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よろしくない展開ゆえ見えた改善〜FIFAワールドカップ2026 アジア2次予選グループB第3節 日本代表 vs 北朝鮮代表 マッチレビューと試合考察〜

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藤浪をすこれ

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューFIFAワールドカップ2026アジア2次予選 兼 AFCアジアカップサウジアラビア2027予選グループB第3節 日本代表 vs 北朝鮮代表の一戦です!

 

 

 

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アジアカップ2023、それは日本にとって屈辱と表現するしかない1ヶ月でした。

内部の課題、消化不良、外部から唐突に投げつけられた問題…それらに苛まれ、最後に日本が背負った結果は大会前の「史上最強」というフレーズを前にあまりに虚しいベスト8。今、日本代表は「敗者」として次なるスタートラインに立っています。

しかし、一つの試合の後には次の試合があるように、日数の限られた代表活動は一つのイベントが終われば次なるイベントがやってきます。アジアカップで敗れたという事実は悔やまれるもので、それを美談にする訳にはいかないし、そもそもしようがない。しかし敗れてしまった以上は、アジアカップでの失敗や課題をチームの肥やしにしていかなければならない。アジア2次予選、対戦相手は北朝鮮……どうしてもピッチ外の事がフォーカスされるチームですが、彼らはアジア2次予選レベルで当たるには相当難儀な対戦相手です。少なくともミャンマー戦のような展開にはならないでしょう。だからこそ、日本はここで新たなプレゼンスをアジアに対して示し、そしてW杯という場所に負けでしか得られない経験を持って帰られなければならない。敗れたものに与えられた薬を手に、SAMURAIBLUEの旅路は再び幕を開けます。

両チームスタメンです。

 

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4-2-3-1を採用した日本は、アジアカップではレギュラーを外れていた菅原由勢や守田英正、メンバー外となっていた田中碧が今日はスタメンに名を連ねており、GKは大迫敬介が復帰しましたが今日のゴールマウス鈴木彩艶がアジアカップに引き続き担う形になりました。2列目は右から堂安律、南野拓実、そしてアジアカップのイラン戦同様に前田大然を左に配置。招集メンバーのうち、相馬勇紀と毎熊晟矢はベンチメンバーから外れています。

 

 

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

 

 

2022年6月のブラジル戦から日本代表戦での使用を開始した新国立競技場での日本代表戦は今日で4試合目ですかね。今年は元日にタイ代表との試合を行なっているので、国内でのAマッチは2試合連続での国立開催となっています。

旧国立競技場時代もキリンチャレンジカップなどの試合は行われていましたが、W杯のアジア最終予選に関してはドイツW杯予選が始まった2004年以降、多くの試合を埼玉スタジアム2002、時たま日産スタジアムパナソニックスタジアム吹田で開催する形で行われてきました。その為、国立でW杯予選が開催されるのは1997年のフランスW杯最終予選、日本が後にジョホールバルの歓喜と呼ばれる事になるアジア第3代表決定戦進出を決めた最終戦以来。実に27年ぶりです。

 

 

試合は開始早々から動きました。

前半2分、左サイドで上田綺世が粘ると田中がフォローしてクロスを供給。ファーサイドの堂安律の折り返しは一度は跳ね返されるも、再びボールを拾った堂安がマイナス気味に入れ直し、ここにクロスを上げた後に自ら走り込んだ田中が決めて日本先制!!これが本当のブルーロックか田中碧!!!!

 

 

第1節のミャンマー戦とは異なり、今日の北朝鮮は守備重視である事は当然としても当初の想定よりは前線から積極的にプレスをかけてきました。それに対して日本はDFラインからビルドアップを試みつつ、常にSBとCBの間でパスを回しているところにWボランチの守田か田中が顔に出し、そこに当てたところからいつもよりワイドなポジショニングを取っていた堂安や伊藤洋輝に展開していくような形で、ボールの回り具合は割りかし上手く展開していました。

ただ、北朝鮮はミドルゾーンでの守備は比較的ボール回しだけでも容易に剥がせていましたが、アタッキングサード以降では北朝鮮もしぶといディフェンスを展開してきた事で、日本もなかなか最後のひと崩しには手こずる展開に。そんな中でも堂安らが何度か決定機を迎えましたが、相手GKの好セーブにも阻まれる形でゴールには至らず。

 

 

 

時折スピードを活かした大カウンターを受ける場面はありましたが、そこは町田浩樹ら守備陣が巧く対応してチャンスには至らせず。

前半は開始早々ド頭のゴールで1-0。1点リードで終えます。

 

 

後半に出足の良さを見せたのは北朝鮮でした。ロングボールで背後を取ると、抜け出したハン・グァンソンのシュートはポスト直撃。さらにこぼれ球を詰められてゴールネットを揺らされますが、ここは前の時点でオフサイド判定となっていた為にゴールは認められず同点を回避。しかし後半は北朝鮮が選手交代を通じ、前半から不気味さを漂わせていたスピード感にパスが追いつくような形となったかのようにリズムを作り始めていました。展開は北朝鮮がサイドを突破してくる場面が劇的に増え、日本は北朝鮮の攻勢に対して後手に回る格好に。

 

 

 

