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間違いなく世界トップクラスの選手だけどUEFAチャンピオンズリーグ優勝経験のない選手でベストイレブン組んでみた。

FIFAワールドカップ……それはサッカーに於いて誰もが認める世界最高峰の舞台。

 

そこで優勝出来る選手は一握りも一握りで、リオネル・メッシクリスティアーノ・ロナウドのように「サッカー史上」というくくりでもトップレベルの偉業を成し遂げた選手ですら獲得した事がないほどのタイトルです。

 

これはワールドカップが国別対抗戦であり、通年ではなく短期決戦で行われる事、加えて4年に一度しか開催されないのも大きな要因でしょう。

言い方は悪いですが、ワールドカップを獲得する為には選手個々の力だけでなく、どの国のどの時代に生まれるかすら運命を左右する。だから誰もが認める世界トップクラスの選手でも、ワールドカップを獲得した選手はごくごく僅かなのです。

 

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一方、ワールドカップとは異なり、クラブレベルで世界最高の闘いとされているのがUEFAチャンピオンズリーグです。

皆さん、世界最高の選手を一人頭に思い浮かべてみてください。彼らは高確率で、チャンピオンズリーグに関しては制覇経験があるはずで、ある種チャンピオンズリーグは世界最高峰のプレイヤーと認定されるのに重要なステータスとも言えるタイトルなのです。どの国に生まれようが、どの時代に生まれようが、ステップアップという形でビッグクラブへの階段を上がり、毎年開催される大会でトロフィーを掲げる……チャンピオンズリーグのタイトルを軽んじるつもりは全くありませんが、難易度はワールドカップよりは低い訳です。

 

ですが中には、そんな確率的な前提があるにも関わらず「ワールドカップは獲ったのにチャンピオンズリーグが一度も獲れていない選手」も一定数存在します。また、誰もが認めるワールドクラスでありながら、タイミング等が合わずにチャンピオンズリーグタイトルだけ獲得できていない選手も…。

そこで今回は「実はUEFAチャンピオンズリーグのタイトルを獲得した事のない選手ベストイレブンを組んでみました。

 

 

 

とはいえ、さすがにCL制覇経験のない選手…と一口で言えば膨大な人数にもなるというか、圧倒的大多数になる訳ですし、例えば今年で23歳になるキリアン・ムバッペを「CL優勝経験のない選手」としてランクインさせるのはさすがに違うだろうと。

なので以下の3ポイントを前提として選考していきます。

 

・20-21シーズンのチャンピオンズリーグでベスト8に残っているチームの所属選手は対象外

→単純に今年獲る可能性がある為。

(具体例:エデン・アザール、ケヴィン・デ・ブライネなど)

 

・1990年以降に産まれた選手も対象外

→これからCLを獲る可能性が低くない為。

(具体例:アントワーヌ・グリーズマンポール・ポグバなど)

 

・主に2000年代以降に活躍した選手から選出

→1990年代までは今ほど国や大陸を跨いでの移籍が活発じゃ無かったのでサッカー界自体が欧州至上主義ではなく、特にブラジルやアルゼンチンではトッププレイヤーが一度も欧州でプレーしない事も珍しくは無かった為。

 

では見ていきましょう。データは全て2021年3月31日時点のデータです。

 

 

 

GK ジャンルイジ・ブッフォン

 

現所属チーム:ユベントス(2001〜2018、2019〜)

生年月日:1978年1月28日(43歳)

国籍:イタリア

現役期間:1995年〜

過去の主な所属チーム:パルマ(1995〜2001)、パリ・サンジェルマン(2018〜2019)

過去のW杯出場:1998(ベスト8)、2002(ベスト16)、2006(優勝)、2010(GL敗退)、2014(GL敗退)

UEFA年間最優秀GK賞(02-03、16-17)

FIFA最優秀GK賞(2004〜2006)

★2006FIFAワールドカップドイツ大会優勝

☆2006年バロンドール2位

レフ・ヤシン賞(2006)

