RK-3はきだめスタジオブログ

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

その場所の味〜天皇杯 準々決勝 京都サンガFC vs ジェフユナイテッド千葉 マッチレビューと試合考察〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20240918221223j:image

 

いつも一緒…

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会準々決勝、京都サンガFC vs ジェフユナイテッド千葉の一戦です!

 

 

 

京都サンガFC 30周年企画ブログのまとめページはこちら!随時色々と更新しております。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

思い出は永遠……30周年を迎えたきょう京都サンガFCにとって、それを愛する人にとって、このクラブとその時々に訪れるシーンや季節には様々な思い出が詰まっている事と思います。

ジェフユナイテッド千葉……それはサンガにとって、混迷を極めたあの季節の盟友のような側面もあるでしょう。「ズッ友」なんてネタのされ方もし、今日に至ってはNHKBSの番組紹介ですらイジられるほどでしたが、実際にあの時期は「千葉と京都は…」という括られ方を立たされて、そして心なしか心のどこかでシンパシーを抱いていた側面もあったはずです。

節目となる時に、思い出はまた巡る……3年前、サンガがJ1昇格という称号を手に呪縛を解いたその時、その場所がフクダ電子アリーナでの千葉戦だった事は偶然にしてはあまりにも出来すぎたタイミングでした。今宵、節目に添えるタイトルに手をかけるべく思い出の地でサンガが舞います。さぁ!ジェフを置き去りにできるような未来へ!

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20240918193835j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20240918193838j:image

 

サンガは直近のリーグ戦横浜FM戦からはスタメンを6人変更。リーグ戦では出番のないルーカス・オリヴェイラ、久々の出番となる三竿雄斗が先発に名を連ねており、豊川雄太やムリロ・コスタも久々の先発となりました。少々メンバーを入れ替えてはいますが、エリアスや原大智もベンチに入るなど基本的には大きく変えすぎないメンバー編成になっています。エリアス&曺さん月間表彰おめでとう!

一方の千葉は0-1で敗れた前節秋田戦から先発を11人全員変更しています。CBで先発しているメンデス、ベンチ入りした田中和樹は古巣対戦で、今季初スタメンとなるような選手も複数メンバーに含まれました。

 

 

 

本日の会場は千葉県千葉市フクダ電子アリーナです。

近年は様々なサッカースタジアムが次々とオープンしていますが、ある意味このスタジアムは時代の先駆けと言いますか、2005年という早い段階でコンパクトで見やすいサッカースタジアムという概念を有していました。Jリーグファンの中でも人気の高いスタジアムの一つでしょう。スタジアムの最寄駅である蘇我駅周辺はジェフ一色に染まっている他、練習場とクラブハウスのあるユナイテッドパークも徒歩圏内に位置しています。

前述のように、サンガにとっては2021年にJ1昇格を決めたのがこの場所でした。クラブの歴史に永遠に残る映像、写真、思い出が宿るこの場所で、また一つの歴史を積み上げていってほしいところ。

 

 

前半からほぼサンガの一方的なペースで試合が進んでいきました。

サンガは序盤からボールを動かしながら押し込んだ上で、両サイドのSBが高い位置を取りつつサイドに対してワイドにロングボールも混ぜながら試合のペースを握っていきました。ワイドに広げてスペースを引っ張り出すようにしつつ、3トップの3人は豊川が裏へ、トゥーリオとコスタはそれぞれ左右のポジションを流動的に変えていくシャドー気味の

 

 

 

11分、自陣で川﨑颯太がボールを奪ったところからサンガは鮮やかなカウンターを披露。福田心之助の縦パスを一度スルーしたトゥーリオが豊川の落としを受けて一気に持ち運びスルーパスを送ると、抜け出した豊川がGK藤田和輝との1対1を冷静に制してサンガ先制!自陣から数本のパスと効果的なランを駆使し、コスタの囮になるような動きも加わった理想的なカウンターを見せつけるようにゴールを奪い切ります。

 

 

 

その後もサンガはリズム良くプレーしていき、高い位置を攻撃のスタートラインにする事で主体的な攻撃をサンガから行っていく事、守備を考える時間をしっかりと作れていました。落ち着いてボールが持てていた方で3トップの流動的な動きで生じたズレも的確に突いていく中でコスタや豊川が再び決定機を掴み、特に豊川の好機はネットをやらしながらもオフサイドとなりましたが……終盤は数本のカウンターを喰らう場面もありましたが、前半はほぼパーフェクトな出来で終了。

