RK-3はきだめスタジオブログ

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何を経て、何を得て〜2025明治安田J1リーグ第30節 京都サンガFC vs 清水エスパルス マッチレビュー&試合考察〜

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All My TreasureはAメロこそが至高

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第30節、京都サンガFC vs 清水エスパルスの一戦です!

 

 

 

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個人的な話ですが、8月末のホーム岡山戦……それはこれまで夢でしかなかった優勝という頂が、いつか獲れたらいいなではなく今年獲らなければならない目標に変わった瞬間でした。みなさんがそう感じた瞬間はそれぞれにあると思いますが、いずれにしても今年のサンガにとって優勝は夢で描く物語ではなくなった。目の前に手を伸ばせば届く…その場所に今、頂は迫ってきています。

 

 

続く広島戦。連勝はあの試合で止まり、内容としてはかなり難しいものでした。しかしあの試合でもなんとか追いつけてしまう……そんなサンガの強さは今までの時代で見たことがなかった。あれこそが「その時にだけ吹く風」というものなのならば、その風が次に吹く季節は誰も保証ができないし、その風に乗って辿り着いた場所から風がなくても勝てるチームの土台は生まれ始めていく。常勝になる前、えてして「はじめて」はそういうものです。

歴史の中に立ち、歴史の入り口に立つ。それを繰り返す時代の中で、サンガが歩む時代を共に味わう…今季のチームスローガン"共有"…それはその歴史と道のりの事なのでしょう。運命を掴むためのシルバーウィーク、ホーム2連戦です。

両チームスタメンです。

 

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サンガは1-1で引き分けた前節広島戦からスタメンを4人変更。ラファエル・エリアスが出場停止となった為、今日は右WGに原大智をスライドさせて松田天馬原大智を起用するエリアスが負傷離脱していた5月頃の人選で挑みます。平戸太貴と組むインサイドハーフには今日は武田将平ではなくレオ・ゴメスを起用してきました。長沢駿と鈴木義宜には古巣対戦。ジョアン・ペドロは第22節G大阪戦以来のベンチ入りとなりました。

前節は敵地で新潟に勝利した清水は前節からのスタメン変更はありません。ベンチメンバーの変更と前節からは一人のみで、前節は出場停止となっていた北川航也がベンチに戻ってきています。

 

 

 

本日の会場は京都府亀岡市サンガスタジアム by Kyoceraです。

 

 

本日はワコールのスポンサーデーとして開催。ハーフタイムには恒例の抽選会が実施される他、大学生企画によるキャンドルアートの展示や海上自衛隊舞鶴音楽隊による演奏、先着順で後半戦のポスターデザインのアクリルスタンドとサンリオとコラボしたクリアファイルがプレゼントされます。また、スタジアムグルメではブラジル人選手が6選手いる事に因んで各選手とコラボしたブラジル料理の販売も。他にもサンガの3選手が参加したデートプラン投票などの珍企画(?)も実施されるとか……ここに来て色んな施策が見られるのは面白いですね。

ACL組を除き、シルバーウィークは20日に第30節、23日に第30節が組まれる過密日程となりましたが、サンガはその2連戦を両方ホームで戦える好日程に恵まれました。アドバンテージは活かして初めて血肉になる。得たチャンスを全て食べる…それが優勝に向けて求められる全てです。

 

 

 

 

序盤から優勢に試合に入ってきたのは清水の方でした。清水はWBのところでボールを持ちながらSBを釣り出しつつ、ポケットのエリアにシャドーが侵入する事でチャンスを伺うアプローチを模索。その中で立ち上がりは中盤のカバーもあって決定的な形には繋げさせていませんでしたが12分、左サイドで細かいパスを繋いだ清水はマテウス・ブエノの縦パスに右から走り込んできた吉田豊が上手く抜け出して折り返すと、エリア内での髙橋利樹と佐藤響の交錯がファウルと判定されてPK献上。

サンガとしては序盤にいきなり大ピンチ到来でしたが…髙橋のキックはクロスバーに直撃!サンガは早々に訪れた難局をなんとか切り抜けます。

 

 

 

サンガも18分にはカウンターで抜け出した松田からのパスに走り込んだレオゴメスがチャンスを迎えますがシュートはGK梅田透吾がセーブ。

ただ試合全体としては清水の方がサンガの前進を制限するように、例えば福岡慎平がボールを持った時には福岡の進路を塞ぎながら前線の選手へのコース切りを優先する守備隊列を徹底した事からなかなか前線にアクセスできない状態が続き、サイドに追い込まれるような形でボールを奪われるとWB-シャドー-ボランチが上手く三角形になるようなフォローの形を作りながらサンガのプレスを剥がす事で攻め込むやり方を繰り返してきた事で、なかなかサンガはハイプレスをしようにも高い位置でのアクションを起こしにくく、チームとしてセーフティーな戦い方を選択せざるを得ない時間が続いていました。

