西野ジャパンの3ヶ月間〜これまでの4年と、これからの4年〜第3回 ハリルとの決別、西野ジャパンの躍進【2018.4〜2018.7】

自分がサイゼリヤ派かサイゼリア派かわかんなくなった。

 

どーもこんばんは

 

一応サイゼリヤが正式ではあるとはいえ。

 

さてさて、前回まで連載しておりましたコチラの企画。

 

 

   

今回からいよいよ最終章。

あの崖っぷちから西野ジャパンが如何にしてベスト16という成功を収めたのか、に迫っていきたいと思います。

あまりにもドラマティック過ぎた西野ジャパンの軌跡です。

 

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2018年4月に就任した西野監督ですが、ハリルホジッチ前監督の解任の際の田嶋会長の振る舞いなどを含め、あらゆる点と線が入り乱れながら繋がっているようにも映ってしまい、その結果凄まじい日本代表バッシングが巻き起こりました。

 

 

 

それは5月にガーナ戦の招集メンバー27人が発表された後も同じで、所属クラブで絶好調だった中島翔哉、堂安律らの招集外や、逆に所属クラブで不振に陥っていた香川真司岡崎慎司の招集などに賛否が巻き起こります。

 

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そんな中迎えたガーナ戦では長谷部を3バックの中央に置いた3-4-2-1をテスト。しかし雨の日産スタジアムで行われた壮行試合はいいところなく0-2で敗れ、試合後に行われたセレモニーではブーイングが飛び交うなど散々な事態に。

 

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(日本vsガーナ戦、スタメン)

 

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オーストリア合宿に向かう日本代表の出発には前回のブラジル大会と比較すると明らかに少ない人数に見送られながら事前合宿を開始。しかし4-2-3-1にシステムを戻して戦ったスイス戦ではガーナ戦よりも生産性のない試合内容で0-2で敗戦。

 

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日本国内の世論を包んだのは半分どころか8割諦めムードの空気でした。

 

   

しかしその4日後、パラグアイとのW杯本戦前最後の試合に挑んだ日本はガーナ戦、スイス戦からスタメンを大幅に変更。あくまでこれは本戦への戦略というよりもテストという意味合いが強かったとは思うのですが、この試合で本戦に向けてヒントと言えるポイントが幾つか見えてきます。

 

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(日本vsパラグアイ戦、スタメン)

 

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まずは想像よりも柴崎、昌子、そして怪我明けで不安視されていた香川、乾、酒井宏樹のコンディションが凄く良かった事。酒井宏樹はどの道スタメンにはなっていたと思いますが、おそらく最初は柴崎よりも大島、昌子よりも槙野の方を優先していた西野監督にとって、一つの決断のポイントになったかもしれません。

 

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この日の香川は実際にキレキレでした。

そしてこの試合では、今の日本にとって一番いい攻撃の形が見えてきていました。

 

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西野監督4バックに戻したスイス戦では、特にハリルジャパン寄りのサッカーをしようとしていたように思います。

また、ガーナ戦では3-4-2-1と新システムを披露したとはいえこの2試合については西野監督は本戦までの残り時間を考慮し、あくまでハリルジャパンをベースにしたチームを考えていたのではないでしょうか。

 

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ハリルジャパンは良くも悪くも、攻撃は前線のスピードと個人能力に頼りがちな側面がありました。

どちらが良いか悪いかではなく、サッカーの攻撃には大きく分けて組織性と個人性の2つがあると思います。例えばザックジャパンは典型的な前者で、ハリルジャパンでは間違いなく後者主体でした。

 

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ハリルジャパンのオーストラリア戦の2点目、井手口陽介のゴールはまさしくそれで、相手とのデュエルに勝利してボールを繋いだ原口元気、それを強引に持ち込んでシュートまで結びつけた井手口陽介と、2人の個の強さでもぎ取ったゴールと言えるでしょう。

このシーンがそうであったように、このスタイルを活かす為に何より大切なのはスピードとパワー。その為、ハリルジャパンが日本よりフィジカルに優れたチームと戦うと決まって攻撃が手詰まりになってしまった要因(前述のオーストラリアは当時の指揮官の方針でフィジカルサッカーを封印していた)と言えるでしょうし、逆にスピードとパワーに溢れた選手の多いアフリカでハリルが素晴らしい結果を多く残している鍵もここにあると言えます。

