RK-3はきだめスタジオブログ

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2021明治安田生命J1リーグ監督名鑑Part2

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李ィだァァァァァァァァァァァァ

 

…から10年って聞いてなんか泣きそう

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、今回も前回の続きで2021明治安田生命J1リーグ監督名鑑の後編です。

詳しい企画概要については前編の方をご覧ください。

 

前回が湘南までやりましたので、今回は清水から。継続路線あり、大改革路線あり……!

 

 

 

ミゲル・アンヘル・ロティー

(清水エスパルス)

 

生年月日:1957年6月18日(63歳)

国籍:スペイン

現職:2021年(新任)

Jリーグ最高成績:J1リーグ4位(2020C大阪)

過去に率いた主なチーム:CDヌマンシア(93-94〜95-96、98-99)、セルタ・デ・ビーゴ(02-03〜2004.1)、RCDエスパニョール(04-05〜05-06)、デポルティボ・ラ・コルーニャ(07-08〜10-11)、東京ヴェルディ(2017〜2018)、セレッソ大阪(2019〜2020)など

過去の主な実績:UEFAチャンピオンズリーグGL突破(03-04セルタ)、コパ・デル・レイ優勝(05-06エスパニョール)、UEFAインタートトカップ(2008デポルティボ)、UEFAカップベスト32(08-09デポルティボ)など

 

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スペインで十分な実績を誇り、2017年の初来日以来早4シーズン目。東京Vとセレッソを2シーズンずつ率いたが、今のところ全シーズンで成功と言えるだけの成績を収めている。特にセレッソでの2年間は組織的にもかなりの完成度を誇った事から、退任が発表された瞬間からセレッソサポからのフロント批判は凄まじい事になっていた(後任が後任だったので更に火に油)。なぜか得点時に失点時みたいなリアクションをする事が定期的にネタとして取り上げられる。

組織的や守備構築に定評がある事で守備型監督のイメージが強い一方、監督が「良い攻撃の為の守備」を強調している通り、セレッソ清武弘嗣と坂元達裕のように、特にサイドアタッカーの攻撃面の個性はかなり活きたサッカーを展開している。ここ2年、守備組織が決壊している清水にとってはこれだけで大きな補強と言える人事。大型補強で駒も揃っているだけにロティーエスパルスの行末は果たして。

清水の大熊清GMセレッソの強化部長を務めていた際に東京Vからロティーナ監督を招聘している。そのパイプと信頼があるが故に、ロティーナ退任の報を聞きつけてから招聘へ動きは実に迅速だった。また、清水OBで現在は解説者の戸田和幸氏は将来の指導者業に向けた勉強としてロティーナ監督時代のセレッソのキャンプや練習に度々足を運んでおり、同じく清水OBの澤登正朗氏は2009年にS級ライセンスを取得する際、当時デポルティボ・ラ・コルーニャを率いていたロティーナ監督の下で1週間の研修を受けるなど、清水OBとの繋がりは実は以前からあったりもする。

 

 

マッシモ・フィッカデンティ

(名古屋グランパス)

 

生年月日:1967年11月6日(53歳)

国籍:イタリア

現職:2019年9月(3年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ3位(2020名古屋)

過去に率いた主なチーム:エラス・ヴェローナ(04-05〜06-07)、ACチェゼーナ(10-11)、カリアリ・カルチョ(2011.8〜2011.11、2012.3〜2012.10)、FC東京(2014〜2015)、サガン鳥栖(2016〜2018.10)など

過去の主な実績:1stステージ準優勝(2015FC東京)

 

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2019年の名古屋のホーム最終戦、ギリギリで残留を決めて挨拶を執り行った際は容赦ないブーイングを浴びせられた。前任者から真逆の監督を連れてきたというフロントの一貫性への批判という意味合いが強かったとはいえ、続投決定のリリースが出た時にも大きな批判も巻き起こった。それでも2020年はありとあらゆる記録を塗り替えた川崎でさえも名古屋の失点数には勝てず、見事2011年以来となるトップ3入りを達成。実際、2020年の上位陣は序盤で不振だったG大阪と鹿島、後半戦に勝ち星を落としたC大阪FC東京がいた中で、名古屋は川崎の次に安定していたと思う。大批判を自らの手腕で覆した。FC東京時代は2015年にACL出場権を手にしながらも同年限りで退任したので、今季は自身初となるACLに挑む。

