
三宮商店
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会準決勝、ヴィッセル神戸 vs 京都サンガFCの一戦です!
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「史上最強」を目標に掲げたアニバーサリーイヤーのサンガにとって、その大いなる冒険は茨の道でしたし、サンガは決して今も荊から抜け出した訳ではありません。振り返れば明日は底、兎にも角にも1試合でどれだけ得点を取れるか、どれだけ失点を防げるか、それが最終的にどれだけの勝点になるか…それを必死で拾い集めなければならない日々は、今日のこの試合の結果がどう転んでも変わることのない部分であって、何かが矮小化されるという事でもないでしょう。
しかしそうして目の前のものを拾い集めた末に、サンガは今、クラブ史上2つ目のタイトルが叶うかもしれない場所にやってきました。準決勝進出そのものは2022年と同じでも、あの時のサンガにはタイトルに執着する余力はなかった。サンガもまだまだ発展途上のチームではありますが、今年は本気で天皇杯を獲りに行くでしょうし、その体力は少なからずついているのかなと思います。
史上最強──そのフレーズを謳うのであれば、そのフレーズに意味を抱かせる為の称号を背負わなければなりません。このクラブの歴史に蹴りをつける残留の達成と、聖杯の獲得……妄想を夢に変え、夢を目標に変えた先に、目標を現実に変える権利が与えられます。両チームスタメンです。


曺貴裁監督は基本的にカップ戦ではターンオーバーを行っており、それは2022年の天皇杯準決勝でも同様でしたが、今回の準決勝は前後の試合とも間隔が空く事から本気モードのメンバーを編成しており、直近のリーグ戦となる第34節鳥栖戦と同じメンバーを選定してきました。鳥栖戦では退場となったGKク・ソンユンも天皇杯の出場停止には該当しないので先発出場。鳥栖戦は欠場していた原大智もベンチに入っています。
一方の神戸は直近の試合となったACL蔚山戦から中3日、第35節のリーグ戦も日曜日ではなく金曜日の開催という事で蔚山戦からはスタメンを7人も入れ替えてきました。GKはリーグ戦とACLは前川黛也、カップ戦は新井章太を起用している流れを今日も踏襲。リーグ戦では出番の少ない岩波拓也が先発し、久御山高校出身の森岡亮太もベンチに入っています。
本日の会場は兵庫県神戸市、ノエビアスタジアム神戸です。
天皇杯は原則、下位カテゴリーのチームのホームゲーム、同カテゴリーの対決ならトーナメント表の左側のチームがホーム扱いを受ける決まりとなっていますが、サンガは2回戦の大宮戦を西京極で戦って以降は清水、大分、千葉とJ2クラブとのアウェイゲームを戦ってノエスタまで辿り着きました。今年のリーグ戦でのノエスタの対戦は試合前の時点でサンガは非常に苦しい状況が続いていましたが、この場所でどうにか3ポイントを取ることができた。あの日の良い思い出を今日にまた繰り返していきたいところ。
一方、神戸にとっては準決勝をノエスタで戦うシチュエーションは天皇杯制覇を果たした2019年と同じシチュエーション。そこに期する思いもある事でしょう。
立ち上がりからややボールが落ち着かない時間が続いており、中盤でのプレス強度を押し出す2チームの対決ということでセカンドボールをどうするか…という争いになっていきましたが、やはりセカンドボールを収める、それを攻撃に結びつけるところでは神戸が上手というところが如実に出る前半になっていきました。
基本的に中盤の攻防の末に神戸がサイドにボールを押し出していく…という流れができており、その流れのまま18分、飯野七聖のパスを右の大外で受けた佐々木大樹のクロスボールを宮代大聖がドンピシャで合わせて神戸が先制。
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— NHKサッカー (@NHK_soccer) 2024年10月27日
サッカー #天皇杯 ⚽準決勝#宮代大聖 選手が
右からのクロスに頭を合わせて先制!
