サンガにVARをください…
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第33節、川崎フロンターレvs清水エスパルスの一戦です。
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優勝争いと残留争い…両チーム、それぞれの立場で目標と死活問題を巡る強烈な一戦です。
マリノスとの熾烈なマッチレースとなった今年の優勝争いも、一度はマリノスに勝点1差まで迫られながら、川崎はACLやルヴァン杯での敗退、福岡相手の初黒星などの不振を乗り越えてここにきて5連勝。2位マリノスとの勝点差を再び9にまで広げています。今日が終われば残り5試合。今日川崎が勝利し、マリノスが敗れて勝点差が12になった場合、次節にも優勝が決まる可能性が出てきます。
一方、開幕前は台風の目とも称されて躍進が期待された清水ですが、気がつけば残留争いから抜け出せないまま終盤戦を迎え、そして下位5チームがここに来て勝点を伸ばしてきたことで清水は清水でかなりヤバイ状況が仕上がりつつあります。昨日の結果を受け、15位清水と17位徳島との勝点差は僅かに2。一試合で逆転できる勝点差で次の試合を迎えるリスクは言わずもがなです。優勝候補本命の川崎から、せめて勝点1はもぎ取ること…この重要性は計り知れません。
両チームスタメンです。
第31節FC東京戦以来3週間ぶりの公式戦となる川崎は試合間隔が空いた事もあってほぼ同じメンバー。CBのみ、谷口彰悟がスタメンに戻っています。また、ベンチには長らく負傷離脱していた大島僚太が復帰。今季はずっと怪我していた大島は今季のリーグ戦出場は1試合のみですが、その1試合がちょうど第18節清水戦で、この試合では得点も挙げていました。
前節、柏との直接対決に敗れた清水は中盤を二人変えてきました。前節出場停止だった松岡大起がスタメンに復帰し、右サイドは今日はベンジャミン・コロリを起用。戦力は豊富に擁するだけに、そろそろ形を見せていきたいところです。
今年開催された東京オリンピックの際にはイギリス代表選手団が練習場としても使用したスタジアム。現在は陸上トラック付きのスタジアムですが、近い将来に球技場として改修するそうで。その動向にも注目ですね。本日は10月下旬ということで、年に一度の「KAWAハロー!ウィンPARTY」として様々なイベントを展開。事前にTwitterでも取り上げられたような選手の仮装スタイルのグッズであったり、対戦相手が清水である事から清水出身のさくらももこさん作のちびまる子ちゃん、コジコジに関係したフォトパネルが設置されています。
また、川崎は今日勝利すれば、昨季川崎自身が記録した「83」を抜いてJリーグ史上最多の勝点を更新します。今年は試合数が例年より4試合多いだけに、例年の試合数である34節までに是が非でも更新しておきたいところでしょう。ちなみに清水は、川崎に勝利した場合オンラインショップのグッズが送料無料になるとの事。
予想通り、試合は川崎が高い位置で試合を運ぶ時間が長く続いていきます。清水もエリア外のうちに、或いはレアンドロ・ダミアンに渡る前に潰す事を徹底して行っていた甲斐もあって、マルシーニョが独力で仕掛けてくる以外はペナルティエリアに侵入される場面もさほど多くありませんでしたが、一方で攻撃のターンもなかなか回ってこず。16分には旗手怜央のフリーキックが僅かに枠を逸れます。
前半はずっと川崎がボール持ち、ずっと川崎の攻撃ターンで、ずっと川崎が清水陣内でプレーを続けるワンサイドゲームのような展開でした。実際に清水もビルドアップの時点で自陣から脱出出来ない時間が続き、チアゴ・サンタナや藤本憲明が仕事を出来るような場面はほぼゼロ。一方で、川崎は川崎でペナルティエリアを囲むように配置された清水のWボランチと4バックの包囲網の前に攻めあぐねる時間が続き、前半の惜しい場面といえば前述の旗手のFKと40分の脇坂泰斗のミドルシュートくらい。お互いにもどかしい展開で前半を終えます。
しかさ膠着していた試合は後半、開始早々に均衡が破られる事となりました。47分、脇坂に縦パスが入り、脇坂の出したボールがファーに流れると、一種清水の糸が切れたところをマルシーニョが折り返したところにダミアンがヒールシュート。これが決まって首位川崎先制!