☆ザ・ベストFIFA男子GK2017

★2020バロンドールドリームチーム(セカンドチーム)

過去のCL最高成績:準優勝(02-03、14-15、16-17ユベントス)

 

CL優勝経験の無い超一流選手として真っ先に名が挙がるのはおそらくブッフォン。イタリアのみならず「サッカー史上」というくくりで見ても歴代トップクラスのGKである事に疑いの余地は無く、チームでも個人でもタイトルの数は尋常じゃないが、CLだけは3度決勝に進出したにも関わらずいずれもあと一歩で敗れている。

特に悔やまれるのがACミランとのイタリア勢対決となった02-03シーズンの決勝で、ブッフォンアンドリー・シェフチェンコフィリッポ・インザーギの2トップを要するミランの攻撃を120分間でゼロに抑える。だか0-0で迎えたPK戦ブッフォンは2本のPKストップに成功するが、ミランのGKジーダがそれを上回る3本のPK阻止を実現してしまい準優勝に終わった。誰もがブッフォンを世界一のGKとして認めていたのは間違いない。02-03シーズンのCL最優秀選手賞もブッフォンの手に渡った。それでもCL優勝の栄冠には届かなかった。

そんなブッフォンは43歳だが、一度PSGに移籍したあと再びユベントスに復帰している。あとどれぐらい現役を続けるかはわからないが、ユベントスにいるならあと1回はチャンスがあるかもしれない。

 

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DF リリアン・テュラム

 

生年月日:1972年1月1日(49歳)

国籍:フランス

現役期間:1991〜2008年

過去の主な所属チーム:ASモナコ(1991〜1996)、パルマ(1996〜2001)、ユベントス(2001〜2006)、FCバルセロナ(2006〜2008)

過去のW杯出場:1998(優勝)、2002(GL敗退)、2006(準優勝)

★1998FIFAワールドカップフランス大会優勝

☆EURO2000優勝

過去のCL最高成績:準優勝(02-03ユベントス)

 

1996年にイタリア、パルマに移籍したテュラムは一気に世界屈指のDFへの階段を駆け上がる。パルマで同僚だったブッフォンカンナヴァーロと共に強固なDFラインを築き、代表では1998年に自国開催となったフランスW杯では不動のレギュラーとしてプレーするだけでなく、準決勝では自身の2ゴールで2-1でクロアチアを撃破。W杯初優勝を飾ったチームの主役の一人だった。フランスW杯から日韓W杯開幕までのフランス代表はまさに黄金期で、EURO 2000の優勝もチームの主軸として貢献している。

そんな中、パルマでは届かなかったセリエAやCLのタイトルを目指して2001年にブッフォンと共にユベントス(2004年からはカンナヴァーロも加わる)セリエAのタイトルは常に獲得し続けたが、前述の02-03シーズンの決勝ではミランの前にPK戦で敗れてしまう。05-06シーズン終了後に発覚したカルチャーポリの影響で06-07シーズンからはバルセロナに移籍し、07-08シーズンを最後に健康上の理由で現役を引退。だが、皮肉にもバルサのCL優勝は05-06と08-09だった。ユベントスのチームメイトで同時期にバルサに移籍したジャンルカ・ザンブロッタ(ドイツW杯優勝メンバー)にも同じことが言える。

ちなみに、彼の息子は現在ボルシア・メンヘングランドバッハで活躍し、ビッグクラブ移籍も噂されるマルクステュラム

 

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DF ファビオ・カンナヴァーロ

 

生年月日:1973年9月13日(47歳)

国籍:イタリア

現役期間:1992〜2011年

過去の主な所属チーム:ナポリ(1992〜1995)、パルマ(1995〜2002)、インテル・ミラノ(2002〜2004)、ユベントス(2004〜2006、2009〜2010)、レアル・マドリード(2006〜2009)など

過去のW杯出場:1998(ベスト8)、2002(ベスト16)、2006(優勝)、2010(GL敗退)

