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消化不良はあったとしても…〜カタールW杯アジア最終予選第10節 日本代表vsベトナム代表 マッチレビュー〜

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BIGBOSS空飛んでた

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー2022FIFAワールドカップカタール大会アジア最終予選グループB、日本代表vsベトナム代表の一戦です!

 

オリジナルアルバムの配信も開始したのでそちらも観てね

 

オーストラリア戦……大雨という難しさの中で、激戦を制して2-0の勝利を収めた日本。1勝2敗になった頃にはどうなるかと思ったカタールへの道のりでしたが、その後は怒涛の6連勝でカタールへのチケットを手にしました。ワールドカップ出場決定です!

 

 

とはいえ、あくまで日本は目標への挑戦権を手にしただけの段階で、本当の戦いはここから。そしてそれは選手個々に視線を向けた方が思い意味を持ちます。

 

「選手にとっては、すべての試合が予選みたいなもの」

 

──2次予選が終わったキルギス戦の後、浅野拓磨が語ったこの言葉の意味を、いわゆる候補選手達が肌身で実感するのはここから11月までの戦いです。言ってしまえば、予選が終わって始まるのは新たな予選であり、選手個人にとってはここからが真の最終予選になってきます。過去には予選ではレギュラーだったにも関わらずW杯のメンバーからは漏れた選手もいて、逆に予選の際には日本代表に選ばれさえもしていなかったのにW杯でレギュラーを勝ち取った選手もいました。特に当落線上にいる選手にとっては、ここからの半年が最も大切と言っても決して過言ではありません。

 

 

もちろん、せっかく6連勝中の日本ですので、ベトナムにしっかりと勝ち切って7連勝フィニッシュをする事も重要。終わりとは始まりの合図……今日からが、本当に意味でのカタールへの道の第一歩です。

両チームスタメンです。


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オーストラリア戦からは吉田麻也と山根視来を除く9名を変更してきました。

オーストラリア戦でヒーローとなった三笘薫は代表で初スタメンとなり、セルティックでも大活躍中の旗手怜央は代表デビュー。他にも上田綺世や中山雄太など東京五輪世代の選手が抜擢された中、川島永嗣柴崎岳原口元気のロシアW杯を経験したベテランもスタメンに名を連ねています。

ベンチメンバーはオーストラリア戦の26名から遠藤航と板倉滉が離脱し、中谷進之介のみが外れる形に。GKは規約上スタメンを含めて3名しかベンチ入り出来ませんが、今日の日本はGKを4人登録している為、登録上はGK谷晃生はフィールドプレーヤー扱いとなります。背番号4のGK谷めちゃくちゃ見たいぞ、永久保存版やぞ…。

 

本日の会場は埼玉県さいたま市埼玉スタジアム2002です。

2014年ブラジルW杯以降、今回の初戦となったオマーン戦(吹田)を除けば、最終予選の日本のホームゲームは全試合ここで行われています。浦和レッズの赤と日本代表の青……2つの色を持つ聖なる本拠地。2002年日韓W杯の為に建設されたスタジアムはその歴史を一つ一つ編み上げ、今や日本サッカーの本拠地としてのオーラをまとい続けています。

今日のベトナム戦は入場制限を設けずにフルキャパでの試合開催となりました。日本国内での代表戦が入場上限なしで行われるのは2019年11月のベネズエラ戦以来。最後の最後にご褒美のような光景でしょうか。W杯出場自体はオーストラリア戦で確定している事もあり、本日は試合後にW杯出場決定セレモニーが開催。また、来場者全員に日本代表バッグとクリアファイル、先着3万名にはフェイスタオル、抽選で選手のサイン入りユニフォームや試合公式球がプレゼントされるなど至れり尽くせり。お祝いムードでの試合にふさわしい勝利を添えたいところ。

 

 

しかし前半から攻勢に出たのはベトナムでした。お互いにプレッシャーは少ない状態での試合で積極的に動いたのはベトナムの方で、再三に渡って日本のサイドの背後を狙おうとするような動きを繰り返し、日本を自陣内に押し込んでいきます。ベトナムに上手く押し込まれてしまう形になった日本はジリジリと押し下げられていき、19分にはCKからグエン・タイン・ビンに合わせられて失点。日本、まさかの被弾…。

 

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失点の日本は攻撃のリズムは掴めるようになってきたものの、5バックでブロックを固めるベトナム守備陣の集中力も高く、日本はなかなか前線で攻撃の起点を作ることが出来ず。三笘と久保建英のサイド突破に委ねるような形になってしまい、そこからのクロスでシュートチャンスは何度か作ったものの、ここ数試合で機能していたSBとの連係もどこかぎこちなく、やはり印象としては攻めあぐねた印象の強い前半を終えます。

 

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後半から日本は旗手を下げて伊東純也を投入。伊東を右、久保を真ん中に配置した4-2-3-1にシステムを変更します。後半は前半のような手詰まり感は解消されていきました。相手陣内に侵入する場面も増えていくと54分、高い位置でボールを持った吉田麻也は味方にボールを預けると自らも前線へ。三笘を経由した原口のミドルシュートなGKチャン・グエン・マインにに阻まれたものの、こぼれ球に詰めた吉田が押し込んで同点!キャプテン・マヤ!

