RK-3はきだめスタジオブログ

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ラブリーでいてマーベラス〜2024明治安田J1リーグ第35節 ガンバ大阪 vs 名古屋グランパス マッチレビューと試合考察〜

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札幌を2戦連続で見たら名古屋を2戦連続で見ることになってたわたし

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第35節、ガンバ大阪 vs 名古屋グランパスの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

2024年のJ1は残り4試合。天皇杯の決勝に進んだと仮定すると、2024年のガンバ大阪の冒険は残り6試合という事になりました。

思えばここ数シーズンのガンバの終盤戦は、最悪の可能性を排除する為に戦い続けていた。それが今年は、優勝に関してはほとんど厳しいとはいえ数字上の僅かに残っており、そうでなくてもガンバにはACL出場権と天皇杯優勝の可能性が残った状況で5位という順位表のポジションを踏んでいます。ポジティブな可能性を未だに手にしている…ここ何年かなことを思えば、今ガンバが立たされている状況は幸せそのものです。

その可能性は夢で終わるのか、それとも形で終わるのか。過密日程で選手のやりくりも大変な中での試合ではありますが、ガンバには可能性を形に変えるだけのポテンシャルとプレゼンスをしっかりと示さなければなりません。目の前にいる相手は強大…かつてガンバの良き時代を築いた2人の英雄が聳え立っています。リーグ戦に関してはガンバほどの可能性はありませんが、彼らもルヴァン杯の戴冠やレジェンドのラストランという期するものがある。スタイル、魂…持てるものの全てをさらけ出す、そうして初めて勝ち進める最終盤の戦いに、随まで酔える様な90分を期待しています。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節川崎戦からのスタメン変更は3人。が金曜日にあり、日曜日に天皇杯準決勝の横浜FM戦を控えている過密日程からメンバーを一部入れ替えており、同じく中2日での試合だった第33節札幌戦と同様に宇佐美貴史と鈴木徳真はベンチスタートで、坂本一彩と山田康太が縦関係になりボランチに美藤倫が入る形を採用。また、川崎戦で負傷退場してウェルトンが欠場となり、左サイドには食野亮太郎が第30節浦和戦以来の先発となっています。負傷離脱から前節より復帰した東口順昭はホームでのメンバー入りは第19節神戸戦以来となりました。

名古屋は前節札幌戦からのスタメン変更は2人。前節はメンバーを外れていた和泉竜司がスタメンに復帰し、今日は三國ケネディエブスが前節の退場で出場停止となった事から3バックの真ん中にはハ・チャンレが入っています。前節は森島司をトップ下に永井謙佑と山岸祐也が2トップの3-4-1-2でしたが、今日は森島と和泉をシャドーに永井を最前線に置いた3-4-2-1。ベンチには山岸、パトリック、キャスパー・ユンカーが顔を並べています。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

 

 

本来J1第35節は11月3日に開催予定でしたが、11月2日にルヴァン杯決勝が行われる関係でガンバvs名古屋及び新潟vs東京Vの試合が今日に前倒しして開催されます。それに伴い平日開催となったので、今日のガンバは観戦を喚起するべく一部座席で半額キャンペーンを実施。また、先日開幕したバレーボール・SVリーグに参加する大阪ブルテオンからマスコットのパピネス、そして名古屋のマスコットであるグランパスくんもゲストとして来場しています。

土曜日は同じパナスタ天皇杯準決勝横浜FM戦を行うガンバにとって、この2連戦はまさしく秋の大一番。あっちの長谷川健太とパトリック、こっちの中谷進之介…因縁も渦巻く相手を前に、秋の夜長に心揺さぶり震える戦いを!

 

 

という訳で本日は現地観戦。

10月は5試合、それも4スタジアムで見れて楽しかったです。観戦日記はまた追々。

 

 

ガンバにとっては不穏な立ち上がりになりました。

5分、名古屋は右サイドでコーナーキックを獲得すると菊地泰智がインスイングのボールを供給。ゴール前の中央でマークについてきた黒川圭介を剥がしたハ・チャンレが高い打点で合わせて名古屋が先制。

 

 

前半の前半は名古屋の縦へのスピードが活きる時間が続いていました。16分には和泉の浮き球のボールを受けた稲垣祥がシュート。これは飛び出したGK一森純が見事に弾き、こぼれ球に詰めた永井のシュートもどうにかサイドネット。ただこの前にも右サイドでのパスワークから菊地にミドルを放たれる場面を作られており、立ち上がりは永井の縦に抜けるスピードでラインを下げられ、中盤との間のスペースを和泉や飛び出してきたWボランチに使ってくる形の攻撃に苦しめられる場面は多くありました。

しかし20分を過ぎる頃からは今度はガンバペースに。難しい時間を耐えたガンバは徐々に前で時間を作れるようになると、右サイドは山下が張ればFWの坂本かボランチの美藤のどちらかがポケットを狙うアクションを起こす山下がインサイドに入った時は半田陸が立ち位置を上げてフォローする連鎖的なポジション取りができており、前で時間を作れるようになったところをしっかりと攻撃にリンクさせ始めていきます。一方、左サイドは右サイドよりはシンプルに、食野のランやドリブルのコースに黒川が合わせる保管関係に山田が絡む形に。

 

 

 

サイドから中にボールが入る場面が増えつつあった21分、山下からのインサイドへのスルーパスに抜け出した美藤の折り返しは一度は相手DFがブロック。しかしこぼれ球を逆サイドの黒川がシュートを放つと、これも今度は内田宅哉に弾かれながらも最後は坂本が押し込んで同点に!

