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ガンバ大阪 補強展望2023-2024!後編・ポジション別補強優先度考査…と、慰留作業と近年の潮流の功罪

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けふここのえにビーザヒート

 

どーもこんばんは

 

さてさて、正直このブログをどのタイミングで更新できているかはわかりませんが、これを書いている今は11月28日。J1最終節前の段階です。

という訳で前回同様、今回もガンバ大阪の補強展望を書いていきたいと思います。

 

 

プロローグというか前口上みたいなものは前編をご覧あれ。というかこちらの記事の続きになるのでそっちから読んでもらえるとありがたいです。

前編では【①スカッドとポジションのおさらい】【②大幅入れ替え?継続?改革?現状維持?どうなる今年の補強スタンス】【③レンタル組の動向は?について書きましたが、今回は【④他人事じゃない!選手慰留】【⑤ポジション別補強優先度】の2つをテーマに考えていきたいと思います。

 

現時点でのガンバ大阪 2023-2024移籍情報はこちらから。

 

※このブログの内容自体は11月28日に書いたものから書き直す事は基本的にはありませんが、移籍情報に関しては随時更新していく予定です。

 

 

 

【おしながき】

スカッドとポジションのおさらい(前回)

②大幅入れ替え?継続?改革?現状維持?どうなる今年の補強スタンス(前回)

③レンタル組の動向は?(前回)

④他人事じゃない!選手慰留

⑤ポジション別補強優先度

 

 

2023年のJリーグを振り返る記事も色々更新しています。それらの記事はこちらにまとめておりますので是非!

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

④他人事じゃない!選手慰留

 

基本的にガンバは選手のプロテクトには強いクラブです。今年に関しては例年よりも契約が切れる選手がどうも多いらしい…という点はちょっと不安なところがありますが、ガンバは基本的に複数年契約はきっちり固めている場合が多く、ましてや値下げしてでもキャッシュを得なければならないような立場でもない。それゆえに昌子源の鹿島復帰のようにガンバから選手を抜く為には結構な移籍金が生じる。おそらく他クラブからすればガンバの設定金額に近い移籍金を払って選手を獲得する事自体が結構なハードルと言いますか、それを出来るチームは限られていると思うんですよね。逆に明らかに相場以上の価格で売れたらそれを失敗とは呼ばなくてもいいという考え方もありますし。

 

 

パナソニック金無くなったんじゃないか」と不安になるガンバサポは多いですが、ガンバやパナソニックの自社比であればともかく、Jリーグ全体ではガンバはどう見ても金を持っている方のクラブで、それは複数年契約を含めたプロテクトの為の資金を確保出来ている…という点に集約されていると考えています。

ただ、近年は海外移籍に関してはもう止めようがないです。実際に今夏には谷と山本理が海外に移籍し、半田に関しても今夏に移籍の可能性があった事も踏まえれば既に海外移籍リーチ状態で、それがこのオフであったとしても何らおかしくない。海外移籍には年齢がネックではありますが、FC東京の安部柊斗が26歳の年に海外に行けたことを踏まえると同い年の黒川や山本悠にもそのチャンスが巡る可能性はある。海外に関してはもう慰留し切れないというか、そこはもうJクラブが付き合っていかなければならない宿命なんだろうな…と。

 

 

…ただ、そう考えると……少し話は逸れますが、近年のガンバが最近のチーム状況にも関わらず、少なくとも昨オフの時点ではまだ「獲る側のクラブ」としてやれているのは前述の資金面もそうですが、今現在のそういうJクラブにとっては酷な宿命がガンバにとっては救いになっているところもあるのかな…みたいな部分も感じるようになってきましたね。

例えば、シーズン途中にJ1優勝を狙えそうなチームと欧州の下位リーグからのオファーが同時に届いた時、前者を選ぶ選手はおそらくかなり少数派でしょう。つまるところ、昨今の多くの選手の中で目標の優先度はJ1優勝<海外移籍になっている現状がある…と。その点で言えばガンバは、国内での惨状とは裏腹に海外での認知度・信頼度は未だに高い。もちろん代表での印象もあるでしょうが、ガンバでそんなに試合に出ていない選手でも海外に行けてしまう辺りはその表れでもあるでしょうし、クラブも海外移籍に対してはある程度の条件さえ満たせば協力的。幸か不幸か、多くのJクラブにとって試練となっている海外移籍の潮流ですが、こと近年ガンバに限ってはそれに救われている部分もあるのかなと…。

 

 

 

⑤ポジション別補強優先度

 

