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久保建英のレアル移籍はバルサ復帰よりも良かったように思う。

季節は君だけを変えるって染みるわぁ…。

 

どーもこんばんは

 

BOØWYって氷室さんの神ボーカルの後ろに聴こえる布袋さんのコーラスがまたイイのよね。

神戸ワールド記念ホールで生「ON THE WING WITH BROKEN HEART」聴けた時鳥肌立ったもの。

 

 

 

さてさて、別に今回はBOØWYの話という訳では無く…。現在布袋さんのツアー開催中だから…GUITARHYTHM…!という訳でもなく、現在開催中のコパ・アメリカにも参加している久保建英レアル・マドリード移籍のお話です。

 

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ざっくりした事の経緯を振り返ると、2017年、2018年はJ1で存在感を示したとは言い難かった久保はFC東京で出場機会を掴めず、シーズン途中には横浜F・マリノスにレンタル移籍。しかしマリノスから復帰して挑んだ2018年シーズンは、開幕戦の前年度王者、川崎フロンターレ戦でいきなり飛躍的な成長の証を見せつけ、現在圧倒的な成績で首位を独走するFC東京の攻撃のキーマンとして君臨した事から、18歳となる6月以降の海外移籍…というよりも、元々居たFCバルセロナへの復帰が確実視されていました。

 

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最近になってサッカーを見始めた、という方の為に改めて説明すると、元々久保建英という選手は10歳だった2011年にバルサの下部組織に入団します。そこで順調にトップチームの階段を上がり、日本人のみならずバルサ側の人間からも大いに期待された存在でした。しかし事態が大きく変わったのは2015年、バルサが18歳未満の外国人選手獲得に対する規約違反によってトップチームの補強禁止、及び久保を含む上記の規約に該当する選手に対して出場停止処分が科され、18歳になるまで試合に出場出来ない、という問題が発生します。

となると、久保を始めとした該当選手は公式戦に出られない事を前提にバルサに残ってトレーニングを積むか、母国に帰ってプレーの機会を得るかの二択を迫られた結果、自国リーグがJリーグというリーグとして比較的安定している国の人間である久保はFC東京の下部組織に移籍。

久保がFC東京に移籍して以降も、バルサのスタッフは定期的に久保の状態をチェックしていたと言いますから、バルサ側の目論見だけでなくFC東京側としても「18歳になった後でバルサに復帰する」という事は前提の上だったと思われ、それがレアル移籍にも関わらずバルサという名前が頻繁に登場する理由になります。

 

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…という前提がありますから、恐らくFC東京に移籍した時点で、久保退団の際はバルサが優先交渉権を持つ…的な契約は結ばれていたと思います。

しかし、今や久保はJリーグで首位を走るチームの絶対的キーマンとして活躍し、日本代表に呼ばれるまでの選手になりました。その事もあって、久保サイドはバルサに対して年俸や契約の面で「プロの選手」としての契約を求め、一方のバルサはそれを受け入れず、あくまで「カンテラ(ユース)の選手」としての契約、バルサへの移籍ではなくバルサカンテラへの復帰という契約を求めた事から破談。その後、パリ・サンジェルマンへの移籍も噂されましたが、最終的に久保サイドの要求を受け入れ、日本の至宝を手に入れたのはバルサの永遠のライバルであるレアル・マドリードだった…という事になります。是非はともかく、まだ久保は下部組織の選手、としか見ていなかったバルサに対して、久保をトップリーグで結果を残している有望なプロサッカー選手と見て交渉に参加したレアルが争奪戦を制したのは必然の結果だったとも言えるでしょう。

契約は久保が18歳になった時点で切れる契約となっていた為、FC東京に移籍金は支払われていない事でFC東京に疑問の目を向ける声も一部ではありますが、そもそもバルサから日本に帰国する際、FC東京がそういう契約を提示したからこそチームに迎え入れる事が出来た、という側面もあるので、そこに関してはFC東京を叩けはしないのかなと。

 

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FCバルセロナというチームの下部組織は、世界で最も優秀な下部組織と言われ、今までに数々のスーパースターを輩出しています。ジョゼップ・グアルディオラ、シャビ・エルナンデスアンドレス・イニエスタセスク・ファブレガスジェラール・ピケ、そしてリオネル・メッシ…。下部組織からの育成はバルサのチームとしての哲学であり、自分達の手元で若い有望選手を育成する事、自前の選手達で世界最強を築く事がアイデンティティであり、レアルには無い魅力と言われていました。バルサと言えば?という問いには「パスサッカー」などと並んで「育成のチーム」という印象を抱く方も多いと思います。

