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ミッション半遂〜アジアカップ2023カタール大会グループD第3戦 日本代表 vs インドネシア代表 マッチレビューと試合考察〜

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右堂安左敬斗右堂安左敬斗

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューAFCアジアカップ2023カタール大会グループD第3戦、日本代表vsインドネシア代表の一戦です。

 

 

 

アジアカップ2023観戦ガイドを作成しました!コンテンツは随時更新しておりますので、是非ご活用くださいませ!

 

2023年のJリーグを振り返る記事も色々更新しています。それらの記事はこちらにまとめておりますので是非!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

イラク戦…それは青天の霹靂と呼ぶには「負けるべくして負けた」としか言いようのない内容と、そして敗北という結果でした。

 

 

実質的なB代表として挑んだ1988年大会となるグループステージでの敗北は、いわば日本にとっては日本代表が現在に至る日本代表として活動するようになってからは初めての敗北であり、それだけに日本にとっては事故のようなアンラッキーではない痛手となる一撃を浴びた格好に。イラク戦に対する未練、後悔、屈辱……それはこちらが外からやいのやいの言うよりも遥かに中にいる人間達が感じている事でしょう。

ただし、結局のところアジアカップは「7試合目を勝てればいい」……そういう大会です。それはグループステージで全勝はできなかった4大会で出来た事であり、同時にグループステージで全勝した3大会で出来なかった事でもありました。起こったことは起こってしまった以上、反省の肥やしとして再起への燃料にするしかない。負けにポジティブな解釈など存在しませんが、ストーリーの起伏としての消化が叶うかどうかはこのインドネシア戦、そしてこれからの戦いが全てを証明します。近年、サッカーに対しての熱狂度が狂気的にすらなっている国を相手に、日本は今、その立場の矜持を見せつけるシチュエーションに立たされました。

両チームスタメンです。

 

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日本はイラク戦からスタメンを大幅に変更。フィールドプレーヤーでは遠藤航久保建英以外の10人中8人スタメンを入れ替えており、その8人も中村敬斗以外は今大会初先発。中山雄太、町田浩樹、毎熊晟矢は今大会初出場となっており、グループステージ3試合全てに先発したのは鈴木彩艶と遠藤航の2人のみとなりました。

今日は両WGに元ガンバ大阪の2人を並べ、右サイドで堂安律と久保がコンビを作る東京五輪仕様に近い形。システムも4-1-2-3となっており、久保と共に旗手怜央がインサイドハーフを組む形になっています。GK野澤大志ブランドンに加え、板倉滉と三笘薫がベンチ外となりました。

 

 

 

本日の会場はカタール、ドーハのアル・トゥマーマ・スタジアムです。

 

 

日本にとっては初戦のベトナム戦もこのスタジアムでの試合でしたので、このスタジアムでの試合は今大会で2度目という事になりました。

カタール航空ハブ空港として使用するハマド国際空港からも程近いところに位置するこのスタジアム。今大会で使用される多くのスタジアムと同様に、このスタジアムも2022年カタールW杯の開催を前提に建設されました。同大会では開催国・カタールの試合から準々決勝まで8試合を開催し、カタールのW杯初得点やモロッコのアフリカ勢初のベスト4など歴史的な瞬間が生まれたベニューという事に。スタジアムの外観はカタールの伝統的な帽子である「ガーフィヤ」をイメージして造られており、アル・バイト・スタジアムと共に外観のアラブ感の強いスタジアムですね。

 

 

試合は開始早々に動きました。5分、右サイドでボールを持った堂安に対して毎熊が直線的な動きを見せると、毎熊とそれに釣られたDFの動きに合わせて堂安がカットインしてスルーパス。ポケットのエリアに走り込んだ上田は上手くボールを収めてファウルを誘発しPKを獲得すると、これを上田が自らゴール右にきっちり決め切って日本先制!!

 

 

その後も基本的に日本がボールを握る時間が続いており、高い位置をビルドアップのスタート地点にしながら、右は中に切り込みたい堂安と外に抜けたい毎熊の連携が上手く噛み合い、そこから久保や上田を介してチャンスになりそうな場面は多く生まれていました。

しかしインドネシアペナルティエリア付近ではタイトな守備をしっかりとやってきた事で思うような形でシュートを打てる場面は印象よりは少なく、少し20分以降はインドネシアがカウンターに顔を出せるような場面も作られる形に。

 

 

 

インドネシアが少し前に出てきた時間帯は、日本も序盤ほど人とボールが流れるような場面は少なくなってきましたが、逆にインドネシアが攻め込んでくるターンが終わると少し前がかりになったインドネシアがスペースをくれるようになった事で日本のチャンスが増えていきます。

35分には毎熊が久保に預けて飛び出すと、久保のスルーパスに毎熊が反応して折り返し、ファーサイドの中村が狙いすました完璧なシュート!しかし狙い過ぎたのが仇となったか、ポストに当たったボールは不運にもゴールに転がらず追加点にはなりません。

 

 

 

