RK-3はきだめスタジオブログ

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ルヴァンカップ決勝・柏レイソル vs サンフレッチェ広島をより一層楽しめる(かもしれない)トリビア

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広島のレジェンドWBの名は柏

 

どーもこんばんは

 

さてさて、いよいよ11月1日、2025JリーグYBCルヴァンカップ決勝戦柏レイソルvsサンフレッチェ広島の試合が国立競技場にて行われます!

 

 

 

昨年から大幅な大会方式の変革を遂げたルヴァンカップ。J1のみならずJ2・J3クラブも参戦し、グループステージ+トーナメントではなく最初から最後までトーナメント方式で行われた大会もいよいよ決勝戦まで辿り着きました。来季からは秋春制にシーズン以降となるので、Jリーグ開幕以降伝統的に続いていた秋口の決勝戦は今回が最後となるでしょう。その最後の覇者となるのは柏か、広島か。今季のJリーグで上位同士だけに白熱した戦いが期待できます。

で、今回は…まあ、毎年恒例となりましたが、決勝戦がもっと面白くなる(かもしれない)、ルヴァンカップ決勝のトリビアをお届けします。ルヴァンカップ決勝の豆知識やジンクスであったり、柏や広島にまつわるトピックスを色々とまとめていきますので、試合前に是非ご覧いただきまして決勝戦の楽しみをひとつ乗せてくださいませ!

※2015年以前はヤマザキナビスコカップとして行われていましたが、当記事では全てルヴァン杯に統一して書いていきます。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

#1 優勝経験クラブ同士の決勝は5年ぶり

 

柏は過去に1999年と2013年の2回、広島は2022年に1回ルヴァン杯優勝を経験しているので、優勝経験を持つチーム同士の対戦となる。

近年の決勝は2021年と2022年が初優勝を目指すクラブ同士、2023年と2024年が優勝経験クラブvs初優勝を目指すクラブの対決だった為、両チームとも優勝経験を持つクラブ同士の対戦は2020年の柏vsFC東京戦以来。柏はこの時はFC東京を相手に1-2で敗れて準優勝となった。

 

#2 柏は優勝すれば歴代2位タイ

 

前述の通り、柏は勝てば3度目の優勝となる。

ルヴァン杯優勝経験があるのは全部で17クラブだが、そのうち広島を含む8クラブが1度だけ優勝したクラブであり、J1リーグ天皇杯と比べても1回だけ優勝したクラブが多い。また、最多優勝は鹿島の6回だが2番目に多いのは東京VとFC東京の3回ずつである為、柏は優勝すれば東京VとFC東京に並ぶ2位タイの優勝回数という事になる。

 

 

 

#3 久々の外国人監督対決!

 

近年のルヴァン杯勝戦は「日本人監督vs外国人監督」の構図が多かったが、両チームとも外国人監督に率いられる決勝戦はミハイロ・ペドロヴィッチ監督の浦和とネルシーニョ監督の柏が率いた2013年以来となる(在日韓国人の曺貴裁監督を韓国籍とするなら2018年の湘南vs横浜FM以来)。

 

#4 史上初!欧州出身監督の決勝戦

 

そんな中で今大会はスペイン人のリカルド・ロドリゲス監督が率いる柏と、ドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督が率いる広島の講座となったが、実はルヴァン杯勝戦が欧州出身監督対決となるのは史上初めてである(天皇杯は過去に1998年の横浜Fvs清水)で実現している。

ポゼッションスタイルを重視するスペイン人らしいスタイルのリカルド監督、ハイインテンシティーを基調としたドイツ人らしいスタイルのスキッベ監督、両者ともその国の特徴がストレートに反映された戦術感を持ちつつ、キャラクター性も魅力的。その対決も注目ポイントとなる。

 

 

 

#5 劇的勝利の多い両チームと監督

 

両チームとも劇的勝利を経て決勝戦まで辿り着いている。

準決勝で川崎Fと対戦した柏は初戦を1-3で落とし、第2戦も先制点を許して実質3点ビハインドの状況から同点に追いつき、そしてアディショナルタイムの細谷真大の逆転弾で歴史に残る劇的勝利を収めた。広島も湘南と対戦した準々決勝では第1戦を3-2で落としながら、第2戦では同点に追いついた後、アディショナルタイムのヴァレール・ジェルマンの決勝点で逆転勝利を収めている。

思えば広島は2022年のC大阪との決勝戦も、1点ビハインドで迎えたアディショナルタイムの2得点で大会史上に残る劇的な逆転優勝を果たしていた。柏も初優勝の1999年は鹿島を相手に終了間際の同点弾で延長・PK戦に持ち込んで勝利を掴んでおり、特にリカルド・ロドリゲス監督は浦和を率いていた2021年の天皇杯決勝でも大分を相手にほぼラストプレーの決勝点で優勝を飾っている。この決勝もそういう劇的感が見られるか。