日本も左サイドで前田が抜け出し、そこから上田が呼応すらような場面はいくつか作っていたのでノーチャンスという訳ではありませんでしたが、前半のように左の突破と右のパス回しを上手く使えていたような展開ではなく、攻撃はなかなか右の堂安と菅原のところまで回せない時間が続きます。

一方でセカンドボールの応酬はことごとく北朝鮮が制し、ゴール前でもボコスカシュートを打つのではなくショートパスや細かいテクニックも織り交ぜるなど幾つかのパターンを持ち合わせて攻めてきた事で日本は押し下げられ、かなり後退した展開を強いられる事に。

 

 

 

そんな中で森保監督は58分に守田を下げて遠藤航を投入して中盤の守備の調整を試みると、74分には堂安、南野、菅原を下げて谷口彰悟浅野拓磨、橋岡大樹を投入。浅野と前田をシャドー、谷口を中央に町田と板倉を両脇にした3バックに変更し、守備固めと上田(その後小川航基に交代)の両脇に爆速シャドーを置いてカウンターを狙う形にシフトします。

試合が全体的に北朝鮮ペースとなっていた状況からはなかなか抜け出せない時間が続いてはいましたが、その中でも谷口を中央に置いて板倉と町田の負担が少し減った事でチームとしての逼迫感は少し軽減され、かつ浅野や前田が良い抜け出しを見せた事で北朝鮮への牽制にもなったのか、終盤に入るにつれて日本は試合の流れを少し取り戻す形に。

 

 

 

終盤には再び日本がボールポゼッションの時間を増やせるようになり、北朝鮮のハイプレスも弱まってきた事もあって試合はセーフティーモードへ。

辛勝……苦しく、難儀な試合ではありましたが、なんとか耐えた日本が1-0で勝利!2次予選3連勝、3戦連続クリーンシートを達成しました!

 

 

 

試合後に田中碧が「反省点の多い試合だったが、勝った上で反省できる事は良かった」といった主旨のコメントを残していましたが、まさしくそういう試合だったかなと。

前半は上手くやれていたと思います。北朝鮮が思っていたより果敢にプレスをかけてきていたとは言え、練度の高いプレスというよりは突っかかってきている感もありましたし、そこはDF陣もしっかりとパスを出しやすい持ちどころで持ちつつ、田中と守田のWボランチがちゃんとパスコースを提供し、そこで前を向いてから組み立てていく…という流れがしっかり出来ていました。北朝鮮は日本がアタッキングサードに入った時の守備は粘り強くやってきた事でわかりやすいチャンスシーンがバカスカ作れた訳ではありませんでしたが、ほぼファーストプレーで先手を取れた余裕もあるのかそこで攻め急ぐことなくゲームを組み立てながら巧く運べていたと思います。

ただ後半は日本の想定を遥かに上回るほどに北朝鮮がギアを上げてきた。北朝鮮イラン戦を参考にしたのかどうかはわかりませんが、ロングボールをCBとSBの間に通し、そこにスピードを持って攻め込む事で日本守備陣を混乱に陥れていました。北朝鮮がここで上手くやったのは迂闊にフィニッシュまで持ち込まず、速攻で混乱に導いてからは若干遅攻にシフトしてきた事。これでチーム全体で押し上げる時間を作った事が北朝鮮が前を向いてセカンドボールを回収できるようなサイクルを構築させ、日本をその輪廻の中に引き摺り込んできた。日本からすれば、そこから脱出するのに時間を要したゲームでした。

 

 

ただその中で森保監督も遠藤の投入で中盤の守備を整備しつつ、谷口を中央に置いた3(5)バックにする事でウィークポイントをしっかり埋めてきた。特にその中でもやっぱりリードしている時にこそ浅野と前田は効くんですよね…。過去にも何度か書いている事ですけど、彼らみたいな爆速タイプの人間が一度カウンターのチャンスを作ると、それが決まらなかったとしてもビハインドを背負う相手DFにはそれだけでも牽制になる。精神的に前に出にくくなるんですよね。どうしてもあの駆け抜ける残像が残って。遠藤にしても谷口にしても浅野にしても、自分は何を求められて投入されたのかをよく理解し、それをよくプレーに反映させていたなと。

どうしてもピッチ外の事がフォーカスされるとはいえ、北朝鮮って基本的には弱い相手では無いんですよ。一定の競技力は常に持っている。とはいえ、日本は持ち合わせているパワーとクオリティーを踏まえればこの展開にしてはいけなかった。こういうゲームになってしまったという事自体反省点である事は確かです。ただ、こういう展開になってしまった上で…と考えるなら、もちろん北朝鮮にイランほどのクオリティーが無かったからと言ってしまえばそれまでではあるんですけど、ピッチ内での個々の対応やアラート、ベンチワークも含めて、イラン戦の敗因と反省はこの試合の後半は活きていたのかなと。

 

 

以前のブログでも書きましたが、森保ジャパンは一つの勝利、一つの敗北の全てをサンプルとして積み上げるようにしてチームを構築してました。

その観点で言えば、今日の北朝鮮戦はこういう展開になった反省がある一方で、その部分での成長、反省をすぐに表現した姿を見せたことは勝利と同様に大きかったように思います。

 

 

パドレスドジャースどんな試合してんだ

ではでは(´∀`)