アジア各国のリーグをざっくり紹介してみる〜第3回 カタールスターズリーグ〜

カタールUAEは少し一回行ってみたい気持ちある。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、2021年も始まりましたが、Jリーグ移籍市場にいきなりの大きいニュースが。2020年にMVPと得点王のW受賞を果たし、Jリーグチームが震え上がる存在だったオルンガ(柏レイソル)のカタール移籍が発表されました。発表前に試合に出てました!

 

という訳で、今回は昨季のACL期間中に中国編韓国編を更新したアジア各国のサッカーリーグを紹介してみよう企画第3弾、カタールスターズリーグ編です。

 

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今回も前回前々回同様、リーグの成り立ちやシステム、そして数チームピックアップして紹介していきたいと思います。

 

 

 

カタールスターズリーグが発足したのは1963年。初年度から3シーズンはアル・マアーリフが3連覇、そこからアル・オルーバが5連覇という絵に描いたような一強的な幕開けでした。ただし、1963年の発足以降はプロクラブと非プロクラブが混同していて完全にプロ化されていた訳ではなく、完全にプロリーグに移行したのは発足から45年後の2008年まで待つ事になります。

カタールサッカーを語る上で欠かせないのがやっぱり「オイルマネー」です。石油です。油です。

 

 

先日更新した此方のブログはJリーグチームが過去に受け取った移籍金のランキングなんですけど、このランキングTOP10のうち、ブログ更新時には発表されていなかったオルンガを加えると4つがカタールへの移籍です。基本的に、上位クラブなど資金的にある程度安定しているクラブは欧州移籍を除いては選手の慰留を最優先に考えるので、結構な金額の違約金を設定し、高い金額の移籍金を提示して流出を回避しようとします。ですが中東クラブのおそろしいところは「ほいっ」くらいの勢いでその金を払ってしまうところ。オルンガの件もまさしくそうで、Jリーグチームの視点でいえば…優秀な外国人を攫う悪魔的な存在であると同時に、ポンっと大金を落としてくれるありがたい存在であるとも言えます。ちなみに、カタールスターズリーグJリーグはパートナーシップ契約を結んでおり、この為、2018年に神戸でプレーしたアフマド・ヤセルは外国人枠にカウントされない起用が可能になっていました。

また、言うまでもないですがヨーロッパで活躍した選手も多く獲得しています。開幕当初のJリーグバブルが崩壊して中国スーパーリーグが台頭するまでの間は、一時代を築いた選手のピーク後の移籍先といえば殆どカタールUAE、たまにアメリカという時期が非常に長く続いていました。中国の台頭後は中国と少し分け合う形にもなりましたが、今でも欧州の舞台で名を馳せた選手が多く所属しています。

オイルマネーを豊富に有する国といえば中東にはゴロゴロ存在しています。ですが、その中でもカタール(とUAE)にスーパースターが集まりやすい理由としては、元々この2国…特にドーハやアブダビといった都市は世界都市として知られており、ビジネス的な側面からも外国人が多く住む事を前提にされているような都市です。街として発展していたり、各国料理店が充実していたり、少なくとも英語はかなりの確率で通じるだとか……。例えば同じく潤沢な資金のあるサウジアラビア等と比べて移籍先としてカタールの人気が高いのはそういう環境的な理由も大きいです。

 

ただ、2022年のワールドカップに関して一つ不安要素とされていたのがカタール国民のサッカーに対する関心です。

カタールが国としてスポーツに相当力を入れているように、カタール国民のサッカーやスポーツに対する関心そのものに関しては高いのですが、夏は狂った暑さになる環境も影響してか、カタールの人々にとって「スポーツとは家でテレビで見るもの」という文化が馴染んでしまっているらしく、観客の少なさは度々議題に上がっています。

 

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カタールは中東諸国の中でも相当スポーツに力を入れている事で知られています。それは民間や文化というよりも国として。ワールドカップしかり、アジアカップ世界陸上のように国際大会の招致にも積極的。象徴的な存在が「アスパイア・アカデミー」と称される大規模育成組織です。

今の中国のように、かつてのカタールはリーグに外国人のスター選手はいるけど…という状況にありました。加えて、ユースチームなどの育成組織はほぼ無く、部活的な学生スポーツが盛んな訳ではない。そこで2004年に、言ってしまえば「カタール代表ユース」みたいな育成組織を設立した事は後のカタールリーグの発展にも貢献しています。カタール代表にしても、一時はセバスチャンなどの帰化選手に頼っていたのが、AFCアジアカップ2019ではアスパイア・アカデミー出身選手を中心としたチームで見事優勝。カタールの潤沢な資金あってこその話とはいえ、育成に於いてモデルケースとして十分成立するだけの成果を挙げていますね。

