SHINING MANすこ
どーもこんばんは
ちなみに…筆者も調子に乗って音楽制作を始め、そしてとうとうアルバムを出してしまいました。各種配信サイトで絶賛かどうかわかりませんが配信中です。
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どーもこんばんは
さてさて、夏の移籍期間が終わりました。
………神戸と浦和やべぇよ。
…大型補強にも程があるよ。浦和なんて開幕前と合わせて何人獲ってんのよ。神戸なんて使った金額がJリーグレベルのそれじゃないのよ。清水とか横浜FCも結構動いてるし……。
そこで今回は、過去のJリーグを振り返って……「夏の移籍期間で大型補強を行ったチーム10選」を振り返っていきます。前編後編の2回に分けて5チームずつピックアップしていきますね。
特に残留争いに巻き込まれていたりすると、一発逆転を狙って大型補強に踏み切るような事例は過去にもあったんですよ。その大型補強でスタメンはどう変わったのか、成績はどうなったのか…それも含めて振り返っていけたら…と思っています。
あくまで私がパッと思いついたケースを10個並べていきますので「このチームの夏補強もすごかったよ!」的なのがあればコメント欄なりなんなりで教えてください。
(フォーメーションの図の「◆」は途中退団選手、「★」は夏の補強で獲得した選手です)
【CASE1】
2012年のガンバ大阪
監督:ジョゼ・カルロス・セホーン(1年目)→松波正信(第4節〜)
中断期間前の順位:17位(3勝4分11敗、勝点13)
最終順位:17位(9勝11分14敗、勝点38)
中断期間後の成績:勝点25(6勝7分3敗)
リーグ杯:ベスト8
天皇杯:準優勝
ACL:グループステージ敗退
【主な獲得選手】
DF 岩下敬輔←清水(レンタル)
【主な退団選手】
FW 星原健太→水戸(レンタル)
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ガンバファンである筆者としても、実はガンバが夏に大型補強をしたイメージはあまり無い。2019年夏は多額のお金を使ったものの、そもそも主力の退団もかなりの数だった事で補強という印象はあまりなかった。そう思えば、ガンバのシーズン途中の大型補強で真っ先に思い出すのは2012年だろう。
今や伝説となったセホロペ体制をきっかけに一気に残留争いに巻き込まれたガンバはなかなか降格圏から抜け出せなかった。そこで家長、レアンドロとかつての主力をレンタルという形で復帰させ、更に日本代表経験のある岩下を此方もレンタルで補強。結論から言えば、この補強は3人とも当たりだった。レアンドロの得点力が無ければもっと厳しい戦いを強いられていただろうし、それは岩下の安定感もしかり。家長も当初こそ苦しんだが、終盤は要所要所で重要なゴールを決めた。
しかしJ1残留を目指した補強は後半戦18試合に限れば4位の勝点という形で結果を出したものの、それは序盤に背負った借金を返済できるほどのものではなく降格に至った。尚、家長とレアンドロは所属元との交渉が折り合わずに2013年夏に復帰の形で退団となったが、岩下は2013年から完全移籍に切り替えており、後の三冠達成などに貢献している。
【CASE2】
2012年の大宮アルディージャ
監督:鈴木淳(3年目)→ズデンコ・ベルデニック(第14節〜)
中断期間前の順位:14位(5勝5分8敗、勝点20)
最終順位:13位(11勝11分12敗、勝点44)
中断期間後の成績:勝点24(6勝6分4敗)
リーグ杯:グループステージ敗退
天皇杯:ベスト8
【主な獲得選手】
DF 河本裕之←神戸(レンタル)
FW ズラタン←KAAヘント
FW ノヴァコビッチ←FCケルン(レンタル)
【主な退団選手】
FW ラファエル→ボタフォゴFR
