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京都サンガFCの曹貴裁(チョウ・キジェ)氏監督招聘報道について雑感。

いわゆるスタンプカードの類が相当貯まってた時の喜びとちょっとした恐怖。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日は京都サンガFCさんについて書いていきます。

 

このブログは第38節V・ファーレン長崎戦のマッチレビューを書き終えた後に書いてるんですけど……いやぁ、スリリングでしたねぇ…後半。悲鳴上げ続けながら見てましたよ。ひーひー言うてましたよ。

 

……で、今日のブログで書くことは試合の事ではなく。

その長崎戦の日の朝、サンガの来季の人事に関してこういうニュースが出ました。

 

 

記事によるとサンガは今季から監督に就任した實好礼忠監督を1年で退任とし、2012年から2019年途中まで湘南ベルマーレを率いた曹貴裁氏を招聘するとの事。それに伴い、佐藤一樹コーチなどコーチングスタッフも刷新するという事で、あぁ、シーズン終盤だなあというのを感じるニュースでございます。正式発表はまだですが……記事の中では発表も時間の問題的に書いてあるので、曹監督就任と實好監督退任は既定路線とみていいでしょう。というかこのブログ更新した時には発表されてるかもしんないし(12月2日23:00執筆中)

 

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まぁ、曹氏がサンガの監督になる…という話は前からちょいちょい出てましたし、そもそもサンガが2016年度の新監督として曹氏にオファーを出した過去もありますから(ちなみに曹監督は京都出身)、まず率直な感想は是非はともかく「驚きは特に無い」と。

今回のブログでは曹監督就任の是非について書いてみようと思います。實好監督云々を含めた今年のサンガについてはシーズン閉幕後に年末企画として書いていきますね。去年のはこれ↓

 

 

個人的な感想というか感覚で言うと、とりあえず様子見というか……是と非が入り混じっているような感覚です。一発目からその話を混ぜていくと収拾がつかなくなりそうなので、湘南の監督を退任する原因になった件については一旦触れずに書き進めていきますね。

 

 

何をもってして監督を評価するのかというと、その定義は選手を評価する時以上に複雑とも言えます。戦力が揃ったチームを確実に優勝させる監督、規模の小さいクラブを躍進させる監督、特殊なスタイルを築ける監督、結果は出ずとも優秀な選手を多く育てられる監督等々……そういう意味では、曹氏はサンガが最も求めている実績を持ち合わせている監督と言えます。

というのも曹氏は湘南で7シーズン半監督を務めた訳ですけども、その間になんとJ1昇格を3回達成。…要するに降格も2回してるんですけど、湘南ベルマーレというクラブの体力や規模を踏まえると降格2回よりも昇格3回、J2優勝2回の方にスポットを与えるべきなのは明白で、2018年にはルヴァン杯優勝も達成しています。なんなら、2012年は最終節でサンガを逆転しての昇格、J2史上最強とも言われた2014年西京極でのサンガ戦で昇格をお決めになられてますしね。J1昇格経験はサンガが新監督に大きく求めている要素の一つである事には間違いありません。これがまず曹氏の就任の「是」の部分で最も大きいポイントになります。

 

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加えて、2〜3年前くらいのサンガユースは「スーパーハードワークサッカー」と呼ばれていたような、運動量を武器にしたスタイルでユース年代の大会で優勝したりしていました。ある種、あのスタイルは当時の湘南にも通ずるものがあったので、そういう意味合いはあるのかなと。

なんにせよ、曹氏を招聘する最大のメリットは豊富なJ1昇格経験であり、ユースからの登用を積極的に行いたいであろうサンガ的には若手育成の面の大きく2つ。特に前者に関しては、2011年から始まるJ2生活を一向に抜け出せていないサンガですが、2013年の大木武監督退任以降、いわゆる「J1昇格」を実績として持つ監督を一人も招聘してきませんでした。そもそも監督としてJ2を戦った経験があるのも石丸清隆監督だけでしたし。そういう意味では、ようやくそういうタイプの監督を連れてくる気になったか……と。

 

 

 

では、一方「非」の部分について。それはもう完全にサンガサイドの一貫性の無さです。

 

 

思えば2013年、大木監督の下でポゼッションサッカーを確立させたサンガはその後任として、前任者が築いたスタイルを引き継ぐ意味では一番不適とも言えよう監督を連れてきてしまいました。ベテラン使って勝ちに行きたいんだか若手を登用したいんだかブレブレだった2015年もそうですし、石丸監督を切って布部陽功監督をわざわざ連れてきた2017年だったり……今季に関しても、2019年に中田一三監督の下で培った路線をまたひっくり返そうとしている感があって(そもそもその路線なら今季どうやねんって言われたらその通りなんですけども)…。じゃあそうなると、例えば曹監督の下で一つのものが形になりつつあるとして、来年こそは…!みたいな希望感が生まれていたとしても唐突にひっくり返すんじゃねぇかと。またデジャヴを繰り返すような気しかしない…ってのがあるんですよね。曹氏が云々というよりは、色んな意味での不安です。勿論、そもそも曹氏が湘南以外のプロレベルで指揮を執るのは初になりますから、湘南が合っていただけ説も拭い切れませんし、それこそ蓋を開けてみるまでわからない的な部分もあります。

 

 

 

…で、この話題をするとしたらやっぱり湘南の監督を辞する要因となったパワハラ騒動の件を避けては通れない訳ですよ。「疑惑」とかではなく、Jリーグと第3者機関による調査報告書の内容はかなりショッキングでしたし、少なくともあれは擁護する事は出来ないものでした。

人間、変わるものもあったり変わらないものもあったり。曹氏のそういう「悪い部分」が取り除かれているのなら問題は無いんです。でも……っていう。時と場合によっては、この劇薬によってまた取り返しのつかない事になる可能性も現段階では否定出来ない訳で、曹氏を招聘するという意味は過去のサンガでいう布部監督や中田監督とは違う意味でのギャンブルになってくるんですよね。というか、様々な経緯を経て曹氏を監督にするという事は、サンガはサッカー界のみならず良くも悪くも日本の社会の中で少なからず色んな意味を背負う事になると思うんです。曹氏を招聘する以上、フロントにはその覚悟と、介入しろとは言わないけれど注視する体制はしっかりしてほしいなーと。

 

 

 

とりあえずさくっと書いてみました。

ではでは(´∀`)