前半18分
ヴィッセル神戸 1-0 京都サンガ
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サンガとしてはずっと悩ましい時間が続いていました。前にボールが入る機会自体はあれどもそれがなかなか連動性に繋げ切れず、その中でマルコ・トゥーリオが突破からチャンスメイクまでどうにかしようと奮闘する場面はありましたが、人に当たる選手とゾーンを守る選手の役割を明確に分け、サンガの選手をサイドに追い出しながら分断していくように守って来た神戸の守備陣を前にそこからの流れを作っていく事が出来ないまま、前にボールが入ったところからなかなか攻撃を形作る事が出来ずに時間が過ぎていきます。
それでも32分、大外でボールを受けた福田心之助の斜めのパスを受けた平戸太貴が巧みなターンでマークを振り切りエリアスに縦パス。エリアスのポストプレーはディフレクションを挟み、これを見逃さなかったトゥーリオが冷静に決め切ってサンガ同点!
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— NHKサッカー (@NHK_soccer) 2024年10月27日
サッカー #天皇杯 ⚽準決勝
京都サンガが同点!
見事な連続パスから#マルコトゥーリオ 選手がGOOOOOAL!!
前半32分
ヴィッセル神戸 1-1 京都サンガ
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試合としては苦しい展開ながらも、どうにか追いつく個の強さを見せ、試合を振り出しに戻して前半を終えます。
しかし後半はサンガにとってより難儀な展開が待ち受けていました。
入りこそエリアスがシュートに持ち込む場面を早々と作るなど悪くないリスタートを切ったものの、50分にはタッチライン際のボールを酒井高徳がギリギリで残し、宮代を中継して左サイドの初瀬亮に展開。初瀬が上げたクロスは福田に当たってディフラクションを挟むと、これに反応した佐々木と福岡の交錯が福岡のアフターチャージと判定されてPKに。佐々木のキックは一度はク・ソンユンが弾くも、無情にも佐々木の足下に転がったこぼれ球をきっちり仕留められ、再び神戸がリード。
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— NHKサッカー (@NHK_soccer) 2024年10月27日
サッカー #天皇杯 ⚽準決勝
神戸が勝ち越し#佐々木大樹 選手が
いったん止められたPKを
押し込んでゴール!
後半10分
ヴィッセル神戸 2-1 京都サンガhttps://t.co/MYRNSetkfB
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サンガは失点直後に豊川を下げて原を投入すると、62分には佐藤、福岡、平戸を下げてアピアタウィア久、金子大毅、米本拓司の3人を同時に投入。CBの宮本優太を左に出し、よりセカンドボール回収に重きを置いた形を採ります。
しかし神戸は58分の時点でベンチスタートとしていた大迫勇也と武藤嘉紀を同時に投入する鬼畜の所業のような交代策を行い、サンガの交代策もセカンドボールを回収する事はそれなりにできたものの、平戸や福岡がいなくなった事で守備から3トップをリンクさせられる選手がいなくなり、セカンドボールの状態が増えたところからむしろ神戸によりサンガ陣内でプレーする時間を与えてしまう状態に。GKク・ソンユンの好守もあってなんとかこれ以上の失点は防ぎ、武藤のクロスを大迫が落として佐々木が押し込みネットを揺らした場面もVARで、アディショナルタイムの扇原貴宏のミドルはクロスバーはどうにか救われますが、サンガよりは厳しい劣勢を強いられていました。
80分にサンガは川﨑颯太を下げて平賀大空を投入しててなりふり構わぬ姿勢を見せると、アディショナルタイムにはパワープレー気味にいくつかチャンスを作れるように。最後はク・ソンユンも攻撃に参加しての右CKからディフレクションしたボールを鈴木義宜が押し込もうとするも武藤にブロックされ、更にそのこぼれ球をエリアスがどうにか捩じ込もうとするも、武藤と菊池流帆に連続して弾かれる形でゴールには至らず。
