【前回までのあらすじ】
5月3日で60回記念の大阪ダービーやって?独断と偏見で過去の大阪ダービーのアチアチな試合ベスト10考えてみよーや!!
※筆者はガンバファンだぞという事を前提にお読み進めくださいませ。
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第5位 進むか止めるか、止めるか進むか
2017明治安田生命J1リーグ第7節
セレッソ大阪2-2ガンバ大阪
2017年4月16日14:01@ヤンマースタジアム長居
セレッソが2年J2で過ごした事で久々となったダービー。その熱量の高さは凄まじく、長居スタジアムには4万人を越す大観衆が詰めかけた。チーム状態としては開幕3戦未勝利の後で3連勝を飾り勢いに乗り始めたセレッソと、アデミウソンと今野泰幸を欠き、システム変更に試行錯誤はしながらも勝点は着実に積み上げているガンバ…といった構図で始まった。
試合は後半に入って一気に動く。57分、堂安律を投入したガンバは右サイドでのスローインから細かいパスワークで前進し、最後は抜け出した藤春が押し込んで先制展を奪う。しかしシンプルなサイド攻撃を強みとしたセレッソの強みをここから出され、71分に杉本のゴールで同点に追いつかれると、終了間際にはソウザのクロスをまたしても杉本に合わせられて逆転を許してしまう。ピンク色のボルテージが長居を最高潮に包んだ時、ガンバには敗色濃厚の現実が突きつけられていた。それでもアディショナルタイム、CKから発生した大混戦を巡る争いは最後にガンバに微笑み、体制を崩しながら倉田がギリギリで放ったシュートにGKキム・ジンヒョンは一歩も動けず。ガンバは最後の最後で意地を誇示してみせた。
第4位 黄金の脚
2014 Jリーグディビジョン1第7節
セレッソ大阪2-2ガンバ大阪
2014年4月12日14:03@ヤンマースタジアム長居
C大阪得点者:ディエゴ・フォルラン(21分,62分)
ガンバにとっては初めて、明確にセレッソの背中を順位ではなくクラブとして追う立場で挑んだダービーだった。突如途切れた黄金時代。J1復帰という至上命題こそ1年で達成して帰ってきたJでは宇佐美貴史の怪我こそあったが深刻な得点不足に苦しみ、かつての姿はそこにはなかった。対するセレッソといえば前年は最終盤まで優勝を争い、当時大ブレイク中の柿谷曜一朗を筆頭に山口蛍、杉本健勇、扇原貴宏、南野拓実といったユース選手が台頭。いわゆる「セレ女」ブームの時代でバブル状態だったところにフォルランが加わり、間違いなく2014年開幕時の熱視線を一身に受けたチームだった。
そんな構図を物語るかのように21分にフォルランの技ありゴールで先制する。しかしガンバは遠藤保仁を本来のボランチに戻すと、前半終了間際に阿部がミドルを仕留めて試合に振り出しに戻し、後半にはまたしても阿部が巧みな前身から余りにも美しい軌道のロングシュートを沈めて逆転に成功。しかしセレッソも62分にフォルランがFKを直接決めて試合を2-2に戻した。終盤はまさしく一進一退の攻防が続く。アディショナルタイムには二川孝弘が決定的なシュートを放ったが、負傷でもないのに途中出場という異例の起用となったGK武田博行に阻まれてゴールには至らず。激闘はドローに終わった。
尚、この試合は42723人の観衆を集めたが、これは大阪ダービーの入場記録としては歴代最多であり、セレッソの入場記録としても歴代2番目の数字となっている。
第3位 聖地開眼
2017明治安田生命J1リーグ第19節
ガンバ大阪3-1セレッソ大阪
2017年7月29日19:03@市立吹田サッカースタジアム
G大阪得点者:ファン・ウィジョ(65分)、三浦弦太(77分)、アデミウソン(86分)
記念すべきパナスタでの初大阪ダービー。シチュエーションとしてはまさしく最高だった。2017年の優勝争いは最終的には川崎と鹿島のマッチレースとなるもののこの段階ではまだ大混戦状態でこの時の首位はセレッソ。6位のガンバも5月には一度首位に立っており、勝点的にも勝てば十分に上位に食い込める一戦だった。チケットは鬼の速さで即完売。新スタ元年の2016年はセレッソがJ2だったので、文字通りこの日を待っていたかのようなボルテージで7月29日を迎えた。