長友佑都をイタリアに連れて行った張本人である事など来日前から日本通の監督として知られていた人物だが、日本に興味を持つそもそものきっかけは現役時代にJリーグクラブからのオファーがあった事で、実現はしなかったがそのJクラブというのが他でもない名古屋だった。またカリアリの監督時代、カリアリの会長といえば「息をするように監督を交代する」「クビにした監督を同じシーズン中に再就任させる」事で有名な名物会長マッシモ・チェッリーノだが、フィッカデンティ監督も11-12シーズンから就任して11月に解任されたにも関わらず、3月に再度招聘された経験を持っている。

MCハマーのインパクトが強すぎて若干薄れてしまった感があるが、昨年のデジっちでは千葉和彦(現新潟)の策略によりプールに突き落とされるなど千葉プロデュースの被害者となった。最終的には千葉をプールに突き落とし返してドローに持ち込んでいる。

 

 

宮本恒靖

(ガンバ大阪)

 

生年月日:1977年2月7日(44歳)

国籍:日本

現職:2018年7月(4年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ2位(2020)

過去に率いた主なチーム:ガンバ大阪U-23(2017〜2018.7)

過去の主な実績:J1準優勝(2020G大阪)、天皇杯準優勝(2020G大阪)

★2020J1優秀監督賞

 

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日本人初のFIFAマスターになれど「宮本監督」になれど、やっぱりなんやかんやで「ツネ様」が一番しっくりきてしまう。就任から2年は不本意なシーズンに終わり、夏場の不調時にはバッシングも起こったが、システムを4-4-2に戻してから怒涛の12戦無敗で終わってみれば2位フィニッシュ。宇佐美貴史アデミウソン渡邉千真、パトリックの4人のFWで2トップを組み合わせて途中で入れ替える鬼畜交代策は脅威を与えた。押し込まれる展開が多かった為に内容面では批判の声も上がったが、何より近年のガンバの課題だった世代交代と両立しながらJ1準優勝まで引っ張った功績は中長期的に見ても大きい。特に「遠藤保仁からの卒業」は宮本監督が監督である間にしか出来ない事だったとさえ思う。その辺りはアカデミースタッフから始め、ユース監督→U-23監督という段階を踏んでの就任だったのが良かったのかもしれない。ホーム最終戦などでサポーターに挨拶する際にはスタンドマイクではなくハンドマイクで喋るので、監督挨拶というよりもIT社長のプレゼンに見える時もある。

ガンバファン的な視点で言うと、前述の鬼畜交代策にも言える事だが「ベターを選択する事」にはかなり長けた監督と言えるかもしれない。その一方で、3バックこそ途中で断念したものの、昨季開幕前に掲げた「ハイプレス」はシーズン最後までガンバの指針として活き続けた。開幕戦の横浜FM戦と第33節横浜FC戦の先制点にどこか似通ったものを感じたのは決して偶然ではない。課題はあるとは思うが、これで西野朗監督、長谷川健太監督に続いて3番目に長い任期となった。宮本監督にとってもACLは未知の世界だが、あとはタイトルを獲れれば完璧。Jリーグ一華のある監督の「実」の部分をもっと知らしめるような成績に期待したい。宮本監督の下で獲るタイトルはもうずいぶん長い間ガンバファンが空想していた絵なのだから……。

ツネ様といえば現役時代からクールならキャラで通っていただけあって基本的にカメラの前では常に堅めの表情を見せる事が多い。だが第28節浦和戦、宮本監督が抜擢し手塩にかけて育てた髙尾瑠がJ初ゴールとなる決勝弾を挙げた事について聞かれた際は思わずニヤッと……全ガンバファンが萌えたとかなんだとか。ツネ様今年もよろしくお願いします!!

…余談ですが、私が最初にサッカーを見始めた時の代表キャプテンでして、当時私が所属していたクラブではビブスの5番を毎回取り合っていた思い出…。もうあの日々が15〜6年前なんだね……。

 

 

 

レヴィー・クルピ

(セレッソ大阪)

 

生年月日:1953年2月28日(67歳)

国籍:ブラジル

現職:2021年(新任)

Jリーグ最高成績:J1リーグ3位(2010C大阪)

過去に率いた主なチーム:アトレチコ・ミネイロ(1994〜1995、2001〜2002、2006〜2007、2014〜2015、2018〜2019)、クルゼイロ(1996、1998〜1999、2005)、サンパウロ(2000)、サントス(2017)、ガンバ大阪(2018〜2018.7)など

過去の主な実績:コパ・ド・ブラジル優勝(1996クルゼイロ、2014A・ミネイロ)、ブラジルセリエB優勝(2006A・ミネイロ)、J2準優勝(2009C大阪)など

 

