RK-3はきだめスタジオブログ

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What did you say now?〜2025明治安田J1リーグ第12節 FC東京 vs ガンバ大阪 マッチレビュー&試合考察〜

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ここは国立、東京のど真ん中や

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第12節、FC東京 vs ガンバ大阪の一戦です!

 

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あまりにも揺れ動くものの大きい今シーズン。「スタートダッシュ」に弱いと言われがちなガンバですが、なんやかんやで「開幕から絶望的に勝てない」というシーズンと2020年や昨年みたいに「上位戦線に食い込めてる」というシーズンはハッキリ分かれていたので、今季のようにここまで勝ったり負けたり…なシーズンは意外とレアなんじゃないか、とも思います。

それこそ去年のチームのように…ガンバがここから上位戦線に食い込んでいく、タイトルを狙えるような、ACL圏内を掴めるようなシーズンにする為には、そろそろ上昇気流に身を投じないと手遅れになってしまう……名古屋戦の快勝から一転、様々な感情渦巻く前節横浜FC戦は悪いとまでは言わずも消化不良を否めないドローに終わりました。とはいえ、それでも負けなかった事、少しずつ去年の何が良かったのかを取り戻しつつある事、それはポジティブな材料でしょう。

舞台は国立。新国立になってから、ガンバにとっては良い思い出のないこのスタジアム。宮本ガンバも、そしてポヤトスガンバでも10個目の星を掴み損ねたこの場所が、今新たに10個目の星に手を伸ばす踏み台になるような、そんな一勝と思い出を紡いで欲しいところです。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは0-0で引き分けた前節横浜FC戦からのスタメン変更は一人。ネタ・ラヴィは前節に引き続き欠場となりましたが、前節倉田秋が先発していたところを今日は美藤倫がスタートに名を連ねました。それ以外は横浜FC戦と同様のスタートメンバーです。一方、ベンチにはここ2試合を欠場していた宇佐美貴史が第9節柏戦以来の復帰を果たしています。

8戦未勝利のFC東京C大阪と引き分けた前節から先発を5人変更。その5人もここまで先発じゃない試合が3試合の橋本拳人、2試合の仲川輝人、1試合の白井康介と俵積田晃太、全試合先発の高宇洋がベンチスタートとなり、代わりに第6節以来の先発となる長友佑都、第4節以来のマルセロ・ヒアン、第3節以来の小泉慶、今季初先発の東慶悟と遠藤渓太が抜擢。15歳の北原槙は2試合連続の先発です。

 

 

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

 

 

J1第12節及びJ2第11節は、ACLE組の試合と3試合を除いて金曜日開催、フライデーナイトJリーグとして開催される異例の日程となりましたが、その中でも最も目玉カードとして扱われているのがTHE国立DAYとして開催されるこのカードでしょう。FC東京国立開催では恒例となった特別演出の他、FC東京OBの石川直宏氏とタレントの堀田茜氏のトークショーの開催、そして今季のJリーグのテーマソングとなっている「For Decades」を歌うLittle Glee Monsterのライブも実施されます。

新国立競技場で初めてJリーグ公式戦が行われたのは2022年4月29日、ちょうど3年前。その時の対戦カードはまさしくFC東京vsガンバ大阪でした。0-2で負けたあの日からホームでの国立開催の敗北を知らないFC東京と、2020年2024年の天皇杯決勝…そこで「届かない1点」に泣いて銀を背負う悔しい思い出を残しているガンバ。未練を断ち切る場所は、その燻りが渦巻くこの場所しかありません。

 

 

 

 

7分にはガンバのビルドアップをカットしたところからマルセロ・ヒアンが決定機、9分には遠藤渓太が鋭いミドルを放ち、いずれもGK一森純が好セーブするなど立ち上がりからFCに好機を作られましたが、とはいえ構図としては劣勢というほどではなく、ガンバも基本的に自陣からビルドアップを通して前進しつつ、攻撃に寄った人選となっているFC東京の左サイドを山下諒也のスピードで狙うなどチームとしての狙い、ビジョンはある程度実践できた立ち上がりになっていました。

一方、7分のボールロストのように少しラインが低くなるとFC東京のハイプレスにやや出口に戸惑う形にもなった他、13分にも佐藤恵允のスルーパス小泉慶が飛び出すなどFC東京のスピードとスペースへのインパクトを徹底的に狙う攻撃を前に、守備陣は相手のアタッカーを後ろから追いかける場面が頻発するなど守備対応はやや後手に回る展開で試合は始まる事に。

 

 

 

若干刺すか刺されるかのような試合になりかねない雰囲気が仕上がりつつありましたが、ガンバもFC東京の猛攻のような時間を凌ぎ切った後、最終ラインである程度落ち着いてボールを持てるようになったタイミングでしっかり時間を作りながら前進できるようになってくると、ビルドアップの最終ラインを押し上げた状況で試合を固められるようになっていきました。

23分、鈴木徳真の絶妙なロングボールに対して抜け出した半田陸が折り返すと、走り込んだイッサム・ジェバリがループ気味なシュートで合わせて先制…かと思われましたが、ジェバリがシュートを打った後の半田が相手選手をオフサイドポジションでブロックしたとしてVARの末にノーゴールに。

 

 

 

前半終了間際にはガンバは満田誠、FC東京はマルセロ・ヒアンが決定的な場面を迎えましたが、どちらも最後はどうにか阻止。

お互いにボール非保持ではやや対応が後手に回る場面はありながらも、攻撃の狙いは明確に、特にガンバはそこのビジョンをクリアにしながらプレーできていましたが、前半は0-0で終了します。

 

 

