでしたが、後半は更に65分までに鎌田と菅原も下げて前田大然と相馬勇紀も投入し、小川のボールの受け方も含めて前半より直線的な矢印でのスタンスになっていました。

 

 

 

後半は相手が引いてきた事もあって攻めあぐねる時間もありましたが、ミャンマーの守備に対して小川もアクションの仕方を掴んでからは背後からのボールを引き出せるようになり、WBで起用された前田の突破や相馬からのシンプルなクロスボールを交えながらダイナミックな攻撃が見られるようにもなっていきました。

75分には右サイドに開いた相馬のクロスにファーサイドの小川が頭で合わせて3-0とすると、83分には今度は相馬のグラウンダーのクロスがこぼれたところをまたしても小川が巧みに拾って4-0。将来を嘱望されながらも怪我などがあって苦しんだFWが、遅れて戻ってきた東京五輪世代のエースがその存在を誇示するような2ゴール!

 

 

終盤には板倉滉をボランチとして投入するテストを行うと、後半アディショナルタイムにはその板倉の縦パスを小川が背負って落とし、最後はまたしても中村がゴラッソ!

 

 

終わってみれば5-0!

消化試合かつ難しいコンディションと気候のアウェイゲームでしたが、しっかりと個人としてもチームとしても仕事を果たしてきました!

 

 

 

まぁ、やはり相手が相手というところがあるので、スコアを額面通りに捉えるべきではないという事は外野がわーわー言わなくともチーム内部でその自覚があると思います。その上で今日に関しては、毎度書いているように森保ジャパンは複数の攻撃パターンを使い分けていく、複数のカードを持ち合わせておきたいというチームですから、前半の流動性、後半のダイナミズムと行ったように多彩なパターンを一通り実戦の中で試せた、感覚として擦り合わせる事が出来たのはポジティブなポイント。そこの辺りで、厳しい気候・格下相手・消化試合というシチュエーションの中で、選手達がちゃんとそういうパターンを擦り合わせていこうとダレずに90分やり切ってくれたところは素晴らしかったなと。

 

 

ただ一つ誤算があるとすれば…チームとしてダメだったという話ではないんですけど、テストとして不十分になってしまったのはシステムのところですね。

終盤は純粋に3-4-2-1をやっていましたが、今日の試合は多くの時間で守備時は3バック、攻撃時は4バックの可変式システムとしてプレーしていました。しかし、やはり日本とミャンマーの間にはかなりのレベル差がある訳で、基本的にはずっと日本が攻撃している状況になってくる。そうなると試合は常に攻撃フェースで結局ずっと4バックの状態でしたし、可変システムの肝になる実際に可変する瞬間、いわば攻と守のフェーズを切り替えるようなシーンがほとんど起こらなかったので、そこに関してはちょっとテストにならなかった部分はあったのかなと。

 

 

孝行教え子

ではでは(´∀`)