ロシアW杯観戦記〜あれから1年…《海外ド音痴、ロシアに翔ぶ。〜英語もまともに話せない私のロシアW杯観戦記〜》2019年再編集版〜第5話 超ドキュメンタル

【ロシアW杯観戦記再編集版、第1話、前話はこちら↓】

 

 

 

 

西野朗監督率いる日本代表が本大会前最後の試合となるパラグアイ戦を終え、ブラジルW杯でドイツが王者に輝いたあの瞬間から始まったロシアW杯へのカウントダウンが、少しずつリアリティを帯び始める。ブラジルW杯が終わった時、当時高2だった私は「次のW杯の時もう成人してんのかよ!?まだまだ先やん…」とも思ったりしたが、時間の流れたるものは意外と早く流れるものだ。実際、月日は足早に過ぎ、ロシアでの熱闘から既に1年が過ぎている。カタールW杯なんて感覚としては「そのうち」なのかもしれない。

阪急電車という見慣れた茶色い車体に乗り込み、普段滅多に使う事のない天下茶屋駅南海電車に乗り込む。昔沖縄に行った時は伊丹を使ったから、記憶の中で南海電車を使うのは人生初だったかもしれない。我々京都府民の悩みとしては、そもそも関空に着くまでがまあまあ長いという事だ。ただ、海外旅行に行くとすればやってみたかった小さな夢として「空港に着くまでにGLAYの『Savile Row〜サヴィル・ロウ3番地』を聴くという嗜みをしてみたかった。厳密には車じゃなくて電車だし、成田ではなく関空だった訳だが、それでもどこか感慨深さと共に関空が迫れば迫るほどワールドカップに行く事に現実味がかえって無くなっていくのは不思議なものである。あれ?俺マジでもう今日ロシア行くの?…みたいな。

 

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遂に着いた関空で友人と合流する。

ここに至るまでにも既に何度もブログに書いているが、友人はロシア慣れしているし自分は海外経験ゼロ。全て丸投げしているというかそもそも、仮に自分に投げられたとしてもどうしようもない程に海外旅行に関して無知なのである。出国検査の少し前に友人が私に告げる。

 

「出国検査ってパンイチにされるからな。」

 

…ちょうど1ヶ月前、友人とロシア旅行の打ち合わせも兼ねて食事に行った際に言われた事を思い出した。彼は非常に海外旅行に慣れている為、私以外にも海外慣れしていない友人を連れて海外に行った事があるらしいのだが、その際のエピソードトークとして私に話していたのだ。

「事前にさ、『出国検査の時パンイチにされるで』って言ったらそいつめっちゃ派手なパンツ履いてきた」…と。

 

…振り返ろう。

この一連の会話からひと月後、出国検査に向かう途中で友人が私をビビらせる為に言ったお言葉だ。

 

 

 

「出国検査ってパンイチにされるからな。」

 

 

 

…伏線回収というべきか、1ヶ月前にネタバラシしとるやないかと言うべきか…。ただ、それこそ普通の時なら水を得た魚のようにツッコミたくなる私も、この時ばかりは若干緊張していたのか、なんかなんのこっちゃよくわからない返しをしていたような気がする。

結局、無事に服を着たまま出国検査を終え、両替を行い、100均でちょっとおやつを買い、出国の儀式のつもりなのかラーメンを喰らっていよいよ搭乗ゲートへと向かう。

趣味や仕事次第では飛行機に乗るなんて事が大して珍しくない方は大勢いるだろう。だが私は飛行機に乗る事そのものが大体10年ぶりくらいであり、どうしてもここまでの描写も、そして感情も大袈裟になってしまっている。とりあえずはここから、トランジット先の中国・深圳まで約5時間のフライトだ。

 

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今回乗った飛行機のスケジュールを一応説明すると、行きはまず関空から中国の深圳まで。深圳到着は夜になる為、とりあえず深圳で一泊し、次の日のお昼頃に深圳からモスクワのシェレメーチエヴォ国際空港に着く流れだ。ちなみに帰りは同じくシェレメーチエヴォ国際空港から今度は深圳ではなく広州でトランジット。数時間待機の後、関空へ…という流れになる。