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なんやかんや言いつつも実績には十分以上のものがあり、2001年にはブラジル代表監督候補にも挙がった。契約寸前まで行ったが「ロマーリオは招集しない」と公言した事が議論を呼び、協会は「ロマーリオかクルピか」の選択を迫られてロマーリオを選んだと言われている。香川真司乾貴士、山口蛍、南野拓実などセレッソの育成の成功例とされる選手は大体クルピ時代に活躍した選手であり、大失敗に終わったガンバ時代も福田湧矢、中村敬斗、食野亮太郎を最初にトップチームに抜擢したのもクルピだった。やっぱり若手を見る目は確かなんだとは思う。

セレッソとクルピの歴史を振り返ると、最初の就任はまだ若手監督の扱いだった1997年。順位こそ中位でクルピも1年でセレッソを去ったが、順位の割には満足度の高いシーズンを過ごしたらしい。そのチーム主力だったのが現在大炎上中の梶野智GMで、10年後…J2で低迷するチームの統括部長に就任して初仕事として行ったのが恩師であるクルピの招聘だった。2011年に退任したが、残留争いに巻き込まれた2012年に再び招聘。そして今年。4回も同じクラブの監督に就任した外国人監督なんて今後もそうそう出てこないだろう。今回なんてクルピが引退(とYouTuberデビュー)を宣言していたのに、である。もっと言えば2015年にもクルピを招聘リストに加えていたらしい。監督在任時は毎回「スイスホテル南海大阪」に住んでいる。あと始動日によく遅れて来日する。よく柿谷のこと言えたな(小声)

エピソードで言えば2013年にセレッソを退任して帰国する際、見送りに来たサポに「次に来日する時はガンバの監督だ」とジョークを飛ばしたら本当にガンバの監督になって帰ってきた話は有名。現時点でガンバとセレッソの両方で監督を務めた唯一の監督だが、ガンバでは散々な結果に終わり、それが今のセレッソサポの不安にも繋がっている。ちなみにガンバを解任されて帰国する際、見送りに来たのはセレッソサポだったらしい。

2013年終了時点でのクルピは間違いなくセレッソのレジェンドだった。前任監督の功績や退任プロセスもあって超逆風状態だがその行く末や如何に。というか柿谷さんこのタイミングで移籍かい。

 

 

三浦淳宏

(ヴィッセル神戸)

 

生年月日:1974年7月24日(46歳)

国籍:日本

現職:2020年9月(2年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ14位(2020神戸)

過去の主な実績:ACLベスト4(2020神戸)

 

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かつてキャプテンを務めた神戸に2018年にスポーツダイレクターとして復帰。三木谷浩史会長の下、強化部門の責任者としてクラブが掲げる「バルサ化」を推進し、アンドレス・イニエスタ獲得に際しては「全く聞いていない」と一芝居打つなど最前線で近年の神戸の補強戦略に携わった。三浦監督自身は横浜フリューゲルス時代にカルロス・レシャックという長年バルサのトップチームでコーチを務め、当時13歳のリオネル・メッシと紙ナプキンで契約したエピソードで知られる人物からの指導を受けており、その時の経験も三木谷会長とプロジェクトの方針を決めるのにも影響した。現在G大阪の監督を務める宮本監督が代表キャプテンだった頃の代表常連で、当時のチームでは影のまとめ役として宮本主将からの信頼も厚かったエピソードが知られている。

現在、クルピ監督と逆風がすごいJ1監督2トップ状態になってしまっている三浦監督。フロントとして監督を選ぶ立場にいた同氏に監督就任依頼が来た際は、フィンク前監督の後任を探しつつ自分にきた依頼を検討するややこしい状況だったという。監督就任後は3連勝スタートを決めるが、J1では3連勝以降の11試合で1勝1分9敗と悲惨な結果となった。ACLでは西大伍を前線で起用し、山川哲史を右SBにスライドさせてベスト4まで駒を進めるなど好成績を収めたが、バルサ化を推進した本人が割り切った戦い方で勝ち進んでしまう皮肉的な結末とイニエスタの強行出場の是非がリーグ戦の結果も重なり、現在進行形で神戸サポからは異論と批判が続出中。そもそも、三浦監督就任が発表された時は別の監督が就任するまでの繋ぎで、新監督が決まり次第退任してフロントに戻るものだと思っていた。だが、同じく楽天が親会社のプロ野球球団、東北楽天ゴールデンイーグルスでは石井一久GMが2021年より監督を兼務する事が決定している。もしかして三木谷さんこういう形を理想としてるの……?

