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【夏の移籍市場】J1リーグ、ちょっと出場機会を減らしてるような今が狙い目かもしれない今夏の動向が気になる選手20人【前編】

 

 

 

夏─────それは出会いと別れの季節。

 

 

 

…節子、それ春や。3月のこと言うてんねん。

だがしかし、HOWEVER、サッカー界的にはこの文言は正しい訳ですよ。夏の移籍市場、開幕です。

 

 

 

いよいよJリーグの夏移籍が始まります!

前半戦も終わり、ここから更に勢いをつけていきたいチーム、不振からの挽回を図りたいチーム、怪我人多発や海外移籍でどうにか選手を増やさなければならないチーム……選手の側から見ても、個人のステップアップや出場機会の確保だとか、この夏の移籍はシーズンを、そして選手の人生を左右し得る大きなターニングポイントです。

試合出場が可能になるのは7月15日以降、J1で言えば第22節からのタイミングになりますが、既に浦和と神戸が外国人ストライカーの獲得を発表し、森保ジャパンの招集歴がある北川航也と鈴木武蔵Jリーグ復帰。特に鈴木が古巣の札幌ではなくG大阪への移籍を選択した事は今夏の一つのトピックになるのでは。ガンバファンのワイ、ウキウキ。Jクラブ間の移籍としても、鳥栖の躍進を牽引していた飯野七聖が神戸に移籍するなど、8月12日まで開いている移籍市場で各クラブが活発な動きを見せています。

という訳で、今回からは2回に渡って個人的な注目銘柄と言いますか、ちょっと出場機会を減らしてるような今が狙い目かもしれない今夏の動向が気になる選手を20名ピックアップしていきたいと思います。

 

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移籍とはセンシティブな案件であり、かつ場合によっては驚きを与えてしまう可能性もありますので、一応注意書きをいくつか。

筆者は記者でも情報通でも内部の人間でも全くありません。皆様と同様、公式のリリースとスポーツ新聞やらが報じるニュースをひたすら待つ立場ですので、既に具体的な報道が出ている場合はそれを参考にもしていますが、あくまでいち個人の考察であり、ここに書いている選手に移籍の話が実際にあるとかそういう訳では一切ないので、昨今流行りの"噂"ですらない事は予めご了承ください。

 

それと……基本的にはファンやサポーターは、自分が応援しているクラブの誰にも出ていってほしくない気持ちを持っています。ここで名前を挙げた選手に対しても「いや、◯◯は必要だから!」「絶対出さないから!」的な気持ちになるのは凄くわかります。ただ、特に夏の移籍は………どれだけファンに愛され、サポーターに信頼され、クラブや監督が必要な戦力として捉えていたとしても、スタメン組に入っていない選手は全員潜在的に退団の可能性がある…というのは見ている側が常に持っておかなくてはならない覚悟だと思います。その上でご覧頂けましたら…と。

また、各種情報は2022年7月3日時点のものです。

 

歴代の印象的な夏の大型補強

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

#1 DF 吉田麻也

 

現所属チーム:無所属(前所属:UCサンプドリア)

国籍:日本

生年月日:1988年8月24日

これまでの所属チーム:名古屋グランパスエイトU-18名古屋グランパス(2007〜2009)→VVVフェンロ(2010.1〜2012.8)→サウサンプトン(12-13〜2020.1)→サンプドリア(2020.1〜21-22)

日本代表通算成績:119試合12得点(2010〜)

★2014年ブラジルW杯、2018年ロシアW杯出場

アジアカップ2011、2015、2019出場

コンフェデ杯2013出場

☆2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪(OA)、2021年東京五輪(OA)出場

 

現役日本代表キャプテンであるが故に、その動向は日本代表すら左右する可能性もある。

21-22シーズンまで所属したサンプドリアとは既に契約終了しており現在は無所属の状態。6月の代表ウィークの段階から、ユース時代から過ごした名古屋と毎度お馴染み神戸がオファーを出している事が報じられ、6月に日本プロサッカー選手会の会長に就任した事はJリーグ復帰の布石と見る向きもあった。名古屋からすれば、吉田は現時点で名古屋ユースが輩出したほぼ唯一と言っていいスター選手。元々評価が芳しくなかった育成部門に力を注ぎ始めている近年の方針の中で、Jリーグ復帰の際に他クラブに取られるような事態は何があっても避けたいはずで、J史上に残るマネーゲームが展開される可能性もある。

