ACLが1位通過しか出来ないハードルって結構よな…
どーもこんばんは
さてさて、「独断と偏見による印象的なJリーグ大型補強シーズン15選」の流れで独断と偏見による今回はガンバ大阪過去の歴代大型補強トップ5です。
最近は割と減った印象ですが、特に西野朗監督の体制の頃は思い切った大型補強をバッとやる事もあったガンバ。
今回はその中でも印象に残った5シーズンをランキング形式でお届け致します。
①独断と偏見による印象的なJリーグ大型補強シーズン15選Part1
②独断と偏見によるガンバ大阪の大型補強シーズントップ5
③独断と偏見による印象的なJリーグ大型補強シーズン15選Part2
⑤独断と偏見による印象的なJリーグ大型補強シーズン15選Part3
↓
【ガンバ大阪、過去の大型補強トップ5】
第5位 2012年のガンバ大阪
監督:ジョゼ・カルロス・セホーン(新任)→松波正信(第4節〜)
前年度J1順位(2011年):3位
【2012年の成績】
J1:17位
ナビスコ杯:ベスト8
天皇杯:準優勝
ACL:グループステージ敗退
【主な補強選手】
GK 武田洋平←清水(レンタル)
DF 丹羽大輝←福岡(復帰)
DF エドゥワルド←タボン・ダ・セーダ(レンタル)
FW 佐藤晃大←徳島
10年に及ぶ西野体制が終焉。2010年と2011年は大型補強…という事も無かったので、ガンバファンは久々の大型補強と超久々の新監督登壇の新体制発表会を見る事となる。補強の目玉は何と言っても今野。当時の日本代表のレギュラーで国内組と言えたのは今野の他には遠藤保仁と前田遼一の3人のみだったので、そのうちの一人がガンバに来る事、そして3人中2人がガンバである事のインパクトは大きかったし、ガンバとしても今野へのオファーは過去2度断られた過去を持つだけに悲願と言えた。
今野の他にもJリーグでの実績が豊富なパウリーニョ、韓国代表として南アフリカW杯にも出場したイ・スンヨルを獲得。レンタルからの復帰ではあるが、倉田と丹羽は前年にJ1で存在感を見せただけに補強に近い意味合いを有していた。一方で山口智、橋本英郎といった西野ガンバを体現していた人物、或いは下平匠やイ・グノといった主力の流出が及ぼす影響も危惧される中でキャンプに突入する。
2012年の事は過去にも散々ブログで書いたので今回は割愛。新加入選手に焦点を絞ると、元々弱点とされていた守備の改善を期待された今野はチームの混乱もあって脆弱なままの守備に飲み込まれていく形になる。倉田は低迷するチームの中で8得点と気を吐き、丹羽もレギュラー獲得とは至らなかったが加地亮や中澤聡太の負傷離脱に安定したパフォーマンスを見せるなど復帰組の奮闘は目立ったが、イ・スンヨルは大外れな結果に終わり、パウリーニョは出た試合では悪くない働きを見せるも怪我が多過ぎた。一方、徳島からJ1初挑戦となった佐藤は11得点を叩き出し、低迷する中でも躍動を見せた。
緊急事態に陥ったガンバは夏場に再び大型補強を行い、後半戦だけであれば4位の勝点を積み上げたが……前半戦に失ったモノは大きく、J2降格という衝撃の結末を迎えている。
第4位 2008年のガンバ大阪
監督:西野朗(7年目)
前年度J1順位(2007年):3位
【2008年の成績】
J1:8位
ナビスコ杯:ベスト4
天皇杯:優勝
ACL:優勝
クラブW杯:3位
パンパシ杯:優勝
スルガ銀行CS:準優勝
【主な補強選手】
DF 水本裕貴←千葉
DF 福元洋平←大分(レンタル)
MF 佐々木勇人←山形
FW ルーカス←FC東京
FW 山﨑雅人←大分