 

 

 

もっとも、サンガも清水に対サンガ的なシフトを敷かれながらも最低限のリスク管理はチームとしてして徹底しながら、プレスにしてもカウンターにしても「焦りすぎない」ことを徹底したスタンスで乗り切ろうとしていました。次第に清水も立ち上がりほど細かいポジション修正が効かなくなっており、前半が終わる頃にはややイーブンに近い形まで挽回成功。難しいながらも押さえるべきところは押さえる形で前半を終えます。

 

 

後半からサンガはレオゴメスを下げて武田将平を投入。前半から何度か推進力を見せる場面があったレオゴメスを下げる代わりに、中盤に配球役を多くしてチームとしてスローダウンが可能な状況を作ろうとします。

この狙いはある程度機能し、前半のボールを持った時の選択肢を閉じられるような状況から中盤でボールを動かしながらチームとして活路の選択肢を増やすアプローチを取るようになり、次第にサンガも清水を押し返す形で高いライン設定を保てるようになりました。しかし清水も形勢が変わったことを踏まえたブロックを組むようになったことで、前半の清水の良い時間と同様、サンガもなかなか決定機に繋げていけません。

 

 

 

清水は63分に弓場と中原を下げて矢島慎也と北川航也を投入。サンガも同じタイミングで松田を下げて奥川雅也を送り込むと、お互いに71分のタイミングでサンガは平戸と長沢を下げて中野瑠馬と山田楓喜、清水は吉田と乾を下げて高木践と小塚和季を送り込みます。

後半立ち上がりはサンガがリズムを掴んでいた時間帯はありましたが、時間経過と共に試合はオープンな形に推移して再び五分の状態に戻される形になると、均衡が破られたのは75分でした。清水がミドルゾーンでボールを動かしながら住吉ジェラニレーションが絶妙なスルーパスをポケットのエリアに送ると、抜け出した高木の折り返しに走り込んだ矢島が押し込んで清水先制…。清水は交代選手2人が絡む得点でもぎ取る形に。

 

 

サンガは失点直後に福岡を下げて4ヶ月ぶりのリーグ戦出場となるジョアン・ペドロを投入。78分にはペドロのスルーパスに中野が抜け出して決定機。直後にも山田のクロスに原が反応したところから混戦を呼び込み、こぼれ球に反応した佐藤のクロスボールに山田が飛び込みますが…2つの決定機はGK梅田がセーブ。89分には山田の右CKが流れたボールに反応した佐藤響が鋭いミドルを放ちますが、ギリギリで脚を伸ばしたキムミンテが弾き、直後の山田のミドルもGK梅田がセーブ。こぼれ球に中野が反応しようとするもキムミンテに掻き出され、遠い1点…。

 

 

 

最後まで猛攻を仕掛けたサンガでしたが、清水も最後の最後までミリ単位の集中も欠かずに跳ね返して対応。死闘の様相を呈したアディショナルタイムは清水が逃げ切り、サンガは第18節東京V戦以来11試合ぶりにして4ヶ月ぶりの敗戦となりました。

 

 

 

清水にしてやられたという印象が全てではあるのかなと。清水側からすれば、もうミッションコンプリート!!とでも言いたくなるような90分だったように思います。それだけ清水は"対サンガ"というところを徹底してきましたし、それを実現する集中力、最後に仕事をできるクオリティも持っていた。そういうところではあったんじゃないでしょうか。

まず清水はボールを持った時にどこを狙うか、サンガがボールを持っている時にどう守るかというところで、よくサンガの特徴を踏まえてプレーしていました。守備においては、多分「サンガにボールを持たせた」というのもちょっと違うというか、とにかくコース切りを徹底する事で、第一にサンガがミドルゾーンより後ろでボールを持った時に福岡へのコースを切る事、逆に福岡が持った時は福岡にはあまり寄せずに受け手のコースを遮断する事。この「福岡に出せない」「福岡が出せない」という2つの状況を作り出す事でサンガの前進を阻害していった。必然的にそこでスローダウンを余儀なくされる上に、清水のWBも3バックに引き込まれずに絶妙な高さを保っていたので福田心之助もなかなか攻撃に関与しきれなかった。受け手がフォローアップしていく関係性を悉く断ち切りながら、最終ラインではキム・ミンテを一枚余らせて要所をフォローできる状況を作った清水の守り方は見事だったと思います。

