RK-3はきだめスタジオブログ

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長谷部誠の引退に思ふ〜良質なスタンダードでエポックメイキング〜

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長谷部か

 

どーもこんばんは

 

さてさて、……さてさて。

4月17日、アイントラハト・フランクフルトが会見を開き、現在進行中のブンデスリーガ2023-2024シーズンを以って長谷部誠が引退する事を発表しました。

 

 

思えば一昨年、中村俊輔が引退した時はサッカー見始めた頃の一時代が終わりを告げた気がして、数ヶ月前に遠藤保仁が引退した時はガンバ大阪ファンとしての一時代が終わったような感覚を覚えました。

そんな中、ちょうど岡崎慎司も長谷部より先に同じタイミングでの引退を発表し、そこに続く長谷部の引退発表……日本代表の一番好きだった時代が終わった感覚です。正確には長友佑都香川真司吉田麻也のようにあの時代の象徴的な選手でバリバリやってる選手もいるんですけど、やっぱり「長谷部誠が引退する」というところが…ね。何より、日本サッカーの歴史の中で最も長くキャプテンを務めた人間ですから、この引退が打つ日本サッカー史にとっての一つのピリオドはより強い印象を抱くと言いますか…。やっぱり、ある視点では本田や香川以上にすら時代の象徴だったように思うだけに、引退に募る思いも大きいです。

ちょっと今日はその辺りについてダラダラと書けたらなと。むしろいつもよりもブログっぽいブログになるやも。

 

 

 

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私がサッカーを見始めたのって2005年なんですね。当時のクラスメイトに京都サンガのファンが何人かいましたし、そして定期的に小学生を対象とした無料券も配られいてたので自然と西京極に行き始めた事、ドイツW杯最終予選が同時期にあって、それをきっかけにガンバ大阪も見るようになった事…その辺りの事は過去のブログで何回か書いたのでここでは割愛しますが。

ちょうどその時、ちょうどドイツW杯を前にした時に、ネクストスターだとかドイツW杯でのサプライズ招集だとか、そうでなくとも南アフリカW杯の時には主軸になっているだろう…みたいな期待のされ方をしていたのが長谷部でした。 それこそガンバ視点で言えば、ナショナルダービーと呼ばれた時代の厄介な相手でしたし、ガンバと浦和のライバル関係が一番熱かった時代のメインキャストの一人でした。

 

 

元々はトップ下だった長谷部ですけど、私が最初に見た時の印象は攻撃的なボランチ。それこそ2006年に初めて長谷部が代表の試合に出た時はワクワクするプレーぶりでしたもんね。当時の私は海外サッカー見れてませんでしたし、タイミング的に私は稲本潤一よりも先に長谷部を見る形になったので、こんなダイナミックなボランチがいるのかと。それこそドイツ移籍後の長谷部といえばバランサーの印象が強いですが、当時の長谷部は浦和では守備のタスクを大体全部請け負ってくれる鈴木啓太と組んでガンガン前に出るタイプのボランチでしたからね。

だから岡田武史監督が日本代表で、初めて遠藤保仁長谷部誠のWボランチを組んだ時って最初結構「大丈夫?攻撃的過ぎない?」って思ったりしたんですよ。そしたら気がつけばそのコンビが、未だに自分の中で「日本代表ボランチのベストコンビ」として定着している訳で…。

 

 

 

今でこそ【キャプテン=長谷部誠】くらいの印象になっていますが、南アフリカで長谷部に主将の座が移った時は、確かに言われてみればレギュラーで出そうな選手の中なら長谷部が一番該当するかなとは思いましたけど、それまでの長谷部にキャプテンというイメージはそんなに無かった。それが…ねぇ。今やキャプテンと言えば長谷部誠、リーダーと言えば長谷部誠みたいなもんですから。

…代表キャプテンとしての長谷部誠については、もうこのブログで語らなくても多くの人が語りに語っているでしょうから、少し違うところでの話として。これ、東京五輪が終わった後に書いたブログなんですけども。

 

 

