中学時代、好きな外国の選手は?と聞かれたらカカとイニエスタって言ってました
どーもこんばんは
さてさて、7月1日というはこの国のサッカー史にどういう色を残すのでしょうか。
明治安田生命J1リーグ第19節、ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌。夢というか、むしろ現実味がなさ過ぎて夢とすら思っていなかったアンドレス・イニエスタとJリーグの物語にこの日、ピリオドが打たれる事になります。
イニエスタに関する個人的な想いはNoteの方を読んでくださいという事で
↓
イニエスタが入団したのが2018年の7月で、退団したのが2023年7月。イニエスタは合計で5シーズンを神戸過ごした訳ですね。
普通に考えて「外国籍選手の5年在籍」ってだいぶ長い訳ですよ。長くJリーグでプレーする選手は多いですがそういう選手の多くはちょこちょこJリーグ間で移籍をしていますし、イニエスタがどうとかじゃなくて、一人の外国籍選手が5シーズン同じクラブにいる事はそれだけでもJリーグにとって稀有な事例なんですよね。
そして何より、イニエスタの1年前に入団したルーカス・ポドルスキ以降、ヴィッセル神戸は間違いなくJリーグの歴史に燦々と輝くドリームチームでした。まぁ、それに見合う成績が出たかどうかはともかくとして…。という訳で今回は、イニエスタを中心した神戸の中でどれが一番ドリームチームだったか?を振り返ってみたいと思います。実際にどれが一番のドリームチームかは皆さんが好みで選んでくださいませ。
Jリーグ30周年記念特集はこちらから!
↓
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
↓
ノミネート①
2018年終盤戦のヴィッセル神戸
イニエスタとポドルスキが並んだ事に心が踊りまくった2018年シーズン後半戦。それはそれは熱い視線が神戸に注がれていた頃で、この頃の神戸は明確に「バルサ化」を目指していましたね。それはイニエスタ獲得のみならず、大﨑玲央や古橋亨梧の獲得にもその姿勢は表れていましたし、ファン・マヌエル・リージョ監督の招聘はその最たる例でした。
リージョ体制も当初は苦しみましたが、その先に辿り着いたのが藤田直之をアンカーに置いた4-3-2-1システム。イニエスタとポドルスキを2トップ下に置くファンタジック感はもちろん、3ボランチの一角で既にベテランとして出場機会を失っていた伊野波雅彦を抜擢したセンスはやはり見事だった思い出。
とにかく非日常感が凄かったですね。この頃。それこそフェルナンド・トーレス擁する鳥栖戦とか、神戸ファンじゃないけど夢見心地感ありましたもん。
ノミネート②
2019年序盤戦のヴィッセル神戸
新たにダビド・ビジャというオールタイムレジェンドが加入し、前線が俗に言う「VIP」という実に言い当て妙な異名がついた奇跡の面子。以前にTwitterでも書きましたが、この年の開幕はちょっと他の年とは違う異様な雰囲気があったのを未だに覚えています。神戸以外のチームの影響もありましたが、やはり神戸の大きな貢献もあって、営業的な意味で2019年のJリーグはまさに歴代最高クラスでした。山口蛍と西大伍の日本人補強も衝撃的でしたし。
VIPが揃った神戸
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2023年6月21日
トーレスのいる鳥栖
黄金期に片足突っ込んだ川崎
チャナティップブレイク札幌
そしてガンバ名古屋FC東京松本辺りがえらく動員好調で、2019年のJリーグって異様に好景気ムーブに入ってたのよな。ほんとコロナで水差されたのが悔やまれる… pic.twitter.com/Gd2TrV1q5f
異常な注目度の中で迎えた開幕戦こそC大阪に敗れましたが、その後は開幕5試合を3勝1分1敗で好スタートに成功。特に第5節G大阪戦は、あれがVIPトリオの3人が全員大活躍した最後の試合だったなぁと…。ガンバファンとしてはトラウマでしかない試合でしたが、今思い返せば貴重な思い出だったな…とも思います。
しかし第5節以降、VIPトリオは常に誰かが怪我でいない状態が続いて3人がピッチの上で揃うのは第32節まで待つ事になり、リージョ監督も第7節広島戦を最後に退任。フィンク体制発足まで神戸は想像以上の長い迷走を強いられる事になりました。イニエスタは想像し易いですが、キャリアを通じてバルサやスペイン的なサッカーとは近くないところを歩いていたポドルスキもリージョ体制のサッカーには好感を抱いていたとも言いますし、特に神戸ファンは伊野波か藤田の、せめてどちらかは残っていればと思っていた人は多いのでは。
