一時期U.S.A.をU.A.E.で替え歌して遊んでたわ
どーもこんばんは
さてさて、先日、日本代表MF中島翔哉がUAEのアル・アインFCに移籍しました。
ですので、今回は中国編、韓国編、カタール編に続く、アジアのサッカーリーグを語ってみよう企画第4弾、UAEのアラビアン・ガルフ・リーグです。
中東の有力国で、リーグ単位でもカタールやサウジアラビアと共に金満リーグの一つとして知られています。UAE代表の方はカタールと同様に成長曲線を辿っており、アジアカップでは2015年大会で日本、2019年大会でオーストラリアを撃破して2大会連続のベスト4に進出。オマル・アブドゥルラフマンのようなスタープレーヤーも出てきましたしね。
リーグの始まりとしては1973年。当初は実験的な意味合いの強いリーグとされていたので、正式にリーグと定義されたのは2001年でした。……実験長すぎ。2008年からは通信会社の名前を冠したエティサラート・プロリーグに改称。現在の名称になったのは2013年からです。
いくら仲があまり良くないとしても、近隣国である地理や基本方針が似通っているのか、カタール・スターズ・リーグとの類似点はやっぱり多いです。長所も短所も含めて。
まずはやはり、オイルマネーによる潤沢な資金を有しているところが第一。過去で言えばジョージ・ウェア、フィリップ・コクー、ファビオ・カンナバーロ、リカルド・クアレスマあたりがUAEでのプレーを経験しています。Jリーグからも何回か引き抜かれたね…(涙声)。また、カタールの「アスパイア・アカデミー」ほどの知名度は無くとも、UAEも「スパニッシュ・サッカー・スクール」という大規模育成組織に力を注いでいます。また、選手に相対して移籍金のハードルや年俸の高さなどが影響している事から自国選手が海外流出する事もほとんどなく、良くも悪くも国内のスターは国内リーグでプレーし続けているのはリーグの強みであり、同時に代表の弱みではあるのかもしれません。これはカタールやサウジアラビアもそうですし、タイなんかにも近い事が言えます。
リーグシステムとしては、基本的に1部リーグは14チームで構成されており、13試合×2の合計26試合で構成されています。降格は下位2チームで、ACLは上位2チーム+カップ戦王者にリーグ3位のチームがプレーオフへ。ここはJリーグと同じですね。
UAEは他の中東諸国とどうようにシーズンは秋春制で動いていますので、現在は20-21シーズンの最中。なので19-20シーズン終了時の順位表を見ていきましょう。ただし、19-20シーズンは新型コロナウィルスの影響で第19節をもって打ち切りとした為、正式な記録とはなっていません。
アラビアン・ガルフ・リーグ19-20順位表
1位 アル・アハリ・ドバイ
2位 アル・アイン
3位 アル・ジャジーラ
4位 アル・ワフダ
5位 アル・シャールジャ
6位 アル・ナスル
7位 アル・ワスル
8位 アル・ダフラ
9位 バニーヤース
10位 アジュマーバ
11位 アル・イテハド・カルバ
12位 ホール・ファカン
13位 ハッタ・クラブ
14位 アル・フジャイラ
カタールほど二強という状況ではありませんが、UAEは基本的にアル・アイン、アル・ジャジーラ、アル・アハリ、アル・シャールジャ、アル・ワフダといったチームが中心になって優勝争いを展開しています。基本的に優勝争い出来るチームとそれ以下がハッキリしていますね。これに関しては日本が特殊すぎる部分はあると思いますが…。
では、何チームかピックアップして紹介していきたいと思います。
アル・アインFC
創設年:1968年
19-20順位(参考記録):2位
ACL最高成績:優勝(02-03)
監督:ペドロ・エマヌエル(2年目)
本拠地:アル・アイン
ホームスタジアム:ハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアム(22717人)
☆ACL2021プレーオフ出場
UAEで最も知名度の高いチームで優勝回数も最多。カタール同様に集客力に悩むUAEだが、アル・アインに関しては一定以上の動員力を持つ。アジアクラブ選手権がAFCチャンピオンズリーグとして生まれ変わった最初の大会(02-03)の優勝チームで、UAEのクラブがACLを制したのは現時点でこれが唯一。開催国枠としては出場した2018年のクラブW杯では準決勝でリーベル・プレートを撃破してアジアのクラブとしては鹿島アントラーズ以来2チーム目となる決勝進出を果たし、決勝でレアル・マドリードと対戦した。
塩谷司が所属している事もあって日本人には馴染み深いチームの一つ。2017年の後半は鹿島から移籍したカイオ、そして広島時代もチームメイトだったドウグラスのJリーガートリオが揃っていた。2021年からはレンタル移籍ではあるがFCポルトから中島翔哉を獲得。元FC東京MFのケリー、元浦和FWのエメルソン、元清水FWのアレックスなどJリーグに所縁のある選手もかつて多く所属していて、一番有名な日本人選手と思われるオマル・アブドゥルラフマンもここの出身。
アル・シャールジャ
創設年:1966年
19-20順位(参考記録):3位
ACL最高成績:ベスト8(2004)
監督:アーメド・アル・ヤシ(4年目)
本拠地:シャルージャ
ホームスタジアム:シャールジャ・スタジアム(11073人)
☆ACL2021出場決定!