 

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森保一監督は61分、久保・原口・柴崎を下げて南野拓実・守田英正・田中碧の3人を一気に投入。ベトナムが少し攻め込んだところの背後を伊東が突くとアーリークロス的なタイミングで逆サイドへ。フリーで受けた南野とは少しタイミングがズレながらも、その南野を追い越した田中の折り返しに三笘が最後はシュートに持ち込みますが…これもGKの好セーブに阻まれてしまいます。

そして70分、左サイドから細かいパス回しで崩した日本は上田のシュートが南野に当たり、そのこぼれ球を拾った田中が押し込んで日本逆転……と思われましたが、VARチェックの末に南野のところでハンドを取られてノーゴールに。78分にはCKから谷口彰悟のヘッドもGKに阻まれ、更にそのこぼれ球にフリーで反応した吉田のシュートは狙いすぎたのか枠の右…。

 

勝てばW杯の抽選会でポッド2に入れる可能性もあるので必ずしも消化試合ではない日本。88分、CKのこぼれ球から再びロングボールを入れると田中が競り勝ったところに上田が詰めてネットを揺らしますが…今度はオフサイド最後まで攻勢をかけ続けた日本でしたが、最後まで2点目は遠く……日本、カタールW杯予選は悔しいドローで終わりました。

 

 

 

メンバーを大幅に変えた事、序盤のベトナムが想像以上にアグレッシブに入ってきた事の2点は前半の日本の展開に大きな影響を与えました。

4-1-2-3はやはり強度とかそういう部分が重要になって、どちらかと言えば積極的に前へ前へと行ってしまいかねない可能性もあるんですよね。それだけに最近の日本のやり方だと、南野・守田・田中のようにハイペースを減速させられる選手の存在は大きくなってくるんですが、今日のスタメンのIHより前の5枚が結構前がかりになってしまった…と。その上でベトナムのブロックに捕まる形になったのは前半の攻撃がクロス頼みになってしまった要因だったのかなと。柴崎は減速させる事の出来る選手ですが今日はアンカー起用でしたし、それならいっそ柴崎IHの原口アンカーの方が案外機能したんじゃないか…とも思っています。4-1-2-3はアンカーにゲームメーカータイプの選手と、まずは守備から諸々の起点になっていく選手の2つが大きなパターンだと思うんですが、日本はこのシステムではずっと後者でやってきた訳で。

 

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それを踏まえると、システムを従来の4-2-3-1に戻した後半は上手く機能しましたし、ベトナム相手に修正が必要な展開にするなと言えばそれまでかもしれませんが、後半の森保監督は上手く修正は施してきたと思っています。やや旗手が割を喰った形にはなってしまいましたけど、今日の顔触れであれば4-2-3-1でWボランチを固定させたやり方にした事でバランスを取り戻す事は出来ていました。ベトナム相手であればバランスさえ取り戻せれば少なくとも押し込めは出来るでしょうから。ゲームコントロールという意味では、田中投入までは柴崎を引っ張ったのも正解だと思いますし。

やっぱり4-1-2-3も4-2-3-1も日本にとって万能の答えではなくて、今日のベトナム戦のように戦力的に明らかに日本が上回っていて、かつオマーン戦の時のように相手が以上に前へ前へと来ない限りは4-2-3-1の方が優位に働くのは確かだと思います。後半は元々日本の攻撃の十八番パターンだったサイドでの3人くらいでの崩しでチャンスも作れていて。ベトナムから点を取れなかった、勝てなかった事は確かで、そこは批判されて然るべきポイントではあるにしても、チャレンジ要素の多かったゲームの中でやりたかった事は後半はある程度できていました。

この2つのシステムに関しては、状況や相手に応じて適切に使い分けられるようになれば、ゲームプランのバリエーションはグッと広がるのではないでしょうか。

 

さぁ、これで予選は終わりです。

2次予選から色々ありました。衝撃の予選中断、試合延期、フクアリスコア、敗退危機、森保監督の涙……。もちろん、昨今の日本代表の視線は"W杯に出る事"よりも"W杯でどう戦うか"ですから、両手放しで全てを肯定出来るとは思ってないですし、そうするべきとも思わないです。

ただ、絶対的な事実としてW杯の出場権は掴みました。確かに戦力的には日本はアジアの中で一つ抜けた存在ではありますけど、集合と解散を繰り返すチームとして活動せざるを得ない代表チームの性質上、全ての元凶となったオマーン戦のように1ヶ月みっちり仕込んできたようなチームと対峙した時の難しさはやっぱりありますし、ただでさえ今回の予選は様々なイレギュラー要素もありました。世界では欧州王者のイタリアが敗退したように、簡単に見える事を簡単にやってのける事は全く簡単じゃないんですよね。

 

突破という結果と内容に批判は別にあるべきで、結果は出たから批判してはいけないなんて事はないですし、それとこれとは分けて考えるべきです。そしてそれとこれが別であるのならば、別であるからこそ"突破"という結果は評価されるべきでしょう。森保監督始め、選手や関係者の皆様、最終予選お疲れ様でした。そしてW杯出場権をありがとうございます!

 

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【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

日本代表、カタールW杯アジア最終予選の全試合結果と出場メンバー

 

電話待ってるで!

ではでは(´∀`)