G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

今日名古屋グランパスのジョーの件でトレンド入りしてた「FIFA紛争解決室」ってなんぞ?について。

Twitterを眺めるとなにやら物騒な言葉、そして会話の中に織り込んでみたい言葉がデンっとトレンドに上がってましたね。

 

 

 

FIFA紛争解決室」

 

 

 

FIFA Dispute Resolution Chambe」

 

 

 

 

先日、名古屋グランパスに所属していたFWジョーのコリンチャンス入団が「コリンチャンス側からのみ」発表されました。

そして本日、名古屋側からコリンチャンス移籍」ではなく「名古屋との契約解除」が発表されると共に、名古屋はジョーとの契約解除について正当な理由があるとして問題解決をFIFA紛争解決室に委ねているとリリースを出しています。

 

 

 

…で、私も過去の事例などに詳しい訳ではないのでざっくりですが……Twitterのトレンド入りも果たした「FIFA紛争解決室」とはなんぞや、そもそもジョーの件とはなんぞや、について簡単に書いていきたいと思います。

 

 

 

FIFA Dispute Resolution Chambe(以下DRC)」が設立されたのは2001年なので歴史としては20年近くある組織ですね。

一応取り扱っている案件の種類はいくつかありますが、主に取り扱うのクラブと選手の間に於ける契約・金銭問題、その中でも特に多いのが外国人選手とクラブに関するトラブルです。まさに今回の件がそうですね。

 

ただ、どちらかと言えば「外国人選手が給与未払いを起こしたクラブを訴える為の機関」で知られているというかそれがメインみたいなところがあります。

外国人選手が給与支払いを求めてその国で訴訟を起こす事も可能ですが、それだと時間・費用が凄まじくかかりかねませんし、そもそも「異国での裁判」というハードルは高いものです。そこでFIFAの中立機関が間に入る事で、時間や費用を極力かける事なく問題解決を目指す…というのが一番多い仕事でしょうか。

 

設立から20年近く経っているにも関わらず、Jリーグ界隈ではこれまで余りその名を聞く事が無かったのは「Jリーグが給与未払いを全くと言っていいほど起こさないリーグ」である事が理由の一つでもあるでしょう。

 

 

問題解決のプロセスに関しては、基本的に以下のようなプロセスで進められていきます。

この辺の記述については中村元樹選手がDRCに仲裁を求めて解決するまでのプロセスがまとめられた以下の記事を基に書いております↓

 

news.biglobe.ne.jp

 

①DRCが選手側とクラブ側の仲裁に立ち、一つの決定を下す。

・「クラブAは選手Bに対して未納分の給与を○月○日までに支払え」とか「選手Bもしくは選手Bの移籍先となるクラブCはクラブAに対して契約解除金を○月○日までに支払え」みたいな感じ。

②相手が従わない場合、DRCはFIFA規律委員会に対して相手に懲罰を与える事を申し立てる。

FIFA規律委員会の決定を経て、FIFA規律委員会より各国サッカー協会に対して処分の履行を命令する。

・「○月○日までに決定に基づく支払いが為されない場合、クラブAは勝点減、もしくは降格処分とする」とか「○月○日までに決定に基づく支払いが為されない場合、選手Bの出場停止、もしくはクラブCの勝点減とする」みたいな感じ。

 

…という形になるので、やはりFIFAの名がついているだけあって強制力は持ち合わせた機関となっています。

 

 

 

ただ、上に貼った中村元樹選手のように「選手がクラブを訴えるケース」が多い中で、今回の件は「クラブが選手(及び移籍先のクラブ)を訴えたケース」と言えます。

本来であればジョーは今季も名古屋との契約が残っている状態であり、双方同意の上での契約解除でない限り他クラブに移籍する為には移籍金の支払いが求められますし、名古屋の主張通り「正当な理由により契約を解除した」となると、ジョーが払うかコリンチャンスが払うかはともかく名古屋に対して違約金を支払う必要が出てきます。

名古屋サイドも詳細な経緯までは公表していませんが、契約違反たる理由としては「怪我の治療を理由に帰国したジョーがクラブ側の許可を得ずコリンチャンスとの移籍交渉をした事」が予想され、ある種の強硬手段をとっての移籍に持ち込もうとした部分でしょう。名古屋もジョー獲得の際には結構な移籍金を支払っていますし、ここでジョーの退団とコリンチャンス入団を黙認すれば「ゴネたもん勝ち」みたいな形で成功体験として選手側に認識されてしまう可能性もある。どういう裁定が下るかはわかりませんし、経緯の詳細もまだわかりませんが、白黒をハッキリつける事の重要性というでも今回の名古屋の申し立ては意義のあるものなのではないでしょつか。

 

 

 

豆知識ですがジョーのブラジル代表初ゴールはコンフェデの日本戦です(2013)。

ではでは(´∀`)