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「負けた」というシチュエーションから〜国際親善試合 U-23日本代表 vs U-23ウクライナ代表 マッチレビューと試合考察〜

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それでもボクは花粉じゃない

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは国際親善試合、U-23日本代表 vs U-23ウクライナ代表の一戦です!

 

 

 

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昨日のA代表北朝鮮に続き、今日はパリ五輪世代の日本代表が重要な親善試合を戦います。

来月にはパリ五輪の出場権を懸けたアジアカップに挑む日本にとってマリ、ウクライナと対峙するこの2試合は、勝つか負けるかの結果が人生を、サッカー界を大きく左右する局面を前にした重要極まりない2試合です。この2試合はチームにとって、そして選手にとって、極端な言い方をすれば「負けても取り返しがきく場所」な訳で、だかるこそ収穫を磨き、課題を洗い出し、チームとして高まるような内容と手応えが求められる…のですが、初戦となるマリ戦はなかなか散々な出来となってしまい、結果も内容も苦しい90分だった、というのが否定できない実情でした。マリ戦がそういう試合になってしまったからこそ、続くウクライナ戦でやらなければならない事はマリ戦で出来なかったことも踏まえてやらなければならない。負けた以上は、負けた事も肥やしとして進まなければならない。数日で同チームを立て直すかも問われてきます。

そして同時に、これはかつてW杯予選前の親善試合で浅野拓磨が語ったように「これは僕ら(選手)にとって予選の予選である」と語ったように、個々のアピールにも大きな意味を持ってくる。この2試合にどういう意味を、どういう解釈を持たせる事が出来るのか。この90分を意義あるものにする為の献身に期待したいところです。

両チームスタメンです。

 

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メンバーは3月22日に行われたマリ戦からは右WGの山田楓喜だけ残してスタメンを全員入れ替える形になりました。今回の代表シリーズでは最終的にGK藤田和輝を除く全選手がいずれかの試合には出場したことになります。

システムは4-2-1-3。マリ戦では山本理仁、川﨑颯太の中盤タイプにアタッカータイプの植中朝日を起用していましたが、この組み合わせと同様に今日も藤田穣瑠チマと松木玖生の中盤タイプにアタッカータイプの荒木遼太郎を組み合わせる形になりました。

 

 

 

本日の会場は福岡県北九州市ミクニワールドスタジアム北九州です。

 

 

ガンバ大阪パナソニックスタジアム吹田が稼働した次の年となる2017年に開場したスタジアム。コンパクトな球技専用スタジアムとしてJ3ギラヴァンツ北九州が本拠地としており、ラグビーの宗像サニックスブルースもホームゲームを開催しています。海に面したスタジアムは時折クリアボールが「海ぽちゃ」する事でも話題になる他、ウォシュレット付きのトイレは地元企業かつギラヴァンツのスポンサーであるTOTOが寄付する形で設置されています。アクセスも新幹線が止まる小倉駅から徒歩7分という立地。

女子や世代別代表戦は過去に何度か開催されており、ちょうど今日の試合と同時期のタイミングにあたる東京五輪直前の3月にはこのスタジアムでアルゼンチン戦が行われました。板倉滉が2点取ったんですね、確か…。

 

 

序盤は日本がボールを保持する時間が長くなっていました。マリ戦では攻撃機会は右サイドのコンビネーションに依存する形になっており、ビルドアップの出口探しに戸惑っている間にボールロストをマリに詰められて…という場面が頻発していましたが、今日はDFラインのビルドアップ時にアンカーに入った藤田のフォローが良く、そこからサイドをボールの収まりどころとして、そこにSBと中盤が絡む形でのパスワークを展開していく流れを作れていました。

 

 

 

開始早々に荒木遼太郎がチャンスを掴んだ場面のようにプレスの出足も良かった日本は多くの時間で試合の主導権を握りながらプレーできており、31分には山田楓喜のFK、直後にはCKのこぼれ球を松木玖生が叩き込もうとするなどシュートチャンスもちらほら。

ただ、リズムや流れはマリ戦からの改善も見られて悪くない展開で進められていたものの、アタッキングサンドの場面でも少しずつ水が散見されるようになってくると、前半終盤になるに伴いウクライナがサイドから攻め込む時間が増え、そこは少し耐える展開に。それでもGK小久保怜央ブライアンを中心に凌ぐと、前半を0-0で終えて後半に向かいます。

 

 

日本は後半から山田と染野を下げて平河悠と細谷真大を投入。後半開始早々にも左サイドでボールを奪った佐藤から荒木が決定的な場面を迎えましたが、シュートは相手GKキリル・フェシュンのファインセーブを前にゴールならず。

するとそのプレーで得たCKでした。48分、右サイドでシュートを打った荒木が蹴ったボールをニアで関根大輝が合わせると、ファーサイドに走り込んだ佐藤が押し込んで日本先制!

