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切り替えの使い分け〜MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023 日本代表 vs カナダ代表 試合考察とマッチレビュー〜

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sorry. pia .jpは魔の羅列

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューMIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023、日本代表vsカナダ代表の一戦です!

 

 

 

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「日本代表史上最強」───カタールW杯から今日に至るまでの軌跡に於いて、日本代表にとってその称号は大袈裟ではないフレーズになりました。というか実際にそうでしょう。カタールW杯でドイツとスペインに勝利した事実、3月シリーズこそ南米の強豪に辛酸を嘗めるも新たな試みにもトライし、6月シリーズと9月シリーズの躍動はもはや圧巻とも言うべきものでした。特に9月のドイツ戦は、ドイツはいち親善試合のレベルではないモチベーションを持っていたはずで、そこに対する4-1の勝利というのは……。思い返せば、カタールW杯前の最後の親善試合として戦ったカナダ戦の時とはまるで違う世界が今の代表には広がっています。

今の代表は本当に史上最強なのか。少なくとも選手層に関しては間違いないでしょう。ただ、言ってしまえば代表活動はリーグ戦ではなく、それ以外の時間は予選を含めてビッグトーナメントに向けたいわば"前フリ"に過ぎません。印象としての史上最強はともかく、事実としての史上最強はアジアカップを順当に獲り、W杯で過去最高を成し遂げた暁に初めて手に入る称号です。とはいえ、森保監督を筆頭にそういう意識は強いはずですし、だからこそ今の代表は出来なかった事もサンプルの一つとして取り組もうとしています。カナダ、チュニジアという実力国との連戦となる10月シリーズも、その肥やしの一つとして活きてくるはずです。

両チームスタメンです。

 

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カタールW杯以来の代表復帰となった南野拓実、負傷離脱したカタールW杯以来の代表招集となった中山雄太がそれぞれスタメン起用。日本国内での代表戦出場は2021年10月のオーストラリア戦以来となる冨安健洋は今日は町田浩樹とCBを組み、両サイドは伊東純也と中村敬斗のスタッド・ランスのコンビを起用してきました。先月のトルコ戦で代表デビューを果たした毎熊晟矢は連続スタメンを飾っています。

 

 

 

本日の会場は新潟県新潟市デンカビッグスワンスタジアムです。

 

 

かつて森保監督がヘッドコーチを務めていた新潟のホームスタジアム。新潟での代表戦開催といえば森保ジャパン3戦目となった2018年のパナマ戦以来5年ぶりとなっており、久しぶりの新潟開催という事でチケットも即完売となりました。また、普段は日本国内の親善試合は「キリンチャレンジカップ」として扱われますが、本日はみずほフィナンシャルグループ協賛による「MIZUHO BLUE DREAM MATCH」として初開催となります。日本国内での男子A代表の試合がキリン以外の企業の特別協賛試合として行われるのは2015年ウズベキスタン戦のJALチャレンジカップ以来です。

2001年にオープンしたビッグスワンですが、このスタジアムで最初のビッグイベントは2001年の日韓共催コンフェデレーションズカップでした。この時に当時のトルシエジャパンは新潟で2試合を開催しており、その初戦の相手が他でもないカナダ。3-0で勝利したこの試合、小野伸二中田英寿の「口じゃんけんFK」も話題になりましたね。

 

 

試合は開始早々に動きました。

2分、キックオフから高い位置までボールを運んで右サイドからゲームを作る形になり、日本の攻撃をカナダが跳ね返す、それを日本が改修する流れが連続していました。その中で南野が積極的に仕掛けると、エリア内の混戦から弾かれたボールに走り込んだ田中碧がミドルを仕留めて日本先制!

 

 

日本は7分にも田中、中村と繋いで中山雄太のクロスに伊東が中に入ってチャンス。シュートはミートしませんでしたが、3バックというより5バックと化したカナダを後手後手に追い込めていました。

しかし20分頃になるとようやく状況が落ち着いたカナダがボールを回し始める時間が続くようになると、21分にはデイビスとデイビッドのパス交換からデイビスが一気に抜け出してGK大迫敬介と1対1の場面を作られるとデイビスと大迫の交錯がPK判定。しかしデイビットのキックは大迫が逆を突かれながらも脚でセーブ!

 

 

その後は再び日本が持ち直す形になりました。27分には伊東のクロスに中村が飛び込み、直後には獲得したFKをまたしても中村が狙いますが、鋭いFKは僅かにクロスバー直撃。一時はカナダに前進される時間が続きましたが、PKストップを機に一つの流れを止めると再びラインを押し上げる事でボール奪取と攻撃をランクさせられるようになりました。

 

 

 

39分にも左サイドの中村からボールを受けた南野がチャンスを迎えましたが、この決定機は伊東へのパスかシュートかが中途半端になってしまってゴールには至らず。

それでもその直後、田中のパスを受けた浅野拓磨の折り返しは南野には僅かに合いませんが、デイビスのクリアがGKボージャンに直撃する形になってオウンゴール。更に更にその直後にはハーフェーライン付近でボールを奪った浅野の突破からのパスを中村が決め切って3-0!!!!

