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ACL、過去に6回実現した日本勢対決の全てを振り返ってみよう!

ちょっとだけセントラル方式にワクワクする部分はなきにしもあらず。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、現在カタールでセントラル方式で開催されているAFCチャンピオンズリーグ2020ですが、グループステージが終了していよいよ決勝トーナメントです!

 

 

↑この前作ったACLガイドも見てみてね↑

 

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…で、日本からは横浜F・マリノスヴィッセル神戸FC東京が出場している今大会ですが……見事3チームとも決勝トーナメント進出を決めました!

 

マリノス水原三星、神戸は上海上港、FC東京北京国安とベスト16で対戦。FC東京は残念ながら昨日の試合で敗れてしまいましたが、神戸とマリノスが勝利したと仮定すると……準々決勝で神戸vsマリノスが実現する組み合わせになっています。

 

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という訳で本日は、過去にACLで実現した日本勢の直接対決を振り返っていきます。

 

 

 

AFCチャンピオンズリーグ2008準決勝

 

1stレグ

ガンバ大阪1-1浦和レッズ

2008年10月8日19:00@万博記念競技場

G大阪得点者:遠藤保仁(81分)

浦和得点者:細貝萌(22分)

 

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2ndレグ

浦和レッズ1-3ガンバ大阪

2008年10月22日19:30@埼玉スタジアム2002

浦和得点者:高原直泰(36分)

G大阪得点者:山口智(61分)、明神智和(72分)、遠藤保仁(77分)

 

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今から15年ほど前、Jリーグのトップに君臨していたのは間違いなくガンバとレッズだった。1993年のJリーグ開幕戦で激突した事に端を発する両者の因縁は、その後しばらく共に低迷期を迎えたという共通点もあり、同時期に一気に強くなった事もあり、ライバルとしての意識は日に日に高まっていく。そして2005年、ガンバが初優勝を成し遂げた年の2位に浦和が付けた辺りでこの2チームの構図は決定的となり、翌年の最終節では1位浦和vs2位ガンバの優勝決定戦が実現した。前年には浦和が遂に日本勢として初めてACLを制覇。そして史上初の日本勢対決がこの「ナショナルダービー」となった事はこの時点でカタルシスとしては十分すぎた。赤と青という配色、攻めのガンバ守りの浦和という構図もそれを一層引き立てていた。

1stレグではガンバが圧倒的にせめこみながらも1-1のドロー。勝負は埼玉スタジアムでの決戦に委ねられる。前半に期待されながらも本調子のプレーを見せられていなかった高原のゴールで浦和に先制を許したガンバだったが、後半から西野朗監督は佐々木勇人を投入してシステムを変更。これで試合の流れを一気に引き戻すと共に遠藤のコーナーキックから61分に山口、72分に明神が決めてガンバが逆転に成功。そして伝説とも呼ぶべきシーンは77分、遠藤保仁→ルーカス→橋本英郎と繋いで最後は再び遠藤が流し込んで3-1。あまりにも鮮やかな流れで埼スタを静まり返らせたガンバが初の日本勢対決を制して決勝に駒を進め、決勝では準々決勝で鹿島を倒したアデレード・ユナイテッドを叩き潰して優勝を成し遂げた。

低迷しようが、ガンバ大阪vs浦和レッズのカードが今なおナショナルダービーとして特別視されているのは、間違いなく2006年最終節とこの試合の影響は大きい。時代背景などを含めると、ACLでこの試合以上の「特別感」を持つ試合は無いような気もしている。

 

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AFCチャンピオンズリーグ2009ラウンド16

 

ガンバ大阪2-3川崎フロンターレ

2009年6月24日19:00@万博記念競技場

G大阪得点者:レアンドロ(27分、39分)

川崎得点者:中村憲剛(33分)、レナチーニョ(76分)、黒木勝(85分)

 

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2009年のACLは大会のフォーマットそのものが大きく変更された年だった。まず出場チームが16チームから32チームに増加。これによりJリーグ勢は、2008年までの2チームから4チームが出場可能になり、トーナメントには新たにベスト16が加えられたのだが、準々決勝と準決勝はホーム&アウェイなのに対して決勝のみならずベスト16も一発勝負というやや特殊レギュレーションが2012年まで続く(2013年以降は現行制度)。出場枠が増えた事で、2009年は鹿島、G大阪、川崎、名古屋の4チームが出場し、4チームともがグループステージを通過。唯一2位で通過した川崎がディフェンディングチャンピオンであったガンバのホーム、万博に乗り込む事になった。