 

 

千葉は前半終了間際に負傷したメンデスに替えて松田陸を投入。

千葉は後半立ち上がりからはマイボールの時間が続いた事もあり、前半はカウンターしか攻め手が無かったところをしっかりと敵陣にポイントを作り、そこから前線の選手の動きとそこにしっかりボールを付ける、背後を狙うという連鎖的なアクションを起こせるようになっていきました。しかしサンガも宮本や福田が千葉の裏へのアクションに対して上手く対応しており、対人に入った時にはルーカスがしっかりとケア。決定機に至りそうな場面もその前にしっかりと食い止めることでリードを維持していきます。

サンガも焦れずに焦らずに対応しながら千葉を少しずつ押し返して彼らのリズムとペースを鈍らせていくと、徐々に攻撃ターンを取り戻したサンガは49分、左からのボールを受けた川﨑の絶妙なスルーパスに抜け出したトゥーリオが冷静にシュートを沈めてサンガ追加点!後半の頭は少し千葉が攻勢をかけたところで対処し、そして制し切る理想の流れで2-0!

 

 

 

その後、サンガは千葉を完全に叩き切ろうと目論んだのか59分に原大智とエリアスの同時投入を敢行。

サンガは試合を通して良いリズム感を維持しており、特に2点リードを奪った…という状況も手伝ったのか、川﨑-金子-米本の3人、途中からは米本に代わって投入した平戸に少し降りてきたトゥーリオを加えた4人のところで千葉を走らせるボール回しができており、そこから原とエリアス、或いは福田が絡むサンガの良い流動性が存分に発揮された事でチャンスを創出していました。むしろ千葉の方がカウンターに頼らなければならない状況まで彼らを追い込んでおり、いざ千葉が仕掛けてきた時もク・ソンユンの仕事場に至るより前に宮本やルーカスが対処。

 

 

 

終了間際の85分には川﨑と三竿がおしゃれに繋ぎ、最後は平戸がフィニッシュして3-0!

あまりにも鮮やかに舞い、鮮やかに刺したサンガ。3年の時を経て、伊達にJ1を生き抜いてきたわけではないところを見せつけました!

 

 

 

もちろん千葉がスタメンを全取っ替えしてきた影響というのはサンガ側にも千葉側にもあったとは思いますが、いずれにしてもサンガにとってパーフェクトと言ってもいいゲームだったと思います。

 

 

先日書いたブログで私はサンガの復調について、これまでは強みと弱みが表裏一体になっていたサンガが、チームとしてリソースの配分を調整する事で、これまで持っていた強みを表裏一体の表ではなくカードとして使えるようになった…と書きました。

今日、千葉を制圧するように押し込めるような試合展開を作れた事は元々サンガが持ち合わせていた強みをしっかり出せた結果です。そしてその上で、やはり今はトゥーリオを含めた中盤でボールを動かしながらFWがボールをもらいやすいのタイミングを作る、福田のオーバーラップを待つ…というプレーができているので、そういうアクションを常に高い位置をキープしながら起こす事ができていましたし、常にカウンターを狙い続ける姿勢と、カウンターが難しそうなら中盤で作り直す姿勢の両方を常に選択肢として持ちながらプレーできていました。これまでの強みでもあったカウンター攻撃をさらに磨きをかけたような1点目、少し千葉に押された展開をじわじわと押し返して中盤でボールを動かしながら仕留められた2点目の対比はサンガがプレー選択をできるチームになった事、その判断を落ち着いて下せるような土壌に試合展開を揉み込んだ事がよく表れていたと思います。

その上で守備に関しても、途中からはそれしか攻め手がなくなっていた千葉のカウンターに対して、下手にカウンターに付き合わない守備がしっかりと出来ていました。CBの宮本とルーカスの対応はその最たるものですし、サイドはある程度福田と三竿に任せる、相手の前線のアタッカーに入った時は必ず後ろにカバーが行けるようにする。そういう選手のポジショニングが連鎖的に調節できるようになった事は後半戦のサンガの大きな成長と呼ぶべきポイントでしょう。サンガが好調に転じてからは1〜2ヶ月ほど経ちましたが、特にFC東京戦横浜FM戦、そして今日の千葉戦の3試合は「なぜサンガが復調したのか?」という要素が非常に詰まっていたゲームだったのかなと。4強!素晴らしい!!!!

 

 

また会おうや…

ではでは(´∀`)