 

 

一時は中盤で押される時間もありましたが、その後は持ち直す形で再び押し返した日本がテンポよくチャンスを重ねる形で前半を3点リードで終えます。

 

 

日本は後半から冨安を下げて谷口彰悟を投入。

すると後半開始早々と日本が攻勢に出ると、左でボールを受けた南野の巧みなコントロールからのボールを巧く収めて前に出した伊東のパスを田中がハーフボレー気味に叩き込んで4点目!

 

 

田中は直後にも中山のクロスのこぼれ球をミドルで合わせるなど躍動し、チーム自体も後半も前半終了間際の良い流れを引き継いでいきます。

カナダも点差ほど日本に押されっぱなしという訳ではなく、ミドルゾーンでは上手く日本を制するような場面もあったのでカナダが押し込んでくる場面はありましたが、日本も引いてブロックを固めるべき場面では焦れずに上手く対応しており、カナダにとってフラストレーションを感じるような展開をしっかりと維持していました。後半の後半辺りからはカナダがボールを保持する時間が長く続いていたものの、その中で伊東や浅野が攻撃時には積極的に最前線のラインを引っ張る事で連動したカウンターを成立させており、71分にはゴールには至りませんでしたが南野が決定機を迎えるなど効率的に攻め立てていきます。

 

 

 

61分に中村が負傷退場となった日本は同時に遠藤も下げて旗手怜央と伊藤敦樹を投入。72分には田中と浅野を下げて川辺駿と古橋亨梧を送り込み、83分には南野を下げて橋岡大樹を投入してシステムを3バックへとシフトします。

89分にはサイドを崩される形で最後はデイビッドの折り返しを途中出場のホイレットが押し込んで1点を失いクリーンシートはならず。それでも試合は4-1で終了!北米の有力国相手に快勝を飾りました!!

 

 

 

上手く試合を運んだなという印象です。それは同時にそれを出来るだけの質を持ち合わせたというところでもありますし、森保監督が10月シリーズのテーマとして挙げた「戦い方の幅を広げる」という点では1試合の中で広がりを見せられたのではないかなと思います。

戦い方を広げる上で、日本は大前提として…攻撃にしても守備にしても、リスクを負って攻める・プレスに行くところと、割り切ってブロックを固める、ゆっくりと遅攻で組み立てる場面をどの段階で切り替えて使い分けるかのタイミングをチームとして共有できていました。ここはまず一つ大きなポイントです。カナダはやはりアルフォンソ・デイビスをはじめとした実力と実績を兼ねた選手をしっかり起用してきた事もあって点差ほど悪いパフォーマンスだった訳ではないと思いますし、実際に中盤での組み立てから両WBの攻め上がりで押し込んでくるような場面もありましたけど、そういう時はきっちりと割り切った守備で中を固めていましたし、逆にミドルゾーンからアタッキングサード、或いはミドルゾーンとバックラインの間をボールが移動する時は積極的に狩りに行くなど、フォーメーションとは異なる意味でのシステム的に守備を行えていました。

 

 

 

切り替えと使い分けという意味では攻撃も同じで、まずは伊東と浅野という爆発的なスプリントを持つ2人が縦軸の幅を確保する…この時点でカウンターを成立させられるならさせたら良い話ですし、それが叶わなかったとしてもカナダの最終ラインを押し下げる事は出来ていたので、後は南野や中村がそこに上手く絡む事でスペースを有効に使っていく。遅攻的にリズムを作れば今度はそこに田中であったり、両SBが追い付き追い越していく…そういう連動は鮮やかなレベルでしたし、メンバーが急造的になった中であの意識共有を出来ていたのは圧巻でしたね。

4-1というスコアほどの完勝だったとは思わない一方で、逆にそういう展開であったからこそ「あ、日本こういう勝ち方出来るようになったんや…」と素直に思うような90分でした。3月シリーズからそうだと思いますが、シリーズごとに森保監督が提示するテーマをピッチ内で確実に遂行出来ていると思いますし、進捗過程としてはこれ以上ない。最後に失点したという反省材料を含めて100%の試合ではなかったですが、道のりとしては限りなく森保監督の予定に近い道のりを歩んでいるのではないでしょうか。

 

 

いま、ささくれが剥けました。

ではでは(´∀`)