RK-3はきだめスタジオブログ

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J1リーグ全チーム戦力診断2025〜Part3 横浜FC・湘南・新潟・清水 編〜

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2024年にワイがヘビロテした曲ランキング(体感)第3位、Domino / 布袋寅泰

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、毎年恒例、J1全20チームの戦力診断やります。

 

 

 

今年も例年通り、各ポジション+総合評価を五つ星で査定してみます。1回につき4チームずつを5回に分けて更新。順番はシンプルに最も北の鹿島から順に南下していく形でお届けします。札幌が降格して仙台も山形もいないので、鹿島がJ1最北クラブとなるのは2007年以来だそうで。

あくまで私個人の見解ですので、おそらく「いやそうじゃねーだろ」的に思う部分も多々あるかと思いますが、そこは「そういう見方もあるのね」くらいのご感覚でお楽しみ頂ければと。最後までお付き合いください!

 

 

 

Part1→鹿島浦和FC東京

Part2→東京V町田川崎F横浜FM

Part3→横浜FC湘南新潟清水

Part4→名古屋京都G大阪C大阪

Part5→神戸岡山広島福岡

 

 

【スタメン表の記号】

★=移籍加入選手

▲=レンタルからの復帰選手

■=ルーキー

※情報は2月4日時点での情報で記述しています。

 

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横浜FC

 

監督:四方田修平(4年目)

ホームスタジアム:ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県横浜市)

胸スポンサー:小野寺グループ(フードサービス)

ユニフォームサプライヤー:プーマ

 

【昨季の成績】

J2リーグ:2位(勝点76:22勝10分6敗)

ルヴァン杯:3回戦敗退

天皇杯:3回戦敗退

 

【主な移籍情報】

入団

DF 新保海鈴←山口

DF 鈴木準弥←町田

DF 山﨑浩介←鳥栖

MF 駒井善成←札幌

FW 鈴木武蔵←札幌

 

退団

DF 中村拓海→C大阪

DF ガブリエウ→大宮

MF 井上潮音→広島

FW 髙橋利樹→浦和(復帰)

FW カプリーニ→大宮

 

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【予想システム】

→3-4-2-1

2023年は4バックも併用していたが、昨季は一貫して3-4-2-1を採用。特に今季は3バックを前提とした補強を行なった印象を受ける。前線はCFでもシャドーでもプレー可能な選手が複数いるので、その組み合わせは試合毎に変える形にもできそう。

 

GK★★☆☆☆

 

昨季は市川暉記がリーグ戦全試合に出場するなど大いに飛躍。その勢いと成長をJ1でも見せられるかどうかに期待が集まる。控えもブラジル代表を経験を持つメギオラーロに加え、プロデビューから2016年まで横浜FCでプレーした渋谷飛翔(←甲府)が久々に帰ってきた事も心強い。

 

DF★★★☆☆

 

ガブリエウのJ2クラブへの移籍は予想外かつ痛手だったが、新たな山﨑と伊藤槙人(←磐田)を新たに獲得。両者とも3バックシステムの経験値もしっかり持っており、特に山﨑は注目銘柄になりつつあったところを確保できたのは大きい。WBとしても新たに即戦力の鈴木、J2で台頭した新保を迎え入れた。

 

MF★★☆☆☆

 

四方田監督の札幌コーチ時代に長く仕事を共にした駒井を新たに補強。札幌では3バックからWG、ワントップまで全てのポジションをこなしていたが、横浜FCではボランチとしてユーリ・ララと良いコンビを築きたい。一方でカプリーニが大宮に、井上が広島にそれぞれ移籍。中盤の層には不安なところはある。

 

FW★★★☆☆

 

髙橋が浦和に戻った後の得点源として、四方田監督がコーチを務めた札幌のエースとしてプレーした鈴木武蔵の獲得は非常に大きい。鈴木本人が3-4-2-1や3-3-2-2の前線に適した選手というところも含めて良い選択だった。得点数は伸び悩んだ櫻川ソロモンやジョアン・パウロに数字が伴い、昨季は負傷で棒に振った森海渡が本領を発揮すればなかなか楽しみな顔触れに。

 

総合★★☆☆☆

 