★2006FIFAワールドカップドイツ大会優勝

☆2006年バロンドール受賞

★2006年FIFA年間最優秀選手賞受賞

☆イタリアサッカー殿堂

過去のCL最高成績:ベスト4(02-03インテル)

 

ブッフォン、そしてカンナヴァーロ……ドイツW杯に於けるこの2人のパフォーマンスは異次元そのものであり、「ジダンに始まりジダンに終わる」と言われたドイツW杯だが、その中でも守備者にスポットライトが当たったのはこの2人のパフォーマンスに依るところが大きい。特にカンナヴァーロは文字通り獅子奮迅の活躍で、DFとしては異例のバロンドールFIFA年間最優秀選手賞を受賞したのは至極当然の流れであった。ドイツW杯当時、地元のサッカークラブに所属していた私は背番号を選ぶ際に「宮本恒靖カンナヴァーロ」という理由で背番号5を取り合った事を今でも覚えている。

だが、意外にもカンナヴァーロはCLの舞台では目立った結果を残せていない。インテル時代にベスト4には進出したが、カンナヴァーロが所属した時代のユベントスもレアルでもCLでは低調な時期だった。特にレアルでの3シーズンは全てベスト16敗退に終わっている(そもそもレアル自体が04-05〜09-10まで6季連続ベスト16敗退を喫していた)

 

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DF ロベルト・アジャラ

 

生年月日:1973年4月14日(47歳)

国籍:アルゼンチン

現役期間:1992〜2010年

過去の主な所属チーム:ナポリ(1995〜1998)、ACミラン(1998〜2000)、バレンシア(2000〜2007)、レアル・サラゴサ(2007〜2010)など

過去のW杯出場:1998(ベスト8)、2002(GL敗退)、2006(ベスト8)

★00-01UEFA年間最優秀DF賞

☆2004年アテネ五輪金メダル

過去のCL最高成績:準優勝(00-01バレンシア)

 

アルゼンチン史上最高のDFを議論する時に、少なくとも候補には挙がる人物。2002年日韓W杯でフランスと並んで優勝候補本命扱いだったアルゼンチンがグループステージ敗退に終わったのは初戦の直前にアジャラが負傷離脱した事も大きな要因とされている。2006年ドイツW杯ではチームはベスト8で敗れたが、アジャラ自身は大会ベストイレブンにも選ばれた。

アジャラがいた当時のバレンシアはまさしく黄金期で、暗黒時代を迎えていたバルサより遥かに強く、今でいうアトレティコ・マドリード的な立ち位置だった。エクトル・クーペルラファエル・ベニテスといった守備を重視する監督の下で守備の核を担い、2度のリーグ制覇と1度のUEFAカップ優勝を経験。だがCLは00-01シーズンに決勝まで到達したが、自身の古巣でもあるサン・シーロで行われた決勝でバイエルン・ミュンヘンPK戦の末敗れた。

余談だが、その試合は1-1でPK戦にもつれ込んだが、両チームの得点もPKによるもの。その為全てのゴールがPKだった。

 

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MF ミヒャエル・バラック

 

生年月日:1976年9月26日(44歳)

国籍:ドイツ

現役期間:1995〜2012年

過去の主な所属チーム:ケムニッツ(1995〜1997)、カイザースラウテルン(1997〜1999)、バイヤー・レヴァークーゼン(1999〜2002、2010〜2012)、バイエルン・ミュンヘン(2002〜2006)、チェルシー(2006〜2010)

過去のW杯出場:2002(準優勝)、2006(3位)

★01-02UEFA年間最優秀MF賞

過去のCL最高成績:準優勝(01-02レヴァークーゼン、07-08チェルシー)

 

「世界最高峰」と呼ぶにふさわしい実力と実績を兼ね備えた選手の中で、最も不憫なのはこのドイツサッカー史に残る名MFかもしれない。もちろん、それ自体が栄誉であり偉大なる実績として加算されるのだが、バラックのキャリアには実に「準優勝」に満ちたキャリアだった。

