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祝・川﨑颯太、日本代表初選出という事で、スカラーアスリートプロジェクトについてもっと知ってもらいたいの柳沢玉田巻【①スカラーアスリートプロジェクトとはなんぞや】

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川﨑選ばれたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

 

 

 

 

 

…久々にね、代表のメンバー発表で声出ましたよ。ええ。

今回の代表メンバーで3人の初招集の中の一人。

あのいつぞやに単発バイトで働いた流通センターの永遠より長いベルトコンベアよりも長かったJ2期を経て、いやまぁ…こんな未来が待っていたなんて。

 

 

…で、巷ではやはり川﨑にまつわる記事が多く出てる中で、見出しとして目立ったワードが「大学との二足の草鞋」とかそんな感じのワードでした。

実際に川﨑は現在、サンガの選手としての活動と並行して立命館大学の大学生としての顔も持っており、代表選出のオンライン取材は大学の授業の合間に行っていた事も話題になっていました。ただ、…まぁ、実際説明し始めると長くなるので批判とかでは全くないのですが、欲を言えばもうちょっと「スカラーアスリートプロジェクト」というサンガの下部組織に於ける取り組みについて書いて欲しかったなぁ…みたいな気持ちもあったり。やっぱりサンガファンとしては、今回の川﨑の代表招集をきっかけにこのシステムがもっと知られて欲しいぞと。

 

 

 

という訳で、じゃあ媒体がないなら自分で書いちゃるという事で、今回はこの「スカラーアスリートプロジェクト」についてちょっと語っていきます。要約版はTwitterに更新したので、読んでる時間ねーやという方はTwitterの方をご覧くださいまし。ここではTwitterにも書いた「①スカラーアスリートプロジェクトとはなんぞや」Twitterには書いていない②そもそもスカラーアスリートプロジェクトはどうやって成立した?の2つのテーマについて書いていきます。

 

 

 

 

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スカラーアスリートプロジェクトとはなんぞや

 

まず「スカラーアスリートプロジェクト(以下:SAP)」とはなんぞやとある言いますと、簡単に言えば「産・学・民共同での人材(アスリート)育成事業」と表現するのが一番シンプルでしょうか。

具体的に言うと、システムとしては京都サンガFCとその親会社である京セラ株式会社、そして立命館大学の大元である学校法人立命館の3団体を核とし、2006年よりスタートした育成プロジェクトになります。京都府城陽市に位置するサンガの練習場から自転車で通える位置にあるユース生を対象にした選手寮「RYOUMA」と、同じく自転車で通える場所にある立命館宇治高校がその舞台です。

 

 

まずサンガU-18に通うユース生は全員寮に入寮するシステムになっていますが、食費を含む寮費は全て京セラが負担する形で賄われています。更にそこにプラスして、一定の学力基準を満たす事が条件になるので全員が入学出来る訳ではありませんが……学力基準を満たした選手は立命館宇治高校での学費が免除となるシステムになっているんですね。寮費を京セラ、学費を学校法人立命館がそれぞれ負担する形になっており、ユースとしてのサッカー活動と同時に活動外の時間、或いは学校での時間も手厚くサポートしていこうと。そこがSAPの一番わかりやすい恩恵になっています。

 

 

 

加えて、立命館といえば…その系列にある立命館大学は「関関同立」の一角として知られる関西の有力私大。もちろんここも学力で一定の基準に達する事が条件ではありますが、関西ではキャリア形成において「潰しが効く」と言えるだけのクラスの大学への進学ルートも用意されているんですね。どれだけユースがサッカーエリートの集まる場所だと言ったところで、実際にプロまで辿り着ける人間はごく一部。どれだけ多く見積もっても2/3はプロにはなれない訳です。それだけに、立命館大学というルートを用意しておく事でサッカー選手になれなかった場合のキャリア形成も意識づけた教育をユース育成と並行しながら進めていく。そうする事で、プロになれなかった場合の視野と選択肢を常に広く持たせる事が出来る。この3者の連携はサッカーに集中出来る環境を作りつつも、サッカーに固執しない環境で生きることが出来るんですね。そういう多角的なメリットを享受できるのがサンガのSAPだという訳です。

京都サンガFC公式YouTubeでSAPの紹介動画をアップした際の伊藤雅章代表取締役社長のコメントは、それを端的に表していたと思います。

 

日本では学業を選ぶのか、それともプロの選手を目指してアスリートの道を選ぶのかのに二者択一を迫られる事がよくある。それは個人の可能性を狭めてしまうものではないかなと考えております。

 

いわばSAPは、Jリーグとしても積極的に取り上げられるようになってきたセカンドキャリア支援の考え方を育成段階から導入しているシステムとも言えます。親御さんからしても、やっぱり「上手くいかなかった場合」の道筋を示してくれる事は親御さんからしても安心できる話でしょうし。実際にSAPが始動して以来、ユース昇格を逃したSAP対象選手のほとんどは立命館大学に進学してその後のキャリア形成に役立てていますし、その後はそれぞれ就職やサッカー関係の仕事に就く人もいれば、大学サッカーを経由してJリーガーとなった選手もいる。実際に2025年からのサンガ入団が内定している中野瑠馬のように、SAP対象者として立命館大学に進学し、そこからサンガのトップチームに入団するというケースも出てきました。勿論、川﨑のようにプロ選手と大学生活を並行する上でのサポートもぬかりかいシステムになっていますし。

 

 

 

選手のキャリア支援という意味で、競技面と進路支援の両方を押さえたシステムを2006年の時点で構築していた事はかなり先鋭的な取り組みだったと思っています。それは間違いなく、京都サンガFCというクラブがこれからも大事にしていくべき取り組みであり、財産のようなシステムと断言できるでしょう。今回の川﨑の成功はその一つの成果としても喜ばしい事です。

 

②そもそもスカラーアスリートプロジェクトはどうやって成立した?