 

 

#6 リーグ戦でも上位を争う両チームの対戦

 

昨年は新潟、一昨年は福岡が決勝に進んだように、ルヴァン杯天皇杯と比較しても意外なクラブが決勝に進むことが多いので、決勝戦のカードがリーグ戦の順位と比例しないことが珍しくないく、現に昨季は中位の名古屋と残留争い中の新潟が戦う構図だった

今季の柏と広島は両チームとも現時点で優勝の可能性を残しており(広島はさすがに厳しいと思われるが)、順位も柏が2位、広島が5位という上位対決の側面を持つ。それだけにハイレベルな試合が期待できる。加えて、両チームとも2冠を狙える可能性がある。

 

#7 "31年ぶりの2冠"を狙う柏

 

柏は現在リーグ戦では首位鹿島と勝点差1の2位に付けているので、2011年以来クラブ史上2度目となるリーグ優勝の可能性が現実的なものになっている。つまり柏は、リーグ戦とカップ戦の2冠を狙える状況に位置している。

Jリーグの歴史の中で、Jリーグが主催するJ1リーグJFAが主催する天皇杯の2冠を達成した事例は昨季のヴィッセル神戸など割と多く存在する一方、共にJリーグが主催するJ1リーグルヴァン杯の2冠というケースは、意外にも2000年の鹿島や2014年のG大阪が達成した天皇杯を含む3冠よりもレアな事例となっており、過去にこの2冠を達成したのは1993年と1994年のリーグとルヴァン杯を連覇したヴェルディ川崎のみ。柏がこれを達成すれば、三冠達成チームを除くと実に31年ぶりの出来事となる。

 

#8 三冠…はさすがに厳しくともカップ戦二冠の可能性が

 

一方、広島は前述のようにJ1優勝の可能性が残っており、同時に天皇杯も準決勝に進んでいるので、数字上は2000年の鹿島アントラーズ、2014年のガンバ大阪以来となる三冠達成の可能性を残している。…ただ、残り3試合で首位鹿島との勝点差が8、2位柏とも7点開いている事から、現実的にJ1優勝は厳しい状況なので、三冠の夢は困難と言える。
しかしながら広島は天皇杯準決勝進出を決めている為、ルヴァン杯天皇杯カップ戦2冠を達成できる可能性を持っている。前述した三冠達成の2チームを除けば、カップ戦2冠は1997年鹿島アントラーズ、2017年セレッソ大阪以来。広島は2022年にルヴァン杯天皇杯の双方で決勝に進みながら、天皇杯ではJ2の甲府に敗れて二冠を逃した苦い思い出があるだけに、今年こそその夢を叶えたい。

 

 

 

#9 工藤壮人という縁

 

柏にとっての直近の優勝は2013年のルヴァン杯だったが、浦和に1-0で勝利したこの試合で決勝点を決めて柏を優勝に導いたのが工藤壮人だった。その早すぎる死から早くも3年が経過し、特に柏にとっては同じ試合に出場していたレアンドロ・ドミンゲスも今年亡くなられただけに、偉大なるレジェンドに捧げたい想いは強いだろう。

奇しくも柏から海外に移籍した工藤がJリーグ復帰に際して選んだ移籍先が広島であり、工藤の訃報が飛び込んできたのは広島が進出した2022年大会の決勝前日で、広島の優勝は文字通り「工藤に捧げる」とも形容できるものとなった。あれから3年が経ち、逝去時の所属チームであるテゲバジャーロ宮崎を中心とした「TEAM 9 プロジェクト」が発表された直後の決勝戦。この2チームが対峙したというのも不思議な巡り合わせを感じさせられる。なお、決勝戦では工藤氏のお子さんがレフェリーエスコートを務める予定となっている

 


 

#10 柏と広島、今季の対戦成績

 

柏と広島は今季は既にリーグ戦での対戦を3月と9月に終えており、結果は2試合ともドローとなっている。

広島ホームで行われた3月の対戦は広島が開幕5試合を終えて無敗の状況の中で後半に東俊希のダイレクトボレーで先制したが、終了間際に柏がショートカウンターを細谷真大が仕留めて同点に持ち込んだ。9月の第31節は優勝争いの生き残りをかけた上位直接対決として行われたが、お互いに決定機が小島亨介、大迫敬介の両GKの好セーブやポストに阻まれて0-0の痛み分けとなった。リーグ戦の順位とはまた別のところで、決着を受ける意味合いも持つ一戦となる。

 

#11 横浜F・マリノスの呪いではなく吉兆…?