前半は一進一退の攻防を繰り広げながら0-0。だが後半、試合は一気に動く。キム・ジンヒョンのゴールキックに山村和也が競ると、杉本健勇が藤春廣輝を振り切って後半開始早々にセレッソが先制点を獲得。しかしガンバも、その藤春のクロスにこの日がデビュー戦となったファン・ウィジョのゴールで同点に追い付いた。ガンバの勢いは更に加速する。77分には井手口陽介のCKを三浦弦太が頭で合わせて逆転すると、終了間際にはアデミウソンが独走カウンターから、てんやわんやの末に最終的には自分で決め切って3-1。……これに関しては1発目で決めてやとは思ったけどそれはご愛嬌。ともかく、最高の雰囲気の中でガンバが大きな勝利を掴んだ。尚、これは大阪ダービーで負傷と温存以外の理由で初めて遠藤保仁が出場しなかったダービーとなっている。
ただ、この最高の勝利以降……ガンバが史上稀に見る大スランプに投入する事を、次のホームでのリーグ戦勝利が9ヶ月後になる事をこの時のガンバファンは知る由も無かった……。
第2位 パナスタの中心で倉田を叫ぶ
2019明治安田生命J1リーグ第12節
ガンバ大阪1-0セレッソ大阪
2019年5月18日19:03@パナソニックスタジアム吹田
この時、ガンバはある意味で最下位で迎えた前年の大阪ダービーの時よりも深い閉塞感の中にいた。第5節神戸戦をショッキングな内容で落としてからは内容も結果も伴わず、第11節では10試合で1勝と1得点しか挙げていなかった鳥栖に1-3で完敗。ダービーに臨む上での不安は凄まじく鬱屈とした空気に包まれ、この年のスローガン「GAMBAISM」が皮肉にさえ聞こえ始めた。
しかしここで宮本恒靖監督は予想外の采配を見せる。鳥栖戦からはスタメンを5人変更。これ自体は極端に珍しい事ではないかもしれないが、出場停止の鳥栖戦を欠場した三浦弦太が復帰した以外は決して出場機会に恵まれているとは言えなかった若手…矢島慎也、福田湧矢、髙江麗央、そしてこれがJ1デビュー戦となった髙尾瑠を抜擢し、システムも3バックに変更する。スタメンを見た時に驚きの声を出したファンは多かった事だろう。試合は一進一退の攻防が続く中、55分に倉田秋が右脚を振り抜いたゴールがそのまま決勝点に。この試合の結果と内容と選手起用は、この後の宮本ガンバの在り方に対して大きな転換点となる90分となった。
倉田がゴールを決めた瞬間は、現段階では間違いなく「パナスタが最も燃えた瞬間」であり、ガンバの関係者はこの試合を「理想的な雰囲気」と語っていた。間違いなく一試合以上の重みを持つダービーだったし、あの日スタジアムに居られた事を感謝すらしている。DAZNで実況を務めた下田恒幸氏の「倉田の右足だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」という叫びは今尚語り継がれるフレーズとなった。
第1位 情念
2018明治安田生命J1リーグ第9節
ガンバ大阪1-0セレッソ大阪
2018年4月21日19:03@パナソニックスタジアム吹田
G大阪得点者:ファン・ウィジョ(41分)
この時のガンバの状態は最悪であった。セレッソが前年にカップ戦2冠を達成した勢いのまま好調を保ったのに対し、ガンバは2017年から続く未勝利記録こそ第7節の磐田戦で脱したが、勢いを繋げたい第8節には昇格組の長崎相手に0-3惨敗。大阪ダービーを最下位で迎えるという史上初の窮地で迎えてしまった。そしてこの試合が不思議な雰囲気を漂わせていたのはガンバの監督がセレッソの黄金期を築いたレヴィー・クルピだったという因縁に他ならない。そんな一戦は大阪ダービー史に残る壮絶な死闘となる。
事件が起こったのは11分、半分崩壊していた守備を孤軍奮闘で支え続けていたGK東口順昭がロングボールを処理する際に三浦弦太と激突。ロシアW杯を目前にして負傷交代を余儀無くされる。しかし後に右頬骨と右眼窩底と診断される重傷を負いながらプレーが止まらなかった中で柿谷曜一朗のシュートを止めた気迫に影響されたかのように、ここからのガンバはスポ根ばりの気迫をここから見せた。41分にファン・ウィジョが自ら獲得したPKを決めると、東口の代わりにゴールマウスを守った林瑞輝がセレッソ攻撃陣を前に大奮闘。中心に体を張って守り続けてセレッソの猛攻に耐え切って大きな勝点3を手にした。
個人的に精神論は余り好きではない、普段ならこのフレーズも余り使いたくない。だが、ガンバにとっては良い試合や充実した内容ではなかった中で、この試合に関しては間違いなく「気持ちで勝った」としか言えない90分だったと思う。そういう意味ではこの試合が死闘のインパクトとしては最も強く残っているかもしれない。
さぁ、勝て!!!!!!!!!
現地行くで
ではでは(´∀`)