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今でこそJ2生活が長くなっているが、当時の大宮は「序盤戦で毎年『あぁ、今年は降格だ…』と思わせて最終的には残留する」という生活を毎年のように繰り返しており、その様は「グッズとして発売した『落ちない御守り』がバカ売れする」「秋以降の大宮はバルサより強い」と言われるほど。同じ芸風を持っていたチームにアルビレックス新潟がいるが、新潟が小さい予算でやりくりしているのとは対照的に、資金力のある大宮は残留争いの中で行う監督交代と夏の補強で一気にブーストをかけて最終節すら待たずに残留を決めるのがのが伝統芸になっていた。その集大成かつ最高傑作、そして最後の大宮劇場となったのがこの2012年である。
前半戦は14位とは言えども、14位なのは大宮以上に酷すぎるチーム(新潟、G大阪、札幌)がいたからという表現の方が正しかった。そこで鈴木淳監督を解任し名将として知られるズデンコ・ベルデニック監督を招聘。当時のエースだったラファエルと守備の要だったキム・ヨングォンこそ退団したが、長きに渡って日本で活躍する事になるスロベニア代表コンビのズラタンとノヴァコビッチを獲得。神戸から河本も獲得すると、第24節以降一度も負ける事なく最終節を待たずに残留を決めてしまった。2008年の千葉など「Jリーグ史上最も過酷だった残留劇」は思い当たるケースがいくつかあるが、「Jリーグ史上最も鮮やかな残留劇」はこの年の大宮だと思う。
ちなみに、大宮の残留に大きく貢献した河本の移籍元だった神戸は後半戦に大失速して降格している。
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【CASE3】
2008年の京都サンガFC
監督:加藤久(2年目)
中断期間前の順位:12位(5勝2分5敗、勝点17)
最終順位:14位(11勝8分15敗、勝点41)
中断期間後の成績:勝点24(6勝6分10敗)
リーグ杯:グループステージ敗退
天皇杯:5回戦敗退
【主な獲得選手】
FW フェルナンジーニョ←清水(レンタル)
【主な退団選手】
MF 倉貫一毅→徳島
MF 斉藤大介→仙台(レンタル)
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2008年と2009年のサンガは親会社である京セラが本気を出したのか、或いは単純に金銭感覚が崩壊したのか……金の使い方はまあ凄まじかった。シーズン開幕前にも柳沢敦、佐藤勇人、シジクレイ、増嶋竜也といった大型補強を敢行したが、これは前年のJ2を圧倒的な強さで制しながら1年でJ2逆戻りとなった2006年の反省もあったのだろう。フェルナンジーニョは2008年は不調だったとはいえ、2004年の初来日からG大阪と清水で確かな実績を残したアタッカーで、重傷を負ったパウリーニョを登録抹消とした事もあっていきなり10番が与えられた。そして特に衝撃だったのが、今振り返っても伝説レベルの移籍劇となったのが水本である。
同年に予定されていた北京五輪の代表主将を務めていた水本だったが、2008年に千葉から移籍したG大阪ではプレーに精彩を欠いてベンチ要員となり、北京五輪への焦りもあってスタメンで出られる移籍先を探していた。とはいえ、G大阪も水本獲得には当時のDFの移籍金として最高額となる約3億円を費やしたので僅か半年で安売り出来る訳もない。しかしサンガがそこで「ほいっ」とG大阪が儲けを出すほどの移籍金を提示したのだ。その移籍金は推定4億円……この状況で4億円を出せた当時のサンガはエグい。この時の4億円という金額は、公表や具体的な金額が報道されている取引としてはJリーグクラブ間の日本人選手の移籍金としては歴代最高額である。ちなみに、外国人選手を含めたJリーグクラブ間の移籍金最高額は2009年開幕前にサンガが東京ヴェルディからMFディエゴを獲得した際の4億5千万円である。サンガちゃん…?
