ちなみに日本は決勝以外全部ニュージーランドです。
どーもこんばんは
さてさて、いよいよ本日のニュージーランドvsノルウェーの試合から【FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023】が開幕します!
女子W杯2023観戦ガイドはこちらから↓
2011年の優勝から干支が一周する時間が経過しました。
あの時からは元号も代わり、選手も代わり、監督も代わり、WEリーグなるものも出来た。ただ、代表チームの世界に於ける立ち位置は良い意味ではない形で変わってしまった。その中で放映権を始めとした諸問題であったり、世界的な潮流の変化が近年の大会の中で最も渦巻く今大会で、日本代表がどのような結果を残すのかは良い意味でも悪い意味でもこの国のサッカーを文字通り左右してきます。それだけに我々としても強く応援していきたいところ。
ところでこの2023年女子W杯、今回はオーストラリアとニュージーランドの共催となりましたが、元々は日本招致を目指していたことを皆様覚えておいででしょうか?
それは構想ではなく、日本は招致の為に具体的な計画・活動を行い、実際に2023年の日本開催を目指していました。ただし、諸々の事情により開催地決定の直前に撤退を公表。結果的に日本開催の女子W杯は未来へお預けという結果に終わっています。
そこで今回はブログを数回に分けて、日本開催が実現していた場合のスタジアムはどこだったのか、キャンプ地はどこだったのか、そしてなぜ撤退したのか…について振り返りつつ語っていきたいと思います。
Noteの創作大賞2023エッセイ部門に「東京オリンピック観戦(予定)日記」で参加しました。読んでね!!!
↓
Jリーグ30周年記念特集はこちらから!
↓
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
↓
まず日本開催が実現していた場合の開催スタジアムは以下の通り。
【北海道札幌市】札幌ドーム
【埼玉県さいたま市】埼玉スタジアム2002
【東京都】国立競技場
【京都府※】京都府立京都スタジアム(サンガスタジアム by KYOCERA)
【大阪府吹田市】市立吹田サッカースタジアム(パナソニックスタジアム吹田)
※京都府立京都スタジアムは京都府亀岡市だが、立候補は京都府として行なっている。
都市バランスや規模も考えると、おそらく開幕戦と決勝戦を埼スタと国立でそれぞれ分け合う形になって、日本戦は埼スタ・国立・パナスタといったところでしょうか。
各々のスタジアムの紹介については2020年6月に開催予定スタジアム紹介なるブログを書いたのでそちらを読んで頂きたいのですが、これを読むとまだ招致段階なので日本で開催する可能性があった状態で書いているんですね。タイムラグもこういう見方をするとなかなか面白い部分があるなあと思ったり。
さてさて、今回の8会場ですけど…
ちなみに今年の女子W杯は元々日本開催を目指していて、それが実現した場合は
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2023年7月14日
・札幌ドーム
・ユアテックスタジアム仙台
・埼玉スタジアム2002
・国立競技場
・豊田スタジアム
・サンガスタジアム by Kyocera
・パナソニックスタジアム吹田
・ノエビアスタジアム神戸
が開催予定会場だったそうで。 pic.twitter.com/a5aB5OHSg2
Twitterにも書いた時に結構ご反応を頂いたように、この8会場…なかなか興味深いラインナップなんですよね。
比較対象になってくるのはやっぱり2002年日韓W杯の会場リストになってくるんでしょうけど、あの時の会場は以下の通り。
《日韓ワールドカップ開催スタジアム》
【北海道札幌市】札幌ドーム
【宮城県】宮城スタジアム(キューアンドエースタジアムみやぎ)
【埼玉県】埼玉スタジアム2002
【神奈川県横浜市】横浜国際総合競技場(日産スタジアム)
【兵庫県神戸市】神戸ウイングスタジアム(ノエビアスタジアム神戸)