ACL出場要件は満たしていなかったものの、2007年のACLで浦和が優勝を果たし、当時は前回大会王者は無条件で大会に出場(かつ決勝トーナメントから参加)できる権利が与えられていた事から繰り上げで出場を果たした。2006年に味わった消化不良感と、浦和がACLを制してクラブW杯でACミランと戦う軌跡を目の当たりにし、クラブとしてACL制覇を強く意識した補強を敢行した。
FC東京のエースだったルーカスの補強もインパクトがあったが、目玉は千葉から獲得した水本だった。日本代表常連であると同時に、7月に開催される北京五輪を目指すU-23日本代表の主将を務めていた水本には複数クラブとの争奪戦の末に3億円という移籍金で獲得。この推定3億円という金額は2017年のアデミウソンの完全移籍交渉まではガンバが一人の選手に費やした移籍金の最高額だった。しかし水本は開幕から低調なパフォーマンスに終始し、それまでJ1での実績がほぼゼロに近かった中澤聡太にポジションを奪われ、結局は北京五輪前に京都に移籍してしまった。ちなみに、京都には4億で売ったのでガンバは儲かってはいる。
水本が大外れに終わった一方、ルーカスはFWから2列目までこなす働きで大活躍を見せる。また、水本やルーカスほど目立ったトピックでは無かった佐々木と山﨑の補強も当たりだった。特に山﨑はリーグ戦での得点は少なかったがACLでMVP級の活躍を見せて「ACL男」という異名が付いた他、クラブW杯のマンチェスター・ユナイテッド戦や天皇杯準決勝の横浜FM戦など1得点以上の重みを持つゴールを多く決めた。2007年のガンバは完成度は高かった反面、交代選手も含めてほぼ固定メンバーで戦う限界もまたシーズンになったが、そういう意味でも山﨑と佐々木の獲得は相当大きかったと言える。
第3位 2002年のガンバ大阪
監督:西野朗(新任)
前年度J1順位(2001年):7位(1st5位/2nd11位)
【2002年の成績】
J1:3位(1st4位/2nd2位)
ナビスコ杯:ベスト4
天皇杯:4回戦敗退
【主な補強選手】
MF 安藤正裕←大宮
MF マルセリーニョ←サントス
MF 森岡茂←神戸
FW 大黒将志←札幌(復帰)
そこから長きに渡って続く事になる西野体制の1年目。日本代表に定着していた宮本恒靖や都築龍太を筆頭に、前年に加入した遠藤保仁や山口智、二川孝広や吉原宏太、新井場徹といった既存戦力などシドニー五輪世代の台頭が目立っていたガンバを更なるステージに引き上げる為の大型補強が行われた。アトランタ五輪日本代表で西野監督の指導を受けた森岡を復帰させると、前年まで大活躍したニーノ・ブーレやビタウを含めて外国人選手も総入れ替え。特にマルセリーニョはブラジルでは「FKの名手」としてスーパースターの扱いを受けていただけに期待も大きかった。
ブラジル3人衆はマルセリーニョはコンディションの波が激しかったが、後の二人は安定した活躍を披露。特にマグロンは22得点を挙げてチームの躍進を牽引し、ファビーニョは目立たないながらも遠藤保仁に「俺の中での最強助っ人外国人」と言わしめるほどの貢献を果たした。そんなブラジル人選手に、前述したようなシドニー五輪世代の選手が絡み合ったチームは両ステージで当時黄金期を迎えていた磐田と優勝争いを演じ、黄金期の第一章として相応しい一年を過ごしている。
第2位 2009年のガンバ大阪
監督:西野朗(8年目)
前年度J1順位(2008年):8位
【2009年の成績】
J1:3位
ナビスコ杯:ベスト8
天皇杯:優勝
ACL:ベスト16
ゼロックス杯:準優勝
【主な補強選手】
DF 高木和道←清水
FW 三木良太←愛媛(復帰)
FW レアンドロ←神戸
