RK-3はきだめスタジオブログ

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あるある〜2025明治安田J1リーグ第13節(延期分) 横浜F・マリノス vs ヴィッセル神戸 マッチレビュー&試合考察〜

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ノエスタで試合観た後は三宮で横浜家系食べて帰ります

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第13節(延期分)、横浜F・マリノス vs ヴィッセル神戸の一戦です!

 

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2021年の2位と3位、2023年の1位と2位である両チームの今季のモチベーションはやや異なるものでした。両者ともACL制覇を目標にしつつも、リーグ戦では改革路線で再建を期すマリノス、継続路線で鹿島以来となる3連敗という大記録を目指した神戸。そういう意味では異なる目標設定と共に動き出した両チームの今シーズンはいずれも低空飛行でした。

ただ、怪我人続出だったところに主力が戻り始め、元々立ち返るところを持っていたような神戸はここに来て復調。4月途中からは4連勝を果たし、そこから2連敗を挟みながらも前節G大阪戦では大迫勇也アディショナルタイムの劇的ゴールを含む2得点で逆転勝利。今季は順位表の広い範囲での中位群が詰まっているので、神戸は優勝戦線に食い込める可能性をまだ残した格好となりました。一方、遂に「社長のお気持ち表明」まで飛び出したのがマリノス。11戦未勝利、そして2008年以来となる6連敗……監督交代もなお浮上の兆しはおろか、もがくほどに泥濘に吸い込まれたいくような日々は、いよいよ最悪のシチュエーションさえも現実味を帯びてきました。まるで横浜エアキャビンのロープの上を渡るかのような日々はこれからも続く。名門は親会社よろしく守り続けてきたものをどう護持しようとするのか、そしてそれは叶うのでしょうか。港町ダービーです。

両チームスタメンです。

 

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マリノスは0-3で敗れた前節京都戦からはスタメンを3人変更。前節で負傷退場となった諏訪間幸成が第8節名古屋戦以来となるメンバー外となり、CBには負傷者が相次いでいる事からSBを本職とする松原健がCBとして先発しています。左MFには宮市亮アンデルソン・ロペスと2トップを組む1.5列目には植中朝日を持ってきました。

神戸は3-2で勝利した前節G大阪戦からのスタメン変更はありません。ベンチメンバー9名も変更なしとなった為、前節と全く同じメンバー構成で今日の試合に挑みます。吉田孝行監督をはじめ、扇原貴宏、エリキ、広瀬陸斗、ユースを含めれば汰木康也と古巣対決者の多いゲームともなりました。

 

 

 

本日の会場は神奈川県横浜市日産スタジアムです。

 

 

第13節は4月29日に開催されており、多くのクラブは今日はルヴァンカップ3回戦が組まれていますが、ルヴァンカップでシードを受けているマリノスと神戸、川崎と浦和の試合はACLにより順延されて今日の開催となっています。マリノスは変則日程もあってホーム4連戦の3試合目。ACLの都合で平日開催が多くなっている中、4連戦中の平日ホームゲームとなった先週の柏戦と今日の神戸戦では平日企画としてチケットの割引やスタグルのワンコインメニューの販売などが実施されるとの事。

日本最大のキャパシティー持つスタジアムであるだけに、日産スタジアムは日本最大のコンサート会場としての一面も有しています。それゆえに次節鹿島戦で最後となるホーム4連戦が終われば、そこからはOfficial髭男dismとSnow Manのスタジアムコンサートが立て続けに行われる予定です。

 

 

 

 

攻勢を仕掛けたのはマリノスでした。開始2分に抜け出した宮市亮が強烈なシュートを放った事を皮切りに、神戸も直後に一度セットプレーから好機を作ったとはいえ、前半はマリノスが多くチャンスを作っていきます。

ボール保持よりもWGのスピードも活かしてサイドの背後へのアクションを起こしながら速攻で畳み掛けようとしていたマリノスは12分には植中朝日がミドルシュートを放つもGK前川黛也がファインセーブ。更に直後にはヤンマテウスのCKのこぼれ球を永戸勝也がボレーで合わせるもクロスバーに直撃し、更にそのこぼれ球に対する山根陸のシュートも決め切れません。

