なにもサンガちゃんにそんなのぶつけなくても
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第17節、アルビレックス新潟vs京都サンガFCの一戦です!
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危機的状況…現状のサンガを表す言葉はそれしかありません。5月全敗という悪い流れは6月に入っても止まらないどころか、前節広島戦ではコンセプトが似ているがゆえにそのクオリティの差をまざまざと見せつけられ、気がつけば順位は最下位横浜FCと1点しか変わらない14位。連敗を止めて流れを変えたかった天皇杯ではJ3富山にPK戦で敗れるという屈辱で殴られ…危機。まさに危機。どうしたらいいんだ。
どうしたらいいんだと言えば、結局問題は勝利でしか解決しません。成長しないと勝点は取れないが、成長の跡が勝点にはならない。監督は成長という言葉を繰り返し、別に私自身はそれを否定しようとは思いません。ただそれならば、それならばその言葉に説得力を持たせる為に勝たなければならない。相手は新潟です。言うまでもなく、サンガは2021年は新潟を蹴散らして今のステージに駒を進めた。前半戦はこれが最後。言葉に意味を持たせる為には勝点だけが求められています。
両チームスタメンです。
サンガは前節広島戦からスタメンを4人変更。GK若原智哉と佐藤響が第14節札幌戦以来となるスタメン復帰を果たし、最近は左SBの起用が多かった麻田将吾も今日は本来のCBとしてスタート。3トップは広島戦からは豊川を残して入れ替えた形になりましたが、直近の試合となる天皇杯富山戦の3トップをそのまま採用した形になりました。
新潟は前節湘南戦からはスタメンを2人入れ替えてきました。CBに入ったトーマス・デンは第11節横浜FC戦以来となるスタメン復帰を果たしており、途中出場が続いていたダニーロ・ゴメスは第8節福岡戦以来に先発しています。ラストゲームとなる伊藤涼太郎はもちろん先発出場です。
本日の会場は新潟県新潟市、デンカビッグスワンスタジアムです。
新潟にとっては6月唯一のホームゲームとなるこの試合。来場者には先着25000名にベースボールデザインのオリジナルユニフォームが来場者プレゼントとして配布される他、今日はアクティビティ企画としてスタジアム周辺の水廻りでパドルボート、アクアチューブ、Eボート、カヌーやらが体験出来るとの事。一日遊べそうなアトラクションが色々ありますね。
今日は今季の新潟、そしてJリーグ全体に於けるブレイクスター的な立ち位置に上り詰めた伊藤涼太郎がシントトロイデンVVへの移籍が決まった事で今日はラストゲーム。アルビレックスの歴史の中でも歴史的な意味合いを持つゲームとなります。ちなみに、ビッグスワンのこけら落とし(2001年)の対戦相手は実はサンガでした。サンガは色々、アルビの歴史的な場面に立ち会う事に…。
戦前の予想通り、基本的にはボールを保持しながら前進を試みる新潟に対して、それをハイプレスで詰めながら早く攻め込むサンガ…という形で試合は進んでいました。ただサンガも、今日はとにかく徹底的にハイプレスをするとか、徹底してハイラインをキープしようとするよりは、新潟のスタイルも踏まえてなのかある程度待つところは待つ事で新潟からスペースを奪いつつ、自分達がカウンターを仕掛ける際の余白を作ろうとしていました。
カウンターのスタート位置はいつもよりやや低かったものの、サンガは今日は新潟に対して上手くフラストレーションを与えることが出来ており、それによって新潟も少しずつ焦れ始めたというか、ポジショニングや全体の統率が乱れるような場面が少しずつ出てくる事に。そういうところを狙いながら前を向いてボールを運ぶ平戸太貴の横を上手く豊川雄太と木下康介が抜けながらプレーする事でいくつかチャンスを作れるようになっていきました。
そんな中でサンガは28分にCKを獲得すると、右から平戸が入れたボールに井上がフリック。そのボールが相手DFに当たったところを豊川が押し込んでサンガ先制!豊川はこれで2試合連続ゴール。
直後には新潟がダニーロ・ゴメスの右サイド突破から決定機を迎えるもここをどうにか凌ぎ切ると、その後もシュートチャンスまで漕ぎ着ける場面はサンガの方が多く、前半アディショナルタイムには平戸のミドルシュートがクロスバーに直撃。追加点はならずとも、サンガは良いリズムで前半を終えます。