退団のダメージも少なからず負う事になったので、選手層や編成のボリューム感に不安要素が少なくない事は否めないですが、その中でもやるべき補強にしっかりと努めた印象はあります。四方田体制と親和性のある鈴木武蔵や駒井の獲得、ステップアップが期待された山﨑や新保を獲得し、鈴木準弥や伊藤のような堅実な選手を確保したのは良いアプローチと言えるでしょう。

2017年の札幌といい、最終的に降格はしましたが2023年の横浜FCといい、四方田監督は基本的にJ1でも耐え得るソリッドなチームはしっかりと作ってくるチームですから、昇格組とはいえ大崩れするイメージはあまりないです。ですので、守備から攻撃に至る流れを中盤でどれだけ作っていけるかは重要かなと。ユーリララと駒井のボランチは確実に計算できるとして、ここが計算以上に躍動できるかどうかが鍵でしょうか。

 

 

 

湘南ベルマーレ

 

監督:山口智(5年目)

ホームスタジアム:レモンガススタジアム平塚(神奈川県平塚市)

胸スポンサー:フジタ(建設業)

ユニフォームサプライヤー:ペナルティ

 

【昨季の成績】

J1リーグ:15位(勝点45:12勝9分17敗)

ルヴァン杯:2回戦敗退

天皇杯:ラウンド16敗退

 

【主な移籍情報】

入団

GK 永井建成←FC大阪

DF 松本果成←流通経済大柏高校

MF 石橋瀬凪←神戸弘陵学園

MF 藤井智也←鹿島

MF ゼ・ヒカルド←川崎F

 

退団

GK ソン・ボムグン→全北現代

DF 岡本拓也パース・グローリー

MF 阿部浩之→未定

MF 田中聡→広島

MF 山田直輝→岐阜

 

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【予想システム】

→3-3-2-2

昨季は前半戦に4バックで戦った試合もあったが、山口監督体制では3バックの前にアンカーを置いた3-3-2-2を一貫して採用している。アンカーを務めた田中聡は退団したとはいえ、奥野や茨田を起用しながら基本路線は変えないだろう。

 

GK★★☆☆☆

 

昨夏に獲得した上福元直人はチームの後半戦MVPとも言えるような活躍を披露。後半戦の大躍進と残留成功の立役者となった。一方、2023年のMVP級の存在だったソン・ボムグンは上福元に正GKを奪われる形になって退団。J3で大活躍した永井の獲得はポジティブだが、馬渡洋樹(→東京V)と昨季途中には富居大樹も引退となった事で層はやや薄くなったか。

 

DF★★★☆☆

 

クラブの功労者である岡本が去った以外は昨季と同じような顔触れ。3バックの真ん中をキム・ミンテでガッチリ固定できる事は湘南の強みと言えるだろう。そのキムミンテの両脇を大岩一貴大野和成というベテランに加えて、昨季は髙橋直也と鈴木淳之介と若手2人が台頭。WBにも鈴木雄斗や畑大雅と優秀なタレントを揃えている。

 

MF★★☆☆☆

 

文字通りチームの心臓と呼べるような存在だった田中の流出は湘南にとって甚大なダメージ。Wボランチに変更するなら解釈も変わってくるが、茨田や奥野に加え、昨季はCB起用されていた髙橋や新加入のゼ・ヒカルドなど選択肢はいくつかあるが、センターラインを早急に固められるだけの活躍が求められるだろう。一方、藤井の獲得は両サイドのWBをこなせる点でも湘南のチームスタイル的にも的確かつ迅速な仕事だった。

 

FW★★★★☆

 

2022年は町野修斗、2023年は大橋祐紀…山口監督の就任以降は毎年FWがブレイクしている湘南ですが、昨季は福田翔生と鈴木章斗がブレイク。かつルキアンも躍動した事で二桁得点者が3人も生まれる大豊作状態となった。引き抜きの可能性も示唆されたが全員残留。ルーキー以外の入団選手がいないのは自身の表れでもあるだろう。

 

総合★★☆☆☆

 

全体的には入れ替わりの少ないオフではありましたが…「現段階」で評価するなら、やっぱり田中聡という核の中の核が抜けた事の影響の大きさ…が印象として先に来てしまいます。昨季はキムミンテ-田中聡とセンターラインが固まっていた事が拠り所になっていたと思うので。そこに既存選手や新戦力のヒカルドを当てるのか、或いはWボランチに変える事で対処するのかは分かりませんが、なんにせよまずはそこをどう解決するかを考えなければならない事は確かでしょう。