 

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だからこそ、アジアの格下相手や相手のディフェンスラインが脆いチームとの対戦では大きな効果を発揮しましたが、一度手詰まりになると全てが手詰まりになってしまい、特にハリルジャパン末期の停滞感はそこに拠るものが大きいと思われます。

 

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一方、近年の日本で一番強いと言われていたザックジャパン、そしてパラグアイ戦以降の西野ジャパンの攻撃は組織性が重視されていました。もちろん組織性にも個は必要だし、個人性にも組織は必要です。この2つの違いはプレーエリアの違いとも言えるでしょう。

 

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パラグアイ戦の乾貴士の1点目、或いはセネガル戦の乾貴士の同点ゴールがわかりやすい例で、このスタイルは狭いゾーンでも細かくパスを繋ぎディフェンスラインを撹乱させ、シュートコースなり空きスペースなりを創り出すスタイルです。ただこれには選手間の相性の良さが必須ですので、そういう意味でも香川と乾はセレッソ大阪でコンビを組んでいた時期があった為、この2人の存在こそが日本がこのスタイルに回帰する上で大きな力となりました。

 

   

このパラグアイ戦では左サイドに乾、トップ下に香川を配置。この香川と乾が左サイドの狭いスペースをアイデアとテクニックで攻略して相手DFをそ外す、これによりエリア内で大きなチャンスを掴みやすくするという一つのパターンがここで明確になりました。

 

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最終的に西野監督は、W杯のレギュラーと言えるメンバーをガーナ戦、スイス戦のメンバーの中で絶対に外せない選手+パラグアイ戦でアピールに成功した選手をミックス。

今回の日本代表の躍進にはハリルの功績も決してゼロではない事は間違いないし、ハリルに感謝すべき点も多くあるでしょう。ですがこのパラグアイ戦は結果的にハリルジャパンと決別した試合という意味でのターニングポイントだったように感じます。

 

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(ロシアW杯、日本代表主力メンバー)

 

   

迎えた初戦のコロンビア戦、よくコロンビアは10人だったから、という意見がありますし、実際に後半にコロンビアが疲れ始め、日本ペースの時間を続ける事が出来たのは確かにコロンビアが10人だった影響が大きいです。

ですがこの試合についてはコロンビアが10人なったのではなく、日本が10人に追い込んだと言ってもいいでしょう。カルロス・サンチェスの退場に繋がったあの速攻の場面における香川のプレーは見事という他ないものでした。大迫への浮き玉へのボールを放った後、猛スピードで前線に駆け上がりハンドを誘発するシュートを放った事は得点そのものの陰に隠れがちですが、今大会の日本を象徴する最高のプレーの一つです。

 

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初戦のコロンビア戦を2-1で制した日本は、その後セネガルに引き分け、ポーランドに敗れはしたものの決勝トーナメントには進出。そしてベルギー戦では今大会最高のチームの一つとも称されたベルギー相手に、今大会のベストバウト候補にも挙げられる試合を展開するもあと一歩のところで敗北し、ベスト8の夢は断たれてしまいました。この3試合のマッチレビューについては此方もご覧ください。↓

 

   

大会前の絶望的なムードから一転、波乱の多い今大会のサプライズチームの一つとなってみせた日本代表。ポーランド戦については賛否ありましたが、そのほかの3試合は海外からも絶賛されるような戦いぶりを見せました。

 

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大会前の大不振、突然の監督交代、4年前に日本の夢が潰えたコロンビア戦へのリベンジ、セネガルとの激闘、ポーランド戦のヒリヒリするようなラスト10分、そしてベルギー戦……西野ジャパンはとても7試合では収まりきらないようなドラマ性に満ちた3ヶ月を過ごしました。そこにはどのようなカラクリがあったのでしょうか。次回はいくつかポイントを挙げて検証してみたいと思います。


 

 

では、今回はここまで。

ではでは(´∀`)