その始まりは01-02シーズンだった。シーズン終了後にUEFA年間最優秀MF賞を受賞した事が物語る通り、レヴァークーゼンの躍進を牽引したがリーグでは1位ボルシア・ドルトムントと勝点1差で優勝を逃し、国内カップでは決勝でシャルケに敗戦。そしてCLではバルセロナアーセナルリバプールマンチェスター・Uを撃破し、レアルとの決勝まで辿り着いたが……1-1で迎えた45分に、今なお語り継がれる「ジダンの伝説のボレー」が炸裂して1-2で敗れ去る。結局、この年のレヴァークーゼンは「全てのコンペティションで準優勝」という凄いのは間違いないけれど一番悔しい結果に終わり、更にトドメと言わんばかりにシーズン終了後の日韓W杯までもが準優勝で、しかも自身は準決勝で受けたイエローカードで累積警告により決勝戦に出場出来なかった。

選手としての評価は益々高まり、その後移籍したバイエルンチェルシーでは国内タイトルを多く獲得した一方、開催国ドイツの主役として期待されたドイツW杯では準決勝でイタリアに敗れて3位、2年後のEURO2008では決勝でスペインに敗れてまたしても準優勝。そして07-08シーズン、チェルシーの選手として挑んだCL決勝では同国のマンチェスター・UにPK戦の末敗れ、そこでも準優勝に終わった。

 

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MF セスク・ファブレガス

 

現所属チーム:ASモナコ(2019〜)

生年月日:1987年5月4日(33歳)

国籍:スペイン

現役期間:2003年〜

過去の主な所属チーム:アーセナル(2003〜2011)、FCバルセロナ(2011〜2014)、チェルシー(2014〜2019)

過去のW杯出場:2006(ベスト16)、2010(優勝)、2014(GL敗退)

EURO2008優勝

☆2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会優勝

FIFAクラブワールドカップ2011優勝

☆EURO2012優勝

過去のCL最高成績:準優勝(05-06アーセナル)

 

スペイン代表黄金期の背番号10で、南アフリカW杯決勝ではアンドレス・イニエスタのゴールをアシスト稀代の司令塔。当時のバルサには若手司令塔候補としてシャビとイニエスタが台頭していたから出場機会が保証出来なかった事、そして若手大好きベンゲル監督のスカウトもあって、バルサでトップ昇格をせずにアーセナルに移籍する。セスクのキャリアの成功はこの移籍による部分は間違いないが、CLに限ればこの移籍が前述のテュラム以上に皮肉な道を辿るきっかけとなる。

19歳にしてCL決勝の舞台にレギュラーとして辿り着き、決勝でも先発を飾ったが、その対戦相手は皮肉にもバルサだった。セスクはまだ現役だが、現段階では1-2で敗れた05-06シーズンの決勝が彼のCL最高成績となっている。その後アーセナルが「獲られる側のクラブ」になり始めてからは「セスクのバルサ復帰説」は移籍シーズンになる度に重要なトピックとして挙げられ、「セスク復帰希望→バルサオファー→ベンゲル拒否」は恒例のパターンになっていた。だが10-11シーズン開幕前にはバルサ復帰が具体化し、セスクがベンゲル監督に直談判した結果「アーセナルの状況が変わらなかったら来季の移籍を認める代わりに10-11はとりあえず残留」という事で落ち着いたらしい。……お気付きだろうか、この10-11シーズンこそ、バルサが圧倒的なサッカーでCLを制覇したあの年なのである。

結局11-12シーズンからバルサに復帰。その後バルサは14-15シーズンに再びCLを制覇する。…だがセスクは13-14シーズンを最後にバルサを去り、14-15はチェルシーの選手だった。クラブW杯は獲得しているのがより一層切なさを加速させている気もする。

 

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MF メスト・エジル

 