2008〜2009年のサンガの大型補強に関しては「大型補強したから残留を勝ち取れた」という見解と「あれだけ金を使ったのに14位と12位だった」という2つの捉え方がある。ただ、補強を控えめにした2010年にアッサリ降格した事を踏まえると、当時のサンガは前者というか、大型補強しないと残留出来ないチームだったのかもしれない。
【CASE4】
2017年のヴィッセル神戸
中断期間前の順位:9位(8勝2分8敗、勝点26)
最終順位:9位(13勝5分16敗、勝点44)
中断期間後の成績:勝点18(5勝3分8敗)
リーグ杯:ベスト8
天皇杯:ベスト4
【主な獲得選手】
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いわゆる「神戸伝説はじまりの瞬間」が2017年夏なのかもしれない。厳密にいえばポドルスキの獲得は3月の時点で発表されていたが、当時はあくまで「内定」の段階だったので16-17シーズン終了までガラタサライでプレーした後に神戸合流…という運びになった。
ポドルスキの獲得が持つ意味は後の神戸、Jリーグの流れを踏まえても多かった。神戸が「バルサ化」を推し進めたのは親会社の楽天が2016年11月にFCバルセロナとのメインスポンサー契約を結んだ事に端を発するが、その後にアンドレス・イニエスタやダビド・ビジャ、更には鳥栖がフェルナンド・トーレスの獲得に成功したのはポドルスキの存在は無関係では無かったはず。そういう意味ではポドルスキはその轍を作ってくれたと言っても過言ではない。
どうしてもポドルスキがメインに語られるが、日本代表経験のあるハーフナーも16-17シーズンはオランダで9得点を挙げており、ポドルスキがいなければ目玉扱いされていたほどのバリューは持っていた。ただし、リオネル・メッシ、ネイマール、ジェラール・ピケ、アルダ・トゥランが来日したFCバルセロナと楽天のパーティーで神戸の新加入選手としてポドルスキと共に参加した際は自ら「バーター」と自虐している。
【CASE5】
2018年のサガン鳥栖
監督:マッシモ・フィッカデンティ(3年目)
中断期間前の順位:17位(3勝4分8敗、勝点13)
最終順位:14位(10勝11分13敗、勝点41)
中断期間後の成績:勝点28(7勝7分5敗)
リーグ杯:グループステージ敗退
天皇杯:ベスト8
【主な獲得選手】
MF 加藤恒平←PFCベロエ・スタラ・ザゴラ
FW 金崎夢生←鹿島
【主な退団選手】
GK 赤星拓→徳島(レンタル)
GK 辻周吾→横浜FC(レンタル)
DF チョン・スンヒョン→鹿島
MF 水野晃樹→熊本(レンタル)
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他でもないフェルナンド・トーレス獲得の時である。トーレス獲得に関してはアトレティコ退団の決まった頃から噂が出ていたが、成績決定前にJリーグが間違えて入団をリリースしてしまったりW杯前に破談との報道も出るといった紆余曲折があり、ネットでは「破談鳥栖」というスラングも出ていた。入団発表時のタオルに書かれていた「誤報じゃないよ!ほんトーレス!」はその辺りの事に由来している。
トーレスに注目が行くのは自然な流れだが、それ以外の補強もなかなか凄まじかった。特に2018年から鹿島の10番を背負った金崎の移籍は噂すらなかったところに急に発表された為、その衝撃度合いは相当大きかったのを覚えている。実際、前半戦の鳥栖は守備は安定している一方で深刻な得点力不足に陥っていた為に補強ポイントだったのは間違いない。更には現在はFC東京でプレーするオマリはこの時の移籍が初来日で、2016年に日本代表に招集されて話題になった加藤も逆輸入選手として獲得。この年は権田修一がいたので試合には絡めなかったが現在は横浜FMで活躍する高丘も獲得しており、所属自体は鳥栖だったが韓国に期限付き移籍していた豊田陽平も復帰させていた。「少し前までの鳥栖」を知る全員の顎が外れたような夏だった。
そもそも、ずっと財政難に苦しんでいた鳥栖がなぜこれほどの補強を出来たかといえば、2015年にCygamesとのスポンサー契約を取り付けた事が大きく、2017年開幕前にも大型補強を行うなど2016年からは補強のスタンスが変わりつつあったのは事実である。ただ、その予算がCygamesに依存する形になってしまっていたのが後の危機に繋がるのだが……。
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https://www.rrr3k.com/entry/2020/03/08/100057
後編につづく!
11月の大宮はバルサより強いとか言われてたあの頃
ではでは(´∀`)