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テーマと共に進捗を〜キリンチャレンジカップ2023 日本代表 vs チュニジア代表 マッチレビューと試合考察〜

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昨日のCSすごかったねぇ…

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューキリンチャレンジカップ2023、日本代表vsチュニジア代表の一戦です!

 

 

 

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カナダ戦は難敵相手に、常連メンバーの一部を欠きながらも4-1で快勝。これで日本は第2次森保ジャパンとしての戦績を5勝1分1敗とし、特にここ5試合で18得点。最初のエルサルバドル戦を抜きにしても、ペルードイツトルコカナダの4戦で全て4得点という衝撃的な爆走を見せています。

10月シリーズの相手となるカナダとチュニジアが持つ共通項としては、いずれも日本が2022年に対戦して敗れた相手…という側面がありました。特に昨年6月のチュニジア戦は相手の術中に嵌め込まれる形で0-3の完敗。しかし今振り返れば、あの試合はカタールW杯や現在の日本代表に繋がる一つのターニングポイント的な試合だったと言えるのかもしれません。もちろん、森保監督を含めてチームとしてはカナダ戦チュニジア戦も実力国を相手にしたテストとして捉えているはずで、この試合の最大のテーマは公式戦前最後となるテストマッチを有意義に活かす事。一方で、感情的な意味合いとしては2022年の精算…という気持ちもファンとしては抱いてしまうものです。新生森保ジャパンとしての新たなる戦いを2024年に向ける為の、重みのある親善試合です。

両チームスタメンです。

 

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日本は13日のカナダ戦からスタメンを7人変更。カナダ戦から連続先発となるのは冨安健洋、中山雄太、遠藤航、伊東純也の4人となっており、特に4バックは伊藤洋輝こそ体調不良で離脱となりましたが、板倉滉と菅原由勢が加わっておそらく森保一監督が考えるベストに近い4バックとなりました。2列目は今日は右の伊東純也、トップ下の久保建英に左は旗手怜央をセット。ワントップには神戸凱旋となる古橋亨梧が入り、GKの鈴木彩艶はE-1選手権を除けば初出場です。

チュニジア昨年6月の対戦でも出場した選手では6人が先発に名を連ねました。センターフォワードにはガンバ大阪のイッサム・ジェバリを起用。両チームのスタメン22人のうち、現役Jリーガーがチュニジアのジェバリのみという異様な状況になっています。

 

 

 

本日の会場は兵庫県神戸市、ノエビアスタジアム神戸です。

 

 

普段はヴィッセル神戸のホームスタジアム。近年の日本代表戦はJFAが極力球技専用スタジアムで開催する事を基本戦にしているので、メインが埼玉スタジアム2002、準ホームの扱いでパナソニックスタジアム吹田豊田スタジアムというような形になっていますが、近年はこのノエスタもそれに次ぐ厚遇を受けている印象ですね。日韓W杯に併せて建設されたスタジアムは多くが国体開催も睨んだ陸上競技場だった中で、あの段階で現在にも通ずるスタジアムを建ててくれた事は素晴らしい功績です。前回のカナダ戦MIZUHO BLUE DREAM MATCHとして開催されましたが、今日のチュニジア戦は従来通りのキリンチャレンジカップとして開催されます。

昨年のキリンカップサッカー2022では日本vsガーナの前に行われた試合としてチュニジアvsチリの試合が行われており(観に行ってました)、後にガンバ大阪でプレーするイッサム・ジェバリはその試合でも得点を挙げました。また、チュニジア2002年日韓W杯でも初戦のロシア戦をこのスタジアムで戦っています。

 

 

 

 

最近の日本はボール非保持を前提にした試合展開が前提でしたが、今日はチュニジアが先にブロックを組んでくる形で試合に入ってきた事もあって自陣からビルドアップをしながら前進していく戦い方になっていきました。その為、中盤も遠藤航はプレスのスイッチ以上に配球役としての役回りが求められる中で上手くサイドに振りつつ、その中で久保建英と守田英正が2人で連動しながら前に出たり後ろやサイドのフォローに入るなど気の利いた動きを披露。旗手と伊東の両WGに上手く回していきながら攻撃を展開していきます。

 

 

 

しかしチュニジアも堅実なブロックを組んできた事で、なかなか日本もカナダ戦のように崩し切ったような決定機は多くは作れていませんでした。ですがその中でも日本は今日のテーマでもある繋ぎながら崩すことを焦れずに行なっていく事で少しずつチャンスに繋げ始めていき、23分には伊東のパスを受けた久保の折り返しがDFに少し弾かれたところに走り込んだ旗手が決定機。しかしここは大きく枠を外れます。

 

 

 

するとじわじわと打開の目が見えてきた43分でした。ミドルゾーンでボールを持った守田が相手DFを剥がして縦パスを送ると久保かま旗手に繋ぎ、旗手のパスは一度DFに当たりましたが、跳ね返ったボールを巧みに収めた古橋がGKとの1対1を冷静に流し込んで日本先制!代表では難しい時間の続いた古橋の「らしさ」が光るゴール!

