ロシアW杯行ったなぁ…
どーもこんばんは
さてさて、カタールW杯までいよいよ残り1ヶ月です。
森保一監督率いる日本代表のW杯メンバー発表はいよいよ明日。特に当落線上の選手にとっては、まさしく今は刻まれるカウントダウンにドキドキしている事でしょう。
という訳で、今回もW杯の日本代表にちなんだ連載企画をば。
「サプライズ選出」───W杯メンバーの発表が近付く度に、様々なメディアで度々耳にするフレーズです。印象的なところで言えば2002年の中山雅史と秋田豊、2006年の巻誠一郎、2010年の川口能活、2014年の大久保嘉人辺りでしょうか。彼らは次の日のスポーツ新聞を賑わせ、次のトピックが来るまでは、選考の話題を独り占めする事になります。
一方、一人滑り込んだ人間がいるという事は、同時に一人滑り落ちてしまった当落線上の人間がいる…という訳で。しかし、W杯メンバーまであと一歩のところまで迫った時点でその選手は言うまでもなく時代を代表する名選手です。という訳で今回からは、過去の日本代表のW杯メンバーに於いて、当落線上にいながら落選してしまった、或いは出場確実とされながら怪我等で大会参加が叶わなかった選手で11人を組み、各大会の裏ジャパンを作ってみたいと思います。
最終回はロシアW杯編です。
過去にも監督が2度代わる事自体はあったものの、W杯開幕の2ヶ月前に監督を交代するという判断は日本にとって異例の事態でした。新監督の西野朗監督は、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の時のやり方からどちらかといえばザックジャパンの時に近いやり方に戻したとも言えて、ある意味対極のサッカーをしていたハリルジャパンからは少なからずメンバーの変更が発生する事に。か「ハリルが続投ならメンバーに残ったかもしれない選手」「ハリルが続投ならメンバーに入れていなかったかもしれない選手」が出てきてしまうのは、急な監督交代ではどうしても避けられない事象の一つですね。その影響もあって、この後取り上げる選手以外にも倉田秋、森岡亮太、小林祐希、杉本健勇など、当落線上での落選と表現できる選手は歴代大会よりかなり多いです。
2018年ロシアW杯編
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
↓
2018年ロシアW杯日本代表メンバー
監督:西野朗
コーチ:手倉森誠
コーチ:森保一
GKコーチ:浜野征哉
GKコーチ:下田崇
コンディショニングコーチ:早川直樹
コンディショニングコーチ:小粥智浩
第1戦 vsコロンビア○2-1(得点者:香川真司、大迫勇也)
第3戦 vsポーランド●0-1
MF8 原口元気(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)
MF10 香川真司(ボルシア・ドルトムント)
MF11 宇佐美貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)
FW15 大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)
MF16 山口蛍(セレッソ大阪)
MF17 長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)
DF19 酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ)
ロシアW杯の当落線上で落選してしまったメンバーベストイレブン
※システムやフォーメーションは当時の代表と異なる場合があります。
GK 西川周作
生年月日:1986年6月18日
当時の所属チーム:浦和レッズ
それ以前のW杯出場:2014年ブラジルW杯
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:31試合0得点(2009〜2018)
★アジアカップ2015出場
☆アジア最終予選参加
南アフリカW杯では川口能活のサプライズ選出の煽りを受ける形となったが、ブラジルW杯に至る流れでは常に第2GKの座をキープし続けていた。それはアギーレ体制でも同じで、ハリル体制では川島が一時無所属状態となって代表を離れた事で、最終予選の前半戦は西川が正GKを務める時期もあった。