ここではあくまで東京五輪の日本代表というテーマのブログだったので主語ではないんですが、吉田麻也が見せたリーダーシップについて触れる上で当時こういう事を書いていました。

 

今の吉田のリーダーシップの背景にあるものとして、やはり長谷部誠の存在は欠かせません。吉田と長谷部は公私共に親しい事もある分、吉田は長谷部のキャプテンとしての仕事、そして苦悩を近くでずっと見てきていたでしょうし、それが今の吉田のキャプテンシーに大きな影響を与えているのは確かです。そして長谷部は長谷部で、それまではそんなキャラクターでも無かったのに唐突に主将に任命された南アフリカW杯に於いて、不慣れな主将というポジションを手探りな中で、中澤佑二川口能活といった歴戦の主将の助けを借りながら主将として成長していった軌跡があります。

サッカー強国にしても強豪クラブにしても、やはり絶対的なリーダーの存在は強くある為には欠かせません。そしてそれは受け継いでいくべきものです。吉田が長谷部をずっと近くで見て、そしてあらゆるものを得たように、今回のチームであれば遠藤航や中山雄太、板倉滉や堂安律といった面々が、今回の吉田の働きを見て主将としてのイズムを受け継いで行ってほしいですし、その血脈を繰り返し継いでいく事で日本代表はサラブレッドとして走り続ける事が出来ると思っています。(中略) 今、サッカー強国と呼ばれている国はその積み重ねの上に成立しているはずですから、日本サッカーも進化の為にはそういう血脈を組み込めるようなシステムを作らなければなりません。

サラブレッド〜東京五輪男子サッカーU-24日本代表の戦いを振り返る〜

 

こういう流れが明確にできたのって、ちょうど長谷部からなのかなと。

これまでのキャプテンは柱谷哲二にしても宮本恒靖にしても元々キャプテン的な印象は持たれていたでしょうし、本人達もそれを自覚していたというか、そもそも既に自分なりのリーダー像、キャプテン像を有していたと思うんです。だから新しく自分のリーダー像を代表の場で作る必要は無かったと思うんですけど、長谷部はその作業を南アフリカで一からやらなければなかった。そしてその作業を中澤佑二川口能活といったキャプテンに支えられながら編み上げていって、いつしか絶対的なキャプテン、キャプテンの象徴みたいになっていった…と。そういう経緯があったからこそ、かえって長谷部から吉田にキャプテンが引き継がれる過程に於いては「継承」という意味合いが強くなり、本人達も無意識的にだとしても意識していた部分はあったんじゃないかと思うんですよね。

そして今は、吉田の動きをアジアカップ東京五輪、最終予選、W杯でずっと見てきた遠藤航がそれを受け継ごうとしている。遠藤は元々各カテゴリーで主将を担っていたので自分なりのリーダー像は既に持っているとは思いますが、例えば吉田は途中から本来は選手代表として主将のみ出席するような打ち合わせに遠藤を同席させたりだとか、前任者が受け渡す事と示す事、後任がそれを受け取る事と学ぶ事への意識はすごく強くなったように感じるんです。それは上で引用したように、血脈として受け継がれていき、それを繰り返すことでこの国の代表チームはサラブレッドとしてワールドサッカーを走っていく事ができる。そういう意味でも長谷部誠という存在はキャプテンのイメージを地で行くようで、日本代表のキャプテンとして革命的な人物だったなと。

 

 

ブンデスでも、レジェンド扱いされるような日本人選手はこれまでもいて、これからも出てくると思いますが、長谷部みたいな形でそういう扱いを受ける人なんてそうそう出てこないでしょうし。

 

 

 

長谷部誠は常に良質なスタンダードを提供してくれるようなイメージがある一方で、実はこの国のサッカー界にとって誰よりもエポックメイキングな存在だったのかもしれない…と。今回の発表を受けてそんな事を思っています。

お疲れ様でしたはいざ引退した後のセリフとして、長谷部誠の君臨した日本代表は青春でした。本当にありがとうございました!

 

 

はせべか!!!

ではでは(´∀`)