後半最初のチャンスはガンバ。後半開始早々に満田の遠い位置からのフリーキックにジェバリがフリーで反応しましたが、シュートが上手くヒットせずに枠の外へ。

後半はお互いの狙いは基本的に前半と同じながら大きく形勢が動く場面が訪れない中で、FC東京は62分に北原、長友、東を下げて俵積田晃太、白井康介、そして古巣対決となる高宇洋を送り込みます。より前線に対して圧力をかけるように押し込んでくるFC東京と、その背後をどうにか翻したいガンバという構図へ。

 

 

 

後半はお互いに決定機が少ない中で、FC東京は71分に遠藤を下げて橋本拳人、そしてガンバはアラーノを下げて復帰戦となる宇佐美、80分には山下と美藤を下げて岸本武流と倉田秋を送り込みます。

74分にはロングボールにする対応で後手に回ったところを佐藤に突かれて後半最初の決定機となりましたが、佐藤の決定的なシュートはGK一森がファインセーブ。その後はガンバが高い位置でボールを動かす時間が続いていたものの、アタッキングサードに入るところでの打開に乏しく、良くも悪くもFC東京のターンではオープン、ガンバのターンではクローズドな流れとなる試合展開で終盤に入っていきます。84分には前線でのルーズボールを収めたジェバリがフィニッシュに持ち込みますが枠の右へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

【筆者より大事なお知らせ】

普段はここから先、試合経過、試合推移を辿りながら試合考察に進んでいく形式をとっておりますが、ここから先の試合推移を書くのがあまりにも精神が追いつかないのでカットです。このまま試合考察とまとめに移ります。許せ。というかガンバファンも読みたくないやろあの推移。

 

 

 

展開としては互角というか、どちらにとっても良い面、悪い面で凸凹がハマったような試合展開だったと思います。その上でこの試合はFC東京が主導権を握り続けていたゲームという訳では無いながらもFC東京次第のゲームと言いますか、特に後半は「FC東京が刺し切るか崩れるかのどっちが先か」というゲームだったんじゃないでしょうか。基本的にオープンに引き摺り込みたいFC東京と、そこからクローズドに引き戻していきたいガンバのせめぎ合いというか。

同じ国立で行われた柏戦もそうでしたが、FC東京はボールポゼッションを重視してくる相手にはかなり思い切ったハイプレスとショートカウンターに割り切った戦い方をしてくる傾向があるんですよね。それは柏戦でもある程度機能していましたし、ガンバも立ち上がりはかなり苦しんで、FC東京に押し下げられた状況を固められた事で、ビルドアップから中盤でボールを動かせるような状況に持っていくまでの距離を多く課せられる形になってしまったんですね。一方で、ガンバも、少なくとも守備に強みを持つ選手が並んでいる訳ではないFC東京の左サイドに対し、立ち上がりから山下の背後への抜け出しとそこに対する半田のインサイドに走るフォローを上手く活用しながら攻撃のアプローチを出来ていました。山下が抜け出せるようならそのまま行けばいいし、対応されれば半田に繋いだところから組み立て直し、FC東京が高い位置を取れない状況にしていく。それこそ取り消された半田のゴールの場面もそうでしたが、その狙いはチームとして共有出来ていましたし、攻撃のアプローチのビジョンと背後への守備対応の不安は両チームが形は違えどお互いに持っていた部分でした。

 

 

 

後半に関しては…いわゆる「ガンバがやりたい設定」というような状況は作れていたとは思います。ビルドアップのスタートラインをなるべく高く保ちながら、ジェバリと満田→宇佐美のセンターラインでボールを動かしながら両サイドがアクションを起こす、そこで二本、三本とパスを繋ぐ…といった具合に、全体的なリズム感は決して悪いものではなかったです。結果としては選手交代後に一気に3点を取られる格好になった事でそこに批判の焦点が当てられやすくなっている部分はありますが、今日に関しては選手交代の後も後半のガンバがやっていた優位性は保てていましたし、悪い意味で分岐点になった…という事は別になかったと思います(交代選手が結果を出したFC東京と比べると交代で良くなったという訳でもないけれど…)。例えばGK野澤にキャッチされましたが、72分の鈴木のシュートに至る流れはある程度狙っていた形だったでしょうし、そういう場面を創出する為の土台を後半は作れていた事は確かです。

ただその中でガンバは84分のジェバリのシュートシーンのように選択肢の中で迷いが生じていたのに対し、FC東京の狙いはシンプルかつ、全員のベクトルがこれでもかとハッキリしていました。ガンバがそういう設定に試合を持っていった以上は割り切って固めて守る。ボールを持った暁には、それがロングボールでもカウンターでも高い位置を取っていたガンバのSBをとにかく剥がし、FC東京の攻撃陣がトップスピードの状態でインサイドを駆け上がる…と。俵積田の得点シーンもそうですしその前の佐藤が迎えた決定機もそうですが、FC東京は徹底してそれを繰り返していて、必然的に中谷や福岡は相当消耗させられていた。「決定機は少ないけど押し込めてはいるガンバ」「劣勢だけど決定機は相手よりFC東京」…試合がこの構図になると、勝負は「FC東京が刺すか崩れるか」に集約され、そして先制点を取られた方が漏れなく心が折れる。そこにガンバの流れの悪さが輪をかけた。悪循環って全てがダメなゲームよりこういうゲームの方でより可視化されたりするので……。世の定理というか、そういう側面に忠実なゲームではあったのかなと。

 

 

J1第12節分のうれしはずかしじゅんいひょうのコーナーは京都サンガFC vs 横浜FCのマッチレビューページに記載しています!

 

 

さあ、ワイクラシコ

ではでは(´∀`)