私ね、あんまりアウェイ遠征に行けるタイプじゃないんです。
それはもちろん性格的なものもあるでしょうし、事情的な部分もある。いずれにしても、行く理由が2つ存在しないとなかなか遠征に踏み切れない…みたいなところがあるんですね。だから逆に言えば、別の用事で関西を出たらばどれだけハードスケジュールになろうがサッカーか野球の観戦をブチ込むようになり、複数の予定を作り出せば1週間でもスケジュールを捻出する両極端な生き方をしている訳ですけれども(去年の東京3試合観戦物語とか)。
結局のところ、私は特に遠出する際には予定を詰め込むのが好きな反面、シンプルな理由で旅に出れない。そこにさえ行けばサッカースタジアムも陸上競技場もアリーナも野球場もあるような複合的なスポーツ施設のことを「スポーツ・コンプレックス」と呼びますが、私としては遠出するなら「スケジュール・コンプレックス」のような状態にしたい。一度新幹線に乗れば、次に新幹線に乗るまでにやるだけやり倒して帰ってくるような。2つの予定を1つの塊にする事でやっと動き出せるタイプだったりするんですね。
それでもさすがに1月の出来事、J1の2024年のスケジュールが発表された時。これは正直行きたいと思ってしまいまして。
5月15日にヴェルディとやれるのクッソ熱い
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年1月23日
言うまでもなく、ヴェルディのJ1復帰は2024年のJリーグにとって大きなポイントでした。だからこそJリーグは開幕戦に国立競技場での東京ヴェルディvs横浜F・マリノスという舞台を用意した訳ですが、そのヴェルディvsマリノスが31年前に行われた5月15日に、Jリーグは東京ヴェルディvsガンバ大阪というカードを組んできた。1年遅れたとはいえ、ヴェルディが16年ぶりのJ1で「5月15日の試合を戦う」という事は特別以外の何者でもない。その相手がガンバ大阪に…かつてヴェルディに1-7で敗れ、時のチェアマンに「消えてなくなれ!!」とまで言われたチームが、近年は低迷中とはいえ鹿島に次ぐタイトル数を持つよくになったガンバ大阪として迎え打つ……これは行きたい。Jリーグファンとして、ガンバ大阪のファンとして。でもどこか踏ん切りがつかない。
そんな折、とんでもないニュースが飛び込んできました。
今でも覚えてますわ。深夜にランニングしている最中、ふとスマホを開き、ふとXを開き、そのポストは突然に降り注いできました。
1997年に生まれ、高校生の時にBOØWYにハマった私にとって、BOØWYはもう2度と見ることのできない、過去をなぞる事でしか感じることのできない、永遠にリアルタイムで体感できない存在である事が生まれた時点で確定していた。それは理解していましたし、そこに未練はありませんでした。
ですがCOMPLEXは話が違う。彼らは一度だけ、私が中学生の時に再結成をした。リアルタイムは一度だけ、自分の気付かないとなりをすり抜けていた。あと3〜4年ハマるのが早ければ、決して東京ドームには行けなかったとしてもリアルタイムでその熱を体感できた……BOØWYの2度目、COMPLEXの3度目なんて無いと思っていただけに、その未練はずっと燻っていた。だからこそこの発表が、決して開催するきっかけは誰にとっても望ましいものではなかったとしても──自分にとっての未練が「ビーマイベイベー」の音を立てて駆け寄ってきた気がしました。
…まぁ、でも普通に東京ドームのみの1DAYか2DAYSだろうな。日付は……
振り返ってみましょう。
普段は自分の不幸ばかり嘆くクソ陰キャ丸出しのRK-3ですが、この時ばかりは自分は神に選ばれた人間なんじゃないかと本気で思いました。
言ったら別に、15日だって申し込んじゃえば良いのに16日の申し込みに全ツッパしたのは私の気合いの表れでもあるのでしょう。こんな神に選ばれたようなスケジュール・コンプレックス、絶対に成就させるしかない────。
5月15日、私は東京へ向かう新幹線に乗り込むのでした。
そう、2枚のチケットを握りしめて。
↓
↓
【オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。】
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という訳で出発。
海の幸。
山の幸。
港区男子。
奈良と鹿。
田舎者としては、品川駅の通路ですら「あ、これニュースでよく見る場所やん」的なテンションの上がり方をします。
港区男子にはなれそうにもありません。
所詮私は京都市男子です。
そんなこんなで調布まで流れ着きました。
やっぱり初めて行くスタジアムというものは何歳になっても興奮するもの。
