RK-3はきだめスタジオブログ

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対照的でいて共通項〜2024明治安田J1リーグ第27節 ヴィッセル神戸 vs ガンバ大阪 マッチレビューと試合考察〜

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サマソニも万博でやる時代ぞ…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第27節、ヴィッセル神戸 vs ガンバ大阪 の一戦です!

 

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試合内容に対する感想や感覚は色々と異なれど、3試合連続無得点という結果をポジティブに捉えられる人はいないでしょう。割りかし、一つ負けてもすぐに次の試合、ないしは次の次の試合をきっちり取れていた今年のガンバにとって、こうして3試合続けて結果が出ていないという状況……FC町田ゼルビアの走りっぷりを見れば、今のガンバは優勝争いに照準を当てた時に重大な岐路に、そして大いなる正念場に立たされていると言えます。

対峙する相手はヴィッセル神戸。昨年の優勝チームにして、ガンバにとっては様々な因縁も抱え、そして何よりも優勝争いを直接的に争うライバル……ここを取った方が町田の背中を撃つ権利を得ると言っても過言ではない6ポイントゲームです。因縁がそれに相応しいシチュエーションを手にし、ガンバにとっても神戸にとっても2024年のハイライトとなるような局面を作り上げました。

優勝の時には取らなければならないゲームがあり、後々語られるようなゲームがある。ガンバにとって、今日がそのゲームになれるかどうかは大きな意味を待ちます。ハイライトは眺めるものではなく、その権利を持つ者がその瞬間を作り上げるものです。さぁガンバ大阪、ここを取ってこそ復活を高々と叫ぼうぞ!!

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節柏戦からスタメンを3人変更。両WGはウェルトンとファン・アラーノをスタメンに復帰させています。Wボランチを3人で回す形と固定されている4バックの顔触れはいつもと同様の形となりました。

対する神戸は勝利した前節の横浜FM戦からスタメンを2人変更。前節まで2試合出場停止だったマテウス・トゥーレルが復帰した一方、今日は扇原貴宏が累積警告で出場停止となる為、アンカーの位置に鍬先祐弥が第12節新潟戦以来の先発を飾りました。元ガンバの井手口陽介井出遥也インサイドハーフを組み、初瀬亮もベンチに名を連ねています。

 

 

 

本日の会場は兵庫県神戸市、ノエビアスタジアム神戸です。

 

 

この試合は夏場のホームゲーム3試合に渡って行われるVISSEL SUMMER FESTIVALの2日目として開催されるこの試合。テーマである「グルメ」をモチーフとしたトークショーにはフリーアナウンサーの宇垣美里氏が来場します。そして神戸は先日長らく海外でプレーしていた森岡亮太の復帰が発表され、ハーフタイムには本人が挨拶するシーンも。

何気にガンバはノエスタで3連敗中なんですね。2021年はその後始まるサバイバルの序章、2022年はトラウマ、そして2023年は一つの流れが狂うきっかけとなった。今日こそはこの地で、良ききっかけになるような90分と勝利を!

 

 

スローペースでじわじわと高い位置を侵食するようにしながらゲームを組み立てていきたいガンバと、やはりハイプレスを貴重にガンバ陣内を制圧していくようにプレーしていきたい神戸。両者のスタンスをより押し出すべく、序盤はお互いにとって探り合いのような展開になりました。ガンバは宇佐美にシュートチャンスが、神戸はいくつかセットプレーを獲得できるような場面を迎えましたが、両者共にペースをどう手繰り寄せるかを伺うように試合は進んでいきます。

 

 

 

しかし時間経過と共に神戸が前半に対して圧力をかけてくるようになったことで、押し込んでくる神戸に対してガンバは構えながら、ボールを受けに降りてきた宇佐美と2列目の3人が入れ替わる瞬間を活かしたカウンターで活路を見出していこうとしていました。

ここ数試合はそういう押し込まれた時の陣地回復が上手くいかなかった中で、今日は構えながらもそこで前に出て行く場面を複数作れるような塩梅のバランスは上手くいっていたものの、試合は飯武藤嘉紀の負傷交代に伴い投入された飯野七聖やパトリッキの縦へのアクションにも苦しめられる形に。ガンバも左サイドに相手を引きつけながら、中央でボールを受けた宇佐美が右サイドに振ったところに松田陸が走り込むチャンスを作りましたが、ここも上手く行かずにゴールには至らず。

 

 

 

しかしながら前半終了間際、飯野のクロスを大迫が合わせたヘッドは一度は一森がセーブし、こぼれ球に対する広瀬陸斗のシュートも中谷がギリギリでブロック。ですが更にそのこぼれ球を大迫に改めて押し込まれてしまい被弾。

綱引きのような攻防戦が繰り広げられた前半は神戸が先手を取って後半へ。

 

 

後半最初のチャンスはガンバでした。53分に黒川圭介が左サイドでボールを持つと、中央に走り込んだダワンを介して右サイドへ。右サイドに走り込んだ宇佐美のシュートはGK前川黛也が弾き、直後に左サイドで得た宇佐美のFKに福岡将太が合わせたシュートは僅かに枠外。しかし後半はガンバのリズムで試合が回るようになっていました。

すると57分、左寄りのところから宇佐美がボールを持つと、このチームの新たなる象徴が背中に掲げた7から煌めきを振り撒きながらぬるぬるドリブルで突破。そして得意のステップワークから右脚で放たれたシュートは相手DFにも当たりながらゴールに吸い込まれてガンバ同点!!