現役時代は元祖無回転フリーキッカーとして知られていたが、現役を退いた今でもさらっと軽い感じでブレ球を蹴れてしまうことが神戸のACL密着動画にて確認されている。

 

 

城福浩

(サンフレッチェ広島)

 

生年月日:1961年3月21日(59歳)

国籍:日本

現職:2018年(4年目)

Jリーグ最高成績:J1準優勝(2018広島)

過去に率いた主なチーム:U-17日本代表(2005〜2007)、FC東京(2008〜2010.9、2016〜2016.7)、ヴァンフォーレ甲府(2012〜2014)

過去の主な実績:AFC U-17選手権(2006U-17日本)ナビスコ杯優勝(2009FC東京)、J2優勝(2012甲府)、J1準優勝(2018広島)など

 

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気がつけば「JFK」が公式ネタと化していた名物監督。毎年何かとおもしろネタを提供してくれる同氏だが昨年も絶好調。第33節柏戦で立て続けにイエローカードを受けて退場する(両チーム通じてカードを貰ったの監督だけ)、紫のジャージだったが故に青山敏弘が間違えてパスを出す等々。界隈では「受け入れがたい」といえば城福監督を指すワードになりつつあり、昨季も第10節浦和戦後に飛び出した。相変わらずのエンターテイナーっぷりである。一方、グラウンド内でもは就任以来安定した順位をキープしており、昨季は世代交代も促進。主力が引き抜かれる事の多い広島だが、その辺りのやりくりは上手くやっている。今季で広島を率いて4シーズン目となり、城福監督個人としては最長期間の指揮となる。

2005年から2007年にかけてはロンドン五輪世代にあたるU-15〜U-17日本代表の監督を務め、2006年にはAFC U-17選手権で優勝に導いた。この時のメンバーには柿谷曜一朗齋藤学水沼宏太山田直輝といった面々がいる。2007年に退任した後でFC東京の監督に就任したので世代別代表からFC東京に行ったイメージが強いが、厳密には代表(というよりJFA)の業務をFC東京から出向する形で行っていたので、その間も籍はFC東京に置いていた。現役時代は後の川崎フロンターレとなる富士通の選手で、引退後は一般職で働いていた時期もある。

 

 

 

ダニエル・ポヤトス

(徳島ヴォルティス)

 

生年月日:1978年6月23日(42歳)

国籍:スペイン

現職:2021年(新任)

過去に率いた主なチーム:U-19バーレーン代表(2013〜2014)、レアル・マドリードU-19(18-19〜19-20)、パナシナイコス(2020.8〜2020.10)など

 

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成績・内容の両面でチームに多大なる影響を与えたリカルド・ロドリゲス監督が浦和に引き抜かれるという緊急事態に陥った徳島だったが、基本的にはリカルド監督のスタイル・方針を受け継ぐとして同じスペイン国籍の監督を招聘。メディアでは「ポジェトス」「ポジャートス」などの表記も見られるが、Jリーグでの登録名は「ポヤトス」となる。近い将来にリカルド監督が引き抜かれる可能性は徳島のフロント側も十分認識しており、少なくとも1年前には既にリストには入っていたとの事。チームがレアルである事、またトップチームとユースチームでは評価基準が違うとはいえ、レアルU-19を率いたUEFAユースリーグでの成績は良かった。

プロ選手としてのキャリアは無いが、エスパニョールとバーレーン代表のU-19を経て、14-15シーズンにはアトレティコ・マドリードで分析コーチを担当。16-17シーズンと18-19、19-20シーズンはレアル・マドリードU-19で監督を務めている。また、パナシナイコスでポヤトス監督とタッグを組み、共に徳島に入閣したマルセルコーチはFCバルセロナの育成部門で長らく監督・コーチを務めていたので、レアルとバルサの下部組織の監督が組む形になっている。

しかし、監督が悪いわけでもとくしまが悪いわけでもないが……緊急事態宣言発令に伴う入国制限の影響でポヤトス監督は未だに来日さえ出来ておらず、隔離期間も含めると合流は最短でも開幕1週間前と言われている。。開幕戦に間に合わない可能性も十分に考えられ、これは監督にとっても徳島にとっても大きな痛手と言わざるを得ない。

 

 

長谷部茂利

(アビスパ福岡)

 

生年月日:1971年4月23日(49歳)

国籍:日本

現職:2020年(2年目)

Jリーグ最高成績:J2準優勝(2020福岡)

過去に率いた主なチーム:ジェフユナイテッド千葉(2016.7〜2016.12※代行)、水戸ホーリーホック(2018〜2019)

過去の主な実績:J2準優勝(2020福岡)

 