ノミネート③
前述のリージョ監督退任後、公式戦9連敗を喫するなど迷走を極めたところで就任したのがドイツ人のトルステン・フィンク監督。
フィンク監督も当初は苦しい状況が続いていましたが、夏に酒井高徳、トーマス・フェルマーレン、飯倉大樹を補強するとフィンク監督はシステムを3バックに変更。そこからはセルジ・サンペールをアンカー、イニエスタと山口をインサイドハーフに置いた3-3-2-2と、イニエスタと山口のWボランチに古橋、ポドルスキらをシャドーに置いた3-4-2-1を併用する形を採用し、チームに安定と躍進をもたらしました。ちなみに上の参考フォーメーションは3-3-2-2ですが、天皇杯決勝は外国籍枠の都合もあってサンペールを外した3-4-2-1でした。
「"バルサ化"と言えば4-1-2-3じゃないと…」みたいな先入観も少なからずあった中で、現在の戦力や特性を踏まえてバルサやスペイン的な文脈を活かした上での3バックに踏み切ったのは圧巻でしたね。それまでは適応に苦しんでいたサンペールも夏過ぎくらいから一気にハマっていましたし。ファンタジックさとシステマチックさが高いレベルで融合した11人でしたね。シーズン後のビジャの引退、ポドルスキの退団もあってこの形で輝いた期間は短かったですが、煌びやかさも含めてJの歴史に残るチームだったと思います。
ノミネート④
先に言うと、この年のリーグ戦での神戸は散々な出来でした。コロナ禍の発生と共に全ての計算が狂ったという側面はありましたが、前述のようにビジャとポドルスキが抜けた影響など様々な要素が複合的に絡んだ結果、リーグ戦の順位は6連敗フィニッシュでまさかの14位。最悪の状態でカタール集中開催のACLに挑む事に。
9月から就任した三浦淳寛監督は、ACLに向けて右SBだった西を右WGに動かし、右SBとCBには新たに山川哲史と菊地流帆を抜擢。大会の性質も踏まえ、ACLでは堅守速攻を第一に置いた戦い方で挑みました。チームは決勝まであと一歩のところまで手を伸ばしてのベスト4進出を達成。戦い方には賛否がありましたが、結果的には現実路線へのシフトと、この年は降格もなく優勝の可能性も早く消えていたので、ACL直前は意図的に出場機会の少なかった選手を積極起用する事でACLに向けた戦力確認を行えた事が功を奏した形に。
先日の企画ブログでも取り上げましたが、この年の神戸って25周年だったんですね。
天皇杯優勝しかり彼らにとっては理想以上の形でメモリアルイヤーに入っていって、営業的にも色々と考えていたのだろうとは思うんですけど…神戸にとって色々と悔やまれる年になったのは確かですが、それでもACL4強は現時点でのヴィッセル神戸の成績としての最高到達点だと思うのでここに加えました。
ノミネート⑤
2021年後半戦のヴィッセル神戸
イニエスタが負傷離脱していた2021年の前半戦はオーソドックスな4-4-2の布陣を採用し、古橋のストライカーとしての能力とサンペールの展開力をフルで活かした戦い方で神戸ですが、夏にイニエスタが復帰すると共に古橋が海外移籍。前半戦の戦い方はイニエスタが帰ってきたからやらなくてもいい、同時に古橋がいなくなったから成立しないという状況になりました。
すると夏、神戸は大迫勇也、武藤嘉紀、ボージャン・クルキッチと前線に大型補強を敢行。その末に三浦淳寛監督が成立させたシステムがサンペールをアンカーに山口と郷家友太or佐々木大樹が脇を固める3ボランチ+イニエスタをトップ下に置いた4-3-1-2システム。ここに酒井高徳と初瀬亮の攻撃参加が絡み、ロジカルな攻撃を確立させていました。
戦力と戦術という意味では、このチームは戦術の完成度というよりは、戦術を整理する事で神戸の戦力の最大公約数を叩き出したチームだったように思います。個人的には三浦監督って、それこそ前年のACLもそうでしたけど、戦力を整理してどうこう…みたいな手腕は高かったように思うんですよね。それが如実に出ていたのがこの年でした。監督としてはフィンク監督の方が秀でた指揮官だとは思いますが、タイプというか、何を得意とするか…みたいなところで言えばフィンク監督と三浦監督のスタンスは似たような感覚だったんじゃないかなと。
これは三浦監督解任時のブログでも書きましたが、逆にこの年のシステムがハマり過ぎたがゆえに、イニエスタやサンペールを欠いてもこのやり方をやろうとしてしまったのが2022年の失敗でもあったんですけど…。
さてどうでしょう?個人的には…やっぱり2018年にイニエスタとポドルスキが並んだ時の衝撃はやっぱり凄かったですね…。トーレスもいたし。
イニエスタバルとかあったわね
ではでは(´∀`)