現所属チーム:フェネルバフチェSK(2021〜)

生年月日:1988年10月15日(32歳)

国籍:ドイツ

現役期間:2006年〜

過去の主な所属チーム:シャルケ04(2006〜2008)、ヴェルダー・ブレーメン(2008〜2010)、レアル・マドリード(2010〜2013)、アーセナル(2013〜2021)

過去のW杯出場:2010(3位)、2014(優勝)、2018(GL敗退)

2014FIFAワールドカップブラジル大会優勝

過去のCL最高成績:ベスト4(10-11、11-12、12-13レアル・マドリード)

 

南アフリカW杯で大ブレイクしたエジルは大会後にレアル移籍を果たす。同年からレアルの指揮を執ったのが前年(09-10)のCLで、インテルを当時最強だったバルサを下して優勝させたジョゼ・モウリーニョだった。当時のレアルは01-02シーズンのCLを制覇し、デシマ(CL10回優勝)に王手をかけていたが04-05からまさかの6季連続ベスト16敗退中だったが、クリスティアーノ・ロナウド、カカ、ゴンサロ・イグアインアンヘル・ディ・マリアカリム・ベンゼマといったアタッカー陣を文字通り操っていたレアルでのこの3シーズンこそ最大のチャンスだった。

だが10-11は準決勝で宿敵バルサに敗れ、11-12はバイエルンを前にPK戦で敗退。前評判はレアル優位だった12-13も、1stラグでレヴァンドフスキ一人に4点を奪われて散ってしまう。13-14開幕前、レアルはギャレス・ベイルやイスコを獲得し、同年に監督に就任したカルロ・アンチェロッティ監督の構想外となりアーセナルに移籍。エジルもまた13-14にレアルがCL制覇を果たしてしまう皮肉な光景を目にしてしまい、そしてアーセナルではベスト16から上に一度も進めなかった。

 

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MF ダビド・シルバ

 

現所属チーム:レアル・ソシエダ(2020年〜)

生年月日:1986年1月8日(35歳)

国籍:スペイン

現役期間:2003年〜

過去の主な所属チーム:バレンシア(2003〜2004、2006〜2010)、エイバルCF(2004〜2005)、セルタ・デ・ビーゴ(2005〜2006)、マンチェスター・シティ(2010〜2020)

過去のW杯出場:2010(優勝)、2014(GL敗退)、2018(ベスト16)

EURO2008優勝

☆2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会優勝

★EURO2012優勝

過去のCL最高成績:ベスト4(15-16マンチェスター・シティ)

 

シルバも彼の実力と実績と照らすと意外に映るが、シルバの場合はここで挙げた他の選手とは少し事情が異なるかもしれない。というのも、CL優勝を目的にレアルやバルサバイエルンに移籍する選手が多い昨今だが、シルバはCL優勝が可能なチームに移籍したという経験はなく、むしろシティをCL優勝が可能なレベルに押し上げたのはシルバの貢献による部分が大きいからである。

ただ、シティがプレミアで見せる強さの割にCLで結果を出せなかったのは事実で、15-16はベスト4進出を果たすがそこからの4シーズンは悪夢の連続だった。敗れた相手がモナコ、リヨンといった伏兵相手、或いはシティが圧倒的な勝点で優勝したシーズンにそれぞれ4位だったリバプール(17-18)とトッテナム(18-19)に負けたのはやっぱり痛恨だったと思う。シルバがどうこうという訳ではないのは言わずもがなとして、さすがにあのリヨン戦がシルバのシティラストゲームになっちゃったのは…。

 

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FW ズラタン・イブラヒモビッチ

 

現所属チーム:ACミラン(2010〜2012、2019〜)

生年月日:1981年10月3日(39歳)

国籍:スウェーデン

現役期間:1999年〜

過去の主な所属チーム:ユベントス(2004〜2006)、インテル・ミラノ(2006〜2009)、FCバルセロナ(2009〜2010)、パリ・サンジェルマン(2012〜2016)、マンチェスター・ユナイテッド(2016〜2018)など