 

 

後半はほぼほぼ日本のワンサイドゲームに近い試合展開で進んでいきました。ウクライナはかなり極端なくらいにビルドアップを徹底していた中で、4-1-2-3を組んで高い位置にプレスのスタート地点を置いた日本はそこから上手くウクライナのビルドアップを殺すようなプレスを連続。ウクライナの前進を許さず、かつ奪ってからのショートカウンターもハマっていた事で、後半はほぼハーフコートゲームの様相を呈した展開になっていきました。

 

 

 

日本は67分に荒木を下げて田中聡を投入。直後に田中のパスに反応した佐藤がチャンスを迎えるなどいきなり好機を作ると、76分には左サイドでボールを収めた佐藤は一度はボールを奪われましたが、ビルドアップを始めたウクライナから自ら奪い返して前線の細谷へ。細谷の突破は阻まれるも、こぼれ球をフォローした田中がゴール隅に流し切って日本追加点!!

 

 

終盤には小見洋太、地元出身の植中朝日、内野貴史といった選手を投入。特に小見は持ち味のドリブル突破がチームとして機能していたショートカウンターの流れの中で活きるなどインパクトを示しており、チームとしてもウクライナに対して最後までハイプレスとショートカウンターを機能させていました。

 

 

 

試合はそのまま終了!マリ戦は結果も内容も苦しい試合となったのが一転、今日は既にパリ五輪出場決めた強豪相手に結果も内容も完勝と言うべき内容で勝利しました!

 

 

 

マリ戦は何が深刻な内容だったというと、ハイプレスをすると言っても狙いどころをチームとして絞れておらず…相手というよりも、どこまで追うのか、どこから追うのか、誰が出し手に行って誰が受け手にいくのかがぐちゃぐちゃになっていた。それと同時に、上でも書きましたが…ビルドアップ時に守備陣がビルドアップの出口を失い、もたつく間にロストしてしまう…というような場面が多く、攻撃機会は右に送った時の山田、半田、山本のコンビネーションに委ねるしかない状況が続いていました。そういう難点がマリ戦にあったなと。

ただ、もちろんウクライナが徹底してビルドアップするチームだったなど対戦相手との相性やメンバーとシステムの相性もあったのでしょうが、おそらくチーム側にもその自覚がある程度あったのか、マリ戦の課題は今日はかなり改善されていたように思います。チームとしてハッキリとさせるべきところをハッキリさせていましたし、目的意識はかなりクリアでした。そこで特筆すべきが藤田と松木で、日本のボール保持時には荒木を少し前に出して逆に松木は少し落ち、藤田と松木で常にビルドアップの出口を担保しながら、そこからサイドをポイントに攻撃を組み直せる状況を作っていた。そういう流れをリズムとしてやれていたのは非常に良かったなと。

 

 

私はマリ戦の方を見に行ってマリ戦の内容は残念ではありましたが、順番としては出来なかったマリ戦→出来たウクライナ戦という流れで持っていけたことは相当大きかったですし、マリ戦で負けたことを良しとするつもりは誰も無いのは大前提としても、マリ戦に負けたという結果が出た以上はそれもサンプルとして肥やしにしなければなりません。そう考えれば、チームとして「惨敗した試合から3日後の試合をどう戦うのか」という状況でのトレーニングが結果的に出来た形になった。それに対しては素晴らしい答えを出したのではないでしょうか。

一方、ここからは負けたら終わりの戦いの訳で、一つの負けが肥やしにも出来ないシチュエーションになってしまいます。選手もスタッフも、人生の中でそう多くは訪れない正念場がすぐそこにある。強い気持ちでパリへの切符を掴んで欲しいところです。

 

 

マリ戦なぁ…(行ったやつ)

ではでは(´∀`)