大前提として、現在のガンバは…前編で書いたように選手が「いるけどいない」「いないけどいる」という状況だと捉えています。後述する三浦と福岡の対比のように多くの選手が一長一短的になっていたり、ポヤトス監督がやり方を微調整したら一気にキーファクターになった倉田、順応してきた食野、復調してきた鈴木を見ると、まだポテンシャルが残っている選手は多いというか、いつどこで誰がノってくるかが読みにくいという非常に編成の難しい状況です。

それゆえに、この優先度は誰がガンバを去ることになるのかというクラブ側の決断と外的要因によっても大きく左右されてきますし、補強が必要なポジションはほぼ全部と言えばそうなんですけど、それと優先順位は少し異なる…という点は予め。

 

 

 

【GK】

補強優先度★★☆☆☆

レギュラー:東口順昭

第2GK:石川慧

第3GK:市川暉記

来季加入内定:張奥林

レンタル組:一森純,谷晃生

 

一森を戻せた場合は一森の復帰と、市川を完全に移籍にシフトする事でGKの補強は完了するのかなと。もちろん東口後継者問題は谷という解答が現時点でしっくりとハマらなかった為に持ち越し状態になっていますが、一森を戻せれば今年はそれで完了とするでしょうし、そうでなくても谷が夏に復帰する可能性もあるとなると、補強の優先順位的としては後回しになってくるのかなと。

 

 

 

【CB】

補強優先度★★★★★

レギュラー:福岡将太

レギュラー格:三浦弦太,クォン・ギョンウォン

準レギュラー:佐藤瑶大

サブ:江川湧清

 

今季は基本的に序盤は三浦とクォン・ギョンウォンのコンビ、そこから福岡と佐藤が台頭し、夏頃からは福岡と上記3人の誰かが組む形でした。

現在、CBのポジションは考え方が相当難しいと思うんですよ。例えばポヤトスサッカーへの適応を考えると福岡が最も秀でていますが、純粋にCBとして、守備者としては三浦の方が上。佐藤や江川はその両面を満たせるポテンシャルを持ちつつもまだその段階ではなく、おそらく能力値的なスペックはクォン・ギョンウォンが一番高いと思いますが、その分他の選手より欠点もかなり多い。要は今いる選手はそれぞれに一長一短が濃いんですよね。

そういう編成で守備崩壊に近い成績を残した中でCBを補強しようと思ったら、選手選考の考え方は2つあります。一つはポヤトスサッカーに徹底的に適合しそうな選手を獲得する事。もう一つは「DFは顔で守れ」とは昌子源がよく口にしていた言葉ですが、そういう「核」となり得る実力を持つCBの2種類となります。言うまでもなく報道にも出た中谷進之介は後者のパターン。両方を満たせる可能性がある人材とすれば札幌の田中駿汰辺りでしょうか。

個人的にはJSP云々はともかくとすれば、ガンバのCB補強は上で挙げた2パターンのどちらかに振るべきと考えると中谷をターゲットにした事は理解出来ますし、今季の守備陣に欠けていた「絶対感」なるものを確保する為には悪くない選択なのかなと。守備の軸を確保するという意味では外国人選手……浦和がショルツを獲得したりしたように、そしてガンバがネタラヴィを補強したように予算を優先投下して欧州市場に懸ける事も一手ですし。

 

 

 

【SB】

補強優先度★★★☆☆

レギュラー:半田陸(右),黒川圭介(左)

ベンチ:髙尾瑠(右),中野伸哉(左右)

サブ:藤春廣輝(左),柳澤亘(左右)

オプション:福岡将太(左右)

来季加入内定:今野息吹(左)

 

半田に関しては、ガンバや半田個人が上手く行けば行くほどガンバを離れる時期は早くなります。2024年はガンバで過ごす可能性もあるでしょうが、パリ五輪にはガンバ大阪所属ではなくどこかの海外クラブ所属で出場するシナリオも十分に現実的な筋ですし、「全てが上手く進んだならば多分海外に行く」というところでは中野にも同じ事が言える。現時点のレギュラーとしては半田と黒川で問題はないと思いますが、そこを睨んだ対策は必要でしょう。

 

 

 

【MF】

補強優先度★★★☆☆

 

《アンカー》

レギュラー:ネタ・ラヴィ

オプション:ダワン,山本悠樹,柳澤亘

来季加入内定:美藤倫

レンタル組:山本理仁,奥野耕平

《インテリオール(インサイドハーフ)》

レギュラー:ダワン,山本悠樹

準レギュラー:宇佐美貴史,石毛秀樹

オプション:倉田秋,ファン・アラーノ,柳澤亘

来季加入内定:美藤倫

レンタル組:山本理仁,奥野耕平

 