いかんせん、我々はいち大学生である。私は実家暮らしだから気ままな旅行が出来る事は大きなアドバンテージだが、そもそも軍資金としては大した金額を持っていない為、友人は如何に経費を抑えるかという事に気を遣ってくれていた。海外慣れしているから、彼なりの方程式的なものもあったのかもしれない。まぁ、要するにいっぱしの大学生にJALANAは高過ぎるのだ。とはいえ、正直LCCには若干の抵抗が残る。そこで友人が予約したのは中国南方航空の飛行機だった。

中国の航空会社は結構値段が安い。これから旅行に行かれる方にはJALANAは高いけどLCCは不安だから中国南方航空を取ってみたけどそれはそれで不安…という方もいるだろう。大した事は書かないかもしれないが、そういう人達に対して少しは参考になる事をこの後書くかもしれない。結論から言うと、当然JALANAのようなサービスは無いし日本系では無いという不便さはあるものの、あっ、この値段でこれなら十分でしょ、と普通に言えるものだった。

 

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JALANAの一部の飛行機とは違うので当然スマホは使えない。普段からスマホ依存症にどっぷり浸かっている為、全くしんどくないと言えば嘘にはなるが、元々タブレットの方にAmazon Primeビデオからいくつか映画を落としておいた事もあって、5時間くらいはそんなに苦も無く過ごす事が出来た。…まぁ、本当にキツかったのはこの飛行機を降りてからになる訳だけど…。

タブレットを手にしたてホヤホヤだった私は、このタブレットをロシア旅行で有効活用すべくAmazon Prime会員になって暇つぶしの映画をダウンロードしていたのだが、この機内で私は「凶悪」とか「日本で一番悪い奴ら」といったシリアスものをダウンロードして観ていた。理由はハッキリしている。観たかった作品という事は勿論にしても、機内でコメディなんか観たらやばい事になるからだ。

そりゃそうだ。機内というのは知らない人が大量に密集している密室なのだから。性格的な部分もあるんだろうが、吹き出したりした時に周囲の視線を買いたくない。となると笑いは堪える必要が出てくる。すると今度はコメディやお笑いものを観た瞬間、私の中で「笑ってはいない中国南方航空」が始まる訳だ。そんなの笑うに決まってる。絶対に。絶対にだ。だからダウンロードリストにはシリアスものしか入れなかった。

 

 

 

しかし海外慣れしている友人は違った。

奴はこの機内で堂々とドキュメンタルを観ていた。

本人は一応笑いを堪えるつもりはあったらしい。だがそんな状況とこんな状況で見るドキュメンタルなんて8割増しくらいで笑うに決まってるじゃないか…。

 

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5時間のフライトだったので、時間的にも機内食は昼食の1回のみであった。お蕎麦も付いていたりして、これは普通に美味しかった。なんでも友人は「大阪→深圳だからこれは多分日本で仕入れてる。本当にヤバいのは次の深圳→モスクワ」という予告をしてきていたのだが。

ちなみに、文化の違いなのかはわからないが、ドリンクサービスを受けた際に友人はビールやワインを頼んでいたのに対し、基本的にお酒に弱い私はコーラやコーヒー主体でオーダーしていた。コーヒーを頼んだのも、CAさんが確かに英語で「Coffee.」と言ったからである。ブラック派の私としては、まあ多分…ブラックにガムシロとフレッシュが付いてくる感じなのかな、と思いながらポッドからコーヒーが注がれるのを待った。カップを渡される。ゴリゴリのカフェオレである。一口飲んだ。衝撃的な甘さだった事はここに記しておきたい。文化の違い的な事なのかはわからないが、この旅に於いて飲み物甘過ぎ問題は何かと出て来る事になる。

 

 

 

…そうこうしているうちに深圳に到着した。

 

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日本と中国は大して時差は無いので、まだ初日は初日である。しかしこの度最初にして最大の危機は、ここ深圳という舞台でいきなりやってくる事になるのだった…。

 

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つづく。