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役者〜アジアカップ2023カタール大会ラウンド16 バーレーン代表 vs 日本代表 マッチレビューと試合考察〜

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青天の霹靂

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューAFCアジアカップ2023ラウンド16、バーレーン代表vs日本代表の一戦です!

 

 

 

アジアカップ2023観戦ガイドを作成しました!コンテンツは随時更新しておりますので、是非ご活用くださいませ!

 

2023年のJリーグを振り返る記事も色々更新しています。それらの記事はこちらにまとめておりますので是非!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

「史上最強」とも称された日本が、それを名実ともに名乗る為の戦いというような構図になった今回のアジアカップ。その道のりは今のところ、順風満帆とは遠いところでの戦いとなっています。ベトナム戦では勝利こそしたもののフィリップ・トルシエに一泡吹かせられる展開となり、続くイラク戦ではジャイキリとは表現しにくい試合展開の末に敗北。インドネシア戦では攻撃陣の躍動は見られましたが、最後の最後で完封を逃すなどスッキリしないままここにやってきました。

2位という立場でここにいる事自体が両手を挙げての成功とは言えない実情を物語っている…それは確かです。しかしながら、結局のところアジアカップは7試合目を勝ったチームだけが歓喜を手にする。少なくとも日本は、必ずしも望んだ結果でさ無けれどもその為の条件は満たしました。ここからは一つの負けの取り返しが効かない舞台。韓国とヨルダンが同居したグループEを首位で勝ち上がったバーレーンはピッツィ監督が率いるよく組織されたチームであり、日本にとっては長きに渡って様々な因縁のあるチームです。彼らのモチベーションは日本が想像するよりも高い事でしょう。策も練っているはずです。その全てを無力化させられるほどのパワーが日本にあるかどうか。このアジアカップは、このラウンド16は、新たなステージの日本代表を見せる為の戦いでもあります。

両チームスタメンです。

 

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第2戦のイラク戦から第3戦のインドネシア戦では8人と大きくメンバーを入れ替えていた日本ですが、今日のバーレーン戦ではインドネシア戦のスタメンを継続し、インドネシア戦からの変更はコンディション面でベンチを外れていた板倉滉が復帰した一人のみとなりました。野澤大志ブランドン、渡辺剛、細谷真大がベンチを外れた一方、今日はグループステージ3試合を負傷で欠場していた三笘薫が遂にベンチ入り!役者は揃えて久々のバーレーン戦に挑みます。

 

 

 

本日の会場はカタール、ドーハのアル・トゥマーマ・スタジアムです。

 

 

特徴的な外観と言いますか、もう目に見えてアラビア感の強い外観を持つスタジアム。その一方、スタンドに関しては赤・白・緑のイタリア国家のようなカラーリングが特徴的なスタジアムですね。

日本にとってはグループステージのベトナム戦インドネシア戦の試合会場と同じですので、4試合中の3試合をこのアル・トゥマーマ・スタジアムで開催している事に。インドネシア戦から2試合連続で同じスタジアムで戦える事は、2位通過で得られた棚ぼた的なメリットでもあるでしょうか。勝ち進めば、準決勝もこのスタジアムで戦う予定になっています。

 

 

基本的には日本がボールを持ちながら攻め込む展開となりました。インドネシア戦ほど右サイドで崩して左で仕留める…という展開ではない分、今日はむしろ左サイドの中村敬斗と中山雄太を中心とした攻撃を繰り出す時間が続いており、そこに久保建英がフォローに入る事で左で上手く連動したパスワークを構築。

10分には左サイドで得たCKを久保が蹴り込むと、中央にフリーで飛び込んだ上田綺世がドンピシャで合わせますが……GKのビッグセーブによってこれは阻止されます。

 

 

 

一方、バーレーンも日本に対してゾーン守備を展開しながらじわじわと詰めていく上手いプレスのかけ方を徹底しており、日本はなかなか中央まで切り崩すには至らない時間が続いていました。