ガンバはこの年怪我人が多く、いつも通りと言えばいつも通りだが低空飛行が続く。特にこれまで圧倒的な強さを誇っていたホーム万博での勝点が伸びないなど苦しい状況ではあったが、加地亮二川孝広など怪我人が戻ってきつつあった。そんな中で前半はレアンドロの得点能力の高さが発揮されて2-1で折り返す。しかし川崎は鄭大世ジュニーニョというエース格2人を下げる大胆な采配に出てくると、ガンバは終盤に入ってレナチーニョと黒津に立て続けにゴールを許してまさかの逆転負け。ガンバの連覇の夢は奇しくもホームで散った。

 

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AFCチャンピオンズリーグ2009準々決勝

 

1stレグ

川崎フロンターレ2-1名古屋グランパス

2009年9月23日15:00@国立競技場

川崎得点者:中村憲剛(60分)、ジュニーニョ(63分)

名古屋得点者:ケネディ(28分)

 

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2ndレグ

名古屋グランパス3-1川崎フロンターレ

2009年9月30日19:00@瑞穂陸上競技場

名古屋得点者:小川佳純(27分)、吉田麻也(35分)、ケネディ(88分)

川崎得点者:鄭大世(38分)

 

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ベスト16でガンバを倒し、リーグ戦でも好調とチームとして充実期を迎えていた川崎に挑むのはドラガン・ストイコビッチ体制2年目で初のACLに挑む名古屋だった。名古屋は既にリーグの優勝戦線からは外れていた分、ACLに注力出来るという側面もあったが、絶対的守護神楢崎正剛を怪我で欠く。どちらかと言えば名古屋はまだ成長過程の中にいた事もあり、1stレグでは新加入のケネディのゴールで先制しながらも3分間で2ゴールを奪われ、川崎に鮮やかな逆転勝利を許してしまった。1stレグは祝日開催という事もあり、ACLとしては珍しいデイゲームだった。

しかし雨の中で迎えた2ndレグは壮絶な展開を見せる。名古屋は27分に小川の豪快なミドルで先制すると、8月に加入した三都主アレサンドロのFKに吉田が合わせて追加点。川崎も前半のうちに鄭大世のゴールで追いつき、アウェイゴールも含めて全くのイーブンの状態で後半に突入した。後半は雨の中で両チーム死力を尽くす激しい攻防が繰り広げられたが、試合終了間際に田中隼磨のクロスに元川崎のマギヌンが飛び込む。一度はギリギリでGK川島永嗣が防いだが、こぼれ球をケネディに押し込まれて名古屋が劇的な決勝ゴール。ただし、最終的には名古屋はベスト4でアル・イテハドに大敗を喫し、天皇杯では決勝に進んだがここでもガンバ相手に1-4の大敗を喫し、川崎もナビスコ杯、そしてJ1リーグで準優勝になるなど、どちらも好成績ながらも後一歩と悔やまれるシーズンになった。

 

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AFCチャンピオンズリーグ2011ラウンド16

 

ガンバ大阪0-1セレッソ大阪

2011年5月24日19:00@万博記念競技場

C大阪得点者:高橋大輔(88分)

 

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日本勢対決はこれ以前もこれ以後も何度か実現しているが、未だにACLに於ける日本勢のダービーマッチが実現したのはこれが唯一。それも、2009〜2012年はベスト16だけグループ1位通過チームのホームで一発勝負というレギュレーションで、21000人収容の万博競技場に16436人が詰め掛けるというACLのベスト16としては異例の観衆が集まった事実がこの試合の注目度を証明している。リーグでの調子としてはガンバもセレッソも期待よりは低空飛行を続けていたとはいえ、そもそもどっちも注目されていなかった時期、ガンバが大きくセレッソを引き離した時期を経て、この辺りから大阪ダービーの地位が飛躍的に向上したような気はする。

元々両チームとも攻撃的なスタイルかつ、ガンバは山口智セレッソ茂庭照幸とそれぞれ守備の要を欠いていた事もあって打ち合いも予想されたが、試合は意外にも両チームの守備陣が奮闘する展開に。しかし前半の中頃から実績と地力で勝るガンバがペースを握り始め、先制点は秒読みかと思われた。だがセレッソが後半から中後雅喜を投入して守備を整理してくると試合はイーブンな展開に逆戻り。文字通り一進一退のスリリングな展開になっていく。決定機だけで言えばガンバの方が多かったのだが、86分に佐々木勇人のパスをフリーで受けたアドリアーノのシュートがGKキム・ジンヒョンに阻まれるとその直後、キム・ボギョンのパスに右サイドを高橋大輔が抜け出したのだが、高橋が蹴ったライナー性のボールはクロスではなくシュートだった。GK藤ヶ谷陽介を始め、クロス対応のつもりでポジションを取っていたガンバDF、なんならセレッソの攻撃陣ですら欺くスーパーゴールでセレッソが土壇場で先制する。アディショナルタイムアドリアーノの折り返しに当時19歳になったばかりの宇佐美貴史が詰めたがこのシュートもポストに当たり……試合終了の瞬間の空気は、ガンバ視点でもセレッソ視点でも単なるベスト16の後の「それ」とは大きく異なっていた。

