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過去のアジアカップを振り返ろう⑦アジアカップ2015 オーストラリア大会編(アギーレジャパン)

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アギーレなぁ…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、アジアカップ2023が始まります!

 

 

通算5度目となる優勝を目指す日本代表ですが、いわば日本代表とアジアカップの歩みはその成長の軌跡を映すようなものでもありました。

という訳でこのアジアカップを機に、日本代表が過去に戦ってきた8回のアジアカップを振り返っていきたいと思います。

 

 

 

今回は2015年オーストラリア大会です。

史上最強と謳われ、かつてないほどの期待と希望、野心と高揚感を夢に抱いて散ったブラジルW杯のザックジャパン。ブラジルW杯は最後はチームとしてロマンに溺れた節があり、ザッケローニ監督もチーム造りの手腕自体は卓越していたものの本戦経験の薄さを本番で露呈した事もあって、新監督にはW杯での経験に長けた監督が求められていました。

そんな中で就任したのはメキシコ代表で2度のベスト16を経験したアギーレ監督。就任当初はあまりにもチャレンジングすぎる選手起用が物議を醸してチームとしても芳しくない結果が続いたものの、11月シリーズでは武藤や柴崎といった新戦力が台頭したところに遠藤や長谷部、今野といったブラジルW杯組が復帰。明確に「本番仕様」にシフトした事を印象付けるロードマップで連覇を目指す戦いに挑みました。

そんな2015年のアジアカップを振り返っていきたいと思います。

 

 

 

【過去のアジアカップを振り返ろう】

1992年 広島大会(優勝)

1996年 UAE大会(ベスト8)

2000年 レバノン大会(優勝)

2004年 中国大会(優勝)

2007年 東南アジア大会(ベスト4)

2011年 カタール大会(優勝)

⑦2015年 オーストラリア大会(ベスト8)

2019年 UAE大会(準優勝)

 

アジアカップ2023観戦ガイドを作成しました!コンテンツは随時更新しておりますので、是非ご活用くださいませ!

 

2023年のJリーグを振り返る記事も色々更新しています。それらの記事はこちらにまとめておりますので是非!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

アジアカップ2015 日本代表】

 

《スタッフ》

監督:ハビエル・アギーレ

コーチ:スチュアート・ゲリング

コーチ:手倉森誠

GKコーチ:リカルド・ロペス

GKコーチ:浜野征哉

フィジカルコーチ:ファン・イリバレン・モラス

コンディショニングコーチ:早川直樹

 

 

《登録メンバー》

GK1 川島永嗣(スタンダール・リエージュ)

DF2 植田直通(鹿島アントラーズ)

DF3 太田宏介(FC東京)

FW4 本田圭佑(ACミラン)

DF5 長友佑都(インテル・ミラノ)

DF6 森重真人(FC東京)

MF7 遠藤保仁(ガンバ大阪)

MF8 清武弘嗣(ハノーファー96)

FW9 岡崎慎司(1.FCマインツ)

MF10 香川真司(ボルシア・ドルトムント)

FW11 豊田陽平(サガン鳥栖)

GK12 西川周作(浦和レッズ)

FW13 小林悠(川崎フロンターレ)

FW14 武藤嘉紀(FC東京)

MF15 今野泰幸(ガンバ大阪)

DF16 塩谷司(サンフレッチェ広島)

MF17 長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)

FW18 乾貴士(アイントラハト・フランクフルト)

DF19 昌子源(鹿島アントラーズ)

MF20 柴崎岳(鹿島アントラーズ)

DF21 酒井高徳(VfBシュツットガルト)

DF22 吉田麻也(サウサンプトン)

GK23 東口順昭(ガンバ大阪)

 

 

 

アジアカップ2015 グループD第1戦

日本4-0パレスチナ

2015年1月12日18:00@ニューカッスル国際スポーツセンター

日本得点者:遠藤保仁(8分),岡崎慎司(25分),本田圭佑(44分),吉田麻也(49分)

 

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アジアカップ2015 グループD第2戦

イラク0-1日本

2015年1月16日19:00@ブリスベン・スタジアム

日本得点者:本田圭佑(23分)

 

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アジアカップ2015 グループD第3戦

日本2-0ヨルダン

2015年1月20日20:00@メルボルン・レクタンギュラー・スタジアム

日本得点者:本田圭佑(24分),香川真司(82分)

 

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試行錯誤の末に結果的にスタメンの顔触れこそ乾を除いてはザックジャパンと同じ顔触れになったが、システムを4-2-3-1から4-1-2-3に変更すると共に、前体制ではサイド起用が主だった岡崎と香川を中央、逆にトップ下を廃した事で本田をサイドに出すという変化を加えた。

初戦のパレスチナ戦は34歳ながらガンバで三冠とMVPを達成した遠藤のミドルでファーストゴールを飾ると前半だけで3得点。文字通り実力差を見せつける圧勝で大会をスタートさせると、1984年以降のアジアカップで日本とサウジアラビア以外で唯一の優勝経験国だったイラクと対峙した第2戦も、本田のPKで1-0というスコア以上の完勝で悠々と決勝トーナメント進出を確定。第3戦では過去の大会で死闘を演じたヨルダンと対戦したが、本田の3戦連続弾とそれまで不調かつ代表戦でのゴールから遠ざかっていた香川の得点もあって完勝し、終わってみれば過去の優勝大会でもなし得ていなかった1996年大会以来の3戦全勝、それも全試合完封勝利という驚異的な結果を残した。