バーレーンに上手くサイドまで逃がされると、日本はバックラインを使ってビルドアップと攻撃の組み立て直しを試みましたが、特に日本のバックラインに入った時にバーレーンは日本を限定したエリアに上手く追い込んでいくような、激しい訳じゃないけど効果的なプレスの詰め方を披露。鈴木彩艶のセーブとオフサイド判定にも救われましたが、11分にはボール奪取から一気に決定機まで持ち込まれる場面も。

 

 

 

29分には鈴木がなんとか抑えたとはいえ危ないミドルシュートを打たれるなど、攻めあぐねるうちにじわじわとリズムがバーレーンに向き始める嫌な展開になり始めた31分でした。

左サイドから中村、遠藤と繋いだパスを右サイドで受けた毎熊晟矢は、フリーとは言えエリア外のところから思いきったミドルシュート!強烈な一撃は左ポストに直撃してゴラッソ未遂にはなったものの、このシュートに一瞬気が切れたようなバーレーン守備陣の一瞬の制止を見逃さなかった堂安律がきっちり詰めて日本先制!!10番を背負う堂安はこれで今大会初ゴール。

 

 

ただ、36分には4-1-2-3で安定した仕事ぶりを披露していた旗手怜央が負傷退場というアクシデントが発生。守田英正との交代を余儀なくされ、試合中には板倉や堂安が足を痛める場面もあるなどちょっと悩ましい事案もありましたが、前半のうちに1点リードを得る事に成功して後半に進みます。

 

 

すると後半開始早々の47分から久保のFKに板倉が合わせる決定的な場面を作ると、続く50分にはミドルゾーンで詰まったバーレーンのビルドアップを久保がカット。久保は中央の上田に繋ぎ、上田はシュートに持ち込む前に相手DFにカットされましたが、そのこぼれたところに詰めた久保が反転から冷静に流し込んで追加点!!堂安に続き、久保も待望の今大会初ゴール!!

 

 

リードが2点に拡がった日本は前半よりも安定したペースでボールを持ち、前がかりにならざるを得ない展開の中で効果的なカウンターを仕掛けていきました。

62分、右サイドから毎熊のロングスルーパスに抜け出した上田の折り返しに、ミドルゾーンから上がっていった守田が相手DFを背負いながら絶妙なターンとポストプレー。完璧すぎるアシストから最後は中村が冷静に流し込んでネットを揺らしましたが、この一連のプレーは上田の時点でオフサイドを取られていてノーゴール判定に。

 

 

 

しかし直後の64分、アル・アスワドが蹴ったバーレーンの左CKからバケルが合わせたヘッドは一度はGK鈴木が弾くも、そのこぼれ球を処理しようとした鈴木と上田が交錯する形になってしまい、こぼれたボールは無情にもゴールの中へ。オウンゴールで日本が1点を返される形に。

それでも森保一監督はその直後に久保と中村を下げて南野拓実、そして遂に今大会初登場となる三笘薫を召喚。バーレーンに傾いたムードを強力な個の投入で打ち返そうと試みると、一度バーレーンに傾いたように見えた流れは一変、毎熊のパスを受けた上田が巧みなターンで持ち込み、自らフィニッシュまで到達!エースストライカーの今大会4得点目は嫌な流れの全てを跳ね返す貴重な追加点!!

 

 

三笘投入後の日本は更に80分に堂安と上田を下げて町田浩樹と浅野拓磨を投入。これに伴い、終盤は浅野を先頭に南野と三笘をシャドーに置いた3バックの3-4-2-1にシフトしていく中、終盤は目立ったピンチもなく、逆に前に出てきたバーレーンに対して三笘の三笘が襲いかかる構図にもなって多くのチャンスが生まれました。

 

 

 

アディショナルタイムには中山のボールから浅野が抜け出して決定機を得ましたが、チャンスはありながらも4点目を決め切る事は出来ず。それでも何度か訪れた嫌な流れを乗り越えて3-1で勝利!躍進していた相手にしっかりと地力の差を見せつけ、9大会連続のベスト8進出を決めました!