ガンバは2008年にACLを優勝してからこれで3年連続ベスト16敗退となった。しかしこの一戦のダメージは結構今でも大きいというか、心残りだったりする。そしてこれ以降、対戦どころかガンバとセレッソが同じシーズンにACLに出た事もない。ACLの借りはACLでしか返せない。

 

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AFCチャンピオンズリーグ2017準々決勝

 

1stレグ

川崎フロンターレ3-1浦和レッズ

2017年8月23日19:00@等々力陸上競技場

川崎得点者:小林悠(33分、85分)、エウシーニョ(50分)

浦和得点者:武藤雄樹(76分)

 

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2ndレグ

浦和レッズ4-1川崎フロンターレ

2017年9月13日19:30@埼玉スタジアム2002

浦和得点者:興梠慎三(35分)、ズラタン(70分)、ラファエル・シルバ(84分)、高木俊幸(86分)

川崎得点者:エウシーニョ(19分)

 

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リーグ戦では低迷し、長年チームを率いたミハイロ・ペトロヴィッチが監督に追い込まれるなど混迷の中にいた浦和。対する川崎は前任の風間八宏監督が築いたベースをこの年から就任した鬼木達監督が上手く引き継ぎ、ルヴァン杯も含めて全てのコンペティションで充実したシーズンを送っていた。その勢いの差を見せつけるかのように、1stレグでは川崎が文句無しの内容で3-1というスコア以上の快勝を飾る。しかしこの「スコア以上の快勝」だったが事が3週間後の悲劇の伏線となった。

2ndレグでも川崎はエウシーニョのゴールで先制に成功する。その後興梠に1点を返されたが、まだ2点のリードを許していた。だが、38分に車屋紳太郎が興梠に対するプレーで一発退場となったところから事態は急変する。後半に入ると数的優位の浦和が一気に猛攻を仕掛けて川崎は防戦一方。しかも車屋退場の際にDFの補充で中村憲剛を、65分には守備固めで大島僚太をベンチに下げていた事でカウンターを仕掛けようにもキーパスを出す選手がいない状況になり、サンドバッグ状態を耐えるしかなくなってしまっていた。気がつけば1点差。84分にR・シルバのゴールで追いつかれた時にはもう川崎に反撃の術も気力も残っておらず、86分に森脇良太のパスの先にいた高木には誰もマークについていなかった。この大逆転劇と2ヶ月後のルヴァン杯準優勝を見た時、正直私は「川崎って一生タイトル取れないんじゃないか」と本当に思ってしまった(最終的に川崎はこの年のJ1王者に輝いた)

一方、監督交代後も波に乗り切れなかった浦和はこの大逆転勝利で流れが一変。リーグ戦では中位のままシーズンを終えたが、ACLでは上海上港、アル・ヒラルを下して見事10年ぶりのアジア王者に輝いた。

 

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2019AFCチャンピオンズリーグラウンド16

 

1stレグ

鹿島アントラーズ1-0サンフレッチェ広島

2019年6月18日19:00@茨城県立カシマサッカースタジアム

鹿島得点者:セルジーニョ(24分)

 

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2ndレグ

サンフレッチェ広島3-2鹿島アントラーズ

2019年6月25日19:00@広島広域公園陸上競技場

広島得点者:パトリック(67分、90+5分)、佐々木翔(72分)

鹿島得点者:土居聖真(33分、89分)

 

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2018年のACLを制した鹿島が狙うのは当然日本勢としては初となるACLの連覇。一方の広島は過去の大会の事もあり、消極的と言われたメンバー起用が批判を浴びたりもしたが、結果的には1位通過で日本勢対決に挑む。Jリーグ勢の中でもACL出場回数の多い2チームだが、鹿島も広島も日本勢対決はこれが初めてだった。

1stレグはACL男とも呼ばれたセルジーニョのゴールでホームの鹿島が1-0。広島にアウェイゴールを与えずに勝利する。壮絶な展開を迎えたのは2ndレグだった。土居に先制点をを許した事でアウェイゴールにより2点差で勝利しなければならない広島だったが、後半に猛攻を仕掛けてパトリックと佐々木のゴールで後一点に迫る。しかし74分にはカウンターで抜け出した土居をGK中林洋次が倒したプレーで一発退場。一人少なくなっても猛攻を仕掛けたが、88分にはGKも攻撃参加させた事が仇となって致命的な失点を喫する。鹿島のシュート4本に対して14本のシュートを放った広島はラストワンプレーでパトリックがPKを決めたが、後一歩及ばなかった。

 

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日本勢対決を一番やってるのは同率でガンバと川崎。

ではでは(´∀`)