とはいえ、昨季のFW陣や3バックを見てそうですが、伝統的にこのチームは毎年のように良い若手がJ1で活躍できるレベルにしっかりと台頭してくれる信頼感はある。そこはクラブとしても、或いは山口監督しても自信を持っている部分だと思いますし。伸び代という意味では今年も見応えのあるチームなんじゃないでしょうか。

 

 

 

アルビレックス新潟

 

監督:樹森大介(新任)

ホームスタジアム:デンカビッグスワンスタジアム(新潟県新潟市)

胸スポンサー:亀田製菓(菓子メーカー)

ユニフォームサプライヤー:アディダス

 

【昨季の成績】

J1リーグ:16位(勝点42:10勝12分16敗)

ルヴァン杯:準優勝

天皇杯:3回戦敗退

 

【主な移籍情報】

入団

GK 藤田和輝←千葉(復帰)

DF 森昂大←徳島

DF ジェイソン・ゲリア←メルボルン・V

MF ミゲル・シルヴェイラ・ドス・サントス←PFCソチ

FW 若月大和←山口

 

退団

GK 小島亨介→柏

DF トーマス・デン→横浜FM

MF 松田詠太郎→横浜FM(復帰)

MF 島田譲→新宿

FW 長倉幹樹→浦和

 

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【予想システム】

→4-2-3-1

樹森監督がどよフォーメーションを採用するかは定かではないが、基本的にはこれまでの路線をベースにする事を考えると、メンバー的にも従来通りの4-2-3-1になってくる事が予想される。4-1-2-3でWGを前に出すよりはトップ下を置いた方がしっくりきそう。

 

GK★★☆☆☆

 

文字通りGKは完全再編する形に。アルベル監督から松橋監督までの体制で第1、第2GKを担っていた小島と阿部航斗(→磐田)が揃って退団し、西村遥己(→松本)もレンタル移籍。代わりに藤田がレンタルから復帰して田代琉我(←熊本)も獲得し、昨季のJ2で正GKを務めたGK2人を迎える格好となった。特に藤田は新潟からすれば「満を持して」な部分はあるだろう。

 

DF★★★☆☆

 

トーマスデンはチームを去ったが、特別指定選手ながらインパクトを残した稲村隼翔が正式に加入し、新たにJ2で台頭した森とオーストラリア代表のゲリアを補強。レンタル先のJ2で通年レギュラーとしてプレーした岡本將成(←鹿児島)も復帰させた。J1に慣れた中堅〜ベテランに下位カテゴリーでの台頭から飛躍を狙う若手の組み合わせは立ち位置的なバランスも良い。

 

MF★★★☆☆

 

ボランチのところでボール保持のベースをしっかりと確保できているのは新潟の強みで、新監督も大幅な路線変更を目指すわけでも無さそうである以上、そこは今季の新潟にとっても不変と言える部分だろう。その上で今季はトップ下にミゲル・ドスサントスを補強。かつてコウチーニョ2世とも称されたというクラッキがポテンシャルを発揮すれば魅惑の中盤になりそう。

 

FW★★★☆☆

 

浦和へと新天地を求めた長倉の退団はもちろん痛いが、一方で新潟の場合はCFやWGの選手起用は谷口海斗や小野裕二など元々流動的だったこともあり致命的なダメージというほどではないかもしれない。そこに若月を獲得し、J2で16得点を挙げた矢村健(←藤枝)を復帰させた事でバリエーションは広がりそう。WGも魅力的なタレントを擁している。

 

総合★★★☆☆

 

「監督が引き抜かれる」「第1GKと第2GKが同時に抜ける」という流出のインパクトが強いシーズンオフとなりましたが、終わってみればイメージほど主力が抜けた訳でもなく、GKは少し不安が残るとはいえ全体的にはむしろ戦力値は増したかも?という印象はあります。それこそ退団した長倉であったり、今の谷口海斗や宮本栄治なんかがそうですが、近年の新潟は下位カテゴリーからのピックアップが上手いクラブですから、森や若月、新井泰貴(←藤枝)や落合陸(←柏)も楽しみな存在かなと。