更に名古屋が野上結貴の負傷退場により吉田温紀と交代した直後の28分、左サイドの深い位置で粘った食野がフォローに回った黒川にボールを託すと、これを受けた坂本は相手DFを剥がして自ら右足一閃!!相手DFに当たったディフレクションこそありながらも、しっかりと足を振り抜いた見事な一発で一気に逆転!!

 

 

37分には山田の猛チェイスでボールを奪ったところから坂本がGKランゲラックと1対1になるハットトリックの大チャンスを迎えましたが、ギリギリでカバーに入ったハチャンレに弾かれてハットトリックはならず。

逆に名古屋は40分にはセットプレーのこぼれ球を稲垣がミドル。古巣対決の中谷進之介がブロックしたボールを再び稲垣が前に送ると、ゴール前の混戦からハチャンレと永井が立て続けにシュートを放つも一森が渾身の連続セーブ。一森は前半アディショナルタイムの徳元悠平のミドルも見事に弾き出し、ガンバが1点リードを維持して前半を終えます。

 

 

名古屋は後半から和泉を下げて山岸を投入し、山岸と永井を2トップ、森島をトップ下とした3-4-1-2に変更して後半に挑みます。

前半同様、立ち上がりは名古屋の時間が続きました。52分にはガンバ陣内で内田がボールを奪うと、拾った徳元のスルーパスに抜け出した永井のクロスに山岸がヘッド。しかしここはまたしても一森がビッグセーブ。しかしその直後の56分、名古屋はまたも菊地のCKからニアサイドの永井が頭で合わせると、一度は半田がブロックしましたがこぼれ球を吉田に押し込まれて再びスコアは2-2に。

 

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ガンバは60分には山田のスルーパスに抜け出した食野がボールを収めてパス。坂本を介して抜け出した山下が決定機を迎えますが、シュートは無常にもニアのポストに阻まれてゴールならず。ただ、前半同様ゲームは再びガンバペースになっていきました。

山下のシュートの直後に食野と美藤を下げて宇佐美と鈴木を投入して坂本を左に出すと、交代直後は中央で効いていた坂本を左に出した事で擦り合わせの時間を擁していましたが、徐々に前線のタレントがローテーション的にポジションを取れるような形が生まれていきました。73分には坂本と半田のパス交換から、最後は坂本のスルーパスに抜け出した宇佐美が狙うもGKランゲラックがセーブ。ただ、名古屋もサイドを菊地や徳元が抜けて中に合わせに行く流れを作るようになり、試合はスリリングな様相を呈して終盤戦へ。

 

 

 

名古屋が69分に永井を下げてユンカー、ガンバが74分に山田を下げて福田湧矢を投入して坂本を中央に戻すと、ここから再び試合が動いていきます。76分には一森のゴールキックをうまく収めた福田が一度宇佐美に預けてリターンのスルーパスを受けると、自ら勝負を仕掛けてから好機に漕ぎ着けましたがシュートは惜しくも枠の右へ。

しかし78分、ルーズボールの応酬になったところを鈴木が収めてテクニカルな縦パスを送ると、受けた坂本が走り込んだ宇佐美にパーフェクトなポストプレー。宇佐美のミドルを明らかに警戒する重心をかけ方をしていた相手DFの体勢、左サイドを駆け上がる福田のコースを踏まえた宇佐美の「精一杯の愛情を込めた」というラブリーなパスから、最後は福田がニアにマーベラスな一撃を叩き込んで3-2!!!

 

 

アディショナルタイムにもう一度訪れた坂本のハットトリックチャンスこそ実らなかったものの、終盤には倉田秋と岸本武流を送り込みながら、名古屋に対しても終盤に危険な場面を作らせずに試合を締めてゲームセット!

撃ち合いとなった試合。その結末は若手の躍動と先輩の愛情の末、帰ってきたムードメーカーが主役と化した勝利に至りました!!!