過去のW杯出場:2002(ベスト16)、2006(ベスト16)

FIFAクラブワールドカップ2009優勝

過去のCL最高成績:ベスト4(09-10バルセロナ)

 

行く先々で国内タイトルを獲得し、いつしか彼は「優勝請負人」の象徴的な選手ともされた。特にミラン移籍1年目で自身も関わったインテルの連覇を5で止めたのは圧巻で、35歳にして初のプレミア挑戦となったマンUでも、リーグタイトルこそ獲得できなかったがカラバオカップヨーロッパリーグ制覇に大きく貢献。イブラのキャリアはタイトルと共に歩み続けたといっても過言ではない。

だが、そんなイブラもCLとだけはどうしても相性が悪かった。毎年のようにCLに出場しながらベスト8より先には行けず、インテルではモウリーニョ監督と良い関係も築けていたが、08-09シーズン終了後にサミュエル・エトー+約60億というとんでもない条件で前年のCL王者であるバルサへ移籍する。当時のバルサはサッカー史上に残る強さだったので順当に準決勝まで進んだが、その準決勝で対戦したのは他でもないインテルだった。CL史に残る激闘との呼び声高い準決勝では昨年までのチームメイトや監督、そして条件上はイブラの方が格上としてトレード要員になったエトーの前に沈黙し、これまでクラブレベルではCL以外の全てを勝ち取ってきた彼にとってもっとも屈辱的な結果に終わっている。

ミランに復帰したイブラは今年で40歳ながらミランを牽引。長年低迷していたチームを復活に導いている。優勝はわからないが、おそらく来季のCL出場権は得られるだろう。そこで果たしてどうなるか。

 

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FW デニス・ベルカンプ

 

生年月日:1969年5月10日(51歳)

国籍:オランダ

現役期間:1986〜2006年

過去の主な所属チーム:アヤックス(1986〜1993)、インテル・ミラノ(1993〜1995)、アーセナル(1995〜2006)

過去のW杯出場:1994(ベスト8)、1998(4位)

★1997年FIFA年間最優秀選手賞3位

イングランドサッカー殿堂

過去のCL最高成績:準優勝(05-06アーセナル)

 

数々の名選手を輩出してきたオランダ、そしてアヤックス出身選手の中でもトップクラスの人気を持つ名クラッキもまた、実はCL優勝経験のないトッププレイヤーの一人である。

現在で言うヨーロッパリーグに値するUEFAカップインテル時代に優勝を経験している。だがインテルにはベルカンプ自身がフィットし切れず、自身がベンチ要因に落ちてしまった94-95シーズンは古巣のアヤックスがCL優勝を果たしてしまった。1995年に移籍してから2006年の引退まで所属したアーセナルでは黄金期の象徴的な存在となり、外国籍選手ながらイングランドサッカー殿堂入りも達成。だがアーセナル自体CL優勝経験がない事実が物語るように、当時プレミアで2強状態だったマンUとは異なりCLでめっぽう弱かったのが難点だった。現役ラストイヤーとなった05-06シーズン、最後の最後でようやくCL決勝まで辿り着く。だがバルサに1-2で敗れ、自身も出場機会は無かった。

 

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FW ロナウド

 

生年月日:1976年9月22日(44歳)

国籍:ブラジル

現役期間:1993〜2011年

過去の主な所属チーム:PSV(1994〜1996)、FCバルセロナ(1996〜1997)、インテル・ミラノ(1997〜2002)、レアル・マドリード(2002〜2007)、ACミラン(2007〜2008)など

過去のW杯出場:1994(優勝)、1998(準優勝)、2002(優勝)、2006(ベスト8)

★1994FIFAワールドカップアメリカ大会優勝

FIFA年間最優秀選手賞(1996〜1997、2002)

バロンドール受賞(1997、2002)

コパ・アメリカ優勝(1997、1999)