ちなみにロシアW杯セネガル戦で話題となった本田と岡崎の敬礼パフォーマンスは、W杯の前にこの大会のヨルダン戦で話題になっている。イラク戦では日本代表通算150試合出場を達成した遠藤を祝福するセレモニーも試合後に行われた。

 

 

 

アジアカップ2015 準々決勝

日本1(4PK5)1UAE

2015年1月23日20:30@スタジアム・オーストラリア(シドニー)

日本得点者:柴崎岳(81分)

UAE得点者:マブフート(7分)

 

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確かにUAEは成長著しい中東のダークホースとして認識されていたとはいえ、日本とUAEの間にある圧倒的な戦力差と経験値、そして日本がグループステージで見せた驚異的なパフォーマンスを踏まえると、この試合での日本の敗退は想像し難かった。それは韓国やイラン、オーストラリアといつまた他の優勝候補国でさえもそう思っていたと思う。

グループステージからの全4試合で同じスタメンを起用した日本だったが、試合は想定外の推移を辿っていく。2分の時点で乾が惜しいシュートを放つなどリズムを掴んでいたように見えた日本だったが、SBを含めて前がかりになったところをUAEのカウンターで蹂躙されるような形となり、ほぼ吉田と森重の2バック状態になっていたところを開始7分にいきなり突かれて先制を許す。そこからはずっと日本が一方的に攻め立てた。20分までに2度サイドのクロスに本田が入る好機が訪れ、前半終了間際にも遠藤と本田がミドルを放つが枠を捉えられない。日本は後半から乾を下げて武藤、54分には遠藤を下げて柴崎というアギーレ体制から代表に定着した売り出し中の2人を投入すると、65分にも岡崎を下げて豊田を投入し交代枠を早々に使い切る。武藤にも豊田にも度々決定機が訪れる中で決め切れない日本だったが、少しずつ焦燥感が先走るようになったところで81分にようやく柴崎が本田とのワンツーから同点!なんとか日本は試合を振り出しに戻す事に成功した。

しかし90分のうちのラスト10分でも決定機をことごとく外した日本は、同点に追いついた事で振り払ったはずの焦燥感とフラストレーションが再びぶり返すような試合展開となる。アディショナルタイムには本田のスルーパスに抜け出した柴崎の折り返しから決定機が生まれるが、香川がこれを決め切れずに試合は延長戦へ。延長後半には前がかりになるチームでカウンター対応に奔走し続けた長友が交代枠を使い果たした状態で脚を攣るという追い討ちをかけるような事態が発生する中、日本は120分間で、UAEの3本に対し実に10倍以上となる35本のシュートを放つも決められず、結末はPK戦に委ねられる事になる。

だが先行の日本は一人目の本田のキックが枠を遥かに超えてしまい失敗。それでも日本は後攻のUAEのキッカー、オマル・アブドゥルラフマンにクッキアイオを決められる屈辱を味わいながらも、3人目が失敗したUAEに対して日本は長谷部・柴崎・豊田・森重が成功し、PK戦はサドンデスへ。しかし6人目のキッカー香川のシュートは無情にもポストに…。120分の時点で最後まで枠を捉えられなかったその顛末を象徴するようなPK戦の末、日本は予想だにしなかったベスト8敗退という結末を突き付けられた。

なお、日本代表として歴代最多出場記録(152試合)を持つ遠藤保仁の日本代表最終出場はこのUAE戦となっている。

 

 

 

《大会総評》

2000年以降のアジアカップで唯一ベスト4にも行けなかったチームでしたから、結果としては最悪。ただそれと同時に、チームの完成度は過去のアジアカップの中でも一番高かったと思います。優勝した前回大会よりも。

アギーレ監督は新戦力を加えつつ、ザックジャパン時代に一つの完成を見てそこからマンネリ化したチームを、ベースは活かしつつ、ある意味では新解釈するような形でチームを構築。スコアだけ見ればパレスチナ戦以外は僅差でしたが、最後のUAE戦を含めたもっと点が入っても良い試合はずっとやれていましたし、個人的な感想で言えば……最初はちょっとアギーレ監督に懐疑的なところがあったんですけど、このアジアカップを見て「アギーレすげえ」って思ったんですよね。UAE戦に関しては、あの試合を監督の責任にするには酷なようにも思いますし。

ただ、突破を決めた第3戦も全く同じメンバーで挑んだ事への疑問はありましたし、そして何をどう言おうがベスト8という成績に終わってしまった事は紛れもない事実。試合内容は良かったので、JFAもアギーレを解任するつもりは基本的にはなかったと思いますが、この大会の時点で持ち上がっていた八百長疑惑(後に無罪判決)が具体化していた事によって、続投自体にリスクが生じるようになってしまった。そこでリスク承知で続投に踏み切らせる為には結果という説得力は必要だったのでしょう。

 

2019年UAE大会編つづく

 

 

負けた直後にMステ始まったの今でも覚えてるわ

ではでは(´∀`)