ましてや味の素スタジアムなんて日本でもトップクラスの大型スタジアムですからね。
外観を見た時の迫力、中に入った時のスケール感には思わず「おぉ〜…」っと唸ってしまうものがありました。
そうなると人はバスロマンになるわけですね。
ワイのこの写真既視感あるなあと思ったら藤原紀香のバスロマンでわろてる pic.twitter.com/fEAkwlJCJX
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年5月15日
ちなみにこの日は復刻ヴェルディのファンクラブ会員を対象に抽選が行われ、当選者は復刻版Jリーグカレーがもらえるという企画も。
抽選の参加権利持ってないくせに私も意気揚々。気分は藤岡弘探検隊です。
まさお!!まさおどこや!!!! pic.twitter.com/J87isrlVUI
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年5月15日
はたしてまさおとは本当にラモス瑠偉なのか。その謎を解明すべく、我々は東京……我々はアジスタの奥地へ向かった――
まさおほんまにいて草 https://t.co/y6tVsMsFpC pic.twitter.com/L5z5itAyKS
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年5月15日
一瞬で見つかった。
びっくりしました。
まさか至近距離でまさお改めラモス瑠偉を見れるとは。
それも5月15日という特別な日に、ヴェルディのスタジアムでラモス瑠偉を見れるとは。
そんなこんなでスタジアムにin。
味スタのスケール感も昂りましたが、リボンビジョンを用いた演出がなかなか素晴らしかったです。場外の照明も常に緑に照らされていましたし、試合中もリボンビジョンにずっとクラブカラーが映し出されていた。映像と照明を用いた雰囲気の作り方は見ていて楽しかったですね。逆にFC東京の青赤verだとどうなるかもどこかで見てみたいところ。
そういえば味スタ、タコライスが異常に美味しかったです。
まぁ、試合に関しては…ね。なかなかにお塩な試合ではありましたが、お塩という事は逆に言えば崩れるような場面もなかったという事でありまして。
そこは今季のガンバの良さ、粘り強さをしっかり継続できていることの表れでもありましたから。塩ながらもチームとしては悪くないドローだったという解釈がベターなゲームだったなと。サンガファンも兼ねる立場としては山田楓喜と木村勇大も見れたし。
そういえばオリンピックの記念看板もありました。
という訳で1日を終えてホテルへ。
調布市自体はFC東京のホームタウンなのでFC東京に寄った装飾ではありましたが、駅内部のこういう装飾は2クラブがホームとしているからこその演出でしたし、こういうのを見るのはちょっと興奮しましたね。
話は戻り、ラモスさんがカレー配ってた時の話。
この日のラモスさんの役割ってJリーグカレーの当選者に対するプレゼンターだったんですけど、一人一人に「ありがとうございます」「(当選)おめでとうございます」以上に二言三言喋りかけながらカレー渡しいたんですね。メディアやらなんやらを見ていても気さくな人のイメージはありましたから、最初は単にめっちゃファンサええな〜くらいに思って遠巻きに見ていたんですよ。
ただホテルに帰って、少し時間を置いて考えたら…それこそJリーグ草創期のあの時代の中心に生きた人間の矜持みたいなもの見たな〜って考え方にもなって。ラモスさんの元々の人間性も重なったものではあるんでしょうけれど、Jリーグが開幕した1993年頃のあの時代の選手って、自分達の露出度を単純な宣伝活動ではなく死活問題として捉えていたと思うんですよね。今でこそサッカーはこの国のプロスポーツの中でプロ野球に次ぐ立場、プロ野球と2トップにすら近い位置にいる訳ですが、当時は日本代表人気も大して無かったですし、まずは自分達の存在を知ってもらう、自分達の存在を押し出していく必要があった。ラモスさんに限らず、あの1993年やそれ以前のJSL時代からそういう事を考えて骨を折るようにJリーグとサッカーをアピールしてくれた。そういう先人達の積み重ねと努力の上に、こうして2024年シーズンのJリーグを迎えたんだろうなと。ファンの我々からすれば改めて感謝しなければならない光景であり、彼らからすればこの光景への感慨はすごく大きかったと思います。1993年のユニフォームを来たおじさんが2024年のユニフォームを着た子供を連れて来たりとか…ね。
5月15日という日に、ヴェルディのホームスタジアムで、オリジナル10の試合前にラモス瑠偉のそういう姿を見ることが出来たのは自分にとっても貴重な一瞬でした。
ちなみにモネールは見逃しました
ではでは(´∀`)