「リーグ戦安定開催融資制度」ってなんぞ〜サガン鳥栖の話で話題になっていたので「リーグ戦安定開催融資制度」について解説してみます〜

最近プライベートな時間しかない…。

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、先日報じられたサガン鳥栖の経営危機。

一応こちらのブログでも、先日の報道に至るまでの鳥栖の表面的な経緯をざっくりと振り返るブログを更新したりもしました。

 

 

そんな中で鳥栖の経営危機を報じた各記事にも出てきたワードが「リーグ戦安定開催融資制度」です。

聴き慣れないワードではあると思いますので、今回はこの「リーグ戦安定開催融資制度」について解説していくと共に、今回の鳥栖の場合どのような影響があるかについて書いていきます。

 

 

 

まずものすごーくざっくり説明すると……当然ながら、Jリーグの活動を行うのもタダではありません。試合を開催するには想像しているよりも高額な金額が必要になってきます。スタジアム使用料金であったり、開催に伴うアルバイトスタッフを雇うお金だったり……。経営が危機的な状況に陥るとこれを捻出する事すら危なくなり、とりあえずリーグ戦の予定試合数を消化してシーズンを乗り切る為に融資される資金制度の事が「リーグ戦安定開催融資制度」です。後述しますが、2005年に制度化されて以降実際に適用されたのは4例になっています。

ざっくりしたシステムとしては、Jリーグの各チームから基金を供給し、そのお金を基に融資をするに値するかどうかを審議の上で決定するというものです。即ち、基本的にはJリーグクラブの各クラブがお金を出し合って運営しているシステムである事、そのようなシステムなので当然ながら各クラブの同意が必要になる事、資金には限りがある事といったポイントを押さえておく必要があります。

 

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当然ですが、何も無条件で融資を受けられる訳ではありません。いくつかの条件だったり、融資を受けるような状態に至ってしまった事に対するペナルティなども存在します。

クラブライセンス制度が発足するまではJ3リーグが発足していなかったこともあって「融資を受けたクラブがJ1クラブの場合は成績に関わらず降格」という制度になっていましたが、クラブライセンス制度が採用されて以降は「制度融資を受けるクラブに対する制裁として、融資の決定と同時に、原則として勝点を10点減ずる。(リーグ戦安定開催融資制度 第9条[融資実行にともなう制裁]より)」となっています。2012年以降は、制度上では勝点を積んでいれば即降格…という訳では無くなりました。

そしてこれは融資である以上、当然返さなければならないお金です。返済期日までに返済出来なかった場合は「返済期日の属するシーズンの翌シーズンのJリーグクラブライセンスまたはJ3ライセンスを原則として交付しない、または取消すものとする。(リーグ戦安定開催融資制度 第12条[返済出来なかった場合の措置]より)」となっており、Jリーグからの退会もしくは成績を問わずJ3への降格を科せられる事になっています。

クラブライセンス制度を導入して以降は各クラブの経営に毎年厳しいチェックが入り、その結果が来季のJリーグ参加にも繋がってくるようなシステムになった事で、2012年にクラブライセンス制度導入と共に多少の制度変更を行ってからはこの制度を申請したチームは今のところいません。それ以前であれば2005年のザスパ草津(現・ザスパクサツ群馬)、2008年のFC岐阜、2009年の大分トリニータ、2011年の水戸ホーリーホックの4度申請されたケースがありました。特に2009年の大分の事例はJリーグに於いて大きな問題となり、同時にクラブライセンス制度導入の要因の一つになったとも言われています。

 

 

 

さて、今回鳥栖がこの制度を利用するかどうかですが……、これを書いている現時点では竹原稔社長は融資を受ける考えはない旨を取材で答えています。

 

www.nishinippon.co.jp

 

ただし、現在新型コロナウィルスの影響で多くの試合が延期になったことで、今年に関してはクラブ運営に窮するクラブがJ2やJ3クラブを中心に続出しているという話もあります。クラブの大きな収入は入場料収入になりますが、それが完全に今はストップしている訳ですし…しかも延期された試合は恐らく平日に組み込まれる可能性が高いので、そこでのマイナスも大きいでしょう。その点、今季のリーグ戦安定開催融資制度の適用と審議はそのような「コロナの影響をモロに受けたチーム」に通る可能性が高く、追い討ちをかけたのは確かでもコロナと関係ないところで今回の事態に陥った鳥栖を特別に優遇出来る理由が無いのも事実です。

鳥栖にとって難しい状況に陥っているのは、仮に今後融資を受ける決意をしたとしても審議が通るかどうか微妙だという事。Jリーグ側としても、J3降格以上の事態にはならないように努めてくるとは思いますが……。

 

 

 

2年前はありがトーレスでキャッキャしてたのに…。

ではでは(´∀`)