しかしここに来て、22-23シーズンからセリエAに参戦するACモンツァがオファーを出したとの報道もあり、吉田自身が出演した『内田篤人のFOOTBALL TIME #88(DAZN)』では欧州でのプレーを第一に検討している旨の発言もあったので、セリエAでのプレー継続は吉田にとって理想の展開か。ちなみにモンツァのオーナーは元イタリア首相のシルヴィオ・ベルルスコーニで、強化責任者は様子を見てみようおじさんことアドリアーノ・ガッリアーニ。旧ミランオールスターズ である。

 

 

#2 MF 浅野雄也

 

現所属チーム:サンフレッチェ広島(2020〜)

国籍:日本

生年月日:1997年2月17日

これまでの所属チーム:大阪体育大学水戸ホーリーホック(2019)

現チームでの立ち位置:カップ戦要員

 

ミヒャエル・スキッベ監督の下で躍進を遂げている広島だが、その裏で割を食う形になってしまったのが浅野。

ここ2シーズンは広島の攻撃を牽引する活躍を見せており、開幕当初は先発の座をキープしていた。しかし、現在の広島はFWは3人の外国籍選手をローテーション、インサイドハーフorシャドーは森島司と満田誠が固定されており、この位置の控えでも柴崎晃誠の方が重用されている状況である。

広島としては浅野を放出候補とは考えていないとは思うが、昨季の活躍と今季の現状を踏まえてオファーを出すには狙い目のような気もするし、オファーが届けば浅野も新天地に懸ける可能性も否定できない。

 

 

 

#3 FW 食野亮太郎

 

現所属チーム:マンチェスター・シティ(19-20〜)

国籍:日本

生年月日:1998年6月18日

これまでの所属チーム:ガンバ大阪ユースガンバ大阪(2017〜2019.8)→ハート・オブ・ミドロシアンFC(19-20)→リオ・アヴェFC(20-21)→GDエストリル(21-22)

現チームでの立ち位置:レンタル組

 

堂安律と同期のガンバユース出身で、東京五輪では最終候補までは名を連ねていたアタッカー。ガンバ時代の2018年から出場機会を増やし始め、2019年から主力スカッドに組み込まれてきた中で、2019年夏のマンチェスター・シティへの移籍はまさしく青天の霹靂なるものだった。ただ、同時期にシティからのレンタルで外に出た板倉滉とは対照的に、食野はスコットランドポルトガルでプレーした3シーズンで強いインパクトと安定した活躍を残す事は出来なかった。

既にガンバへの復帰報道も出ていて、今夏のガンバ復帰が確実視されている。宇佐美貴史井手口陽介、前田大然らと同様に、一度Jリーグに帰る事で海外への再チャレンジを目論む形か。

 

 

#4 GK ダン・バン・ラム

 

現所属チーム:セレッソ大阪(2021〜)

国籍:ベトナム

生年月日:1993年8月13日

これまでの所属チーム:ホアンアイン・ザライ(2011)→ホアンアイン・アッタプーFC(2012)→ドゥスラル・モスクワ(2013)→ロジナモ・モスクワ(2014〜2015)→ハイフォンFC(2015〜2019)→ムアントン・ユナイテッド(2019〜2020)

ベトナム代表通算成績:24試合0得点

現チームでの立ち位置:第3GK

アジアカップ2019出場

 

アジアカップ2019の準々決勝や3月のアジア最終予選の日本戦にも出場したベトナム代表のスター選手。昨季の後半は負傷離脱により登録を抹消されたが、今季からは再度選手登録された。

しかし、正GKに君臨するキム・ジンヒョンの壁は高く、ここまでダンバンラムが出場した公式戦は昨季の天皇杯ACLの2試合のみで、今季は第2GKとして清水圭介が入団した事で序列は更に下がってしまっている。特に彼の場合、控え選手のアピールチャンスとなるルヴァン杯天皇杯のタイミングがベトナム代表活動と重なる事が立場を更に難しくしている感は否めない。

ただ、アジアカップで見せたようなポテンシャルは確かにあるし、ベトナムは提携国枠として、外国籍枠を使わずに起用出来るというポイントがある。特にJ2クラブを中心に、アジア戦略を図りたいチームとしては良い補強になるのでは。

 

 

 

#5 DF 松原后

 