 

 

 

攻め切った、攻め勝ったゲームだったなと思います。ガンバは極度の疲労蓄積、名古屋は欠場者多数という守備の不安がいくつかあった中で、最後は差し切ったゲームだったなという印象ですね。

今日の試合のガンバの攻撃スタンス、名古屋の攻撃スタンスって真逆で面白い構図だったんですよ。ガンバはやはり今日であれば右サイドは幅をとってポケットのスペースを空けてそこを活かす、左サイドはWGの動きに合わせてSBがオーバーラップしていくオーソドックスな形で、いずれにしても幅を使ってスペースを作り、そこをしっかりと狙っていくスタンスでした。最後はゴールまでの混戦となりましたが、ガンバの1点目はまさしくそういう形でしたし。一方の名古屋はWBが中に入ったりシャドーやFWがサイドから流れたりしながら、それぞれのゾーンをクロスさせるように動いていく。ガンバがサイドを使ってスペースを作り、そこにしっかりと人を走らせる、ボールを出していく考えながら、名古屋は密集状態を誘発しつつ、密集の背後には広大なスペースができあがる訳で、密集からの解放みたいなものを念頭に置いた攻め方だったように感じました。そういう両者の攻撃アプローチはお互いに一定の効果を見せていたと思います。ガンバは右サイドと左サイドでそれぞれ違うパターンながらも、異なる形でサイドを攻略する流れをしっかりと生めていましたし、名古屋も圧縮と拡張を繰り返すような攻め方はガンバの守備陣に負担を与えていたと思います。

ただ、振り返れば名古屋が良い攻撃を繰り返し提示できていたのは前後半の立ち上がりに留まっていたので、そこはやはり苦しい時間がありながらもガンバの守備陣が培ったゾーンディフェンスを駆使しながら時間経過と共にしっかりアジャストしていく事ができた。逆に名古屋は、これまでの試合で三國が担当していたエリアを同じポジションに入ったハチャンレが行けばいいのか、ボランチが下がればいいのか、或いはチームとして設定ラインを高くするなり比較するなりのところが曖昧になっていて、結果的にボランチと最終ラインの間に大きなスペースができていた状態を最後まで解消しきれていませんでした。ガンバもそこをしっかり捉えて坂本や山田がそのエリアでしっかりと仕事ができるスペースを作っていましたし、2点目なんかは名古屋がそういう迷いを抱えていた中で食野がDFラインを下げさせてからバックパスをした事で、名古屋の守備の判断がワンテンポずつ遅れて行ったところを坂本が見逃さなかったゴールだったと思いますし。ざっくり総評すれば、上で書いたようにガンバが攻め切った、攻め勝った試合でありつつ、相手の出方や状況に対する順応の部分でガンバが名古屋を上回れたゲームになったのかなと。

その点で言えば、大きく分ければ鈴木やネタラヴィではなく美藤に近いタイプでありながら、今日は美藤に攻撃での良さを出させる方に重きを置き、ミドルゾーンとディフェンスラインの間をしっかりと管理する黒子の働きに努めていたダワンの献身と、前述したような名古屋の攻撃に撹乱されている間にいくつものファインセーブを見せ、単にピンチを防ぐだけでなく守備陣がアジャストできるまでの時間をセーブという形で作った一森の奮闘はこの試合の大いなるポイントでしたね。

 

 

 

で、最後の福田のゴールですよね…。まずガンバファンなら言わずもがなですけど、ストーリーとしてあれほど美しいゴールはそうそうお目にかかれない。復活弾がホームパナスタでシーソーゲームにケリをつける劇的ゴール。それも宇佐美からのあんな美しいスルーパスからだなんて、ファンよりも誰よりも福田本人が妄想していたような瞬間だったと思います。

同時に…あのゴールは否が応でもハイになるような試合展開と状況ながら、鈴木・坂本・宇佐美・福田の怖いぐらい冷静な判断と高度な技術の結晶で生まれたゴールでもありました。まずあのルーズボールの状況でしっかりとボールを収めて、そこから坂本のコースを見つける視野とそこに通す能力を見せた鈴木と、相手DFを2人引きつけながらボールを収めて走ってきた宇佐美にしっかり繋ぎ切った坂本。そして宇佐美……もちろん福田が良いコースにしっかりと走っていた事が大前提なんですが、この時に対峙したDFは明確に宇佐美がミドルを放つ事を警戒しているような守り方だったんですよね。そこをギリギリまで粘って粘ってパスを放った業は圧巻でしたし、宇佐美に関してはその前の鈴木のところでも周りを見れ過ぎている布石を打っていましたし。

 

 

そしてサッカーあるあるなところもあるんですけど「あまりにも完璧なパスが来て大チャンスになると逆に焦る」ってよく言うじゃないですか。今日の福田が迎えた決定機はそれに値する場面だったと思うんです。そこでボールの速度を落とさずにワンタッチで、しかも直前のシーンで外したファーではなくニアサイドに叩き込む事をノータイムで下した福田の判断と、ランゲラック相手にそれをやりきった技術も特筆されるべきポイントでしょう。これは名古屋の攻め方、守りの穴をチームとしてしっかり狙えたことにも繋がる話ですが、ハイテンション気味なゲームの中で全員が熱量を高く保ちながらも、それとは別の脳で相手からすれば残酷な程に冷静で確かで高度な判断を繰り返し続けた。そしてその高度な判断を結果に繋げられる技術が彼らにはあった訳ですから、危なっかしい試合展開でこそありながらも勝つべくして勝った、そこに美しい物語が乗ったゲームだったなと。素晴らしいゲームでした!

 

 

甘くすてきなデイズ

ではでは(´∀`)