 

 

 

しかし19分でした。

神戸は本多勇喜のパスに抜け出した佐々木大樹のクロスはマリノス守備陣が一度跳ね返すと、こぼれ球を回収した扇原貴宏のパスに完璧なファーストタッチで抜け出したエリキが冷静にフィニッシュを仕留めて神戸先制!何の因果か、2019年のマリノスの優勝に貢献した2人のラインで神戸が先制。

 

 

クロスバーに当たったから先制を許す流れはネットを揺らしたけどオフサイド判定になった前節とどこかシンクロするだけに嫌な流れを感じたマリノス。28分には宮市が井上健太との負傷交代を余儀なくされた事で不穏な空気は更に拍車をかけていきます。

しかし今日のマリノスは徹底して非保持をベースにハイプレスでの勝負を選択しており、少なくとも神戸を押し下げるような状況とミドルゾーンでの制空権を掴むような展開には持っていけていました。前半終了間際の43分、右サイドのCKからショートコーナーを選択しもう一本ショートパスを繋ぐとエリア外から喜田拓也ミドルシュート!主将のゴラッソはマリノスにとって4試合ぶりの得点に!

 

 

ハイプレス、即時奪回を徹底するように神戸を押し込もうとしたマリノスはそのゲームプランがある程度機能して攻勢を維持し、ワンチャンスを活かした神戸相手になんとか同点には持ち込み前半終了。後半に向かいます。

 

 

 

神戸は後半から本多を下げて広瀬を投入。神戸はややラインを押し下げられる状況が続いていたので、守備に強い本多よりも攻撃面でアクセントを作れる広瀬を送り込みます。

51分、後半立ち上がりはどちらもペースを掴んでいるとは言えない状況下で左サイドでのCKを得た神戸は扇原がファーサイドへ山なりのクロスボールを蹴り込むと、これが誰にも触れられずに待っていた大迫勇也へ。イレギュラーもせずフリーの状態で大迫に飛ばれれば、彼がこの機会を逃すはずもなく…。大迫は2試合連続ゴール。神戸が勝ち越しに成功。

 

 

マリノスは54分には加藤蓮のクロスボールに井上が走り込みますがヘディングはミートせず。1-2になって以降のマリノスはなんとかボールを持って前進していこうとしますが、神戸からすればむしろ非保持の状態からプレスとカウンターでリズムを作る方が得意なチームな訳で、マリノスは攻めようとすればするほどカウンターに効くパトリッキも投入した神戸の"やりたい展開"になっていくジレンマに。

マリノスは72分にアンデルソン・ロペスとヤン・マテウスのブラジルコンビを下げて遠野大弥と鈴木冬一を送り込み、前線でパワーよりも機動力を担保しようと試みます。対する神戸も大迫を下げて井出遥也を投入。

 

 

 

どうにか攻め込みたいマリノスでしたが、ただでさえ井出の投入で中盤守備と速攻へリンクするポイントと裏抜けに特化したパトリッキを確保したカウンターシステムを組んだ神戸は守備陣がブロックを築きつつ、ミドルゾーンでは井手口や佐々木が強度の高い守備を見せて攻撃の糸口を潰し続ける事で、マリノスはボールを持つ時間は増えても速攻でチャンスを作れていた前半と違って「持たされている」というような状況にどんどん飲み込まれていきます。

終盤は神戸を前に決定的な場面にまで持っていくことも叶わず試合終了。神戸は連勝で順位を6位まで浮上させ、マリノスはとうとう7連敗かつ11戦未勝利で2008年に記録したクラブワーストを更新する結果となりました。

 

 

 

