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過去のアジアカップを振り返ろう②アジアカップ1996 UAE大会編(加茂ジャパン)

 

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この大会、ほぼ振り返られない件

 

どーもこんばんは

 

さてさて、アジアカップ2023が始まります!

 

 

通算5度目となる優勝を目指す日本代表ですが、いわば日本代表とアジアカップの歩みはその成長の軌跡を映すようなものでもありました。

という訳でこのアジアカップを機に、日本代表が過去に戦ってきたアジアカップを振り返っていきたいと思います。

 

 

 

今回は1996年UAE大会です。

1992年大会の優勝、Jリーグ開幕、そしてドーハの悲劇を経た日本代表にとっての最大の目標はもちろん1998年フランスW杯への出場権獲得でしたが、その過程に設けられたこのアジアカップは日本代表にとっては初めて「強豪と目されて挑む国際大会」でもありました。

連覇を目指すというシチュエーション自体が初めてだった中、オフト監督の後任となったファルカン監督、更にその後の日産自動車横浜フリューゲルスの監督として結果を残した加茂周監督の体制で世代交代が行われ、ドーハの悲劇のメンバーで残ったのは井原、三浦、高木の3人だけという程に陣容は刷新され、同年のアトランタ五輪で一躍時の人となった前園をキープレイヤーに据えたチームは新たな次元を目指そうとした…そんな状況で迎えたアジアカップでした。

今回はそんな1996年大会を振り返っていきたいと思います。

 

 

 

【過去のアジアカップを振り返ろう】

1992年 広島大会(優勝)

②1996年 UAE大会(ベスト8)

2000年 レバノン大会(優勝)

2004年 中国大会(優勝)

2007年 東南アジア大会(ベスト4)

2011年 カタール大会(優勝)

2015年 オーストラリア大会(ベスト8)

2019年 UAE大会(準優勝)

 

アジアカップ2023観戦ガイドを作成しました!コンテンツは随時更新しておりますので、是非ご活用くださいませ!

 

2023年のJリーグを振り返る記事も色々更新しています。それらの記事はこちらにまとめておりますので是非!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

アジアカップ1996 日本代表】

 

GK1 小島伸幸(ベルマーレ平塚)

DF2 柳本啓成(サンフレッチェ広島)

DF3 相馬直樹(鹿島アントラーズ)

DF4 井原正巳(横浜マリノス)

DF5 小村徳男(横浜マリノス)

MF6 山口素弘(横浜フリューゲルス)

MF7 本田泰人(鹿島アントラーズ)

MF8 前園真聖(横浜フリューゲルス)

FW9 高木琢也(サンフレッチェ広島)

MF10 名波浩(ジュビロ磐田)

FW11 三浦知良(ヴェルディ川崎)

DF12 路木龍次(サンフレッチェ広島)

MF13 服部年宏(ジュビロ磐田)

FW14 岡野雅行(浦和レッドダイヤモンズ)

MF15 森島寛晃(セレッソ大阪)

DF16 斉藤俊秀(清水エスパルス)

DF17 秋田豊(鹿島アントラーズ)

FW18 城彰二(ジェフユナイテッド市原)

GK19 下川健一(ジェフユナイテッド市原)

GK20 楢﨑正剛(横浜フリューゲルス)

監督 加茂周

 

 

 

アジアカップ1996 グループC第1戦

日本2-1シリア

1996年12月6日16:45@タハヌーン・ビン・モハメド・スタジアム(アル・アイン)

日本得点者:オウンゴール(84分),高木琢也(87分)

シリア得点者:ナダール・ジョハダール(7分)

 

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アジアカップ1996 グループC第2戦

日本4-0ウズベキスタン

1996年12月9日16:45@タハヌーン・ビン・モハメド・スタジアム(アル・アイン)

日本得点者:名波浩(7分),三浦知良(37分),前園真聖(86分,90分)

 

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アジアカップ1996 グループC第3戦

日本1-0中国

1996年12月12日16:45@タハヌーン・ビン・モハメド・スタジアム(アル・アイン)

日本得点者:相馬直樹(90分)

 

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初戦のシリア戦では早い時間に先制を許すなど、日本は大会序盤から苦しい展開に立たされていた。しかしシリア戦では劣勢の中でセットプレーからオウンゴールで同点に追い付くと、87分には柳本のクロスを高木が合わせて劇的な逆転ゴールで初戦を勝利。その勢いで日本は続くウズベキスタン戦を4-0の圧勝で飾ると、既に突破を決めた状況で挑んだ中国戦でも苦しみながらも終了間際に相馬のゴールが突き刺さる形で3連勝を収める。

試合内容が必ずしも芳しいものでこそなかったが、グループステージ全勝なんて4年前には想像し難かった結果である。日本代表のスタンダードが一つ上がった…そんな感覚は見ていて生じていたように思う。

 

 

 

アジアカップ1996 準々決勝

クウェート2-0日本

1996年12月15日19:30@タハヌーン・ビン・モハメド・スタジアム(アル・アイン)

クウェート得点者:ジョセム・アルフウェイディ(16分,53分)

 

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現在の印象などの差ではないとはいえ、既に日本はクウェートよりも優位と目される立場にはいた。

しかしゾーンプレスを標榜した加茂ジャパンに対し、名将ミラン・マチャラが率いるクウェートはマンツーマン守備とそこから繰り出す効果的なカウンターで日本の戦術を蹂躙するようにプレー。16分に先制を許した日本は後半から加茂監督の秘蔵っ子とも言える前園を下げて森島を投入したが追加点を許し、岡野や城を投入してもなお、日本の猛攻よりもそれを翻すクウェートの方が優勢になる試合展開に。日本は0-2で敗れ、連覇の夢は脆く散った。

余談だが、クウェートの監督を務めたマチャラはこの試合及び大会を機に「中東の魔術師」と称されるようになり、後にサウジアラビアオマーンバーレーンの監督を歴任したが、その都度やたらと日本と対戦する事になる。

 

 

 

《大会総評》

アジアカップ史上唯一ベスト4が全て中東勢になるなど、大会を通じて全体的に中東有利、東アジア不振の大会になった…という側面はありましたが、クウェート戦の負けっぷりが与えたショックは少なからずあり、それを踏まえてシリア戦や中国戦の苦戦が再びクローズアップされるような形にもなった事で、翌年から始まるフランスW杯予選に不安を残す結果となりました。

日本にとって今のアジアカップほど「獲って当然」みたいな位置付けではなかった事もあり、加茂監督の中ではこの大会は結果よりもテスト要素が強かった…との事で、主眼はあくまでも翌年からのW杯予選である事を強調していましたが、このクウェート戦から始まる停滞感は翌年までなかなか拭う事ができず、加茂ジャパンは予選途中でその幕を唐突に下ろす事に…。

 

2000年レバノン大会編つづく

 

 

クウェート

ではでは(´∀`)