日韓W杯と2023年女子W杯に向けた準備過程の間には、日本サッカーの時代の変化とJFAのスタンスが大きく作用したように思います。
日韓W杯の際は大阪と茨城のみが改修となり、残りの8会場が新設スタジアムとなった訳ですが、当時は所謂「指定管理者制度」の概念が日本国内に殆ど浸透していない時代でした。という訳で当時のスタジアムは必然的に県や市が主体となって進める必要があり、県や市からすると…やっぱり陸上トラックを付けたりして、多種目に対応できるスタジアムにした方が良い訳ですよ。それは今の時代も同じであって。その点で言えば、日韓W杯を自分達の街で開催する為には具体的な建設計画が必要で、自治体からすれば具体的な建設計画を立てる為にはサッカーだけでは弱かった。新潟や大分がそれに該当しますが、日本国内の開催地選考に於いて「国体の開催予定があるかどうか」が結構明暗を分ける要素になったのはそれゆえなところもあります。
対して2023年女子W杯開催地として立候補した2019年には日本にも指定管理者制度の概念が根付いてきていました。
かつては指定管理者制度を導入していたのは鹿島アントラーズくらいなものでしたが、2015年に完成したガンバ大阪の市立吹田サッカースタジアム(パナスタ)は……まぁ、私がガンバファンである以上身内贔屓的なところは思われるかもしれませんけど、贔屓目を抜きにしてもパナスタの建設はこの国のサッカー界にとって相当エポックメイキングな存在だったんですよ。具体的にどういうスキームで建設したかは各種記事なりWiki辺りを読んで頂きたいのですが、ガンバのパナスタ建設が与えた影響として大きかったのは「"Jリーグクラブが主導する形でのスタジアム建設"の道筋をつけた」という部分で、それにより各Jリーグクラブはクラブが主導する形でのスタジアム建設の計画が一気に現実的になりました。
現に2019年に完成した京都サンガFCの京都府立京都スタジアム(サンガスタジアム)、来年から稼働となるサンフレッチェ広島の新スタジアム、新設ではなく大改修ですが、セレッソ大阪の長居球技場(桜スタジアム)辺りはまさしくこの流れに沿うものでしたし、それぞれがそれぞれに問題を抱えているとはいえ、J2クラブも具体的な計画を抱き始めるようになったのはやっぱりガンバのパナスタ完成が一つのターニングポイントだったように思います。
そういう流れが日本国内に醸成されてきたタイミングで、JFAも日本代表戦に於いてはその流れに沿うような動きを見せてきました。
従来は国内の代表戦は主に日韓W杯で使用された陸上競技場を中心に開催してきましたが、近年は…例えば日産スタジアムや国立競技場のような大型陸上競技場での試合は極端に減少し、豊田スタジアム、パナスタ、ノエビアスタジアム神戸辺りの試合開催が激増した…豊スタはともかく、パナスタやノエスタはキャパシティとしてはそこまで大きくないにも関わらず日産や国立を差し置くような立場になってきたんですね。要は、この女子W杯ぐらいのタイミングでJFAは「日本代表戦は極力陸上トラックのないスタジアムで開催する」という方針になっており、それは即ち日本国内のサッカースタジアム事情がそれが可能な状態に追いついてきた…という事でもありました。
その意味で女子W杯で使用される予定だった8会場は、実にサッカースタジアム事情の進歩に伴うJFAのスタンスが実に色濃く出たチョイスでした。
勿論、男子W杯ほどキャパシティにこだわる必要がないという部分も影響していますが、8会場のうち札幌ドームを含めれば7会場が陸上トラックのないスタジアムですし、唯一の陸上競技場である国立競技場に関しては新しいシンボルとしてリストに加える意義がある。これが男子W杯となれば当然事情は変わりますが、少なくとも日本が女子W杯用に提示した8会場は日韓W杯の時点では叶うとも思わなかった"サッカーを楽しむためのスタジアムリスト"をまさしく揃えてみせた…とでも言うべきでしょうか。
幻に終わりましたが、JFAが予定していた会場リストはハード面でのサッカー界の軌跡をなかなか表しているようで、そういう意味ですごく面白いリストだったなぁと。
関西ヒャッハー
ではでは(´∀`)