しかし2017年に入り、西川がクラブ共々精彩を欠いていた時期に川島が守護神に返り咲くと、残りのGK枠は東口に加えて新たに台頭してきた中村の3人で固定されるようになった事で落選。奇しくも落選が決まった直後の試合は同い年で代表のポジション争いを繰り広げた東口のいるG大阪戦で、両GKの攻守連発により0-0で終わった試合後に「ヒガシ(東口)に全部託しました」とユニフォームを交換した場面は印象的だった。
DF 森重真人
生年月日:1987年5月21日
当時の所属チーム:FC東京
それ以前のW杯出場:2014年ブラジルW杯
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:41試合2得点(2013〜2017)
★アジアカップ2015出場
☆アジア最終予選参加
1試合に先発したブラジルW杯が終わってアギーレジャパンが発足すると、直後のアジアカップ 2015から吉田とのコンビでCBのレギュラーに定着。アギーレ体制・ハリル体制の前半では吉田と共にレギュラーCBとして、公式戦では殆どの試合で先発を務めており、2015年の東アジア選手権ではキャプテンも任されていた。
しかし2017年に入ると不調に陥った事で、3月の2試合では先発を飾りながらも6月シリーズでは落選。6月以降は昌子が台頭し、吉田の相方は昌子と槙野に縛られ、残る1枠にも植田や三浦弦太が選ばれるようになった。自身も2017年後半は負傷で離脱しており、国内組限定のE-1選手権も欠場。ハリルジャパン最後の試合となった3月の欧州遠征は吉田が負傷した事もあって招集されたが、監督交代後も含めて状況は変わらなかった。それでも落選が決まった暁には、W杯開幕直前に昌子に対して激励のLINEを送っていた事が昌子の口から感謝と共に明かされている。
DF 車屋紳太郎
生年月日:1992年4月5日
当時の所属チーム:川崎フロンターレ
それ以前のW杯出場:なし
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:4試合0得点(2017〜2019)
リーグでの活躍が評価され、W杯出場決定後の親善試合より代表に定着。デビュー戦となったハイチ戦は格下にドローという残念な結果に終わったが、車屋自身はデビュー戦から得点に絡んでいる。
2018年3月の欧州遠征では酒井高徳が落選する中でも長友の控えとして招集されるなど、W杯メンバー入りに向けてハリルからの評価は決して低くなかったが、本大会では酒井高徳を左SBの控えにした上で遠藤航をCB兼右SBの控えで計算した事でメンバーから外れた。
MF 今野泰幸
生年月日:1983年1月25日
当時の所属チーム:ガンバ大阪
それ以前のW杯出場:2010年南アフリカW杯、2014年ブラジルW杯
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:93試合4得点(2005〜2017)
★アジアカップ2015出場
☆アジア最終予選参加
ザックジャパンでは不動のCBだった名手だが、アギーレ体制のアジアカップ2015以降は所属するガンバと同様にボランチとして招集。ハリル体制では初陣となる2015年3月の代表活動に参加して以来は代表から遠ざかっていたが、長谷部が欠場となった2017年3月のUAE戦で緊急招集されると「俺に何ができるんですか。何ができるか分からない」とか言いながら攻守に無双した挙句に点まで取っちゃうもうスーパー今ちゃんモードに突入していた。これ以降、ハリルは長谷部が欠場する場合の選択肢として今野を重宝するようになっていき、特に負傷から復帰直後の今野をスクランブル招集した際にはザック、長谷川健太に次ぐ「今野依存症患者」ともなった。
それは4月に就任した西野監督も同じで、少なくとも最終候補メンバーとなるガーナ戦のリストには加える方針ではあった。しかし今野は2018年以降、慢性的な怪我もあって離脱と復帰を繰り返す状態が続いており、メンバー発表直前となる5月には戦列に復帰したが、その後オペが必要という事が発覚して招集を断念。ガーナ戦のメンバー27人を発表する会見の場では、西野監督自身の口から「招集したかったけれど怪我で招集が叶わなかった選手」として名前を挙げられた。