現所属チーム:無所属(前所属:シントトロイデンVV)

国籍:日本

生年月日:1996年8月30日

これまでの所属チーム:浜松開誠館高校→清水エスパルス(2015〜2019)→シントトロイデンVV(2020.1〜21-22)

 

中学年代は磐田のアカデミーで育ち、浜松開誠館高校を経て清水に入団した左SB。清水がJ2での戦いを余儀なくされた2016年から出場機会を掴み、そこからはリーグ有数の左SBに成長。一時は代表待望論も出る中で、2019年シーズン終了と共に欧州移籍を果たした。

ただし、シントトロイデンでは2シーズン半で思うように試合に出ることは出来ずに、21-22シーズンをもって契約満了。松原の清水復帰は昨年12月にも報じられており、近年は積極補強の目立つ清水が既に復帰が発表された北川航也と共に呼び戻す事が期待されている。

 

 

#6 MF チュ・セジョン

 

現所属チーム:ガンバ大阪(2021〜)

国籍:韓国

生年月日:1990年10月30日

これまでの所属チーム:釜山アイパーク(2012〜2015)→FCソウル(2016〜2017)→牙山ムグンファFC(2018〜2019)→FCソウル(2019〜2020)

韓国代表通算成績:28試合1得点

現チームでの立ち位置:カップ戦要員

★2018年ロシアW杯出場

アジアカップ2019出場

 

2021年に2年越しのオファーを実らせてJリーグ初挑戦。現役韓国代表レギュラー格の選手の獲得ともあってガンバファンの期待も大きくパナスタのピッチに初めて立った試合(2021年第8節福岡戦)での出来はファンに大いなる期待を抱かせる働きだった。

だが、その後はチームの不調にも巻き込まれる形で実力を発揮出来ず、次第に出場機会を失って気が付けば韓国代表からも遠ざかる事に。今季も開幕スタメンこそ飾ったが、片野坂知宏監督がボランチに運動量の多い選手を重宝するようになってからは完全にカップ戦要員となってしまった。

現時点では具体的な移籍報道・退団報道が出ている訳ではない。ただ現状として、ガンバで劇的に出場機会が増えるか?と言われればその可能性は低く、代表復帰とカタールW杯を目指すのであれば、それがJ2を含めたJリーグクラブへの移籍なのか韓国復帰なのかはともかく、移籍はベターな選択肢になってくる。ファンの人気は高い選手で、今のガンバでは貴重なタイプとして、確かに随所に片鱗を見せる場面はある。残って欲しい気持ちもあるが、ガンバとしても出場機会や年俸面などを考慮すると………。

 

 

#7 MF 三田啓貴

 

現所属チーム:FC東京(2019.7〜)

国籍:日本

生年月日:1990年9月14日

これまでの所属チーム:明治大学FC東京(2021.7〜2015)→ベガルタ仙台(2016〜2017)→ヴィッセル神戸(2018〜2019.7)

現チームでの立ち位置:ベンチ

 

神戸時代に背番号に翻弄され続けた事でも知られる技巧派MF。2019年途中からユース時代を過ごしたFC東京に復帰すると貴重なプレーメーカーとして、ないしはジョーカーとして重宝されてきた。

テクニカルな選手という事もあって、アルベル監督率いる新体制との相性も期待されたが、松木玖生が想像を遥かに超える速さでプロの強度に順応してきた事で、今季はこれまでJ1での先発機会はゼロになっている。他チームからすれば貴重なプレースキッカーとしての面も持ち合わせている為、キッカー不足のクラブが手を伸ばしてくる可能性はあるかもしれない。

 

 

 

#8 DF 飯田貴敬

 

現所属チーム:京都サンガFC(2020〜)

国籍:日本

生年月日:1994年8月31日

これまでの所属チーム:専修大学清水エスパルス(2017〜2019)

現チームでの立ち位置:カップ戦要員

 

曺貴裁監督は今シーズン、一部の選手を除いてはスタメンもベンチメンバーも試合毎に選手を比較的積極的に入れ替えていたが、右SBのレギュラーとしてJ1昇格に大きく貢献した飯田はここまでリーグ戦にほとんど絡めず、主なカップ戦でしか起用されないような状態が続いており、報道は無かったものの、サンガサポーターの間では「移籍秒読み」というような怪情報が流れたりもしていたし、今季の状況的に誰しもが飯田の退団を覚悟していた。

