海外ド音痴、ロシアに翔ぶ。〜英語もまともに話せない私のロシアW杯観戦記〜第15話 2018.6.19

 

   

Выходила на берег Катюша,

(若いカチューシャは歩み行く)

На высокий берег, на крутой.

(霧のかかる険しく高い河岸に)

 

ガールズ&パンツァーはアニメのタイトルしか知らないが、何故かこの曲は昔から知っていた。

なんとなくロシアンテイストのこういう感じのメロディーラインが好きなのかもしれない。

 

   

さて、ホテルのテレビで日本vsコロンビアを観戦した我々は一息だけついてからサンクトペテルブルクスタジアムへと向かい始めた。

 

本日、いや、この旅のメインイベントに向かう為である。

 

 

日本vsコロンビアのくだりについては第14話を見てほしいのだが、最初はなんで日本戦この日なんだよ…とも思っていたが今思えばこれもなかなかに奇跡的なタイミングだった。

 

ロシアに着いてからの我々は移動やら観光にうつつを抜かしたりやらで、ほとんどテレビでゆっくりとW杯を見る事は出来ていなかった。我々はロシアのSIMカードではなく日本のWi-Fiで旅をしていたため貧弱な電波では移動中にNHKのアプリなどでライブ中継を見る事などほぼほぼ不可能と言えたのだ。

そんな中、この日本vsコロンビア戦はこの旅の期間中で唯一、日中に暇してる時間帯だった。もし日本戦が1日でもズレていたら諦めざるを得なかった事を考えると、自分は意外と何かの運を持っているのかもしれない。

 

   

話を戻そう。

日本の試合が終わったのが現地時間の17:00頃。キックオフは21:00なので時間的にはまだまだ余裕があったのだが、前回のフランスvsオーストラリア戦の時が選手入場ギリギリで着いてしまって、試合前の雰囲気というものはあまり味わえないまま試合が始まってしまった。

そのためこの日は少し早すぎるくらいが丁度良いという事で17:30くらいにはホテルを出た。

 

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ここまでにも散々語っているが、ロシアの街並みというは本当に美しく、ただ歩いているだけで飽きない風情がある。

赤の広場クレムリンなど、特定の著名な建物を見ての興奮はモスクワの方が大きかった。だが街を歩いていて心地が良かったのはサンクトペテルブルクの方かもしれない。

帰国してからBSの番組のサンクトペテルブルク特集を見たが、改めてあの場所をずっと歩いていた事が夢の中だったかのような錯覚を覚えるのだ。

 

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この日のサンクトペテルブルクは雨。サンクトペテルブルクは「ロシアのロンドン」と言われるほどに雨が多く、友人も「晴れる方がレア」とすら言っていた。滞在した2日のうち、1日快晴だっただけでも幸運だったらしい。

快晴ではなくいつものサンクトペテルブルクの姿でロシア代表がW杯を戦うというのも、趣と言うべきか、いやそこは晴れろよと言うべきなのか。

 

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地下鉄は既に狂乱状態となっていた。

ロシア代表のチャントを始め、ロシア国家やカチューシャなどのロシア民謡が駅構内や車内でずっと歌われ続けている。

満員の地下鉄に揺られ、最寄駅まで辿り着くと多くの人間のボルテージが1段階上がった気がした。

 

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W杯に限った話ではなく、日本でも初めて行くスタジアムで特に感じるのだが、スタジアムが姿を現した瞬間がとても好きだ。それに並ぶ感情はスタジアムに入ったその瞬間しか知らない。それがW杯になれば尚更で、カザンの時は本当に鳥肌が立った。そして周りにはロシアのユニフォームやタオルを身に纏う人々。帰国した今でもこの瞬間を思い出す。

 

www.rrr3k.com

 

スタジアムも壮大なスタジアムだった。

それについては此方を見てほしい。

 

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雲が晴れ始めた頃、持ち物検査に引っかかりまくっていた友人を待ってからスタジアム入り。友人はやたらこの旅で持ち物検査に引っかかりまくっていて、頻繁にありとあらゆるチェックを受けさせられていた。一体何がそんなに引っかかったのだろうか…。

 

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第3~4話や日本戦に行けなかった理由として既に何度か述べたが、フランスvsオーストラリアのチケットは最終販売で購入したのに対してロシアvsエジプトは「せっかくだから開催国の試合観たい」という友人が抽選会の前に購入していた。