浦和が成し遂げられなかったACLの連覇、そしてリーグとACLの二冠を現実的な目標と位置付けて2年連続の大型補強を敢行。この年の補強で特筆すべきなのは、過去のガンバの大型補強は主力が退団したり…という要素もあったが、この年は主力が誰も退団しなかったにも関わらず大型補強を行った…というところが一つのポイント。チョ・ジェジンは2007年まで所属した清水では絶対的エースとして知られていたし、高木は現役日本代表CBだった。また、韓国代表クラスを2人獲得したのはこの年からアジア枠が設けられた影響が大きい。尚、菅沼駿哉と当時高校2年生だった宇佐美貴史がユースから昇格している。
山口智の相方を固めるべくCBに即戦力を獲得したが、昨年の水本と同じく高木は代表参加によりキャンプに合流出来ず開幕からベンチ生活が続く。開幕スタメンを射止めたパク・ドンヒョクもいまいち波に乗り切れないチーム状況の中でスタメン落ち。第8節FC東京戦からは中澤聡太がスタメンを取り返し、前年の水本に続いて中澤は「2年連続現役代表からスタメン奪い返した男」として注目される事となった。
チョ・ジェジンとレアンドロは前半戦は大活躍を見せたが前者は故障を機に徐々にサブに回り、後者は活躍し過ぎたが故にカタールに巨額の移籍金で引っこ抜かれる事に。パク・ドンヒョクも柏へと移籍する中、第28節までは僅か3試合の出場に留まっていた高木は前年の水本と異なり、第29節からは左SBとしてレギュラーを獲得。その後の天皇杯優勝などに大きく貢献している。リーグも前半戦は不振に陥ったが後半戦で巻き返して優勝争いに絡み、最後は3位でフィニッシュした。
余談だが、2000年代後半のガンバは毎年積極的な補強を行っていたが獲得する選手はCBとCFに集中しており、ルーキー以外で獲得したMFはジョーカーとしての役割を求めた佐々木勇人くらいだった。如何に当時の中盤が絶対的な存在だったかがよくわかる。
第1位 2006年のガンバ大阪
監督:西野朗(5年目)
前年度J1順位(2005年):優勝
【2006年の成績】
J1:3位
ナビスコ杯:ベスト8
天皇杯:準優勝
ACL:グループステージ敗退
ゼロックス杯:準優勝
A3杯:準優勝
【主な補強選手】
DF 手島和希←京都(レンタル)
MF 明神智和←柏
FW マグノ・アウベス←大分
FW 播戸竜二←神戸
FW 中山悟志←名古屋(復帰)
初めてACLに挑み、そして初めて前年度王者として戦う事になった2006年だが、そもそも補強が絶対的に必要な状況だったのは確かである。前年の得点王でありMVPのアラウージョとチームの顔の一人でもあった大黒将志が退団しただけでなく、吉原宏太と渡辺光輝に加え松波正信も引退するなど主力が5人、特にFWだけで4人もチームを去る事となった。
しかしその後の動きは迅速だった。大分の絶対的エースでもあったマグノ・アウベスを獲得すると、2004年には神戸で17得点を挙げた播戸が1999年以来となる復帰を果たし、日本代表経験もある手島もレンタルながら獲得。そしてかつて、フィリップ・トルシエ元日本代表監督に「完璧なチームとは、8人の明神と3人のクレイジーな選手で構成される」とまで言わせ、元々は柏時代に西野監督の愛弟子として知られた明神、更にはドイツW杯を控える日本代表の右サイドのレギュラーであり、当時のジーコ監督から絶大な信頼を寄せられていた加地まで獲得した。「前年までの攻撃力維持しつつ、守備を更に強化する」事に努めたこの補強により、2006年のチームは優勝した2005年よりも完成度の高いチームとして認識されている。
開幕前、当時の佐野泉社長が新加入選手を社長室に集めて「今季は強化費に、8億をかけた。君たちに、頑張ってもらわなければ困る」と発破をかけたのは有名なエピソード。特に加地、明神、播戸の3人は2008年のACLなど多くのタイトル獲得に貢献し、引退後もそれぞれの形でガンバとの関わりも深い。
次はサンガ編です。
新体制発表会金屏風だった時あったね。
ではでは(´∀`)