MF 青山敏弘
生年月日:1986年2月22日
当時の所属チーム:サンフレッチェ広島
それ以前のW杯出場:2014年ブラジルW杯
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:12試合1得点(2013〜2019)
★最終候補合宿参加
ブラジルW杯以降は代表から遠ざかっていたが、ハリルジャパンの初陣となった2015年3月の2試合で代表招集。ウズベキスタン戦ではゴラッソも叩き込み、ハリルの前で好印象を残したかとも思われたが、2015年にはJリーグMVPを獲得しながらも、本人が辞退していた事もあってハリルジャパンではその後の招集機会は訪れなかった。
しかし2018年に入ると所属する広場でクラブ共々圧巻のパフォーマンスを見せると、西野監督が就任した後に最終候補メンバー27名に名を連ねる。しかしサプライズ選出として期待もされたが、慢性的な膝の負傷が悪化した事で辞退を余儀なくされた。
MF 三竿健斗
生年月日:1996年4月16日
当時の所属チーム:鹿島アントラーズ
それ以前のW杯出場:なし
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:6試合0得点(2017〜2018)
★最終候補合宿参加
ヴェルディユースで育ち、2016年から鹿島にステップアップ。2年目となる2017年から定位置を確保し始めると、同年のE-1選手権に於いて代表初招集を受けた。ハリルは海外組も合流した3月の欧州遠征でも三竿を招集しており、三竿もマリ戦で中島のゴールをアシストしている。
西野体制になっても最終候補メンバー27名に名を連ねた。しかし守備的なボランチとしては山口、ボランチとDFを兼ねた選手としては遠藤が優先される形となり、自身はあと一歩での落選となった。
MF 井手口陽介
生年月日:1996年8月23日
当時の所属チーム:クルトゥラル・レオネサ
それ以前のW杯出場:なし
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:15試合2得点(2017〜2019)
☆アジア最終予選参加
★最終候補合宿参加
2016年に初招集を受けると、インサイドハーフには高いボール奪取能力と運動量を求めるハリルのスタイルと合致し、ロシアW杯出場に王手をかけたオーストラリア戦では21歳8日の若さでフル出場。その試合では後半にW杯出場を決定付けるゴラッソを叩き込み、代表3試合目でW杯決定弾を叩き込むニューヒーローっぷりに一躍時の人とまでなった。所属するガンバでも好パフォーマンスを見せており、2017年には21歳でベストイレブンも受賞。W杯メンバー入りは当確、ましてやレギュラーとも目されており、ブラジル・ベルギーと戦った11月の欧州遠征でも両試合でスタメンに選ばれていた。
しかし2018年には海外移籍に踏み切ると、レンタル先のクラブで出場機会を殆ど得られずに低迷。3月の欧州遠征ではメンバーから外れ、西野監督に代わった最終候補となる27名のメンバーリストには加えられ、ガーナ戦でも出場機会を得たがそこで落選となった。当初はバックアップメンバーとして浅野拓磨と共にロシアW杯に帯同する予定だったが、所属元のリーズ・ユナイテッドの意向もあり、帯同はオーストリア合宿までとなった。
FW 小林悠
生年月日:1987年9月23日
当時の所属チーム:川崎フロンターレ
それ以前のW杯出場:なし
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:14試合2得点(2014〜2018)
★アジアカップ2015出場
☆アジア最終予選参加
出場機会は無かったが、アギーレ体制で行われたアジアカップ2015のメンバー入りを果たすと、クラブを含めた川崎での好調が認められる形で、2016年以降はハリルジャパンにもコンスタントに招集を受けており、最終予選でも敵地でのオーストラリア戦では先発出場も果たしていた。2017年のJリーグMVP&得点王に輝いて臨んだ国内組限定のE-1選手権ではエース扱いも受けている。