いかんせんこの試合はエリアスが欠場したので「エリアスがいなかったから」という声は結構多く聞かれましたが、これは半分不正解で半分正解だったと思います。まず「サンガはエリアスがいないとチーム力が激減する」という意味ならば、そもそもサンガはエリアスが2ヶ月ほど休んでいる期間も大きく勝ち越している時点で不正解でしょう。それこそこの期間は長沢が獅子奮迅のプレーぶりで貢献してくれていましたし。一方、以前のブログで「エリアスと長沢がストライカーとして全く違うタイプである事が一つの強み」とは書きましたが、今日に関してはこの部分が少し裏目に出たところはある。つまり、長沢はチームの連動の中でどういう動きをするのか…みたいなところではエリアスをも上回る部分がありますが、それにはチームとしての連動が回っている事が条件になる訳で、今日はその連動を清水に一本一本断ち切られていた。逆にエリアスは「0でも1に出来てしまうタイプ」な訳ですよ。長沢のようなタイプの選手が活きない状況を清水に作られてしまいましたし、こういう試合だからこそエリアスが必要だった、という意味でのエリアス不在を敗因とするならある程度正解だとは思います。

 

 

もっとも、そもそもサンガみたいなハイライン・ハイプレス型のサッカーだろうが、柏みたいなポジショナルプレーを基調としたポゼッションサッカーだろうが、隙のない万能なスタイルは存在しない訳で、サンガもその目が良くない方に出た時の振る舞いと言いますか、悪いなりに最低限の事は押さえていくスタンスは良かったと思いますし、そこはこれまでと今季の最大の違いを示したものだったと言えるでしょう。

例えば攻撃に関しては、前半のレオゴメスは強引に前に出ていけるタイプなので膠着状態の前半ではカンフル剤として希望になった一方、もし清水が次段階の策を持っていた場合に隙になる可能性があった。そこで武田を投入する事で中盤はなるべくミドルゾーンでボールを動かすようにする意思を明確にした采配は良かったですし、実際に後半の頭は流れを取り戻した感もあった。守備面でも清水は同サイド攻撃でシャドーをサイドに流れさせてSBとCBのギャップを狙ってきましたが、そこに対してCBではなく中盤に当たらせるように対応していくような擦り合わせが出来るようになった事は選手達の習熟であり、サンガタウンでそういう意識共有を醸成できるトレーニングあってこそのものだと思いますし、清水の攻撃に対しては前半にPKこそ与えましたが、左から攻められたら左で、右なら右で、ニアサイドの中で攻撃を止める事が出来ていた。そういうチームとしてのベターな選択を用意できるようになった事であったり、岡山戦もそうでしたがピッチ内でアジャストさせていく感覚はこの試合に於けるサンガの美点ではありました。

ただ、言うなればこの試合は清水が策を仕掛けて、サンガがそれに対応した。理想としては第一段階から清水が策を奏する事が出来ない状況を作れるようになればいいんですけど、ここまでは決して悪い話ではない。ただ、後半はサンガがリズムを掴めるようになった中で、清水が前半のような緻密なプレッシングよりも高木の投入でワイドなカウンターを狙うよりになり、試合をオープンな展開に引き込むようにしてきたんですよね。サンガとしては不利な展開、或いはイーブンな展開をオープンに引き摺り込むのはこれまで得意技でしたが、優勢になってきた時間でこれをやられると展開としては後退になる。加えて清水が上手かったのは高木の前に北川を投入した事、その際に髙橋を残してシャドーの中原を下げて北川を入れた事。前半の清水はシャドーを流れさせたサイド攻撃でサイドエリアの攻略までは出来ていましたが、中がどうしても髙橋だけになってしまった事がサンガに捕まる要因にもなっていた。それがオープンなスペースが生じる展開に持ち込んだ時に、北川と髙橋の2人がいる事で、サイドを高木や山原が抜け出した時にファーとニアにストライカーがそれぞれ入っていける状況になったんですね。それをサンガも把握していたからこそ、この2人のケアをしなければと考える。するとこの間のスペースが空いてきて、現に決勝点はその場所を見逃さなかった矢島が決めた。いわばサンガは一つ目の悪い波は乗り越えましたが、形を変えたその次の波に呑まれてしまう形になった。状況変化への対応が2度は出来なかったんですね。逆に清水側からすれば、前半に先手を打つようなプランを打ち、サンガに対応されたと思えばもう一つ展開を用意してきたという鮮やかな二段構えで仕留め切った勝利だったんじゃないかなと。