UAEリーグの初代王者で国内屈指の強豪チーム。昨シーズンはシーズンが打ち切りになった事で参考記録になっている為、現時点でのディフェンディングチャンピオンは18-19シーズンに優勝したこのチームになる。ホームスタジアムのシャールジャ・スタジアムはアジアカップ2019の会場にもなっており、日本代表もベスト16のサウジアラビア戦をここで戦った。
現在は鹿島での活躍が印象深いカイオを始め、ヨーロッパでのプレー経験も豊富なFWウェリトンなど優秀なブラジル人選手を揃えており、近年続く好調の勢いを維持している。また、2017年には鹿島などでプレーした元日本代表MF増田誓志がプレーした。
創設年:1945年
19-20順位(参考記録):6位
ACL最高成績:ベスト8(2016)
監督:クルノスラヴ・ユルチッチ(2年目)
本拠地:ドバイ
ホームスタジアム:アール・マクトゥーム・スタジアム(19000人)
ドバイに本拠地を置くチーム。ホームスタジアムのアール・マクトゥーム・スタジアムは2017年から2018年にかけて大規模改修が行われ、日本がベトナムとの準々決勝を戦う時には相当綺麗な最新鋭スタジアムとなっていた。かつてはワルテル・ゼンガやダン・ペトレスク、そしてチェーザレ・プランデッリといった名の知れた監督を招聘しており、2013年にはカターニャ時代にゼンガ監督の指導を受けた森本貴幸が入団している。
2016年にクラブ史上初めてACLで準々決勝まで駒を進めたが、この試合で一部選手のパスポート偽装が発覚して1stレグが没収試合になるというやらかしも起こしている。
創設年:1974年
19-20順位(参考記録):3位
ACL最高成績:ベスト16(2012、2014、2018)
監督:マルセル・カイザー(2年目)
本拠地:アブダビ
ホームスタジアム:アル・ジャジーラ・ムハンマド・ビン・ザーイド・スタジアム(42056人)
首都・アブダビに本拠地を置く強豪チーム。ホームスタジアムはアジアカップやクラブW杯の決勝を行ったシェイク・ザイード・スタジアムに次ぐ規模を誇り、アジアカップ2019でも準決勝でカタールとUAEの中東対決が実現している。
ここもUAE国内に於いて近年安定した成績を残しているクラブの一つで、16-17シーズンのリーグ戦を優勝した事で2017年のクラブW杯出場権を確保。準々決勝では浦和レッズに1-0で勝利し、更にベスト4では欧州王者レアル・マドリードをあと一歩のところまで追い詰める激闘を繰り広げた。近年の監督はオランダ路線を推し進めており、過去にはリベリアの怪人と称されたFWジョージ・ウェア、究極のユーティリティプレーヤーと名高いMFフィリップ・コクー(元オランダ代表)、セリエAでの活躍が印象深いミルコ・ヴチニッチ(元モンテネグロ代表)が在籍していた。また、アル・アインのイメージが強いオマル・アブドゥルラフマンは現在はここの所属である。
シャバブ・アル・アハリ・ドバイ
創設年:1970人
19-20順位(参考記録):1位
ACL最高成績:準優勝(2015)
監督:ヘラルド・サラゴサ(1年目)
本拠地:ドバイ
ホームスタジアム:アール・ラーシド・スタジアム(9425人)
☆ACL2021出場決定!
カタールにもエジプトにもサウジアラビアにもあるアル・アハリ。UAE国内でも安定した成績を残している。ただ、19-20シーズンでは13-14シーズン以来の優勝に向かって首位を快走していたが、惜しくも優勝チーム無しというシーズンになってしまった。2015年のACLではアディショナルタイムの劇的ゴールでサウジアラビアのアル・ヒラルを下して決勝進出。決勝では広州恒大に敗れたが、UAEのチームで決勝進出経験があるのはアル・アインとここしかいない。
2008年にガンバ大阪からFWバレーをぶっ込ぬいていったのはこのチーム。他には元ポルトガル代表FWリカルド・クアレスマも在籍経験があり、DFとして初のバロンドール受賞者として知られるファビオ・カンナバーロ(元イタリア代表)はここで現役を引退した。
カーモンベイビーアブダビ
ではでは(´∀`)