 

 

日本は前半終了間際のゴールで1点をリードして前半を終えます。

 

 

日本は後半から古橋を下げて上田綺世を投入。基本的な試合の流れは後半も前半と同じ展開で進んでいきます。

日本が攻撃のターンを回しながら時間が進んでいき、上手くサイドから中への出し入れを繰り返しながら攻め込んでいく中で62分には左サイドから久保のパスに抜けた上田が決定機。ここはGKのプレスもあって一度サイドに流れるも上田が粘って折り返し直し、最後は菅原が豪快なミドルを放ちますが僅かに枠の左へ。

 

 

 

日本は64分に旗手と中山を下げて浅野拓磨と町田浩樹を投入。すると69分でした。浅野のパスを受けた久保が左サイドを突破して抉ると、ゴール前を固めたチュニジア守備陣を嘲笑うかのようにファーサイドへマイナス性のグラウンダーのクロスを供給。ここに走り込んできた伊東がまさしくコントロールショット!!美しい流れと美しいフィニッシュで日本追加点!!

 

 

72分に伊東と板倉を下げて南野拓実谷口彰悟を投入した日本は74分に南野の折り返しから上田が再びチャンスを作るなど、チュニジアの統率されていた守備網に乱れが生じてくると今度はそのスペースを上手く利用した速攻も進められるようになっていきました。

82分には久保を下げて橋岡大樹を投入し、これまでの試合と同様に3バックにシフト。終盤は押し込まれる時間が続き、アディショナルタイムには共に途中出場のラフィアのクロスをジュイニがヘッド。一瞬肝を冷やしましたがなんとかポストに救われてクリーンシート達成!日本、2-0でチュニジアに勝利しました!

 

 

 

対戦相手のスタンスの違いもありますから、単純にメンバーの違いという意味ではなく試合のアプローチとしてはカナダ戦とは異なるものを求められていたと思います。

チュニジアは基本的にブロックを敷いてくるので、必然的に日本はそこでスピードを出しにくくなってくる。カナダ戦みたいに伊東や浅野がラインブレイクしやすい展開にはならない事は明確でしたが、その中で今日は最終ラインをプッシュアップしながら、ミドルゾーンと上手くボールを出し入れするボール回しでビルドアップを出来ていました。古橋の先制点なんか特にそうでしたけど、今日は引いてくる相手にじわじわと攻めていく遅攻ベースの攻撃が出来ていた。ここはすごく大きなポイントだったように思います。

 

 

 

カナダ戦の前、森保監督は10月シリーズの2試合に於ける代表のテーマを「戦術の幅を拡げる」に設定しているような発言をしていました。思い返せば森保ジャパンの戦い方といえば、以前ブログに書いた話ですけど…

 

 

端的にいえば、戦術の突き詰めが足りないという事をよく批判とされて指摘される森保ジャパンですが、森保ジャパンが目指すところというものはそもそも戦術として複数なカードを使い分けられるようなチームになる事であって、森保ジャパンの根幹は常に戦術の幅をキープする事、一つ一つは完全ではなくても、戦えるレベルのやり方を複数備える事であらゆる相手、あらゆる状況でも勝算を確保する事だと思うんですよね。

前述の10月シリーズのテーマはそういう森保ジャパンの元々のコンセプトの延長線上にあるもので、結果的に離脱者の多かった今回のシリーズでは半強制的にいつもと違う組み合わせで戦わなければならない状態でしたが、だからこそこの機会に…という部分も同時にあったように思います。そういう意味では、もちろん1試合1試合にフォーカスをすると100点に近い試合なんてそうそう無いですし、節々に課題として問題視するべきポイントはあるんですが、森保監督が設定したテーマとその進捗という観点では100点満点に近い2試合だったと表現できるのではないでしょうか。

個々人の感情としての好き嫌いも絡むでしょうし、森保ジャパンを好意的に見るかどうかは個人の自由であり、主観です。ただ私としては、2023年の森保ジャパンの取り組みと進捗は相当素晴らしかったんじゃないかなと。もちろん来年1月のアジアカップ次第ではその評価が反転する可能性だってあるんですが、プロセスとしては高く評価されて然るべき道のりを歩んでいると考えています。

 

 

さ、明日は阪神CSや…

ではでは(´∀`)