マリノスは試行錯誤の跡は見えるゲームではあったんですがね……。今日に関しては、特に序盤はハイプレス気味の戦術でとにかくミドルゾーンでのボールの応酬を制することを重視して、その上でヤンマテウスと宮市の両サイド、奥にサイドのスペースに早く送り込んでいく…というやり方を徹底していました。特に宮市のところでは縦にアクションを起こし、マテウスのところではカットイン気味の動きになるので深い位置までとりあえず送ってから人数をかけていくような。神戸相手にボールを保持する展開になると分が悪くなりがちなのはマリノスに限った話ではないので、これが神戸対策なのかキスノーボ体制のベースとしてやっていくつもりなのかはわかりませんが、非保持を前提にどうアクションを起こしていくか…という流れを神戸相手に発揮できたのは一つマリノスにとってポジティブな要素はではあったのかなと。

ただその流れができている間に点を取り切れなかった事、そしてその戦術をやる上でのキーマンであり、独力でフィニッシュやクロスまで持っていける宮市が離脱してしまった事は致命傷でした。喜田が同点ゴールを決めた時はもしや…という気配が無かった訳ではありませんでしたが、立ち上がりこそ保持側に回って攻めあぐねていた神戸はリードを奪うと共に非保持をベースにプレスに行くエリアとブロックを組むエリアを明白に分けた「得意な戦い方」に振り切れる余裕を与えてしまった。結局喜田の得点で追いついても後半に入ってすぐに神戸が勝ち越した事で、神戸は選手交代でもパトリッキや井出の投入でDF陣のブロック構築、中盤の強度、前線とリンクするポイントにカウンターで走り抜けるパトリッキという必要要件を全て満たしたような構造にしてきたので、その時点でマリノスにはアバウトなクロスで攻めることしか出来なくなっていしまった。焦るマリノスに対して神戸が上手くやり込めたと言いますか、神戸の強かさと獲るべきチャンスで獲り切る力が存分に発揮された後半だったと思います。

 

 

今日のマリノスはゲームプランとしては悪くなかったですし、そこはちゃんと練習で用意してきたものを出してきたんだなという印象は確かにありました。ただ神戸に先手を取られて、宮市が負傷して、この試合の前提が崩れた。マリノスに仕掛けに対してチームとしてのベースを持ちつつ、相手やスコアの状況に応じてピッチ内やハーフタイムの修正で適切な形に微調整する作業を繰り返せた神戸と比べた時に、今日のマリノスは特に後半が顕著だったようにどうにか数日で用意したもの"しか"出せなかった…そういう試合だったのかなというのが個人的な今日の総評ですかね。何をやれば良いのかわからなくなる、かといって明確に何かを用意すればそれしか出来なくなる。この辺りは低迷するチームのあるあると呼ぶべき部分でしょうか…。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2025明治安田J1リーグ第13節

FC東京0-2清水エスパルス

横浜FC0-3鹿島アントラーズ

名古屋グランパス1-2柏レイソル

ファジアーノ岡山0-1東京ヴェルディ

サンフレッチェ広島0-1アルビレックス新潟

湘南ベルマーレ0-0アビスパ福岡

ガンバ大阪2-1京都サンガFC

セレッソ大阪1-2FC町田ゼルビア

川崎フロンターレ2-2浦和レッズ

横浜F・マリノス1-2ヴィッセル神戸

 

 

1位 鹿島アントラーズ(37)

2位 柏レイソル(33)

3位 京都サンガFC(31)※1

4位 浦和レッズ(30)※1

5位 サンフレッチェ広島(29)※2

6位 ヴィッセル神戸(27)※2

7位 川崎フロンターレ(25)※2

8位 FC町田ゼルビア(24)

9位 ガンバ大阪(23)

10位 清水エスパルス(22)

11位 セレッソ大阪(22)

12位 ファジアーノ岡山(22)

13位 アビスパ福岡(22)

14位 湘南ベルマーレ(21)

15位 東京ヴェルディ(20)

16位 FC東京(19)※2

17位 横浜FC(18)

18位 名古屋グランパス(17)

19位 アルビレックス新潟(13)※2

20位 横浜F・マリノス(8)※2

 

※1 1試合消化試合数が多い

※2 1試合未消化

 

 

鹿島…?

ではでは(´∀`)