一方でレアルといえば、「銀河系軍団」と度々称され、頻繁にスーパースターを大金で獲得するなど、レアルに対して育成のチームという印象を持っている方はそんなに多く無いと思います。むしろ、このバルサとレアルのスタイルの違いが「エル・クラシコ」をより面白いものにしていたという側面もあり、(年俸などの契約面を考えないものとするのならば)どのみちBチームからのスタートになるのなら、育成に評判のあるバルサの方が良かったのでは?という声もちらほら聞かれます。

 

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しかし、近年のバルサは明らかに方針が変わっており、グアルディオラ監督時代はスタメン全員がカンテラ出身選手といった事もあったりしたのですが、これまでは下部組織出身の若手・下部組織出身の一流選手に外から獲得した中堅・ベテラン選手を要所要所に獲得していくスタイルでしたが、最近ではテア・シュテーゲン、アルトゥール、フレンキー・デヨングなど、若手有望株も外部から大金で獲得するようになり、また、かつての有望株であったボージャン・クルキック、イサック・クエンカ、クリスティアン・テジョらはいつしかクラブを退団。メッシ、ピケ、セルヒオ・ブスケツらの黄金世代以降のカンテラ出身選手でレギュラーとして定着しているのはセルジ・ロベルトくらいなものであり、今までのバルサであれば、控えのMFという位置に外部から30歳を超えているアルトゥーロ・ビダルを獲得するような事はまず無かったはずです。

ビダル獲得自体は別に悪くないのですし、ビダルも与えられた役割を十分に果たしたので移籍としては失敗ではありませんが、バルサが近年下部組織を重要視しなくなっている事を如実に表す移籍だったと思います。

 

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むしろ近年ではナチョ・フェルナンデス、ルーカス・バスケス、セルヒオ・レギロンなど、レアルの方が下部組織からの登用に積極的になっている節もあり、今やBチームからトップチームへの昇格はバルサよりもレアルの方が狙える状態にあるとすら言えます。

また、バルサカンテラ出身選手が陥りがちなのがバルサ以外のチームで活躍出来ない」という点で、これはバルサがトップチームと一貫した指導方針を徹底する事でバルサイズムを叩き込む…という育成方針の副作用的なもので、バルサでは活躍出来ずに他所へ行った選手がバルサのやり方でしかサッカーが出来なくなり、才能や実力を発揮出来ずに終わる事が多い事を示しています。一方、レアルは基本的には補強ありきでチームを作っている為か、バルサバルサで活躍する事」を前提に育成をしている事と対照的に、レアルは「レアルで無くとも、少なくともリーガ1部で活躍出来るくらいには育てよう」という方針である為、レアルで出場機会には恵まれなくても他チームで活躍している選手は実際に多くなっています。

バルサとレアル、どちらも魅力的なチームである事には変わりありませんが、現段階での育成力にはもはやそこまで大きな差はないどころか、むしろグローバル化した今のサッカー界の中ではレアルの方が時代に適していると言っても良いのかもしれません。

この2つが条件面を置いておいても、久保の移籍先がバルサよりレアルの方で良かったと考える大きな要因です。また、1年目はBチームのスタートですが、基本的には現状維持路線のバルサよりも、エデン・アザールを始めとした大型補強を敢行し、ギャレス・ベイルに退団の噂があるなどチーム改革をしようとしている今のレアルの波の中ならチャンスも多くなるかもしれませんしね。

 

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なんにせよ、久保がレアルに移籍したという事はそれだけで日本、いやアジアサッカーの歴史の大きなポイントとなるものです。

無論、レアルには久保のみならず、各国から有望な若手が集まっていますが、レアルが18歳の選手に1億を超える年俸を受け入れたのはそれだけの期待をレアルもしているという事。バルサ出身の選手という事もあって、必要以上のプレッシャーはかかるかもしれませんが、まだまだ私達に広い夢と世界を見せてくれる存在になってくれる事を願ってやみません。

 

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結局「BOØWY」の「Ø」ってiPhoneでどう打つの。

ではでは(´∀`)