 

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若干話がカタールリーグというよりもカタール代表の話に逸れましたが、ここからはカタールスターズリーグのシステムの話を。

カタール……というより、UAEサウジアラビアも含めて中東の多くのリーグではヨーロッパと同じ秋春制のシーズンが採用されています。ですのでこのブログを更新している現在は20-21シーズンの真っ只中です。現在1部リーグは12チームで更新されており、ホーム&アウェーの22試合で1シーズンが構成されています。なので試合数は少なめな印象ですが、その分カップ戦なんかが少し多かったり。最下位のチームは自動的に2部に降格となり、11位のチームは入れ替え戦が行われるレギュレーションです。

では、20-21はシーズン中なので昨季の19-20シーズンの順位表を見ていきましょう。

 

1位 アル・ドゥハイル

2位 アル・ラーヤン

3位 アル・サッド

4位 アル・ガラファ

5位 アル・スィーリーヤ

6位 アル・ワクラ

7位 アル・アラビ

8位 カタールSC

9位 アル・アハリ

10位 ウム・サラル

11位 アル・ホール

12位 アル・シャハニア

 

最多優勝チームはアル・サッド。また、10-11シーズン以降はアル・ラーヤンが優勝した15-16シーズンを除いてアル・サッド、もしくはアル・ドゥハイル(旧レフウィヤSC)のどちらかが優勝しているという2強時代になっています。

 

ではここからは何チームか紹介していきます。

 

 

 

アル・ドゥハイルSC

 

創設年:1938年

19-20順位:優勝

ACL最高成績:ベスト8(2013、2015、2018)

監督:サブリ・ラムシ(1年目)

本拠地:ドーハ

ホームスタジアム:アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアム(12000人)

☆ACL2021出場決定!

 

今話題のオルンガの移籍先クラブであり、カタールでは長らくアル・サッドと2トップ的な存在であるクラブ。警察のサッカーチームを前身としており、カタールスターズリーグ参入後はレフウィヤSCと改名。その後、16-17シーズン終了後にアル・ジャイシュSCと合併したのを機にアル・ドゥハイルSCという名前になった。2021年2月にカタールで開催予定のFIFAクラブワールドカップでは、19-20シーズンの開催国王者として出場が決まっている。

現在はオルンガの他に、バイエルン・ミュンヘンユベントスでも活躍したモロッコ代表DFメディ・ベナティアを始め、2018年にカタール人として初のJリーガーとなったDFアハメドヤセルアジアカップ2019で得点王になり、決勝の日本戦でも2ゴールを挙げたFWアルモエズ・アリが所属。基本的にカタール代表の多くはアル・ドゥハイルとアル・サッドに所属する選手で占められている。また、2019年には日本人選手として歴代最高額となる移籍金43億円で中島翔哉を獲得した事でも知られている。

 

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アル・サッドSC

 

創設年:1969年

19-20順位:3位

ACL最高成績:優勝(2011)

監督:シャビ・エルナンデス(2年目)

本拠地:ドーハ

ホームスタジアム:ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム(12946人)

☆ACL2021出場決定!

 

間違いなくカタールで最も有名なチームであり、実際に優勝回数も歴代最多。2015年夏にはFCバルセロナを退団したMFシャビ・エルナンデスを獲得したが、近年のカタールサッカーのスペイン路線に於いても重要な存在であり、重要な取引だった。カタールのクラブでACLを制した経験があるのは前身のアジアクラブ選手権を含めてもアル・サッドだけである。18-19シーズンをもって引退したシャビは翌シーズンから監督に就任。元スペイン代表のサンティ・カソルラや、京都、磐田、神戸でプレーした韓国代表MFチョン・ウヨンが所属する。

過去にはFWアリ・ダエイ(元イラン代表)、FWロマーリオ(元ブラジル代表)、DFフランク・ルブーフ(元フランス代表)、そしてFWラウール・ゴンザレス(元スペイン代表)といった選手がプレーした。また、Jリーグに所属する外国人選手の引き抜きにも積極的で、2018年に前述のチョン・ウヨンを神戸から獲得する以前にも2005年に浦和からFWエメルソン、2009年にはG大阪からFWレアンドロ、2011年には鹿島からDFイ・ジョンスを引き抜いている。

 

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カタールSC

 

創設年:1959年

19-20順位:8位

ACL最高成績:グループステージ敗退(2004)

監督:ユネス・アリ(2年目)

本拠地:ドーハ

ホームスタジアム:カタールSCスタジアム(15000人)