 

 

 

実際問題、清水にここまで対サンガとしての戦い方を仕掛けられてしまった以上は、この日の清水のやり方を参考にするチームが出てくる可能性もある訳で、大枠を変える必要は無いけれど対策の対策はチームとして考えていかなければならないですし、この試合のように途中で"ゲームチェンジ"のような展開が起こった時にどうするかも考えていく必要はある。少なくともこの試合のサンガは戦い方の点に於いて清水の出方に対するリアクションをせざるを得なかった訳ですから。

とはいえ、前述したように"最低限の事は押さえる"という点を見せた事は今季のサンガの良い部分ですし、そこから後半に一度主導権を取り返した事も無かった事にはしたくない。加えて最終盤の猛攻の際に、これまで…これまでというか、あの時間帯と状況ならどのチームもクロス攻勢になると思うんですが、あそこでペドロ、山田、中野、武田といった選手がコンビネーションを発揮する為のアイデアを実践しようとした姿勢は感銘を受けましたし、あの時間帯で見せたコンビネーションには素直に心踊らされる場面もあった。ああいう事も出来るよというところを見せればそれだけでクロスもより効いてきたりする訳ですから。

毎日勝つつもりでプレーするのは相手も同じである以上、負ける時は負ける。だからこそ無敗が閉じれた次は何より大事なゲームになる訳ですし、少なくとも今季のサンガはそういうシチュエーションのゲームでちゃんと立ち直ってきた。負けを引きずらず、反省も手応えも血肉にする。その素材はちゃんとあるゲームだったとは思うので、追う立場に戻った今、再び回転していってほしいなと。幸いにもそれを体現するチャンスはすぐに来るので。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2025明治安田J1リーグ第30節

FC町田ゼルビア3-1ガンバ大阪

サンフレッチェ広島0-1ヴィッセル神戸

名古屋グランパス3-1湘南ベルマーレ

東京ヴェルディ4-2ファジアーノ岡山

横浜FC1-0アルビレックス新潟

セレッソ大阪1-1柏レイソル

浦和レッズ0-1鹿島アントラーズ

川崎フロンターレ0-1FC東京

横浜F・マリノス2-0アビスパ福岡

京都サンガFC0-1清水エスパルス

 

 

1位 鹿島アントラーズ(58)

2位 京都サンガFC(55)

3位 柏レイソル(55)

4位 ヴィッセル神戸(54)

5位 FC町田ゼルビア(51)

6位 サンフレッチェ広島(51)

7位 川崎フロンターレ(48)

8位 浦和レッズ(47)

9位 セレッソ大阪(43)

10位 ガンバ大阪(43)

11位 清水エスパルス(39)

12位 ファジアーノ岡山(39)

13位 アビスパ福岡(37)

14位 FC東京(37)

15位 名古屋グランパス(35)

16位 東京ヴェルディ(35)

17位 横浜F・マリノス(28)

18位 横浜FC(27)

19位 湘南ベルマーレ(25)

20位 アルビレックス新潟(20)

 

ACLに出場する神戸、広島、町田、G大阪の第30節は8月に前倒しで行われているので、残る16チームが9月20日に第30節を行いました。

上位戦線は首位の京都がホームで清水に0-1敗れて11戦ぶり、4ヶ月ぶりとなる敗北。柏は敵地でC大阪と引き分けて勝点1の積み上げに留まった一方、鹿島は敵地で浦和相手に1-0で勝利して首位に返り咲きました。優勝争いに一縷の望みをかける浦和は鹿島との直接対決を、川崎は多摩川クラシコとなったFC東京との一戦を落とし、優勝争いから大きく後退しています。

残留争いでは清水、FC東京、名古屋、東京Vが勝利を果たして残留に向けて大きく前進し、16位東京Vと17位横浜FMの勝点差は7にまで拡がりました。横浜FMはホームで福岡に勝利し、19位横浜FCと最下位新潟の直接対決はホームの横浜FCが終盤のアダイウトンのゴールで勝利を飾り、横浜勢が共に勝点3を積み上げ。一方、新潟はこれで11戦未勝利て最下位を脱出できない日々が続き、名古屋に敗れて14戦未勝利となった湘南も19位に転落しています。

 

 

ありがとう織田裕二

ではでは(´∀`)