 

ルヴァン杯では「マリノスの呪い」なるものがまことしやかに伝えられている。これはマリノスは2023年までに10回ルヴァン杯の準決勝敗退を経験しているが、準決勝でマリノスに勝利して決勝進出を果たした10チームのうち、2013年の柏と昨年の名古屋以外の8チームが決勝戦で敗れて準優勝に終わっている…というもの。

しかしこれがベスト8となると、マリノスが準々決勝で敗れた8回のうち半分となる4チームが決勝に進出、そのうち3チームが優勝しており、広島は2022年は準々決勝でマリノスを倒して優勝まで辿り着いた。今季は柏が準々決勝でマリノスを倒しているが、果たして…?

 

 

 

#12 今年も国立、ほぼ完売!!

 

ルヴァン杯決勝は4年連続国立競技場での開催となり、新国立競技場での決勝戦開催はこれで5回目となった。

ルヴァン杯はこれまで、大入りこそすれどチケット完売になるケースはそこまで多くなかったが、昨年と一昨年は2年連続でチケット完売を達成し、今季も当初予定されていた枚数のチケットは完売。現在は追加販売分が少数売られている状態となっているので、昨季記録した決勝戦最多来場者数62517人を上回る可能性がある。

 

 

#13 決勝戦で最も多いスコアは2-0

 

勝戦で最も多く発生したスコアは2-0で、過去に7回実現している。時点で多いスコアが1-0と2-1の6回となっている。柏は2013年の優勝は1-0、広島は2022年の優勝は2-1で飾っている。

勝戦と言えば全体的にロースコアな傾向になるが、ルヴァン杯決勝ではやけに撃ち合いとなる試合が多く、歴代の決勝戦で3-3まで到達した試合が3回もあり、広島が初めて決勝に進んだ2010年は磐田を相手に3-5で敗れるという壮絶な打ち合いとなった。また、過去の決勝戦で最も大差が付いたゲームは1997年・1998年・2003年の4点差。

 

#14 過去に延長戦で決着した事例は?

 

過去に延長戦で決着した事例は2010年(磐田5-3広島)、2011年(浦和0-1鹿島)、2012年(清水1-2鹿島)の3回。この3回は3年連続で延長戦で決着がついたが、逆に言えばこの3年間以外は延長戦で決着がついた事がなく、90分で決着がつくかPK戦までもつれ込んでいる。なお1996年のV川崎vs清水、2019年の札幌vs川崎F2024年の名古屋vs新潟はいずれも延長戦でお互いに1点ずつ取り合い、3-3でPK戦にもつれ込んでおり、広島が磐田と対戦した2010年に至っては延長戦で両チーム合わせて4ゴールが生まれる異常展開となった。

 

#15 過去にPK戦で決着した事例は?

 

天皇杯決勝が103回の歴史の中で2度しかPK戦に突入していないのに対し、ルヴァン杯は比較的高い頻度でPK戦までもつれ込んでいる。昨季の決勝も名古屋がPK戦の末に勝利しており、他ならぬ柏のルヴァン杯初優勝もPK戦の結果によるものだった。

ルヴァン杯決勝がPK戦に突入したのは過去に8回。その中で浦和は2004年はFC東京に敗れたが2016年はG大阪に勝利しており、PK戦での優勝と準優勝を両方経験している。

 

 

#16 やや縁起がいいのはホーム側だけど…

 

2016年の浦和のように結果的に決勝会場をホームとするチームが勝ち上がる事はあるが、基本的に決勝戦は国立競技場か埼玉スタジアム2002での中立開催として開催されてきた(ホーム&アウェイ方式で決勝を行った1997年を除く)。ただ、使用する導線やゴール裏席の割り当て、1stユニフォームの着用優先権を決める為、便宜上「ホーム側」と「アウェイ側」をトーナメント表に準じてが設定されている。今期はホーム側が柏、アウェイ側が広島として行われる。

2024年大会が終了した時点で、1997年大会を除く31試合の決勝戦に於いて、ホーム側かアウェイ側かでの勝敗はホーム側の17勝14敗となっている。これだけを見るとホーム側に縁起の良いデータで、実際に2023年の福岡、2024年の名古屋と2年連続でホーム側のチームが勝利した。しかし広島はアウェイ側で勝利した直近のチームでもあり、そもそも柏はホームアウェイ両方での勝利経験が、広島は両方での敗北経験がある。

 

 

 

#17 育成クラブとして知られる両チーム

 

柏も広島もJリーグで屈指の育成組織を持つクラブとして知られており、柏は酒井宏樹や中山雄太に明神智和、広島は駒野友一槙野智章など日本代表やW杯経験者を多数輩出している。

両クラブとも現在のチームの主力にユース出身者が多く、今季のトップチームにも共に10人もの下部組織出身者が登録している。柏は古賀太陽、山田雄士、仲間隼人、細谷真大、広島は大迫敬介、荒木隼人、川辺駿、東俊希など現チームの核のような選手もアカデミーから輩出しており、そういうプライドも垣間見える対決となる。

 

 

#18 両チームのルヴァン杯決勝経験者は?