★2002FIFAワールドカップ日韓大会優勝

バロンドールドリームチーム

過去のCL最高成績:優勝(06-07ミラン)orベスト4(02-03レアル・マドリード)

 

クリスティアーノ・ロナウド登場以降は「元祖」「怪物(フェノーメノ)」が苗字の如く頭につけられて呼ばれるようになった史上最高との呼び声の高いストライカー。特に1996年から1999年に怪我するまでの期間のパフォーマンスはサッカー史に永遠に残るであろう活躍ぶりで、バルサ時代の監督であるボビー・ロブソンが「私の戦術はロナウドだ」と言い切ってしまったエピソードは有名。FIFA最優秀選手賞3回、バロンドール2回に加え、日韓ワールドカップでは得点王&決勝戦で2ゴールと獲れるもの全てを獲ってきた印象のある怪物だが…実はビッグイヤーは掲げた事がない。

…厳密に言えばミランが06-07シーズンにCLを獲得しており、ロナウドもそのシーズンの後半にレアルからミランに移籍していた。だが当時のCLでは冬の移籍で新天地に移った場合、前のチームでCL出場登録をされた選手は移籍先では登録できないというルールがあり、レアルで登録されていたロナウドミランでは選手登録できず、要するに優勝チームにはいたが優勝メンバーでは無かったのだ。無論、ミランロナウドをリーグ戦で使えるおかげでCLに主力を注力出来たりしたので間接的にCL制覇に貢献しており、実際にミランのCL優勝に於ける影の立役者という評価もされている。だがロナウド自身がCL優勝メンバーにはなれなかったというのもまた事実だった。

バルサとレアル、インテルミランに所属する濃い経歴を送りながらCLではあまり結果に恵まれなかったロナウドだが、02-03シーズンの準々決勝、敵地でのマンチェスター・U戦はハットトリックの大活躍でレアルをベスト4進出に導いており、この試合は今も伝説の試合として語り継がれている。

 

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監督 アーセン・ベンゲル

 

生年月日:1949年10月22日(71歳)

国籍:フランス

過去に率いた主なチーム:ASナンシー(1984〜1987)、ASモナコ(1987〜1994)、名古屋グランパスエイト(1995〜1996)、アーセナル(1996〜2018)

イングランドサッカー殿堂

☆IFFHS2001-2010世界最優秀監督賞

過去のCL最高成績:準優勝(05-06アーセナル)

 

かつて名古屋でも監督を務めたサッカー史に残る名将。アーセナルで残した結果、人材発掘と育成の手腕に疑いの余地は無い。今でこそプレミアはビッグ6…その中でもアーセナルはCL圏内が目標のチームと化しているが、90年代後半から2000年代前半のプレミアはマンチェスター・Uとアーセナルの2強状態だった。その状態に導いた監督こそアレックス・ファーガソンであり、そしてベンゲルだったのである。だがマンチェスター・Uとは異なり、アーセナルはなかなかCLで目立った結果を残さない。そんな中で強大な資金力を手にしたチェルシーが台頭し、後にマンチェスター・Cらが続くようにサッカー界の在り方そのものが変わろうとしていて、アーセナルは「獲られる側」のクラブになり始めていく。この05-06のCL決勝はアーセナル、そして結果的にベンゲルにとってラストチャンスだった。

無敗優勝やら二冠やら栄光に満ちたベンゲルアーセナルが唯一獲れなかったのがCLだった。ベスト16でレアル、ベスト8でユベントス、ベスト4ではダークホースのビジャレアルを撃破して上り詰めた決勝は前半からGKイェンス・レーマンの退場でほとんどの時間を10人で戦う事になる。先制こそしたが、ロナウジーニョ擁するバルサの前に1-2で逆転負け。それ以降は08-09シーズンにベスト4に行った以外はお家芸かのようにベスト16敗退が続いてしまった。

 

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終わってみればユーベ率高い。

ではでは(´∀`)