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J2の中でも中位以下が定位置である水戸を2019年には後一歩でプレーオフというところまで導いた功績を評価され、2020年から福岡の監督に就任。新戦力が多いこともあって序盤戦は苦しみ、一時は17位まで沈んだが、選手と戦術が上手く噛み合い始めてからは一気に大ブースト。「福岡は5年ごとに昇格する」というもはやオカルト感さえ出てきたジンクス通りに見事昇格を果たした。2位だが優勝した徳島とは同率であり、2019年の福岡は16位だった事を踏まえるとより一層手腕が光る。秋口の12連勝は圧巻という他なかった。

現役時代はヴェルディ川崎で主力としてプレーした後、川崎フロンターレを経てヴィッセル神戸で活躍。引退後は10シーズンという長期に渡って神戸のコーチとして働き、2015年にはV川崎時代の監督だったネルシーニョ監督の下でヘッドコーチも務めた。その縁もあって神戸の新監督候補という報道もあったが、シーズン終了直後に即座に契約を更新。ザワザワした福岡ファンを安心させた。

2003年にジェフユナイテッド市原で現役を引退した後は一時期プロゴルファーに転向。だが本人曰く「仕事にならない状態。要は下手だった」らしくサッカー界に復帰した。尚、Jリーガーとして選手名鑑に「趣味:ゴルフ」と書いていた時期があったが、逆に日本ゴルフツアー機構のプロフィールには「趣味:サッカー」と記載されている。

 

 

金明輝

(サガン鳥栖)

 

生年月日:1981年5月8日(39歳)

国籍:韓国

現職:2019年5月(3年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ13位(2020鳥栖)

 

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2020年に引き続き、今季も現段階ではJ1の最年少監督。5月で40歳になるが、開幕時点ではJ1唯一の30代である。

昨季は鳥栖にとって相当逆風が吹き続けるシーズンだった。鳥栖財政問題に端を発した主力の退団に始まり、8月には金監督も陽性判定されるなどクラブ内で新型コロナウィルスのクラスターが発生してより一層過密日程になるなど、降格が無いとはいえ大変なマネジメントを求められる一年だった。だが、鳥栖ユース出身の若手や大卒・高卒のルーキーを積極的に起用しつつ、順位も13位と最終的には十分な成績でフィニッシュ。Jリーグで最も平均年齢の低いクラブとして存在感を示した。

金監督も9月の月間最優秀監督賞を受賞。昨季は自身が鳥栖U-18で指導した選手がスカッドに多く絡むようになり、育成型監督としての評価もより高まりつつある。鳥栖の経営に関しては様々な批判が飛ぶが育成への投資の意味は大きく、アヤックスとの提携により金監督もアヤックスへ研修に行った事は今の鳥栖に活きているはず。

 

 

片野坂知宏

(大分トリニータ)

 

生年月日:1971年4月8日(49歳)

国籍:日本

現職:2016年(6年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ9位(2019大分)

過去の主な実績:J3優勝(2016大分)、J2準優勝(2018大分)

★2018J2優秀監督賞

☆2019J1優秀監督賞

 

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クラブ規模でかなり劣る中、残留どころか2年続けて残留争いとは無縁なところでフィニッシュ。1年目からは順位を2つ落とす形にはなったが、藤本憲明オナイウ阿道が抜けた中でも11位に持ち込み、鹿島の6連勝を止めた試合や川崎の優勝を阻止した試合など昨年にも増してJ1の曲者になりつつある。そんな大分を築き上げたのは間違いなく片野坂監督の功績があっての事。

コーチ時代はG大阪で西野彰監督と長谷川健太監督、広島でミハイロ・ペトロヴィッチ監督と森保一監督の下で師事し、コーチ時代の9シーズンでタイトルを10個も獲得するほどの貢献を見せ、特にペトロヴィッチ監督の戦術をベースにしながら西野監督や長谷川監督のエッセンスも取り入れつつ、今度は自分が選手やコーチに影響を与えるようなスタイルを作り上げた。今や「片野坂監督の指導を受けてみたい」という理由で大分を選ぶ選手も少なくない。

森保監督体制の広島でコーチを務めて事もあって2018年末には日本代表コーチに就任する可能性を報じられたりしたが、気がつけば今年で大分での監督業も6年目に突入した。今季は岩田智輝と鈴木義宜という「カタノサッカー」の象徴とも言うべき選手が退団し、必ずしもこれまで通り…とはいかないシーズンとなったが、きっと今季も新たな可能性を示してくれるはず。そうすればいよいよ次期日本代表監督として本格的に名前が上がってくるのかも。

 

 

 

誰が先に解任されるかとかいうゲスい勘定しちゃうサガ。

ではでは(´∀`)