 

 

神戸は61分に広瀬とパトリッキを下げて初瀬亮と宮代大聖を投入。ガンバも66分にアラーノを下げて坂本一彩、77分にウェルトンと松田を下げて山下諒也と岸本武流、80分にはダワンと山田康太を下げてネタラヴィと倉田秋を立て続けに送り込みました。

1-1になってからは、今日の試合はガンバにしても神戸にしても町田を追わなければならない立場ゆえに引き分けOKのチームが存在しない状態でしたので、お互いに疲労と少しの焦りが見え隠れしてきたのか、なかなか後半頭のガンバほど中盤でボールが落ち着かず、前半の終わり際の神戸ほど押し切れる訳でもないフラストレーションの募る展開になっていました。

 

 

 

ですが試合はここから衝撃的な展開へ。

84分、山川哲史のロングボールを大迫が競り勝つと、左サイドでボールを受けた佐々木大樹からボールはオーバーラップした初瀬へ。初瀬の折り返しをニアに飛び込んだ宮代が押し込み、福岡もなんとかクリアしようとするもボールの軌道と歩幅が合わず神戸が終盤に勝ち越しゴール。

 

 

試合はそのままアディショナルタイムへ。

このまま神戸の勝利か…と思われたアディショナルタイム、ドラマは訪れました。黒川のパスを受けた宇佐美がワンタッチでスルーパスを送ると、抜け出した坂本は一度山川に止められてゲームセット…かと思われましたが、驚異的な粘りでどうにかボールを残してシュートを放つと、攻撃参加を敢行していた中谷に当たってコースが変わってガンバ同点!!!!何度も苦しんできたアディショナルタイムの席上は、今宵ついにガンバに微笑むことに!!!!

 

 

酷暑の中、激しく壮絶に戦い抜いた90分。実にドラマチックな結末を迎えた死闘は2-2で試合終了の笛が鳴り、両者にとってとても貴重で、そしてとても痛いドローで6ポイントゲームは着地しました。

 

 

 

ただただ壮絶なゲームでしたね。最終的には劇的な同点劇という形に収まりましたけど、90分の内容としてはガンバが勝っても神戸が勝っても妥当と言える展開だったと言いますか、よく言う「ドローが妥当」というよりはむしろどちらのチームにも転び得る内容、どちらのチームにも勝ち筋があったゲームだったように思います。

もちろん酷暑という環境があったのでお互いに序盤からエネルギーを使いたくないという側面はあったとは思いますが、基本的にはガンバも神戸も慎重なゲーム展開を意識していた中で試合は進んでいましたが、一度ボールがガンバ陣内に入った時の神戸の押し込みにくるプレスのアクションであったり、宇佐美が中央でボールを持った時のサイドの選手の動き方であったり、ガンバも神戸も自分達の色を僅かな隙間にどう塗り込むか…というところがこの試合の両者のテーマだったのかなと。例えばガンバは自分達でコントロールできた時間はあまり長くありませんでしたが、宇佐美のパスから松田がチャンスを迎えたシーンや同点弾の前に宇佐美がダワンのパスを受けてシュートに持ち込んだ場面のように、攻撃時のボールホルダーに対する周りの動き方はなかなか上手く回っていましたし。

考えてもみればガンバは宇佐美、神戸は大迫という絶対的なキーポイントがある訳です。お互いにスペースを潰していこう、潰していこうとする守備は上手く機能していましたが、ガンバにも神戸にもお互いにとっての拠り所みたいなポイントはあったので、良さが消し合う苦しい展開だったながらもキーポイントを軸に周りが適切な位置に走り込むガンバ、軸の周りをフォローする事で展開できるようにする神戸みたいな構図でチャンスを作れるようになっていった。そう考えると、ガンバの1点目と神戸の2点目はある意味、両者が両者のスペースの使い方を警戒しすぎた副作用みたいなゴールだったようにも思うんですよね。その観点で見れば、スタイルは違えどどこか共通項も有していたドローだったのかな…と。

 

 

 

振り返れば2022年、この地での激闘は残留争いの直接対決と称されていました。

 

 

あの時のガンバはアディショナルタイムに屈し、地に堕ちたような感覚さえ覚えた。なんなら、考えたくもなかった現実にリアリティを持つ必要性すら迫られた。それがたった2年前のノエスタの夜でした。

それが今日、アディショナルタイムに追いついたこの死闘は優勝争いのターニングポイントになり得る90分でした。他会場では町田が勝ったので、額面通りに捉えればこの引き分けはお互いにとって非常に痛いものです。課題も色々とある。ただ、このクラブのここ数年の軌跡を振り返った時に、あの地獄のようなシチュエーションでの激闘がこういうシチュエーションに変わっていた事、そしてあの状況から2-2に持ち込めたそのスピリットに、持ち直したのはビハインドのスコアだけじゃなくクラブの軌道だったような気がして、そこに心地良さを覚えてもいます。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

 

 

攻守の軸

ではでは(´∀`)