ただ、右サイドでの堂安と毎熊の動きやそれに対する久保の絡み、逆サイドの上田や中村の呼応をに至るまで、PKの1点に留まった事に物足りなさと不安はあったとはいえ、このメンバー構成にした意味とメリットは存分に出した45分を過ごして前半を終えます。

 

 

後半に入るとインドネシアがシンプルにロングボールを蹴り込み、かつロングボール処理を試みている間にハイプレスをかけてくるようになった事で日本は処理に苦しみ、ビルドアップがアバウトになる時間が続いていました。

しかし52分、ルーズボールの応酬を冨安が収め、中央に降りてきた堂安への縦パスに昇華させると、堂安は左斜めに走るようにドリブルで持ち運び、左サイドの中村に当ててそのまま左に流れてクロス。堂安に折り返しにニアで久保が潰れると、ファーで待っていた上田が冷静に流し込んで日本待望の追加点!堂安と中村の連携とかいうガンバファン垂涎の…ぉ。

 

 

インドネシアにとってはまさしく後半の作戦の出鼻を挫かれる形になりましたが、3位通過の為にはどうにかドローには持ち込む必要があるインドネシアも前がかりになってきた事で試合はオープンな展開に。

その流れでインドネシアがシュートチャンスまで持ち込む場面もありましたが、スペースが多く生まれた事で日本は前半よりも多くチャンスを作れるようになり、いずれも僅かに枠を捉えられませんでしたが堂安に2度の好機が訪れるなどスペースを使いながらリズムを作っていきます。

 

 

 

69分には旗手と中村を下げて南野拓実と前田大然を投入し、前がかりになるインドネシアに対してカウンター時に強みを出せる形にシフトします。

その後はコンディション面も考慮しながら82分には久保と冨安を下げて佐野海舟と渡辺剛、86分には堂安を下げて伊東純也を投入しながら時計の針を進めようとする日本。そんな中で88分には毎熊のパスを受けた伊東の折り返しを上田が収めて右足一閃。相手DFに当たったシュートが上田のゴールならハットトリック、でもオウンゴールかもしれないという上田と鹿島ファンからしたら気が気でないシチュエーションになりましたが何はともあれ3-0!

 

 

 

アディショナルタイムにはインドネシアが度々試みていたアルハンのロングスローからこぼれ球がファーに流れ、それをウォルシュに押し込まれて失点。

ベトナム戦でもイラク戦でも完封を逃した日本にとってはゲームの締め方に課題が残る形にはなりましたが、それでも結果を求められた試合できっちり結果を出し勝利!2位という結果は不本意なれど、日本は最低限のミッションである決勝トーナメント進出を決めました。

 

 

 

以前のブログTwitterでも何度か書いていますが…森保ジャパンはユニットというか、複数のセットをパターンとして有し、それを使い分ける事でチームとしてのキャパシティーを担保し、状況に応じたユニットを登用する事で結果を出してきたチームです。

 

 

大きく分けると、伊東を攻撃の軸としてインテンシティーを押し出した最終予選型、そして右サイドで堂安と久保がゲームを作る形の東京五輪型。カタールW杯を含めて、日本はどちらかと言えば最終予選型を4-2-3-1にシフトしたような形をファーストチョイスとして採用していますが、今日はトップ下に久保、右サイドに堂安、そして右SBは守備面の不安は多少あれど攻撃面でこの2人の環に入っていける毎熊を起用している事からもわかる通り、明確に東京五輪型を採用して挑んだ試合でした。

右でチャンスを作って左で仕留めるに当たって、やはり右はコンビネーションが強みの堂安と久保の間に毎熊がベストなフォローの仕方で絡んでいましたし、右の連携のみならずニア〜センターの間に入る上田とファーで待つ中村、あまり攻め上がり過ぎないようにする中山の動きまでを含めて、今日のスタメンに選ばれた11人は「自分が起用された意味」以上に「今日のメンバー構成の意味」をよく理解してプレーしていたんじゃないかなと。前半は特にややハイペースになり過ぎるような場面もありましたし、メンバーを入れ替えて調整やテスト的な意味合いも強くなった中とはいえゲームの締め方には問題もありましたが、ゲーム全体で見た時にこの試合でやりたい事、やろうとした事、メンバー選考の意味とメリットはしっかりと出せたように思います。

 

 

 

さぁ、アジアカップはいよいよ本番です。

グループステージは極端な話、負けをリカバーできる舞台です。一つの黒星は一つで収まるなら決して致命傷ではなく、その黒星は取り返しがつく。それは今回のアジアカップでも、或いはカタールW杯でも日本が身をもって体感し、救われた部分でもあるでしょう。

ここからはそうはいきません。2位で突破した日本に待ち受けるのはE組1位。相手は韓国かもしれないし、韓国と同居しながら首位通過を果たした国かもしれない。どうやったって嫌な相手とぶつかる訳です。その相手に対して一つのミスは確実に己の首を絞め、そして一つの黒星は大会からの死を意味する。サバイバルを勝ち抜き続けた者しか優勝の座に立つ事は出来ません。ここからがこの大会の全ての始まりです。

 

 

イン?ドネシア!

ではでは(´∀`)