しかし、3週間の中断期間を挟んでリーグ再開を迎えると、第17節鹿島戦と第18節湘南戦は2試合連続でフル出場を果たす。ここにきて右SBのスタメンを掴む形になったので、途中退団の可能性は一気にゼロに近付いたか。

 

 

#9 FW レアンドロペレイラ

 

現所属チーム:ガンバ大阪(2021〜)

国籍:ブラジル)

生年月日:1991年7月13日

過去の主な所属チーム:パルメイラス(2015.1〜2015.7,2016.7〜2016.12)、クラブ・ブルッヘ(15-16)、松本山雅FC(2019.1〜2019.7)、サンフレッチェ広島(2019.7〜2020)など

現チームでの立ち位置:ベンチ

 

2020年に広島で15得点を叩き出した実績を引っ提げ、2021年には新たなエース候補としてガンバに移籍。しかし同年は後半戦を負傷離脱した影響もあった僅か5得点に終わり、再起が期待された今季も現段階で2得点に留まっている。

今季はチームとしても「脱・パトリック依存」を目指す為に、一時はペレイラを軸にした地上戦での戦い方も目指していて、ペレイラ自身も自分の実力の片鱗を見せるシーンはいくつかあった。だが実際問題、推定1億5千万円とも言われる年俸と現在のパフォーマンスが釣り合っているとは到底言えず、片鱗や可能性でOKと片付けられるような待遇は受けていない。加えてガンバは鈴木武蔵の獲得を発表し、他にもFWの獲得が報じられているのは、ペレイラの放出が前提にあるのでは?と見る向きもある。

広島時代で15得点を叩き出したように、彼のフィニッシャーとしてのパンチ力やパワーは確かに鋭く光るものがあるので、現状打破の鍵をペレイラに求めるチームもあるかもしれない。

 

 

#10 MF 乾貴士

 

現所属チーム:無所属(前所属:セレッソ大阪)

国籍:日本

生年月日:1988年6月2日

これまでの所属チーム:野洲高等学校→横浜F・マリノス(2007〜2008.6)→セレッソ大阪(2008.6〜2011.7)→VfLボーフム(11-12)→アイントラハト・フランクフルト(12-13〜14-15)→SDエイバル(15-16〜17-18)→レアル・ベティス(2018.6〜2019.1)→デポルティボアラベス(2019.1〜2019.6)→SDエイバル(19-20〜20-21)

日本代表通算成績:36試合6得点

★2018年ロシアW杯出場

アジアカップ2015、2019出場

コンフェデ杯2013出場

 

ロシアW杯に於ける日本のヒーローで、日本人が活躍できないと言われ続けたスペインで極々僅かな成功者である乾が古巣のセレッソに復帰したのは昨年の夏終わり。その実績に恥じないファンタジックなプレーを見せ、今季からはセレッソの伝統とも言える背番号8を自ら志願して背負い、名実ともにチームを引っ張っていく強いモチベーションと共にシーズンに入った。

しかし全てが狂ったのが第7節柏戦、第6節の川崎戦でMVP級の活躍を見せた乾だったが、柏戦で途中交代を命じられると小菊昭雄監督に対して悪態をつき、その後は控え室等でも「チーム規律・秩序を乱す行動」を取ったとして、計8試合の出場停止とその期間の全体練習参加を禁じられる処分がクラブが下された。処分としては第14節G大阪戦から出場が可能ではあったが、乾はその後も全体練習に戻る事が無いまま、6月9日付で契約解除に至っており、現在はフリーの立場である。

現在はファジアーノ岡山の練習に参加しているが、これはあくまで個人的な親交のある木山隆之監督の繋がりによるもので、岡山に入団する…という話ではない。ただ、件の柏戦以前に見せたパフォーマンスはやはり華麗な実績に恥じないプレーであり、乾の持つネームバリューは他クラブにとっては魅力的でもあるはずで、本人が条件的な譲歩をどこまで出来るかによる部分もあるが、興味を示すクラブは少なからずいるとは思うし、6月17日の日刊スポーツの報道では神戸がリストアップしたとも報じられた。ただし、この記事では「ロティーナ監督が乾の実力を高く評価」という文脈で語られている為、ロティーナ監督が退任した事で状況が変わった可能性もある。

 

 

 

次回

 

ガンバ大阪BIG SUMMER

ではでは(´∀`)