先制点を取ってからは川崎も圧力を一段階落とし、適度なテンションを清水に対して保ち始めるようになっていきました。それもあって清水は自分達がボールを持つ時間は増えて、それと同時に特に右サイドのコロリや原輝綺、途中出場の西澤健太がサイドから攻撃を組み立てられるような回数は増えていきました。しかし、若干川崎にサイドに追いやられているような感もあり、清水はなかなかシュートチャンスにまで運ぶ事が出来ません。
アディショナルタイムが近付くと、川崎は山村和也を投入してアンカー+インサイドハーフをWボランチの形に変更。ビハインドを背負う側の摂理もあって終盤は清水がボールを持つ時間も長くなりましたが、清水にチャンスシーンはほとんど作らせないまま、逆にボールを奪い返した場面では高確率でチャンスまで持っていくなど完璧な試合運びを見せます。試合はそのまま1-0。逃げ切ったというよりも局面をコントロールし続けた川崎。連覇に向けて大きな一勝です。一方、清水は降格圏転落が現実味を帯びる敗戦となりました。
前半はやや攻めあぐねた感もあった川崎でしたが、後半開始早々に先制してからの試合運びは圧巻というか、近年の川崎の強さの証明、或いは近年の川崎が体得したものを見せつけるような時間でしたね。ずーっとハイテンションに戦うわけでもなく、押す時と引く時のバランス、その辺りの、試合を通じての温度感の調整が絶妙であり、そしてそれがチーム全体で統一されていたのが見事でした。結局清水は最後まで川崎の支配下から逃れられなかった訳で。一時期は勝負弱いクラブの代表格とも言われていた川崎ですけど、近年急速に試合巧者っぷりを発揮していますね。
それを思うと、逆に前半の清水は川崎にやきもきさせるところまでは行けていたと感じられただけに、後半開始早々のエアポケットのような瞬間を突かれたのは痛恨でしたね…。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
明治安田生命J1リーグ第33節
1位 川崎フロンターレ(84)
2位 横浜F・マリノス(72)
3位 ヴィッセル神戸(61)
4位 名古屋グランパス(58)
5位 浦和レッズ(58)
6位 鹿島アントラーズ(56)
7位 サガン鳥栖(52)
8位 アビスパ福岡(47)
9位 FC東京(46)
10位 サンフレッチェ広島(45)
11位 北海道コンサドーレ札幌(43)
12位 セレッソ大阪(42)
13位 ガンバ大阪(37)
14位 柏レイソル(37)
15位 清水エスパルス(32)
16位 湘南ベルマーレ(31)
17位 徳島ヴォルティス(30)
18位 大分トリニータ(28)
19位 ベガルタ仙台(26)
20位 横浜FC(25)
優勝争いは川崎が清水に1-0で勝利した一方、横浜FMは苦手としているC大阪にアウェイで痛恨の黒星。これにより、11月3日に予定されている次節の川崎vs浦和、横浜FMvsG大阪の結果次第では川崎の優勝が決まる可能性が出てきました。川崎の第34節での優勝条件は以下の通りです。
11月3日13:05
— R (@blueblack_gblue) 2021年10月24日
川崎フロンターレvs浦和レッズ
横浜F・マリノスvsガンバ大阪
川崎◯→マリノス△以下で優勝決定
川崎△→マリノス●で優勝決定
川崎●→とりあえずお預け
ガンバさんまたえらいとこ絡みにいってもうた…#Jリーグ#Jleague
ACL圏内争いでは浦和、鹿島が共に勝利。そして名古屋と神戸の直接対決は名古屋が前半で2-0としたものの、神戸が後半に武藤嘉紀とアンドレス・イニエスタのゴールで追いつき、神戸視点では非常に大きな勝点1を獲得しました。
残留争いに視線を移すと、残留圏内ながら残留争いに巻き込まれている柏と清水はそれぞれ上位チームに敗戦。一方、G大阪は10分の宇佐美貴史のゴールを守り切って鳥栖に勝利し、13位に浮上しています。降格圏に位置するチームでは、仙台が広島相手に5月以来となるホームでの勝利を掴んで最下位脱出。2試合組まれた直接対決では、徳島と大分の直接対決は1-1の痛み分けとなり、湘南と横浜FCの試合は終了間際に山田直輝が逆転ゴールを決め、山口智監督体制での初勝利を掴みました。
なお、今節の結果で川崎は勝点84に到達。これは昨年に川崎が記録した勝点83を自ら更新するリーグ記録です。例年よりも4試合を多い今季ですが、この記録を33試合の時点で更新してしまったので文句なしですね。
さぁみんな、エルクラシコが始まるよ(ちびまるこちゃん風)
ではでは(´∀`)