後半、新潟は谷口海斗と秋山裕紀を下げて鈴木孝司と島田穣を投入。対するサンガは木下を下げてイヨハ理ヘンリーを投入し、後半からシステムを3バックにシフトします。
後半立ち上がりは新潟が猛攻を仕掛けてきました。46分には伊藤のパスに抜け出した田上大地のボレーがクロスバーにヒット(オフサイド判定にはなったけど)。54分には小見洋太のカットインからのシュートをGK若原がビッグセーブ。58分には伊藤のクロスに抜け出した新井直人の折り返しが新潟の決定機を呼びますが、ここは新潟がシュートを打ち切る前に白井康介がカバーに入ってどうにか阻止します。
サンガは山﨑、豊川がそれぞれ負傷交代となった事でパトリック、山田楓喜を投入。しかし後半のサンガはほぼサンドバッグ状態となり、ポゼッションやカウンター以前にボールを持つことさえもできないまま重心を下げられ続けていきました。
やや失点も時間の問題のように映り始めていた72分、伊藤のパスを受けたゴメスが一気に左サイドに出ていってクロスを入れるとボールは飛び出した若原の手を掠めてファーサイドへ。そこに走り込んだ新井が頭で合わせて1-1。サンガはどうにか耐えてきたリードが遂に破られてしまう形に。
失点直後、サンガは福岡と平戸を下げて一美和成と金子大毅を投入。その直後でした。一美が左サイドの深いところでプレスをかけてボールを奪うと、フォローに入ったパトリックが中に切り込んでからフルパワーショット!これがGK小島亨介の手を弾き飛ばしてサンガ勝ち越し!!
更に更にその直後、今度はまたしても左からエリア内に侵入した一美が倒されてPKを得ると、富山戦では最後のキッカーになってしまったパトリックがまたも仕留めて一気に3-1!!
伊藤のラストゲームをどうにか飾りたい新潟も最後まで攻撃姿勢を貫きましたが、2点リードの精神的余裕かサンガも1-0でリードしていた時よりも遥かに落ち着いた対応を展開。そして試合終了!サンガの連敗は6で止まりました!!!!
天皇杯の富山戦は山﨑がチームとして普段とは違うアプローチで取り組んでいた…というようなコメントを発していたので、これがサンガとして多少スタンスを変えたのか、それとも単に新潟対策・新潟に合わせたやり方というニュアンスの方が近いのかはわかりませんが、今日のサンガは徹底的なハイプレスという訳ではなく、強めにプレッシャをかけるのは前線の選手のみで、後ろの方の選手はそこまで出過ぎない…みたいなスタンスを取っていました。新潟は恐らくサンガが出てきたところを剥がせると思ってそういう心構えをしていたんだと思いますが、そこで思ったよりサンガが出てこなかった事は彼らにとっても計算外だと思います。サンガの攻撃もいつもよりロングカウンター気味になっていましたが、山﨑が中に留まりつつ、豊川と木下がシャドー的に動きながら平戸からのパスを誘発しようとしていたところで、その部分は平戸のスペシャルであったり、富山戦で上手くいかなかったけどトライした事は形にはなっていたのではないでしょうか。
ただ、後半の入りは新潟が最前線を谷口から鈴木に代えた事に加えてサンガがいつもより早く3バックにした事が重なってしまい、ただただ重心を下げて新潟にサンドバッグ的に殴られ続ける結果になってしまった。ぶっちゃけ後半の展開は同点弾が72分だった事はむしろ粘ったという印象の方が強くて、後半の失点はずっと時間の問題ではありました。ただ、後半はそもそもずっと新潟にボールを持たれていたのでどうしようもなかっただけであって、今日はサンガがボールを持った時は前に押し出していく推進力は常に持てていた。結果的にそれが2点目のようにプレスで相手を詰ませるだけの機能性は担保できていたところに繋がっていたと思いますし、後半立ち上がりの展開は要反省とは言えども、合理性はいつもより整理しながら戦えていたのではないでしょうか。後半の戦いには課題が残るとは言え、追いつかれてからすぐにリカバーした辺りは前節の反省を逆にぶつけたような感覚があって素晴らしかったです。曺監督は「選手に救われた」と表現していましたが、あの2点目は本当に意地を見せてくれたように感じましたね。
とにかく勝った!!良かった!!!!
伊藤涼太郎がんばってね
ではでは(´∀`)