試合を通してゴールをこじ開ける前の段階までなかなか辿り着くことができなかったサンガ。30周年というアニバーサリーイヤーを飾るようなタイトル獲得の夢は、去年のリーグ覇者にまさしく個と組織の実力差を見せつけられる形で終焉しました。
結果だけを見れば「PKが決勝点の2-1」というどちらに転んでもおかしくなかったような響きのスコアではありましたが、内容としてはそう呼べるものではなかったなというのが正直なところ、偽らざる感覚です。
10月6日にホームで神戸とリーグ戦を戦った際にはわかりやすくロングボール一辺倒になっていたのに対し、この日はインサイドのポジションにボールを運んで、そこから連動性を出していこうというアプローチ自体はできていましたし、そこでコンビネーションを出していこうとする働きかけは一応はやれていたと思います。しかしそこからのデザインの欠如、アイデア不足はこのチームがずっと抱えている問題であると同時に、神戸は実に上手く激しくプレスをかける部分、構えて守る部分を分けながら、サンガのボールホルダーをとにかくサイドに追いやってきた。近い距離で連動していく事を生命線とするサンガにとって、クロスを上げられない場所で選手間の距離をズタズタにされる事はやはり致命傷で、そこで詰まってボールを失う、それが神戸ボールになり、ハイプレスがチャンスに繋がらない自陣での守りを強いられる…という連鎖はいわゆるサンガの負けパターンでもあった。サンガの同点弾は福田がどうにかその状況から抜け出すパスを平戸に送れた事で本来出したかった連動性を発揮できたような場面でしたから、逆説的にはあのゴールの過程も今日のサンガが置かれた現状を表す場面ではあったのかなと。
交代策に関しても、結果的には自分達の首をより締める結果になった事は否めないです。
おそらく狙いとしては、曺監督が会見で述べていた長いボールを拾いやすくする為という部分も然り、或いは相手が大迫を入れてきたので相手のエースがはっきりしている時にこそ力を発揮できるアピアタウィアで大迫をケアしたいだとか、3バックにも変形できるような人選にして福田をより高い位置に出したいみたいな狙いもあったと思いますし、その2つの部分に関してはよくわかる。ただ、ここで平戸と福岡を下げてしまったのは正直まずかったなと…。3トップは3トップとして張っており、逆に神戸の圧力に対してDFラインは押し下げられていた中で、セカンドボールを取ったところで前線に繋げられない、守備と攻撃をリンクさせられないし、リンクさせられないということは攻守も切り替えようがないという状況に陥ってしまった。サンガは保持が得意なチームではありませんし、不本意な状況で保持しているという状態は神戸からすればチャンスでしかなく、彼らがそれを見逃す訳がない。ちょっとそこは悪循環が加速してしまうようなところではあったんじゃないかなと。逆に神戸は大迫、武藤、パトリッキ、扇原を立て続けに投入して、収めどころも運びどころも配球どころも全部用意して挑んできましたし、試合後に川﨑颯太が「グッといきたかったけど大迫さんと武藤さんが入ってきて、前半以上にリスク管理を考えさせられた」と語ったように、リスクを取らなければならない場面でそれを尻込みさせるような精神攻撃のような側面も神戸のマネジメントは有していた。サンガを赤子とまでは言いませんが、手をひねるような戦い方をやられてしまったようには感じましたね…。
サンガの神戸は大枠での戦い方は近しいチームだと思います。しかしだからこそ戦術同士が噛み合ってしまうので、試合としてのズレが発生しにくくなる。サンガはそのズレを仕留める事でJ1に残って来たチームだっただけに、今日はその悩ましい部分が噴出したゲームで、個人のクオリティ戦略としての隙のなさ、その辺りの隙のなさ、抜かりなさの差は顕著に表れてしまった。守備の粘りに関しては前半戦よりも改善したポイントが表れていたので、それがスコア上は接戦に持ち込めた要因ではあったと思うのですが……。現実を強烈に突きつけてくるようなゲームだったことは否めない90分だったなと。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会準決勝
天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会決勝
2024年11月23日14:00@国立競技場
まずは残留。とにもかくにも。
ではでは(´∀`)