 

 

 

端的に言えば地力の差で勝った試合でしたし、それは同時に日本がそれだけの地力を得た証左でもあった。ベトナム戦もそうですけど、課題と同時に、完璧な試合ではなかったからこその感慨深さもありましたね。

前半は全体的にバーレーンの組織的な守備に苦しんだところがあったと思います。バーレーンの守備は後半は荒さが出るようになっていましたが、前半戦はそこまで激しくプレスをする訳ではなく、エリア内ではゾーンを組み、ある程度ラインを高く戻せたらじわじわと狭いエリアに追い詰めていくような守備でした。11分のピンチのように、前半から日本のバックラインに対する守備の仕方にはなかなか苦しめられた部分はありましたし、サイドを起点に攻める事は出来るけどなかなか肝心のゴールエリアには侵入出来なかった。前半はまさしく「攻めあぐねている」という言葉が似合う試合でした。

ただ、その中で毎熊のあのミドルシュートは相当大きな意味を持っていました。バーレーンはエリア内での集中力は相当高いものがあった中で、あの意表のあるシュートはポストに当たると同時に、バーレーン守備陣の意識を一瞬フリーズさせた。毎熊としては当然そのまま決める事を狙っていたでしょうし、それが出来れば最高だったのは前提として、ポストかGKのセーブで前に弾かせればOKという考えもあったと思います。バーレーンの意識が一瞬切れた瞬間をしっかり狙っていた、そして見逃さなかった堂安も素晴らしかった。あそこは一つ、やはりバーレーンに比べると日本が手練れていたところが出た場面だったように感じました。

 

 

同時に…日本の失点に関しては、やはりエリア内でのセットプレー時のコミュニケーションは見直していく必要があります。ベトナム戦然り。それはGK鈴木の是非ではなく、純粋に今のGKは鈴木だろうが前川だろうが野澤だろうが新顔な訳で、その部分は一から詰め直さないといけない部分ではあるかもしれません。権田修一シュミット・ダニエル、大迫敬介ならGKもDFも慣れている分、ある程度言わずとも理解し合える部分があったかもしれませんが、今回はGK全員が一新されている訳ですし、そこはDF側も持つべき意識なのかなと。

ただその後ですよね。あそこのタイミングで三笘と南野を出せた事、特に三笘を出せた事は本当に大きかった。バーレーンからすれば、これまでただでさえ久保や堂安がいたのに三笘と南野が途中から出てくるだけで「ハァ?」という話だと思うんですよ。ましてや三笘はここまで試合に出ていなかっただけに、余計にバーレーン側も「三笘がいつか出てくる恐怖」はあったはず。それをバーレーンに1点を返され、会場のムードもバーレーンが押せ押せになったところでそのカードを切る事が出来た。森保監督はマネージメントも含めてそういう心理的なアプローチは相当上手い監督だと思いますし、多少その部分考えてのあのタイミングだったと思います。

かつて日本は「ドログバ投入」というトラウマを見せられたチームだった訳ですが、少なくともアジアレベルであれば日本はそういう畜生技を出せるようになったんです。そういう部分で、上で書いたことの繰り返しですが、完璧な試合ではなかったからこその感慨深さがあった試合でもありました。今日の得点者もこれまでゴールのなかった堂安と久保、そして逆にに1番点を取っている上田。まさに役者が役者の仕事をした90分だったなと。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

アジアカップ2023ラウンド16》

オーストラリア4-0インドネシア

タジキスタン1(5PK3)1UAE

イラク2-3ヨルダン

カタール2-1パレスチナ

ウズベキスタン2-1タイ

サウジアラビア1(2PK4)1韓国

バーレーン1-3日本

イランvsシリア

 

アジアカップ2023準々決勝》

タジキスタンvsヨルダン

オーストラリアvs韓国

イランorシリアvs日本

カタールvsウズベキスタン

 

 

大阪互助会

ではでは(´∀`)