その影響もあるのか、びっくりするくらいにちょうどゴール正面で、しかも前の方という恐ろしいほどの席運を当ててしまっていた。少なくとも今夏の運は大体こことカザンの日本代表遭遇(第11話参照)の辺りで使い果たした気がする。

 

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一つ驚きだったのがエジプトのサポーターが想像以上に多かった事。

この日はロシア戦だったから結果的に大アウェーの構図となったが、それ以外の試合なら相当な威力となっていたであろう人数が来ていた。

この日は初戦を欠場したエジプトの大エース、モハメド・サラーがW杯デビューを果たした日。我々もこの試合に行く事が決まって、チャンピオンズリーグ決勝で負傷した際は「セルヒオ・ラモスお前マジでふざけんなよ」と思ったものだ。間に合って本当に良かった。

 

   

両チームのスタメン発表映像。フランスvsオーストラリアの時はこの映像には間に合わなかったので観れて良かった。布袋寅泰ファンの私にとって、ロシアの選手紹介の時のBGMが「Battle without honor or humanity(キル・ビルのテーマ)」だった時は鳥肌が立った。

やはりサラーの時にはロシアサポーター側からも歓声が起こる。

そしていよいよ選手入場だ。

 

 

 

やはり開催国の試合となると、入場時のSeven nation armyの合唱も歓声も迫力満点だ。

そして一番開催国感を感じるのはなんと言っても国歌斉唱。ロシア国歌は知らないのだが、それでもアドレナリンは出っ放しだった。

ちなみに友人はロシア国歌を普通に一緒に歌っていた。お前国歌まで覚えてたのかよ…。

 

   

カウントダウンを終えると、遂にキックオフである。地鳴りのような歓声と共に、今大会大躍進を見せる事になるロシア代表の面々が開幕戦の勢いそのままに躍動した。

 

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前半を0-0で終えた試合は、後半に一気に動く。

後半開始早々のオウンゴール(友人はこの時トイレ中)を皮切りにチェリシェフ、ジュパがゴールを決めて3-0。

 

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白夜のサンクトペテルブルクの空が幻想的な色に染まり始める頃、エジプトはサラーがPKを決めて1点を返す。しかし反撃もここまででロシアが3-1で勝ち切り、この時点ではウルグアイvsサウジアラビアが未消化だったため確定ではなかったものの、決勝トーナメント進出をほぼほぼ手中に収めた。

 

 

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試合後はもうすっかりお祭り状態である。

歓声と歌声は途切れる事を知らず、スタジアムの外周や地下鉄の中でも声は響き渡り続けていた。

開催国という点を除いても、決勝トーナメント進出は1986年のメキシコ大会以来32年ぶり。しかもその時はソ連だった為、ロシア代表として決勝トーナメントに進出するのは始めてだ。

 

 

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ライトアップの光の色が変わり続ける美しいスタジアムを後にし、泊まっているホテルのあるサンクトペテルブルクの中心街へと戻る。

しかしここでは更なるお祭り騒ぎか待っていた。

 

   

車の車窓から身を乗り出してロシア国歌を振り回し、歓声や歌声とともにパトカーのサイレンは鳴り響き、交差点ではみんなが猛ダッシュ

ヤバい光景と言えば確かにヤバい光景だった事は間違いないが、それがFIFAワールドカップという世界最大のスポーツイベントが持つ魔力なのだろう。

サンクトペテルブルクの美しすぎる街の中で騒ぎまくるロシア人の姿は、もうまるで映画のワンシーンを見ているような気分だった。

 

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「4年に一度じゃない、一生に一度だ。」

 

来年に日本で開催されるラグビーのW杯のキャッチコピーである。

W杯に行く事が決まる前から好きなキャッチコピーだったが、開幕戦終わりのモスクワの赤の広場しかり、この日のサンクトペテルブルクでの光景を生で見ると、この言葉の持つ意味と重さが身をもって感じられた。

騒ぐ人も歌う人も、騒いで歌ってこそせずとも喜びを噛み締めている人も、誰もがこの「一生に一度しかない瞬間」を噛み締めていた。

今改めて、2002年の日本はどんな感じだったんだろうと思う。

 

   

きっとこれからもこの一生に一度の瞬間は自分に残り続ける。

この一生に一度の瞬間は、多分自分の中で一生昨日の事のような、遠い昔の想い出か、時間感覚をボヤけさせるほどの強烈な想い出として残り続けていくのだろう。

日本に帰国して1ヶ月ほど経った今でも、既にどこかノスタルジーに襲われている。

 

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つづく。