しかし、3月の欧州遠征にも招集されて有力候補の一人だった中、最終候補メンバーの発表前日に負傷。重傷でこそなかったが、W杯期間中の復帰が困難としてW杯出場の望みは絶たれた。西野監督は会見の席で今野同様に負傷で招集を断念した選手として名前を挙げており、小林は発表当日の朝まではリストに名前が載っていたという。
FW 久保裕也
生年月日:1993年12月24日
当時の所属チーム:KAAヘント
それ以前のW杯出場:なし
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:13試合2得点(2012〜2018)
★アジア最終予選参加
サンガユースの最高傑作かつ、ロシアW杯予選に於ける救世主的存在。出場はしなかったが現役高校生として史上2人目となる代表招集をザックジャパン時代に受けると、最終予選4試合を終えて波に乗り切れていなかったハリルジャパンの切り札として、大一番のサウジアラビア戦からスタメンに抜擢されると、UAE戦では得点も挙げてW杯出場に大きく貢献。サウジアラビア戦以降はほぼ全ての試合に出場しており、右WGのポジションを本田から争う形で、ハリルにはレギュラー格の選手として考えられていた。
しかしメンバー入りは有力と思われていたが、西野監督に代わって発表された27名のメンバーには久保は入っておらず、その時点で久保は所属クラブでプレーオフを戦っていた事、最後の23名は27名外の選手から選ばれる可能性もある事を西野監督は示唆していたが、結局久保は西野体制では代表に呼ばれる事は無く、リオ五輪に続いてやや間の悪い形でメジャートーナメントの出場を逃してしまった。
余談だが、久保と西野監督はCMでの共演歴がある。
FW 中島翔哉
生年月日:1994年8月23日
当時の所属チーム:ポルティモネンセSC
それ以前のW杯出場:なし
その後のW杯出場:なし
日本代表通算成績:19試合5得点(2018〜2019)
17-18シーズン開幕からポルトガルのポルティモネンセに欧州挑戦を果たすと1年目から大ブレイク。10得点を挙げ、同年のベストイレブンにも選出されるほどの活躍を果たした。国内でもサプライズ選出を期待する声が強くなる中で3月の欧州遠征に初招集されると、デビュー戦となったマリ戦でいきなり初ゴールを挙げる。欧州遠征の2試合は低調な試合内容と結果だった事もあり、ハリルは中島の活躍を「唯一ポジティブなこと」と称賛していた。
ただ、後任の西野監督は西野体制として与えられた時間があまりにも短すぎた事もあって、メンバー選考の基本方針として"ポリバレント性"を重視する方針を提示し、それを理由に中島の落選を説明していた。結果的に中島の落選は、ロシアW杯に挑む日本代表が「おっさんジャパン」等と揶揄される要因の一つにもなった。
FW 浅野拓磨
生年月日:1994年11月10日
当時の所属チーム:VfBシュトゥットガルト
それ以前のW杯出場:なし
その後のW杯出場:2022年カタールW杯
日本代表通算成績:36試合7得点(2015〜)
☆アジア最終予選参加
★最終候補合宿参加
2015年にブレイクすると、同年の東アジア選手権で代表デビュー。広島やリオ五輪世代のチームでの活躍もあり、2016年からはハリルジャパンでも常連メンバーとして常時招集しており、W杯出場の懸かったオーストラリア戦では前半に先制点を挙げた。オーストラリア戦では先発だったが、基本的にはスーパーサブとして、最終予選では6試合2得点を記録するなどW杯出場にも貢献した。
だが、2018年に入ると所属クラブの監督交代もあって出場機会が減少。奇しくもオーストラリア戦で共に得点を挙げた井手口と共に3月の欧州遠征ではメンバーから外れた。最終候補の27名には選ばれたが、ライバルの立ち位置だった小林や久保が外れた一方で西野体制では武藤が復帰し、浅野はメンバーから外れて帯同メンバーに留まった。オーストリア合宿までの帯同となった井手口とは異なり、岡崎が直前まで離脱の可能性もあった事から浅野はメンバー変更期限(初戦の24時間前)のギリギリまで帯同。コロンビア戦の勝利をスタジアムで見届けてから帰国した。一部の記念写真に浅野が映っているのはこの為。
この帯同で得たものと悔しさは浅野本人にとっても大きく、カタールW杯メンバー入りに懸ける意気込みは取材の場でも度々口にしている。
いよいよ明日!
ではでは(´∀`)