そういう意味では、大きなサプライズとなった樹森監督の招聘も理屈としての整合性は新潟としてきちんと持っている人事だというところは疑いないです。一方で、理屈通りにいかない事の方が多くは出てくるでしょうから、その時にクラブとしての地力や胆力がどこまであるかが問われる、結構分岐点になるシーズンだと思います。

 

 

 

清水エスパルス

 

監督:秋葉忠宏(3年目)

ホームスタジアム:IAIスタジアム日本平(静岡県静岡市)

胸スポンサー:鈴与(運送業)

ユニフォームサプライヤー:プーマ

 

 

【昨季の成績】

J2リーグ:優勝(勝点82:26勝4分8敗)

ルヴァン杯:2回戦敗退

天皇杯:3回戦敗退

 

【主な移籍情報】

入団

MF カピシャーバ←C大阪

MF 弓場将輝←大分

MF 中原輝←鳥栖(レンタル)

MF マテウス・ブエノ←グアラニ

FW アフメド・アフメドフ←S・ヴァルナ

 

退団

GK 権田修一→未定

MF 中村亮太郎→山形

MF 原輝綺→名古屋

MF 西澤健太→鳥栖

FW ルーカス・ブラガ→サントスFC(復帰)

 

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【予想システム】

→4-2-3-1

一部の試合では3バックを用いる事もあったが、やはり基本的には乾をトップ下に据えた4-2-3-1が今年も基本線。乾不在時は矢島にその役割を託すか4-4-2の2トップシステムにシフトする可能性が高そう。

 

GK★★☆☆☆

 

沖悠哉、梅田透吾、猪越優惟はいずれも高いポテンシャルを持っており、フロントとして彼らに懸けたいと考える気持ちはわかる。だが権田退団により、ここ3シーズン正GKとしてプレーした選手が1人もいない状態でJ1に挑むのは不安要素。沖に関しては元々第2GKに甘んじる実力ではなく鹿島で正GKを2シーズン務めた実績はあるとはいえ…。

 

DF★★☆☆☆

 

まずはレンタルの立場でJ2優勝に貢献した住吉ジェラニレーションと蓮川壮大の完全移籍への切り替えに成功。昨季は苦しんだが新たに羽田健人(←大分)も加えた。ただやっぱり、攻撃のクオリティがグンと上がるJ1での戦いを踏まえるとやや未知数な部分はあるか。

 

MF★★★★☆

 

C大阪からカピシャーバを獲得した動きは迅速だった。乾や矢島、新加入の小塚和季(←ソウルイーランド)といったチャンスメーカーに、カピシャーバと中原がWGとして絡む攻撃の形はなかなか楽しみ。ボランチでも宇野禅斗を完全移籍に切り替えつつ、注目株になりつつあった弓場と新外国人としてマテウス・ブエノを補強。この2人が早期にフィットしてくれば面白い。

 

FW★★★★☆

 

昨季は北川航也が大車輪の活躍を見せた中、新たに現役ブルガリア代表のアフメドフを補強。チャンスを作れるタレントは中盤に多くいる事を考えるとアフメドフの能力が発揮される機会は多く期待できそう。ドウグラス・タンキも控えている為、乾が欠場した際はこの3人を組み合わせた2トップもオプションとして考えられる。

 

総合★★★☆☆

 

攻撃陣の充実ぶりと守備陣の未知数感で少し印象に差はあるところかもしれません。攻撃に関しては、清水は乾依存問題を少し抱えているとはいっても、例えばサイドアタッカーを加えた事でシンプルなサイド攻撃の手立てもあるでしょうし、J1クラスのタレントを揃えていると言えるでしょう。乾をまたJ1で見れるのはファンとして素直に嬉しい部分だったりもしますし。

一方、GKを含めた守備陣に関してはやっぱり現時点では少し不安なところもある。ポテンシャルの高い選手は複数いるだけに、J1での戦いが刺激となって化ける伸び代はあると思いますが……そういう面も含めて、開幕からの5試合でチーム以上にJ1経験の少ない後方の選手がやれる手応えを掴めるかどうかは鍵となってくるだろうなと。

 

Part4(名古屋グランパス京都サンガFCガンバ大阪セレッソ大阪)につづく

 

 

ではでは(´∀`)