ポヤトス監督が続投した以上、システムは来季も4-1-2-3、たまに3バックが濃厚と考えられます。現状、やはりネタラヴィと山本の負担は大きい状況ですし、特に終盤はそのツケが一気に回ってきたような事になった。そう考えると、来季獲得が内定している美藤や湘南にレンタルしている奥野がアンカーとしてどこまでやれるかどうかは一つ重要なポイントになってくるでしょう。

アンカーの負担軽減は手立てがないなら補強の必要がありますが、個人的には優先順位としてはそこまで上位とは言えないようにも思います(もしネタラヴィやダワンが退団とかになろうものなら話は変わってくる)。山本悠はガンバがこれからの軸として育てていきたい選手でしょうし、ポヤトス監督も基本的には宇佐美は中盤で使いたい意識は変わっていないでしょうし、第32節福岡戦がそうだったようにWボランチなら倉田も選択肢になる。ただ運動量豊富で守備時の貢献も高い石毛を含めて守備に強みを持つタイプのMFは少ないので、そういうタイプの選手は一枚加えたいところ。実現可能性がどうかはともかく、新潟のサッカーを学んできた高宇洋が復帰してくれればあっぱれでしょう。

 

 

【WG】

補強優先度★★★★☆

レギュラー:ファン・アラーノ(左右)

レギュラー候補:宇佐美貴史(左),食野亮太郎(左右),倉田秋(左右),石毛秀樹(左)

サブ:福田湧矢(左右),塚元大(左右),杉山直宏(左右),山見大登(左),中村仁郎(右)

レンタル組:髙橋隆大(左右)

 

考え方は一番難しいと思います。

例えば倉田や食野が途中から調子を上げてきたりした事を考えると、クラブもポヤトスもそういう急激に活躍しだすみたいなケースの可能性を否定はしていないようにも思うので、来季であれば福田、塚元、山見、杉山、中村はその対象に入ってくるでしょう。一方、やっぱりアラーノや宇佐美、食野のストロングポイント的な要素も簡単には諦められない。前回書いた「いるようでいない、いないようでいる」を象徴するようなポジションがこのWGで、バッチリ機能している選手はいないが、てんでだめな選手もいないというところで編成の考え方は相当難しくなっているのかなと。レンタルを含めて誰を出すかも然り。

ただスポーツ報知の金川誉記者曰く、夏補強の時点でのテーマは「現所属選手と同レベルの選手ではなく、全く違った特徴、または抜けた能力を持つ選手を探している」だった事も踏まえると、独力でサイドを斬れるようなドリブラー、或いは縦に行ける選手は今のチームに絶対的に不足しているので、圧倒的なレギュラークラスを獲れれば完璧、そうでなくともスーパーサブにはなれるような選手はスカッドに擁するべきでしょう。CBとWGは補強が急務であると同時に、現有戦略との兼ね合いを含めた考え方がめちゃくちゃ難しい。いるようでいない、いないようでいるというようなスカッドで誰を入れて誰を切るかの考え方は相当胃が痛くなる作業だと思います。

 

 

 

【FW】補強優先度★★★★☆

レギュラー:イッサム・ジェバリ

準レギュラー:鈴木武蔵

サブ:唐山翔自

オプション:宇佐美貴史

レンタル組:坂本一彩,南野遥海

 

今年の上位陣を見ても、やっぱり上に行くチームはFWがちゃんと点取ってるんですよね。もちろんジェバリは怪我であったり、ポストワークなどその他にも背負ったタスクが多すぎた事は要因としてある。鈴木にしても…鈴木って年俸も影響したのか結構な批判に曝されましたけど、個人的にはそこまで悪いとも思ってないんですよ。ポストワーク然り、途中出場としては途中投入選手としてのタスクはこなしてくれましたし。ただ2人とも、本来求めているのは点を取る事だった訳で。

無論、今季にアラーノやダワンが得点を重ねたように、ポヤトス監督がチームとしてCFよりもIHやWGに点を取らせる設計のサッカーをやる可能性もあるので、その場合はジェバリや鈴木のポストワークは重要になってくる。一方でやっぱり、攻撃の最終地点になれる、決め切れるFWは持っておきたい…と。ガンバはチャンスクリエイトの指標は16位のチーム(執筆時点)としてはかなりの高さでしたから、尚更そこは重要な訳で。そもそも唐山復帰前は複数ポジションで起用された宇佐美を除けばジェバリと鈴木しかいない状態できたし、シンプルに層も薄い訳で。

理想としては唐山が覚醒を遂げる事が理想ではあるんですよ。ただ、来季の戦力設計として、覚醒を計算として組み込む事は無理がある。なのでストライカータイプの選手は一枚加えられたらいいなあと。

 

 

※サンガ編も書くつもりですが、ちょっと監督人事どうなるかの様子を見ています。

ではでは(´∀`)