 

元々はアル・ナスルというチーム名だったが、1972年にアル・イスティクラール、そして初期のカタールスターズリーグの強豪だったアル・オルーバの3クラブで合体してカタールSCという名前になった。潔い名前!ホームスタジであるカタールSCスタジアムはアジアカップ2011の際、日本代表が所属するグループBのメイン会場にもなっている。

かつてはFWクラウディオ・カニーヒア(元アルゼンチン代表)、FWクリストフ・デュガリー、DFマルセル・デサイー(共に元フランス代表)、FWサミュエル・エトー(元カメルーン代表)といったスーパースターがキャリアの最後をここで飾った。また、カタール代表の帰化選手の中でも代表的な存在で、日本戦でも脅威となったFWセバスティアン・キンタナもここで長くプレーしていた。

 

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アル・ラーヤンSC

 

創設年:1967年

19-20順位:準優勝

ACL最高成績:グループステージ敗退

監督:ローラン・ブラン(1年目)

本拠地:ラーヤン

ホームスタジアム:アフメド・ビン=アリー・スタジアム(21282人)

☆ACL2021出場決定!

 

2010年代のカタールスターズリーグはアル・ドゥハイルとアル・サッドがリーグタイトルを独占する時代だったが、唯一この2チーム以外で2010年代にリーグを制したのが15-16シーズンのこのチーム。19-20シーズンもアル・サッドを上回る2位でフィニッシュするなど、2強に最も肉薄している存在と言える。ただ、ACLに関してはコンスタントに出場しながらも結果が出ていない。また、カタールではチームはアル・サッド等もそうだが、サッカーのみならず様々なスポーツチームを所有しており、ここのバレーボールチームは2014年に世界選手権で準優勝を収めた。

現在監督を務めるローラン・ブランは1998年フランスW杯優勝時のフランス代表キャプテン。監督としてもジロンダン・ボルドーパリ・サンジェルマンでトロフィーを勝ち取り、EURO2012にはフランス代表監督として参加している。

 

 

アル・ガラファSC

 

創設年:1979年

19-20順位:4位

ACL最高成績:ベスト8(2010)

監督:スラヴィシャ・ヨガノヴィッチ(2年目)

本拠地:ドーハ

ホームスタジアム:サーニー・ビン・ジャーシム・スタジアム(21175人)

☆ACL2021プレーオフ出場

 

カタールの有力チームの一つ。特に特にレフウィヤSC(現アル・ドゥハイル)が台頭するまではアル・サッドと共に2トップ的な存在とも言えて、アル・サッドを除くカタール勢が伝統的に苦戦気味なACLでも2010年にはベスト8まで進んでいる。実際、ここでプレーしたスーパースターはカタールの中でも多くDFマルセル・デサイー、FWジブリル・シセ(共に元フランス代表)、MFジュニーニョ・ペルカンプカーノ、MFゼ・ロベルト(共に元ブラジル代表)、MFヴェスレイ・スナイデル(元オランダ代表)といった面々がいる。また、2005年にガンバ大阪で33試合33得点を挙げて得点王とMVPに輝いたFWアラウージョは、加入1年目の07-08シーズンに27試合27得点を達成した。

ホームスタジアムのサーニー・ビン・ジャーシム・スタジアムは2022年カタールW杯の開催地にも選ばれている。また、2011年アジアカップ準々決勝では日本代表が開催国のカタールとここで激突。3-2で勝利した。

 

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アル・アハリ・ドーハ

 

創設年:1950年

19-20順位:9位

監督:ネボイシャ・ヨヴォヴィッチ(2年目)

本拠地:ドーハ

ホームスタジアム:アル・アハリ・スタジアム(12000人)

 

カタールに現存するサッカークラブとしては最古のチームであり、1950年の設立当初はアル・ナジャSCという名前。アル・アハリというチーム名はアラビア語圏内でかなり多いので混同しないように注意したい。近年は成績的には目立った成果を残せてはいないが、2003年には欧州以外の土地でのプレーを希望したジョゼップ・グアルディオラが多くのビッグクラブからのオファーを断ってこのクラブでプレーした。

また、本拠地であるアル・アハリ・スタジアムは1993年のアメリカW杯アジア最終予選に於いて、ハンス・オフト監督率いる日本代表がイラク代表と戦い、W杯出場を土壇場で逃した場所…即ち「ドーハの悲劇」の舞台でもある。一方、2011年にカタールで行われたアジアカップに於いては、日本代表の練習場として使用された。

 

 

 

小林祐希がいるのはアル・ホール。

ではでは(´∀`)