 

柏は古賀太陽、仲間隼人、瀬川祐輔が2020年に柏の選手としてルヴァン杯決勝に出場し準優勝を経験している。また、コーチの大谷秀和栗澤僚一は2013年の決勝に出場して優勝している。他クラブでは杉岡大輝(2018年湘南)、原川力(2021年C大阪)、小見洋太(2024年新潟)がこれに該当。唯一杉岡が優勝を経験し、1-0で勝利した試合の決勝ゴールも挙げてMVPを受賞。小見は唯一2年連続で出場する選手となり、昨年の決勝では2得点を記録した。柏は2023年には天皇杯の決勝に進出しており、こちらには松本健太、片山瑛一、古賀太陽、小屋松知哉、細谷真大、戸嶋祥郎の6人が出場し準優勝。瀬川はこの試合で対戦相手の川崎の選手として優勝しており、小泉佳穂はリカルド監督率いる浦和の選手として2021年の天皇杯決勝で優勝した。

広島はスキッベ監督体制1年目で達成した2022年の優勝メンバーが多く残っており、決勝戦出場選手では大迫敬介、塩谷司、荒木隼人、佐々木翔、茶島雄介の5人が該当。加藤陸次樹は2022年の決勝では対戦相手のC大阪の選手として出場し、佐々木のミスパスから先制ゴールを挙げている。他には加藤がC大阪で2021年も決勝に出場している他、菅大輝は2019年に札幌の選手として、前田直輝は2021年に名古屋の選手として決勝で得点を記録。特に前田は自身のゴールが決勝点となり優勝に貢献した。天皇杯の決勝も含めると、ジャーメイン良には2018年に仙台で準優勝を経験している。

 

#19 古巣対決となる選手は?

 

この試合で唯一古巣対決となるのは広島の木下康介。しかも木下の場合は今年の夏に柏から広島に移籍したばかりの選手で、柏の選手としてリーグ戦で3得点を挙げており、前述した3月の広島vs柏戦で細谷の同点ゴールをアシストしたのは他ならぬ木下だった。今季は柏の選手としてスタートし、リカルド体制でのキャンプにも当然参加している訳で、文字通り今の柏を知り尽くした選手と言える。

 

#20 国立競技場での決勝との相性

 

柏は旧国立競技場では天皇杯を含めて4度の決勝戦に進んでおり、G大阪に敗れた2008年の天皇杯決勝以外は全て勝利を挙げている。特に2013年のルヴァン杯勝戦は旧国立競技場で最後の決勝戦となっており、その最後を飾った格好となった。しかし新国立競技場になって以降、柏はルヴァン杯天皇杯で一度ずつ国立での決勝に進出したが、その2試合はいずれも敗れて準優勝に終わっている。柏からすれば新国立でそろそろトロフィーを掲げたい。

一方の広島は旧国立競技場での決勝戦ルヴァン杯で一度、そして天皇杯で5回と悉く負け倒していた。しかし舞台が新国立競技場に変わってから初めて進出した2022年の決勝では見事勝利しているだけに、新国立では旧国立と違う流れを作っていきたい。

 

 

 

#21 万博イヤーの縁や如何に

 

2025年は大阪・関西万博が開催された、いわば万博イヤーとなる。

前回日本で万博が行われたのは愛・地球博の2005年だが、同年は柏と同じく千葉県で黄色をクラブカラーとするジェフユナイテッド千葉が優勝を遂げた。奇しくも今年、千葉の黄色いチームが決勝に進んだことは柏にとって奇縁やも。一方、大阪万博が行われた1970年はリーグカップに該当するJSLは開幕していなかったが、同年の天皇杯には広島の前身クラブである東洋工業が決勝に進出。しかしC大阪の前身であるヤンマーに延長の末に敗れている。

両チームともに、それが吉兆になるか否かはともかく、万博イヤーに何かしらの縁を持っている。

 

 

2025JリーグYBCルヴァンカップ決勝

柏レイソルvsサンフレッチェ広島

2025年11月1日13:05@国立競技場

 

【直近のリーグ戦出場選手】

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ではでは(´∀`)